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【スマホアプリ今日の1本】「シェアハウス -今日も僕は監視する。」

状況設定に魅力あり。6人の男女の罠と監視と策略が交差する!

3月1日 配信(iOS)

3月7日 配信(Android)

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

「シェアハウス -今日も僕は監視する。」の3大ポイント

・自分の命を狙う“誰か”と同じ家に住むスリル&サスペンス
・10台以上の監視カメラを仕掛けて女性の部屋までのぞき見る背徳感
・「弟切草」や「かまいたちの夜」を思わせるミステリーもプラス

 「僕の彼女は浮気なんかしない」などで知られる福岡のスマートフォン用アプリ開発会社グローバルギア。同社の作品の中でも特にアドベンチャーゲームは独特の雰囲気を持っており、毎回新作が注目なのだが、そんなグローバルギアの最新作となるのが、Android/iOS用監視ノベルゲーム「シェアハウス -今日も僕は監視する。」だ。……サスペンス系の物語が好きな筆者としては、プレイせずにはいられないタイトルだ。

 舞台はタイトルからもわかるとおり、主人公を含む男性3人・女性3人が暮らすシェアハウス。その管理人であるシロダは、ある夜、何者かに襲われる。薄れゆく意識のなかでシロダが見たものは、シェアハウスの鍵だった。

仲良く食卓を囲むルームメイトたち。和やかな雰囲気の裏に殺意を隠し持っているのはいったい誰だ!?
ズラリと並ぶ監視カメラのモニター。いくら命を狙われているとはいえ、これ正当防衛の範疇を越えてないか(笑)

 グローバルギアの作品で毎回のように感じるのは、そのシチュエーションの絶妙さ。シロダを襲ったのは、シェアハウスの鍵を持っている人物……つまり、シェアハウスの住人だ。しかし、住人は5人いる。頭を殴られて気絶したシロダには、それが誰なのかわからない。命の危険を感じた彼は、自らを守るために部屋という部屋に監視カメラを仕掛ける。サスペンス要素・ミステリー要素に加えて、ルームメイトの日常をのぞき見るという背徳感も楽しめる仕組みだ。

 ゲームシステムは、過去作「犯人は僕です。」からさらにアドベンチャー寄りにしたような印象を受けた。シロダ(=プレーヤー)は監視カメラのモニター越しにルームメイトたちの様子をチェックし、必要であれば彼らの元へ行って話を聞く。あるいは、人がいない部屋に忍び込んで家探しをし、襲撃犯の手がかりを得る。女性の部屋であろうと、お構いなし。このあたりも背徳感バツグンだ(笑)。

 また、各部屋を調べていくと、警戒レベルが少しずつ上昇する。警戒レベルが高いほど、疑問を感じたルームメイトたちがシロダの部屋へやってくる確率もアップ。誰かが部屋に来たときは、3つの選択肢のなかから1つを選んで(時間制限あり)うまくごまかさなければならない。もちろん、失敗してルームメイトに監視カメラを設置していることがバレたら、ストーカー扱いされてゲームオーバーだ。

 本作の醍醐味の1つは、先にも述べた設定の妙にある。男女6人が暮らすシェアハウスでシロダの命を狙う“何者か”。それに対抗して10台以上の監視カメラを設置し、襲撃犯への逆襲をたくらむシロダ。サスペンス好き・ミステリー好きな人なら、このシチュエーションに心が躍らぬわけがない。

 そして、もう1つはゲーム全体に漂うミステリーな雰囲気。たとえば、ルームメイトたちはみな顔が描かれていない(正確には、口元しか描かれていない)。身に着けているものも、単色のシンプルな部屋着だけ。顔のないシンプルなグラフィックスだからこそ、プレーヤーは想像力を掻き立てられてしまう。決定的なシーンは文字だけで表現し、直接的な描写を避けていた「弟切草」や「かまいたちの夜」に通じるものを感じた。

 本作はアプリストアでも評価が高く、実際にプレイしてみると、その設定や作り方の上手さに頷くことだろう。サスペンス&ミステリー系AVGにサウンドノベルの要素を加え、さらには背徳感までプラスした1作。ぜひ1度プレイしていただきたい。

登場人物の顔が描かれていないことが、結果的にミステリアスな雰囲気を醸し出す要因になっている
ゲーム中は選択肢が出現することも。なかには死(ゲームオーバー)に直結するものもあるので、慎重に選びたい
【スクリーンショット】