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プロゲーミングチームはアイドルを守りながら“ドン勝”できるのか?!

DMM Gamesブース、DETONATOR登場の「PUBG」イベントの模様をご紹介

9月21日~24日 開催

会場:幕張メッセ

日本ゲーム大賞・フューチャー部門のトロフィーを授与されたBlueholeのキム・チャン・ハン氏
マイクを持つPlayerunknownことBrendan Greene氏。ステージ上でプレーヤーへの感謝と、将来の展望を語った
国内展開を担当するDMM Gamesディレクターの稲垣順太氏。近日中にイベント詳細を発表予定とのことだ

 DMM Gamesは本格PCゲームの普及促進に大きな力を入れており、昨年の「WarThunder」に引き続き、この9月からは「Playerunknown's Battlegrounds(以下『PUBG』)」の国内サービス提供も開始する。そのお披露目ともいえる東京ゲームショウ2017の会場では大型ブースで「PUBG」コーナも出展。イベント最終日となった24日には「PUBG」のクリエイターとプロゲーマーを招いてのスペシャルステージイベントを開催した。

 ステージにはまず「PUBG」のクリエイター、Blueholeのクリエイティブ・ディレクターを勤めるPlayerunknownことBrendan Greene氏、そしてBrendan氏を見出して理想のバトルロイヤル・ゲームの開発を実現したエグゼクティブプロデューサーのキム・チャンハン(金昌漢)氏が登壇。ここで本作が日本ゲーム大賞2017のフューチャー部門を受賞したことが報告され、両氏にトロフィーが授与された。

 トロフィーを手にした両氏はプレーヤーの熱い支持に感謝を表明し、今後の展望も語った。まずはキム・チャンハン氏は年内に正式サービス(バージョン1.0)の提供を目指すとし、その先も精力的にアップデートしていくと宣言。その中で、「プレイしている人だけでなく、見ている人もより楽しめるような仕組みを入れていきたい」と、e-Sports的な機能の強化にも言及した。

 また、現在テストサーバー上で試験提供されているゾンビモードについては、「プレーヤーの皆さんがいろいろな遊び方をしているのを見て、ゾンビモードを実装しようと考えました。今後も新たな遊び方を提供していきたいと思います」と、ゲームモードの拡充も進めていくことを明らかにしている。

 Brendan氏はコンテンツ面の拡充について触れた。「正式サービスでは新たに砂漠のマップを提供しますが、その後の提供のためもうひとつのマップを製作中です。また、乗り物については最近公開したマイクロバスを含めて3つの車両を制作しています。詳細はまだ言えませんが、その他にもたくさんのアイテムを追加していく予定です」。

 それに加えて様々な形でイベントを実施していきたいという両氏。ここでDMM Gamesのディレクター稲垣順太氏から、「全てのプレーヤーが参加できるイベントを実施します! 詳細は後日発表予定です!」とのアナウンス。BlueholeとDMM Gamesのコラボレーションでどのようなイベントが実現するのか、ファンにとっては見逃せないものになりそうだ。

プロゲーミングチームDETONATOR登場。ゲーマーグラドルを守りつつドン勝を目指すが?!

エキシビジョンマッチに登場したゲーマーグラドル・倉持由香さん
DeToNatorのYamaton選手は実況役でプレイには参加せず
というわけで今回の企画。“グラドルを守りながらドン勝せよ”!
DeToNatorは左からShaka、Spygea、StylishNoobという布陣だ

 引き続いて「PUBG」エキシビジョンマッチがスタート。ステージに現われたのはプロゲーミングチームDeToNatorのストリーミング部門の面々だ。Yamaton選手、Shaka選手、Spygea選手、StylishNoob選手の4人。日頃からプレイ動画配信で「PUBG」その他のゲームで無数の視聴者を楽しませている面々というわけだが、今回はYamaton選手は解説役。ゲームに参加するのは残る3名と……スペシャルゲストとして登壇したグラビアアイドル、倉持由香さんだ。

 ゲーム&アニメのオタク趣味全開のグラドルとして活躍する倉持さん。ゲームの腕は……まあプロゲーマーにはとても及ばないのは確かだが、ここ1週間は「PUBG」の練習をみっちりしてきたとのこと。なんと2回目のプレイで“ドン勝”したというから、すごい。なお、このドン勝、終盤まで隠れてたら目の前で最後の2人が戦いだし、後からピスピス撃ったらたまたま勝てたとのこと。豪運。「PUBG」では特に、運も実力の内である。

 というわけでこのエキシビジョンマッチは、題して「検証! DeToNatorは倉持由香を守りながらドン勝を食べることができるのか!?」である。DeToNatorのプロストリーマー3人とグラドルが4人チームを組み、ドン勝を目指すという内容だ。なお、DeToNatorが生き残っていても、倉持さんが倒された時点でゲーム終了という特別ルールを採用しているので、しょっぱなで終わる可能性もあるという、ステージイベント的には超リスキーな内容である。

 この試合については、DMM Gamesがアイテム出現率を高めに設定したカスタムマッチを用意。ステージ上でルーム名とパスワードが知らされてからものの数秒で96名の自由参加枠が埋まり、100名でのゲームがスタートした。

 さて、グラドルを連れたDeToNatorが選んだ降下地点はミルタである。比較的小規模な街だが、建物が密集しておりアイテムの回収を素早く行なえる場所だ。障害物が多いので、守りの戦いもしやすいという判断だろう。パラシュートを開いて降り立つやいなや、StylishNoob選手が「北側に3人! 南側に2人!」と敵情報告。南北から囲まれる位置となり、初っ端から緊張が走る。

降下地点に選んだのはミルタ
南北に敵という嫌な形でスタート
遅れて降下してきた倉持さん。怖い怖い! と騒ぎつつ必死に合流
交戦するも牽制レベルにとどめ、接近させない戦い方
ようやくエリア内に入ったときにはもう全員が瀕死

 手近な建物で各員が武器防具を漁る間も、倉持さんは「怖い~~~!」とビクビク。DeToNatorの選手だれかひとりが必ず近くにつくと言う形でカバーしつつ、南北方向への警戒を続けつつ一通りの装備が揃った。ここで南側の敵チームとの交戦が行なわれたものの、2階に陣取っての狙撃と言う形で、やはり守り重視の戦い方だ。競技エリアが縮小しはじめ、バリアが迫ってきても動くに動けないDeToNator。完全にバリアに飲まれ、敵方が脱出したころを見計らってようやく移動を開始した。

 ここで運が良かったのは、ミルタ周辺にまだいくつかの車両が残っていたことだ。Shaka選手が南西方向からダチアを拾ってくると同時に、Spygea選手がミルタ北西にバイクを発見。倉持さんを護衛しつつ合流し、一目散に競技エリア圏内を目指す。ようやく安全地帯に入った時点で、倉持さんの体力が瀕死状態というギリギリぶりである。

 半笑いで騒ぐ倉持さんとは対象的に、DeToNatorの面々は完全に無表情、日頃のストリーミングでもめったに見ないレベルで真剣な面持ちである。北西方向へ大移動する道中で無人の集落をみつけて体力を回復すると、一息つくまもなく次のエリア縮小が始まる。大急ぎで最終エリア近くへ移動だ。

 スタート地点はマップの南東側だったところ、最終エリアがマップのかなり北側になったため、移動距離はかなり長い。この時点でマップ南側に残っていたプレーヤーのうち、車両確保に失敗したグループが次々にエリア外ダウンで脱落していく。マップ北端のセヴェルヌィの街からやや南下した集落にたどりついた4人は、ひとまずここで立てこもることを決断。多くのプレーヤーが南側に偏って降下しており、この時点でこのあたりが無人だったのは非常に幸運なところだ。

最終エリアがマップ北側となり、かなりの距離を移動することに
セヴェルヌィ南の集落を確保するも、すぐに他チームが接近してくる
UAZで乗り付けた他チーム。接近戦が始まる
対岸から援護するShaka選手
脱出しようとするが、バリアがすぐそこに!
バリアダメージで力尽きる倉持さん

 とはいえ競技エリアはすでに直径700m程度。障害物がなければ全域が射撃範囲という状況だ。そんなところにぽつねんと立つ集落が永劫に安全なわけもなく、すぐに複数のチームが集まってくる。Spygea選手が「来た! 建物に入ってきた!」と報告するや、建物の2階と地上に分かれての迎撃戦が開始。遊撃に出たSpygea選手がダウンするなど、かなり押され気味だ。

 だが、そこで秀逸だったのがShaka選手の位置取り。道路を挟んで反対側の民家の2階テラスに陣取り、中距離射撃で敵の動きを封じていく。おかげでSpygea選手を助け起こす時間を稼ぐことに成功。だが、そうしている間に次のエリア縮小が進み、今度は数秒で体力を削りきる威力を持った強力なバリアが迫ってきた。

 「車! 脱出!」と号令とともに戦闘を切り上げ、バリアから逃れるべく移動を開始する4人。しかし敵は諦めずに戦闘を続けている。外に飛び出した倉持さんを守ってSpygea選手が戦死。その間、Shaka選手も急いで道をまたいで合流しようとするが、その間にStylishNoob選手もダウン。「Shaka行け!」。かろうじてShaka選手がダチアに乗り、倉持さんを載せて疾走を開始。数秒遅く、バリアダメージでチームは全滅。緊迫の数分間が幕を閉じた。

 ドン勝ならずも、「パニック映画のようでしたね!」、「おもしろかったです~~!」と倉持さん興奮が覚めやらぬ様子。たとえ勝てなくても、そこにそれぞれのドラマが生まれる、という「PUBG」の面白さを凝縮したワンゲームとなった。こんなのを見てしまったら、これまで見ていただけの視聴者勢も自分で「PUBG」をやりたくてたまらなくなってしまいそうだ。

 というわけで、「グラドルを守りつつドン勝できるのか?!」というチャレンジは大成功。このようなうまい仕掛けを考え、実行したDMM Gamesには今後も期待できそうである。ますます拡大していく「PUBG」ユニバースが日本でもさらに盛り上がっていくことを楽しみにしよう。

力尽き、リアルでもビターンとなる倉持さん
皆大変楽しめたようで、全員笑顔での終幕となった