ニュース

何もない場所に“発見”あり! 「スーパーマリオ オデッセイ」プレイレポート

賑やかさはシリーズ随一。「探索と発見」が鍵のアクションアドベンチャーに!

6月13日~15日開催

会場:Los Angeles Convention Center

 任天堂は、「E3 2017」において、Nintendo Switch用アクション「スーパーマリオ オデッセイ」の体験会を開催した。

 この体験会は「スーパーマリオ オデッセイ」に関するメディア向けカンファレンスの中で実施されたもの。会場では「スーパーマリオ オデッセイ」のプロデューサーを務める小泉歓晃氏、ディレクターを務める元倉健太氏によるプレゼンや質疑応答も実施されており、こちらは別記事にてご紹介している。

 本稿では体験会でのプレイ感に注目して本作をご紹介する。プレイできたのは2つの王国で、各10分ずつという非常に短い時間ではあったが、その中でも印象的だった部分をお伝えしていきたい。

キラー、電気、ラジコン操縦者……。ユニークな変身マリオが数々登場

中央にいる帽子のキャラクター「キャッピー」が本作の大事なポイント
ノコノコから恐竜(!)までキャプチャー可能。恐竜をキャプチャーしたらどうなるのだろうか……

 「スーパーマリオ オデッセイ」は、「スーパーマリオ64」、「スーパーマリオサンシャイン」に続く、箱庭世界を探索する3Dアクションゲーム。箱庭探索型のマリオは「スーパーマリオサンシャイン」から実に15年ぶりということで、両作品のファンは特に期待の高まる1作となっている。

 操作は一般的な3Dアクションと同様で、移動、しゃがみ、ジャンプ、ヒップアタックなどが可能。特徴的なのは帽子を投げる「帽子投げ」で、Joy-Conを振ったり、Yボタンを押すことで発動できる。

 本作ではこの「帽子投げ」が最大のポイントで、敵への攻撃やコイン獲得手段にもなるほか、ゲーム内の各種オブジェに当てれば、それぞれに様々な反応が見られる。

 最もポピュラーな反応としてはコインが獲得できること。例えば街中の街灯は一見何の変哲もないが、帽子を当てるとコインが獲得できる。これまでのマリオとは違って、「何もなさそうなところ」にこそ秘密が眠っている場合があるという仕掛けだ。

 また帽子を投げることで、マリオ自身が投げた先の敵やモノになって操作する「キャプチャー」というアクションもある。キャプチャーするとただ操作できるようになるだけでなく、ベースのキャラクター/モノにヒゲと赤い帽子が付いて、見た目がコスプレ状態となって面白い。

 例えばシリーズおなじみのキラーは、キャプチャーすることで何かにぶつかるまでそのまま飛び続けられる。上下移動はできないが左右への方向調整は可能で、これを活かして普通のジャンプではたどり着けない場所への移動が可能となる。

 また電線が伸びている電球のようなオブジェクトをキャプチャーすると、マリオが電気の塊となって、電線の中を移動できるようになる。にしても、ビリビリの電気の塊にヒゲと帽子が付いている様子はかなりシュールだった。

左にあるのは「オデッセイ号」。マリオはこの船で冒険の旅に出る

砂漠地帯なのに氷の柱も見える「Sand Kingdom」
ある場面ではマリオが壁に入り込み、8ビット風の「スーパーマリオ」が展開する

 今回プレイできたのは、「Sand Kingdom」、「Metro Kingdom」という2つのエリア。「Sand Kingdom」は砂漠の上に街が作られているが、ところどころには氷の柱が地面から突き出している。気温はかなり低いようで、待機状態だとマリオも両腕をさすってブルブル震えてしまう。

 ひとつの王国はひとつの箱庭となっていて、箱庭の中にはその世界の住人や敵、入れる建物、チェックポイントなどが混在している。どの順番でどう回るかはプレーヤー次第で、至る所に隠されたパワームーンを探していくのが目的だ。パワームーンは最初からマップ上に出現しているものもあれば、条件を満たすことで登場するものもある。実際に見られたものの中には、帽子投げでスロットを揃える、部屋の中のとある場所でヒップアタックをするなど、ミニゲーム的な要素も含めて様々にあるようだ。

 「Sand Kingdom」で面白かったのは、ある場面で壁面にマリオが入り込んで、そこで8ビットスタイルの「スーパーマリオ」が展開するというもの。ニンテンドー3DS「ゼルダの伝説 神々のトライフォース2」での「壁画化」に似た演出だが、ファミコン時代のマリオそのままのシステムが採用されているのが面白い。また今作にはマリオの様々なコスチュームが登場するのだが、マリオが8ビット状態になってもその衣装のビジュアルが反映される。細かい部分だが、色々な衣装で試したくなるようなニクい演出だ。

こちらは摩天楼が広がる「Metro Kingdom」。通称ニュードンクシティと呼ばれており、「ドンキーコング」のヒロイン「ポリーン」もキーパーソンとして登場する

 一方の「Metro Kingdom」は、ニューヨークの摩天楼のような現代風の都会の街並みとなっている。何より「スーパーマリオ」の世界なのに人間(スタッフに聞いたらあくまで「住人」と言っていたが)が王国のなかを闊歩しており、さらにその中をマリオが走り回る風景はかなり新鮮だ。

 この街の一画では、ラジコンカーを操る住民がキャプチャー可能となっていた。キャプチャーするとラジコンカーの操作へと切り替わり、このラジコンカーをコースの奥へと移動させると、そこにパワームーンが待っている。

 仕掛けは単純だが、操作は左アナログスティックの上下で前進と後進、右アナログスティックの左右で左右のハンドル切り替えとなっていて、実際にやってみると恐ろしく難しい。おまけにスピードの出方が急激なので、ちょっとでも加減を間違えるとブイーンとあらぬ方向へ行ってしまう。最初は操作の難しさに面食らったが、慎重に操作しつつ、ゆっくりと進めることでなんとかパワームーンを獲得できた。

 今回プレイできたのはここまでの範囲だったが、ほかにも住民からの頼まれごとがあったり、少し難易度の高いアスレチックがあったりと、数パターンでは収まらない数多くの仕掛けが用意されている。

 公開されたトレーラーを見る限りでは、上記以外にも恐竜の国、メキシコの国、灰色に染まったお化けの国など、これまでの「スーパーマリオ」では見られなかったような世界が待ち受けているようだ。

 カンファレンスに登壇した小泉氏や元倉氏は今回公開されなかったマルチプレイ要素やオンライン要素などについても含みを持たせた発言をしており、その辺りも楽しみだ。「スーパーマリオ」シリーズの中でもバラエティに富んだ、賑やかなタイトルになるのは間違いないようなので、今後の最新情報に期待しておきたい。