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eスポーツチーム「FNATIC」は何故“ハローキティ“とコラボをしたのか。「FNATIC NIGHT」で語られた今後の戦略

11月15日 開催

会場:WeWork アイスバーグ

 eスポーツチーム「FNATIC」は、ビジネス交流会「FNATIC NIGHT」を東京・WeWork アイスバーグにて11月15日に開催した。

 今回の交流会はサンリオの看板キャラクターでもあるハローキティとのコラボレーション企画を行なうに当たって開催されたもの。イベントには「FNATIC」の「レインボーシックス シージ」のチームに所属するメンバーやハローキティが登場し、記念写真撮影や、eスポーツビジネスに関するディスカッションが行なわれた。

「FNATIC」デザインのハローキティ。ヘッドホンとジャージを身に着け、腕を組みいかにも“プロゲーマー”っぽい印象となっている
今回の会場の外観

 最初に、「FNATIC」が考えるエンターテイメントの未来という題目でファウンダー&CEOのサム マシューズ氏が登壇した。概要としてeスポーツが近年どのような成長を示しているかの説明がされた後、「FNATIC」がどのような取り組みを行なっているかの説明がなされた。当チームは「eスポーツにおける活動」、「パートナーシップを広げる」、「グッズの展開」という3つの柱を主軸として活動をしている。また、「FNATIC」の日本での今後の取り組みとしては「『レインボーシックス シージ』チームの東京をベースにした取り組み」と「チームのファンの人とのつながりを増やすこと」。また「新たなブランドとのコラボレーション」、「『FNATIC』の新たなグッズの展開」といった4つの活動目標も示された。

 次は「本当に強いeスポーツチームを作る秘訣とは」ということで「レインボーシックス シージ」のコーチを務めるジェイデン“ディズル”サンダーズ氏と、同じくキャプテンを務めるエチエン“マグネット”ルソー氏が登壇して、一問一答形式で事前に募集された多くの質問に答えてくれたのでその一部を紹介する。

 マグネット氏に対し、キャプテンとしてどのようにメンバーに接するかという問いに「長期的な目標を示し、チームが1つになれるようにまとめる。また、メンバーのモチベーションを上げられるようにも努力をしている」と述べた。「レインボーシックス シージ」のチームにおいてアナリスト(結果やデータの統計を解析する人)は何名いるのかという質問に対してはコーチのディズル氏が回答し、現在は自分1人でこなしているが、今後は人員の増加も考えているとコメントした。1日にこなす練習時間はどれくらいなのかという質問では、1日約10時間の練習時間を設けており、それぞれ休憩やミーティングを含めて行なっている。日本に滞在している期間中は、練習が終わると毎晩ラーメンを食べに行くのが日課だ。というマグネット氏のチャーミングな回答が会場を沸かせた。

 最後に「世界のeスポーツ事情とeスポーツプロダクトのブランディング戦略」では多くの質問が投げかけられた。今回のハローキティとのコラボレーションの意図は「FNATIC」ブランドを拡張するためで、世界のブランドとの提携を深めたいという意思があるそうだ。当チームから発売されるグッズはマーケティングチームがすべて監修しており、選手たちからはパーカーやマウスパッドといったラインナップを追加してほしいという要望が多いこともわかった。また、今後コラボしたい企業について聞かれると、魅力的な企業は多いが、その中でも若い世代に多くの情報を発信できるような企業とコラボしたいとのこと。

 これからマーケットはどう成長していくと考えているかという質問には、ライフスタイルの一環としてeスポーツをより取り込んで貰えるようにすることで、人を通して広がっていくのではないかと語った。それにより、eスポーツに今はあまり興味が無い客層にもアプローチしていきたいとのこと。今後ともeスポーツシーンやそれ以外でも活躍の幅を広げる「FNATIC」に注目していきたい。

遅い時間からのスタートであったにもかかわらず、多くの人が来場していた
会場に来ていた「FNATIC」の選手たちとハローキティ