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「GeForce GTX 1080Ti」が発表。性能Titan X超えで699ドル!!

GTX 1080はさらにお安く。GTX 1080/GTX 1060のメモリクロック向上版も登場

2月28日 開催

「GeForce GTX 1080 Ti」を発表するジェンスン・ファン氏
11GBのメモリ搭載で5K解像度のゲームプレイにも対応

 現地時間2月28日、NVIDIAはGDC 2017の開催に合わせサンフランシスコでプライベートイベントを開催し、同社の最新GPUとなる「GeForce GTX 1080 Ti」を発表した。NVIDIAによる希望小売価格は699ドル、3月第2週から発売開始となる。

 GTX 1080 Tiは、従来の命名規則からすると、型番的にはGTX 1080とTitan Xとの中間に位置するモデルだ。しかし今回、NVIDIAはそのルールを変えた。GTX 1080 Tiは、Pascalアーキテクチャ最高性能のGPUとしてTitan Xを超え、トップエンド製品に位置することになる。発表を行なったNVIDIAのCEO、ジェンスン・ファン氏は、「GTX 1080 TiはGTX 1080よりも35%高速で、Titan Xよりも速い」とし、GTX 1080 TiがPascal世代最速のGPUとなることを高らかに宣言した。

GTX 1080 Tiの基本スペック

 スペック面を見てみよう。GTX 1080 TiはSM数が28(各128コア)、CUDAコア数は3,584となっており、このあたりはTitan Xと同等だ。メモリバス幅は352bitで、Titan Xの384bitに対して若干低い値になっているものの、メモリクロックがTitan Xの10Gbpsから11Gbpsに引き上げられており、総合的なメモリ帯域幅は484GB/sに達する。これはTitan Xの480GB/sというスペックを若干ながら上回る数字だ。

 コアクロックはブースト時1,582MHzとなっており、こちらもTitan Xのスペック(ブースト時1,531MHz)をやや上回る。オーバークロック時は最大で2GHzでの動作をサポートするとされ、総合的なゲーム性能でTitan Xを超えることになる。搭載メモリはGDDR5X、容量は11GB とTitan Xの12GBから若干少なくなっているが、ゲーム用途では十分すぎるほどのメモリ量ではあり、4K解像度以上のハイレゾゲーミングにおける最高クラスのGPUとなることは間違いない。それでいて、NVIDIAによる希望小売価格はTitan Xの半額近くとなる699ドルとなっており、圧倒的なコストパフォーマンスである。

 GTX 1080との比較データでは主要ゲームタイトルにおいて20~45%のパフォーマンスアップを果たしており、平均で35%の向上となっている。これは“Ti”モデルにおける過去最大の伸び幅となっており、プレス向けにスペック面を解説したNVIDIAのGPUエンジニアリングSVP、Jonah Alben氏は「過去最高の“Ti”だ」と自信たっぷりに語った。

GTX 1080比で20~45%も高速。平均でも35%という大幅なパフォーマンスアップとなる
電源周りの改良により電力効率を向上
1080と同等のファンスピードで5度の温度低下

 さらにGTX 1080 Tiでは、電源周りの回路改良により従来のPascal世代GPUに比べて電力効率がわずかながら向上しており、そのぶん放熱性能にも余裕ができている。ジェンスン・ファン氏によるプレゼンテーションでは、GTX 1080 Tiをおよそ2GHz(2,038MHz)までオーバークロックして動作させる様子が披露された。その状態でもGPU温度は66度にとどまっていることが示されており、個体差はあるにしてもかなり高いオーバークロック耐性が期待できる。自作ファンにとってもかなりいじりがいのあるGPUになると言えそうだ。

 Pascal世代で最高性能となるGTX 1080 Tiは、箱出しでTitan Xを超える性能を持ち、4K以上のハイレゾ環境や、次世代の高解像度VRにも対応するだけの十分な能力を提供してくれる。しかもOC耐性も高いとくれば、すくなくとも次の世代交代まで、ハイエンド志向ゲーマーにとって鉄板の選択肢になることは間違いない。

【GeForce GTX 1080 Ti】
GTX 1080 Tiのリファレンスカード。映像出力端子はHDMIが1系統、DisplayPortが3系統となっている。DisplayPortは4K・HDR・144Hzといった広帯域の出力に対応。これを活用できるディスプレイも第二四半期には各社より投入されるとのことだ

GTX 1080を499ドルに価格改定!1080・1060のメモリクロック向上版も登場

GTX 1080は100ドル値下げで499ドルに
メモリクロック向上版のGTX 1080およびGTX 1060が登場

 GTX 1080 Tiの発表に合わせ、従来のGTX 1080の希望小売価格が499ドルに改定されることも発表された。これまでの希望小売価格は599ドルであったので、ちょうど100ドルの値下げということになる。現時点の為替に基づけば、日本円では-11,000円ほどのインパクトになるだろう。ハイエンドGPUがさらに求めやすくなるということで、ゲーマー的にも嬉しい限りだ。

 さらに今回プレス向けに発表されたところでは、従来のGTX 1080およびGTX 1060のメモリクロックを向上させたOCバージョンも登場するとのこと。GTX 1080はメモリクロック10Gbps→11Gbps(GDDR5X)となり、GTX 1060は8Gbps→9Gbps(GDDR5)となる。これらのOC版各製品は、今後サードパーティベンダー各社から順次販売されるとのことだ。