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【スマホアプリ今日の1本】「僕の彼女は浮気なんかしない」果たして彼女は白か黒か?
ユーモアあり、サスペンス要素あり、ゲスな男女関係ありの恋愛AVG
(2016/1/13 00:00)
「僕の彼女は浮気なんかしない」の3大ポイント
・彼女の浮気の真相が気になるストーリーは秀逸
・あちこちに散りばめられたお笑い要素がおもしろい
・恋人がいるのに合コンに行くのは人としてどうかと思う
今回ご紹介するのは、Android/iOS「僕の彼女は浮気なんかしない」。タイトルからして、穏やかな内容ではないだろうことが容易に想像できる。本作をすでに遊んだプレーヤーのなかには、このタイトルに惹かれてダウンロードした人も多いのではないだろうか。かく言う筆者もその1人。この1月の連休を利用してプレイしてみた。
ある夜、主人公のスマホに彼女から「昨日は楽しかったです」というメッセージが届く。しかし、主人公は昨日、彼女と会っていない。日付を間違っただけなのか、それとも誰かと勘違いしているのか。もしそうなら、その“誰か”とは誰なのか? ふとしたことから、主人公の猜疑心が頭をもたげる。
ゲームは、このごろAVGで主流になりつつある、テキストを読み進めていくタイプ。ときおり選択肢が表示され、どちらを選ぶかによってストーリーが分岐していくほか、彼女を問い詰めるミニゲーム「アタックターン」も用意されている。作りとしてはシンプルで、個人的にはもう少し凝ったゲームを想像していたのだが、これはこれでおもろしい。テキストを読み進めていくだけなので、つまることもなく、AVGが苦手な人にもオススメできる。
さて、筆者がまず驚いたのは、最初のターニングポイント。「彼女は浮気をしていると思いますか?」という質問に対して、「いいえ」と答えただけでエンディングになってしまう。まだ1分しかプレイしてないよ? いくらなんでもスピードクリアすぎるだろ(笑)。
また、あちこちに盛り込まれているコメディ要素もおもしろい。現在の恋愛において必要不可欠な存在にまでなったアプリ「LINE」にかわる「LIME」。主人公たちの最寄駅である宇和奇駅。おそらくは「うわきえき」と読むのだろう。そして、日本テレビ系列で放映されているバラエティ番組「ヒルナンデス!」のパロディ「ヒマナンデス!」。さらに、大規模ショッピングセンター・AYONで見ることになる映画名が「ベリカワエンジェルは魔性の女」であるなど、独特のセンスが随所に発揮されている。
で、肝心のゲーム本編のほうはというと、これもなかなかよくできている。選択肢を選ぶシーンは、彼女との好感度が変動する「カンケイ変動」、物語が分岐する「ターニングポイント」、エンディングに直結する「アタックターン」の3種類。それぞれのシーンで選択肢を選んでいき、それによって最終的にどんなエンディングを迎えることになるかが決まるというシステムだ。
ストーリーについても、とにかく彼女が疑わしい行動を取るため、自然と物語に引き込まれてしまう。エンディングは6通りあるが、いずれも話がよく練られており、苦しい部分がない。画面の右上と下、それに加えてロード中やLIMEでの会話中に広告が表示されるものの、とくに気になることもなくゲームに没頭できる。非常によくできた作品だ。
ただ、個人的な嗜好になってしまうが、筆者としては「浮気しているビッチ彼女に証拠を突きつけられるか、あるいは逃げられるか」という攻防を期待していたので、想像と異なるゲーム内容だったということ。また、この主人公、彼女がいるのに合コンに参加するわ、彼女の存在を隠すわ、彼女がいることをバラされて遁走するわと、かなりゲスい。これでは、たとえ浮気されても文句が言えないような気がするのだが。ことにエピローグ06(ゲーム的には最良エンドだと思われる)では、彼のゲスさが十二分に発揮されている。そのため、まじめな人は不快感を抱いてしまう可能性もある。とはいえ、作品としては面白いので、ゲスい恋愛物語が尽きな人はぜひ1度プレイしていただきたい。