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全国高校対抗eスポーツ大会「Coca-Cola STAGE:0 2019」決勝大会2日目、逆転に次ぐ逆転の激闘で「LoL」部門“初代”優勝校が決定!
2019年8月16日 11:47
テレビ東京と電通は、全国高校対抗eスポーツ大会「Coca-Cola STAGE:0 2019 FINAL STAGE 決勝大会(以下、STAGE:0)」を8月14日より8月15日に舞浜アンフィシアターにて開催した。
「STAGE:0」は、高校生を対象としたeスポーツ大会だ。決勝大会は、8月14日より8月15日までの2日間開催され、1日目は「フォートナイト」と「クラッシュ・ロワイヤル」、2日目は「リーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)」の決勝戦が行なわれた。本記事では、2日目に行なわれたPC用MOBA「LoL」の決勝大会の様子をお届けする。なお、1日目の大会の様子は、こちらの記事に掲載している。
「LoL」部門の決勝大会には、エントリー総数49校60チームの中から予選を勝ち抜いた8チームが参加した。シングルイルミネーションのトーナメント戦で、決勝戦は2本先取、決勝以外は1本先取で勝ち抜けというルールで行なわれた。
決勝大会という大舞台での1本先取は、1回のミスも許されないシビアな戦いになるため、個人的には消極的なプレイが多くなってしまうのではと思ったが、不要な心配だった。ヤスオやアカリ、キヤナ、サイラスのような攻撃的なチャンピオンが多く使用されたり、ソロキルが発生するほど積極的に攻撃を仕掛けたり、相手サイドのジャングルに入るリスキーな行動「カウンタージャングル」を行なったりと、好戦的なプレイが多かった。プレッシャーを感じるであろう決勝大会という舞台で、失敗を恐れずに全力で戦う"若さ"を感じさせるプレイに会場の盛り上がりが絶えない大会となった。
本大会初戦となる準々決勝は、4試合同時に開始された。壇上で行なわれた試合は、「ルネサンス大阪高等学校」対「札幌新陽高等学校」の1試合だけだが、観戦者には各試合の配信ページに繋がるQRコードが配られており、好きな試合を手持ちのスマートフォン端末などで観戦できる仕組みになっていた。配信に力を入れている本大会ならではの新しい取り組みだ。
また、準決勝からはマルチアングル配信が導入された。マルチアングル配信とは、各チーム各プレーヤーごとに、視聴者側でカメラを切り替えられる配信のこと。応援している選手のプレイを集中して見たり、応援しているチームの視点で見たりできる。「LoL」の日本プロリーグである「LJL」でも導入されていない配信方法で、自分の好きな視点で選手のプレイを見れるのは非常に画期的に思えた。
ゲームストリーミングサイト「Twitch」では、すでに同じような機能の配信が行なわれることがあるものの、まだまだ根付いてはいない。画面が目まぐるしく動くeスポーツとの相性が良さを感じられたので、今後eスポーツ配信での新たなスタンダードとなる予感がした。
優勝はN高! 二転三転と試合展開が移り変わる2試合目に会場が沸いた!
決勝戦は、本大会の優勝候補と言われていた「学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校(以下、N高)」対「岡山県共生高等学校(以下、岡山共生)」。「N高」と「岡山共生」は、「第1回 全国高校eスポーツ選手権」の準決勝で戦った過去がある因縁の組み合わせだ。そのときは「岡山共生」が勝利しており、「N高」は試合後のインタビューで、「岡山共生」へ"リベンジ"するため、決勝へと勝ち進んでくることを望んでいたと語った。「N高」にとっては、「STAGE:0」の決勝戦というだけでなく、半年前のリベンジをかけた大きな試合となっていた。
「N高」と「岡山共生」は、お互いにボットレーンにエース選手をおいたチームなので、試合が始まる前からボットレーンを中心に試合が動くことが予想された。しかし、実際にはボットレーンだけでなく、全てのレーンでバチバチのレーンファイトが行なわれた。決勝戦という大舞台でリスクを恐れず戦う積極的なプレイから、“相手のチャンピオンを倒してやる”という気持ちが痛いほど伝わり会場は盛り上がった。
中でも、2試合目は、この日一番の盛り上がりを見せた試合と言って間違いないだろう。序盤は、「N高」がテレポートで人数差を作りだし「岡山共生」を翻弄していたが、中盤にケネン、ジャーヴァンIV、ヤスオの強力な範囲攻撃で「岡山共生」が集団戦を制し一気に逆転。その後、徐々に徐々に「岡山共生」が有利の幅を広げていたが、バロン戦で「N高」のvandolp選手のスーパープレイが炸裂。人数差がついており、バロンへの視界もない圧倒的に不利な状態で、サイラスのスキルによる起死回生のバロンスティールを成功させたのだ。
その後の集団戦で「N高」が勝利し、試合の流れはまたしても「N高」へ。これにより「N高」が完全に流れを持っていったかのように思えたが、エルダードラゴンの取り合いで発生した集団戦で、ore0000選手のケネンのウルトが刺さった。「N高」の前衛を一瞬で溶かし、集団戦に勝利した「岡山共生」がそのまま勝利となった。「N高」、「岡山共生」、「N高」、「岡山共生」と逆転に次ぐ逆転で有利が二転三転するたびに会場が熱気に包まれた。
それでも優勝が決まる3試合目を勝利したのは「N高」だった。上手くやれば勝てたであろう2試合目の悔しさに引きずられず、「N高」の序盤の強さを引き出す冷静なプレイに「岡山共生」は押しつぶされた形だ。「N高」は「岡山共生」のリベンジを最高の舞台で果たし、優勝を飾った。
優勝した「N高」には、トロフィーのほか、中国プロチーム「Gen.G」本部での親善試合権やヘリコプタークルージング「TOKYOスカイクルーズ」、「コカ・コーラ」1年分などの多くの副賞が贈られた。試合後のインタビューで優勝した今の率直な気持ちを聞かれた際に、リーダーのまりも選手は「育ててくれた人や、チームのメンバーやコーチに感謝したい」とコメント。チームメンバーは「泣きすぎて何が何だかわからないです」、「半年ぶりぐらいのリベンジを達成できて嬉しい」と優勝の喜びを表現した。
こうして第1回目となる高校生対抗eスポーツ大会「STAGE:0」は幕を閉じた。本大会はしっかりと高校生に焦点を当てており、選手たちがゲームに本気で取り組んでいる姿を余すことなく感じられる素晴らしい大会だと改めて思った。試合前に円陣を組む姿や、勝利したときの笑顔、敗北したときの涙、選手たちの見せるひとつひとつの表情に感動させられた。
なお、「STAGE:0」は早くも第2回が2020年夏に開催されることが決定している。来年も今年と同じような、いや、それ以上の熱い戦いが繰り広げられるかと思うと非常に楽しみである。
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