先行レビュー

正体がバレてからが本番? 一風変わった人狼系ゲーム「オクトピンブス」試遊レポート

大勢で遊んでもギスギスしない燃え盛るマップの上で爽快アクション!

【OCTOPinbs】
2026年春 発売予定
価格:未定

 アニプレックスは、ラセングルとトライエースが開発を手掛ける3~10人マルチプレイアクションゲーム「OCTOPinbs(オクトピンブス)」をSteamにて2026年春に発売を予定している。価格は未定。

 本作はいわゆる“人狼系ゲーム”と呼ばれるソーシャルディダクションゲームとなっており、多人数で騙し合いやアクションをワイワイ楽しめるのが大きな特徴。火災現場を舞台に消防士とアーティストという2つの役職に分かれて、それぞれの勝利条件の達成のために争う作品だ。実際に本作を試遊した感触や、ほかの人狼系ゲームとの違いについて、詳しく紹介していきたい。

【「OCTOPinbs」ティザートレーラー】

消防士vsアーティスト! 炎に包まれたマップで正体を暴き合う

 まず基本的なゲームシステムから説明すると、プレーヤーは消防士(OCTOPUS)とアーティスト(SQUID)という2つの役職に分かれて戦うことになる。

 いずれの役職も2つの勝利条件が設定されており、消防士は「マップの炎上率を0%にする」か、「アーティストを全員タコツボに入れる」と勝ち。逆に「炎上率が100%になる」か、「消防士が全員タコツボに入れられる」とアーティスト側の勝利だ。

 それぞれの人数配分は決まっているわけではなく、サーバー上にルームを作成する際に合計プレイ人数やアーティストの人数を指定できる。今回の試遊では消防士3対アーティスト1、消防士2対アーティスト2のマッチを何度か遊ばせてもらった。

タコをモチーフとした消防士
イカをモチーフとしたアーティスト

 消防士は人狼でいう村人にあたり、マップ上で燃え盛る火を消しながら、自分たちのなかに紛れ込んだアーティストを探していく。それに対して狼側となるアーティストは、消防士のフリをしつつ気づかれないようマップ上に火を放っていくのが主な目的だ。

味方と協力しながら消火活動
炎は延焼し、勢いを増していく
アーティストはカラフルな火を放つ

 マップは3Dで奥行きのある部屋が複数存在する。ゲームスタート時点で既に燃えている場所が多くあり、消防士は分担して消火に臨む。プレーヤーの視点は各部屋を真横から見たようなカメラアングルになっており、基本的にはその部屋の中しか見えない。ただし、上下左右の隣接した部屋を覗き見できる。そのためアーティスト側は、「いつ誰に見られているか分からない」というスリルを味わえるだろう。

こちらが覗き見をした画面。本来であれば自身のいる部屋のみカメラに映るが、隣り合う部屋は覗くことが可能。隣接する部屋のプレーヤーはシルエットで表示される
アーティストも周囲を見張りながら放火するのが重要

 ゲーム内で取れる行動はそれだけではなく、相手を攻撃することもできる。そしてHPゲージが0になったプレーヤーはボディが破壊され、ヘルメットもしくはフードだけの状態になってしまう。

ボディを破壊されるとヘルメットだけの姿に……
マップ端の消防車まで戻ると元の姿に復活できる

 さらにボディ破損状態のまま他のプレーヤーに掴まれ、“タコツボ”という装置に放り込まれると、完全に無力化されてしまうことに。このタコツボには対象のプレーヤーが消防士なのかアーティストなのか判定し、暴き立てる機能も備わっている。

マップ上に点在するタコツボ
無力化と共に正体が暴かれる
アーティストだけでなく、消防士もタコツボで無力化される
アーティストを全員タコツボ送りにすれば消防士が勝利

 とくに本作がユニークなのは、アーティストが誰か突き止めただけでは勝敗が決まらないこと。一般的な人狼ゲームでは正体を暴くことが目的となるが、本作はそこで終わらない。アーティストはいざとなれば“トランス”を行ない、消防士に反撃できる。トランスとは、自分の正体をさらけ出すことによって強力なパワーを手に入れた状態だ。

 マップへの放火や消防士への攻撃などで溜めたゲージの量に応じて、トランス状態のパワーが変わるため、アーティストは「正体がバレるまでのあいだにどれだけ火を付けられるか」がとても重要になってくる。

トランスするとスタイリッシュな見た目に変貌
複数の炎の弾を放つ「バウンドファイア」が使用可能に
「バウンドファイア」は部屋中を跳ね返り、広範囲に火を付けられる

議論や騙し合いが苦手でも安心! “爽快アクションの人狼”という面白さ

 実際にプレイするとわかるが、本作は“人狼系”という括りではあるものの、本物の人狼ゲームが苦手な人にこそうってつけだと思われる。というのも言葉で人を騙す必要がなく、アクションだけで勝敗が決するシステムになっているからだ。

 本作には参加者同士で議論を交わしたり、多数決の投票で誰かを吊るようなフェイズは存在しない。怪しいプレーヤーがいたら攻撃し、タコツボに入れるだけだ。またアーティスト側も正体がバレて終わりではなく、開き直ってトランスし一発逆転を狙うことができる。

 騙し合いに本気になったせいで友達とギスギスする……といった事態も心配しなくて良いので、いわば「友情が破壊されない人狼系ゲーム」と言ってもいいかもしれない。また議論が必要ないため、オンラインで知らない人とマッチングして遊ぶハードルも低いように感じた。

正体がバレても戦って勝てば無問題
アーティスト側の勝利画面

 とはいえ本作にプレーヤー同士の駆け引きが存在しないわけではない。むしろさまざまな要素によって、頭脳戦が成立している。

 試合中には特定のタイミングでレイドボスのような「竜巻モンスター」が出現するのだが、消防士側はこのモンスターを倒すためにどのプレーヤーが駆け付けたかをチェックしておくことで、アーティストを判別するための手掛かりが得られる。逆にアーティストは混乱に乗じて放火を進めたり、モンスターに放水するフリをして消防士の体力を削ったりできるだろう。

アーティストにとってはチャンスとなる「竜巻モンスター」との戦い
「竜巻モンスター」の討伐は制限時間付き。討伐に失敗すると、出現した部屋およびその周りの部屋が一気に炎上

 その一方、アクションゲームとしてのバランスの良さも本作の特筆すべきポイントだ。今回の試遊では「ホテル」のマップを体験したが、4階+屋上まである建物を使った縦横無尽の追いかけっこにはかなりの爽快感があった。

建物の外のパイプを伝ってすばやく上階まで移動
建物が焼けて崩落すると、より立体的に移動できるように

 スピーディーに移動できる「ジェットジャンプ」や壁に張り付いて透明化するアクションが用意されているほか、アーティスト側ならほかのプレーヤーの姿に変装する能力も使用できる。もちろん相手から逃げるだけでなく、隙を見て反撃することも可能なので、奥が深いチェイスを楽しめるはず。

スタミナを消費して発動する「ジェットジャンプ」
忍者のように透明化して相手を攪乱

 実際にプレイした感覚だと、とくにアーティスト側になった際のスリルには得難いものがあった。消防士から逃げ回りながら火を付けてゲージを溜め、体力が0になる寸前のところでトランスする……。そんな戦略が上手く成功すると、達成感に酔いしれてしまう。

自動でトランス状態になってしまうタイムリミットもあるので注意が必要

“特殊ルール”も設定可能! さまざまなやり込み要素

 また本作は、プレーヤー側で自由にルールの設定を変えられるようになっているのも大きな特徴。その項目は多岐にわたっており、消防士とアーティストの人数比は当然として、タコツボの配置数、移動速度や攻撃力、炎の成長速度なども変更可能だ。そのためシンプルなゲーム性でありながら、じっくりやり込んで遊ぶことができる。

 試遊でも色々とルール設定を変更してプレイしたが、慣れてきたプレーヤー同士であれば、ある種の“特殊ルール”を設定するのも楽しいかもしれない。たとえばアーティストの人数を1人にする代わりに、トランス状態の攻撃力や移動速度を極端に高く設定すれば、ゲーム性がまるっきり別物に変わるだろう。

 また初心者と上級者が一緒に遊ぶ際には、上下左右の部屋を覗く「カメラスライド」をオフにする……などの調整をすればゲームの難易度を下げられそうだ。

かなり詳細な数値まで設定できる

 そのほかのやり込み要素としては、マッチを重ねてアカウントのレベルを上げることで、新たなエモートや消防士のカラーを入手できる仕組みもある。

レベルに応じて色々なボーナスが解放
いくつものエモートをホイールにセットできる
衣服だけでなくタンクなどの見た目も変更可能。また、リリースと同時発売されるDLCを購入することで特殊なコスチュームを獲得可能。(タンクなどの見た目も変更可能)DLC限定のエモートも存在する

 頭脳プレイと爽快アクションを同時に楽しめる、ユニークな人狼系ゲーム「OCTOPinbs」。正式リリース後には、ゲーム配信者やVTuberの界隈でも注目を浴びるかもしれない。燃え上がるような人気の波に期待したいところだ。

 なお、公式DiscordチャンネルならびにSteamのストアページもオープン中。4月25日に放送予定の情報番組「INDIE Live Expo」での映像公開も予定されている。

公式Discord
Steamの「OCTOPinbs」のページ