ニュース

「どこでもドア」をVRで再現! 「どこでもドア」の先に広がる南極大陸

「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」に合わせて登場

2月20日~4月14日 開催

会場:東京スカイツリー「ソラマチ」3F 12番地

どこでもドアをくぐると南極大陸へ

 2017年3月4日から公開される「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」のタイアップ企画として、バンダイナムコエンターテインメントの企画チーム「Project i Can」が「ドラえもんVR『どこでもドア』」を開発。2月20日より4月14日の期間、東京スカイツリーにある「ソラマチ」3F 12番地で公開される。これに先だってプレス向けの体験会があったので、ここでご紹介する。

【ドラえもんVR「どこでもドア」】

 体験だが、のび太の部屋にある「どこでもドア」を使って、いろいろな場所に行くというもの。VRのゴーグルを通して見えるのび太の部屋はとてもリアルで、置いてある本などを手に取って見ることができそうな感じだ。

VRのゴーグルを付けたらそこにあるのはのび太の部屋
のび太の机からドラえもんがこんにちは
どこでもドアを開けるとそこには南極が広がる
南極から見たのび太の部屋

 どこでもドアを通って体感できるのは、南極のほか、列車の屋根の上に移動するというものがある。高速で走る列車の上に立った状態は、VRだとわかっているのだが、とても怖く感じた。そのあたりは実際に体験してみてほしいところだ。

 なおコンテンツの体験時間は5、6分といったところ。それに装置の脱着時間を含めて、全体は10分程度だ。

どこでもドアの先には列車の屋根が見える
トンネルが近づいてきた! このあとの展開は?

 なお、引き出しを開けるとそこにあるのはタイムマシンの空間。手を入れることもでき、なんだか不思議な体験をすることができる。

机の中にはおなじみのタイムマシンの空間が広がる……

HTC ViveとVR OneによりVR空間を構築

 少しシステム的なところに目を向けて話を進めよう。今回の「ドラえもんVR『どこでもドア』」は、MSIのバックパックPC「VR One」を利用して作られている。VRに使っているデバイスはHTC Vive。VR Oneは3.6kg程度なので、女性でも背負って、十分にVRを体験することが可能だ。

 ところで実際に体験をするときには「Viveコントローラ」が必要なはずだが、今回はそれらを手に持って体験することはない。ではどこにあるのかというと、実は「どこでもドア」の上の方に設置されていて、ドアの開閉に合わせてVRの空間を見せていることになる。もう1つのコントローラは机の引き出しに付けられており、引き出しを引っぱると反応するようになっている。

扉の上に付けられているViveコントローラ
もう1つは机の脇に設置

ドラえもんとVRの親和性は抜群――開発者インタビュー

Project i Canの室長である田宮幸春氏

 会場ではProject i Canの室長である田宮幸春氏に話を聞くことができたので、最後にご紹介しよう。

――「ドラえもんVR『どこでもドア』」を開発した経緯についてお聞かせください

田宮氏: 実はこれの企画書自体は2年前にできあがってたんです。2年前の東京ゲームショウの時、Oculusさんが開発中のタッチコントローラーで「Toybox」を遊ばせていただいたんですが、これが楽しくて。VRはゲームじゃないなと。体験そのものでこれだけ楽しいんだということがわかったので、終わって2日後くらいに1枚の企画書を書いたのがこれだったんです。そこから、どうやったらこれを実現できるのか、方々探しながら進めて、やっと今回形になったといったところですね。

 Project i Canのコンセプトは、「やりたいという大人の好奇心をVRで叶えましょう」ということなんですが、ドラえもんの「あんなことができたらいいな」がProject i Canのポリシーと同じなので、絶対に「ドラえもん」をやりたいと思っていまして。そんな中で、今回の映画が“どこでもドア”で南極に行きますというところで、プロモーションとして合うかもしれないと。いろいろな種まきの中からキャッチしていただいて、「だったら一緒にやりましょう」と。プロモーションに関しても、「映画ドラえもん」に大人の人にも来ていただきたいという働きかけをしたいということだったので、じゃあVRぴったり合いますと話をさせていただいて、今回の形になりました。

――「ドラえもん」でVRをやりたいというのがあったわけですね。

田宮氏: すごくありました。「ひみつ道具」って夢の宝庫じゃないですか。やっぱりVRでやりたいと、体験ができますと言われたときにおそらく、想像するところのいろいろなものの種がひみつ道具には備わっていると思いました。

 作ってみて思ったのですが、ピンクのドアの強烈さがすごい(笑)。どこから見ても、見た瞬間に「ドラえもん」じゃないですか。やっぱりあのドアをピンクにした藤子・F・不二雄先生はすごい。見ただけで、設置しているときから子どもが駆け寄ってきますからね。「どこでもドアだ!」(笑)。

 ソラマチには海外の観光客もいっぱいいらっしゃるのですが、やはり「ドラえもん」と、“どこでもドア”だという反応があって。アジアの方にも認知度は高いなと実感しました。

――バックパックのPCが特徴的ですね。

田宮氏: 今回VRの体験には、MSIのVR Oneを使っています。VRというと今まで有線で、5メートルくらいの線を引きずるのが普通だったんですが、なんとかケーブルの束縛から離れたい。特にこのコンテンツは自由に歩いてほしかったので。開発中に1回実験でケーブルを引きずらせてやったんですが、猿回しみたいな状態になりまして。「そっち行かないで! 回り込まないで」(笑)となり大変でした。「ドラえもん」というコンテンツと(バックパックの)見た目が気になったのですが、体験の価値の方を優先しようと思いまして。特に“くぐる”というところに価値のあるコンテンツなので、今回はこの形にしました。VR空間で自由に動き回れるのは楽しいですよね。

――予約もすごいですね。

田宮氏: 今日で埋まっちゃいましたね。びっくりしました。1回の数は言えないのですが、最初のうちは余裕を持って予約を取らせていただいて、オペレーションが慣れたら少しずつ増やしていくことを考えています。ただ、キャンセルが入れば△になりますので、場合によっては当日サイトを見て「キャンセルが入っているな」と飛び込みで入っていただくこともできますし。今は1か月先の予約が取れるのですが、明日になればまた1日分予約日が増えますから。

――この次に考えていることは何かあるのでしょうか?

田宮氏: いっぱいありますよ!(笑)。恐ろしいくらい作っています。なんじゃこりゃっていうメカもできあがってますので。「ドラえもん」も“どこでもドア”だけ以外にもやりたいんですけどね。「ガリバートンネル」とかいいですよね! ガリバートンネルに入って、のび太の部屋の向こう側から出てきたら。それで2人でやったら隣の方が大きく見えるようにするんですよ。手が見えるので、それをかぶせると「うぉー!」ってなるような。絶対面白いと思います。

――ありがとうございました。