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【闘会議2019】「スマブラSP」オープン大会はHIKARU選手のゼロスーツサムスが“無敗”で優勝
スピード勝負の決勝戦は冷静さが勝負の分かれ目に
2019年1月27日 16:05
幕張メッセで開催されている「闘会議2019」において、Nintendo Switch用対戦アクション「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(スマブラSP)」のオープン大会「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL niconicoチャンピオンシップ2019」決勝戦が1月27日に開催された。
本大会は誰でも参加できるオープン大会で、1月26日には予選、1月27日に決勝トーナメントが行なわれた。ルールは3ストック制(制限時間5分)、「アイテム」あり、「チャージ切りふだ」あり、「ステージ」ランダム(一部ステージを除く)、「ステージ変化」ありで、決勝トーナメントでは2本を先に取った選手が勝利となった。
400名以上の参加者が集まった中、決勝戦まで勝ち残ったのはフォックスを使うやから選手と、ゼロスーツサムスのHIKARU選手。やから選手は決勝トーナメントでAlly選手、あばだんご選手という2人のチャンピオン(Ally選手:「EVO2016」、「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo Wii U」世界チャンピオン、あばだんご選手:「闘会議2016」、「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo Wii U」大会チャンピオン)を破っており、その勢いで優勝を狙う。
一方のHIKARU選手は普段からアイテムなし、1on1ルールでの名うてのドンキーコング使いとして知られており、めきめきと実力と実績を積み上げている選手。HIKARU選手は今回のルールに限ってはドンキーコングの体の大きさとスピード性能が不利に働くと見て、素早い立ち回りが可能なゼロスーツサムスを選択している。
普段から仲がいいという2人の対戦の勝負の分かれ目となったのは、試合後に「緊張せず、いかに楽しめるかを1番心がけていた」とHIKARU選手が語ったように、決勝戦という舞台のプレッシャーに負けないメンタル面が大きかったと思う。
たとえば1試合目、開幕直後にマスターボールが出現した場面。マスターボールからは伝説のポケモンが登場するため、使えばいきなり有利を取れる強力なアイテムだが、やから選手は拾った直後に足場外に捨ててしまう。やから選手によれば「あれはミス」で、「しまった」と思っていたという。
準決勝まではフォックスを正確に操り、特にチャージ切り札、最後の切り札はしかるべきタイミングで正確に相手キャラクターに当てて勝ち上がってきた印象があったのだが、この1試合目では2度も切り札を外すなど、持ち味の正確性に欠けた印象だった。
その隙を逃さないのはHIKARU選手で、逆にゼロスーツサムスの切り札「スターシップ」の巨大ビームをフォックスにきっちり当ててストックを稼ぎ、そのまま順当に1試合目のフィニッシュに持っていった。
続く2戦目はやから選手のフォックスも息を吹き返し、撃墜されても切り札をしっかり当てて撃墜し返すなど、互角の戦いが展開される。2ストックを奪い合った最終盤、HIKARU選手はここでメタモンを召喚する。メタモンは召喚したキャラクターと同じ姿に変身し、敵に向かって自動的に攻撃を繰り出すというポケモンだ。
HIKARU選手は普段はアイテムありの勝負をしていないため、対策などは「この大会を進む過程で覚えていこう」と決めていたという。そのため前知識はほとんどなかったそうだが、出現したメタモンの動きを見て「連携できる」と瞬時に判断、メタモンの攻撃がガードされるのを見越して相手を崩すなど、完璧な立ち回りを見せた。置かれた状況を冷静かつ最大限に利用したHIKARU選手が、やから選手を1歩上回った試合だった。
HIKARU選手はその流れのまま伝説のポケモン「ルギア」を召喚。ルギアの広範囲にわたる「エアロブラスト」がフォックスにヒットし、そのまま決着。振り返ってみれば、予選から1セットも落とさないままHIKARU選手が見事に優勝を決めた。
優勝コメントでHIKARU選手は「たくさんの人が見ている前でこうして優勝できるのは本当に気持ちいい。今回の試合を見て、『このゲーム面白い』と思って『スマブラ』をはじめてくれると嬉しい」と語った。
HIKARU選手はまたアイテムなし、1on1のルールに戻り、ドンキーコングの腕を磨いていくという。試合中笑顔を見せ、宣言通り自分が何より楽しんでいたHIKARU選手は今後どのような試合を見せてくれるのか。活躍に期待したい。