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「Vainglory」、“druid崩し”に見た日本代表ViVianneの未来

日韓公式大会「龍虎杯Vol.2」で、ViVianneが世界王者に肉薄!

10月22日 開催

場所:イオンシネマ幕張新都心

 Super Evil Megacorpは、Android/iOS用アクション戦略ゲーム「Vainglory(ベイングローリー)」の第2回日韓公式大会「龍虎杯(りゅうこはい) Vol.2」を10月22日に開催し、その上映イベント「Vainglory シネマライブ!第2回龍虎杯」をイオンシネマ幕張新都心にて開催した。入場料は2,500円(税込)。

 「龍虎杯 Vol.2」は、日本チーム「ViVianne」と韓国チーム「Phoenix Armada」が対戦する日韓戦の公式大会。今回が第2回目となり、出場したのは「龍虎杯」第1回王者のViVianne(日本)と、世界大会VIPLの王者であるPhoenix Armada(韓国。元チーム名はInvincible Armada)。現世界チャンピオンのPhoenix Armadaに対し、ViVianneがどこまで肉薄できるかという対戦となった。

 今回の対戦はオンラインによって開催されたが、その模様をパブリックビューイング形式で見届けられた上映イベントが「Vainglory シネマライブ!第2回龍虎杯」となる。来場者は「龍虎杯」用に用意されたイオンシネマ幕張新都心のスクリーンの1つの座席に座り、大勢の観客と共にスクリーンで中継される試合の行方を追うこととなる。

 今回の試合はOPENREC.tvにて中継されていたが、自分の周囲に多数の観客がいる状態で、感嘆したり、落胆したりするのは、試合を巨大スクリーンで見るという以上に楽しい経験だった。

【Vainglory シネマライブ!第2回龍虎杯】
大会前には来場者参加による「大乱闘」や通常戦のエキシビションマッチが開催され、プレーヤー同士の交流の場ともなっていた。映画館だけにポップコーンを買って観戦したり、試合の感想や考察を話し合ったり、それぞれが楽しい時間を過ごしたことを感じさせた

ViVianneが世界王者Phoenix Armadaに挑む!

ViVianneの作戦がハマり、王者相手に完勝という幕開け!

 今回の試合は、勝利チームに15万円、敗北した場合も5万円という賞金が一応かかってはいるものの、エキシビションマッチや交流戦といった趣が強い。ただし公式大会のフォーマットで世界に配信される試合でもあるので、ViVianneとしては、世界チャンピオンに思い切ってぶつかれるまたとない機会であるし、一方のPhoenix ArmadaとしてはViViannnにいつまでも「日韓戦の勝者」の座を譲っている訳にはいかない。つまりは今回の試合、かなりバチバチの本意気の対戦となったわけだ。

 そういった背景を含めて注目の対戦となったが、1試合目で目覚ましい活躍を見せたのはViVianneだった。

 Phoenix Armadaというチームは、メンバーがそれぞれ熟練者ではあるが、特にレーン(マップ上部の直線通路)を担当するdruid選手のラストヒット技術がすさまじく高いのが特徴だ。ミニオンに対して堅実にラストヒットを積み重ねていくことでより多くの資金を稼ぐことができ、その分だけヒーローを素早く成長させられる。

 druid選手は序盤からこのラストヒットをフル回転で決めていくので、結果として誰よりも早くヒーローを成長させて戦場の優勢をがっちり握ることができる。ビルド差で常に優位を保ちつつ、終盤になるほど手がつけられなくなっていくというのが、druid選手のプレイスタイルだ。

 ViVianneがとった作戦は、このdruid選手を徹底マークするというもの。1試合目ではdruid選手のセレスに対し、早々にレーン側にプレッシャーをかけて、タレット破壊にかかる作戦を展開。タレットを破壊するとミニオンを安全に狩れる領域も狭くなるので、その分セレスの成長を遅らせることができる。

 この作戦がまずは見事に決まったほか、圧巻だったのは、中盤で見られたランス(ViViQiZ選手)の「刺突」をきっかけとする集中攻撃。足止め効果のある「刺突」でセレスを足止めすると、そこへサイレンス効果のあるヴォックス(Guest_111488208選手)の「アンチフェーズ」を重ね、さらにランスの「ガイシアの壁」で気絶させ、そこへ「闇の漂流」に乗って強化されたサムエル(tatuki217選手)の「悪意と裁断」がバシっと入る。

 さすがのセレスもこの集中攻撃には耐えることができず、ViVianneはセレスのキルに成功。この攻撃では結局残り2人のキルにも成功してエースをもぎ取ると、クラーケンまで捕獲して一気に試合を決めた。

 中でもアビリティ効果を高める「クリスタル」を最優先で積み込むサムエルの攻撃力が非常に高く、足止めや気絶状態にサムエルの攻撃が重なると、瞬間的に体力をごっそり削ることに成功していた。

 2試合目では、Phoenix Armada側にランスを取られたものの、ViVianneは代わりにアダージオを入れ、残りは再びヴォックス、サムエルという構成。Phoenix Armadaのdruid選手も再度セレスを選択しており、ViVianneにはランスがいない分足止め効果は薄まったかに思えたが、今度は敵を眠らせるサムエルの「忘却」がセレスに当たったことがきっかけとなり、そこにヴォックスの「アンチフェーズ」、そしてアダージオの「裁きの詩」も重なって、セレスを釘付けにしたままキルに成功。こちらでもエースを取り、そのまま押し切って2連勝となった。

第2試合も同様の形でViVianneが制する。このままで終わらせられないのがPhoenix Armadaだ

ViVianneがケストレルをもらえた第3試合。ただし前試合までの作戦は完全に封じられている
第4試合ではいよいよケストレルがPhoenix Armadaの手に。こうなるとなかなか厳しいか

 とにかくdruid選手対策を相当練ったような印象で、立ち上がりから集団戦でのぶつかり方まで、「druid崩し」がことごとくハマっていた。これでViVianneはあと1勝を取れば、試合を制することとなる。

 追い込まれたPhoenix Armadaは、しかしそこからの対応力が素晴らしかった。Phoenix Armadaは続く3試合目でバン対象をサムエルに選択。強ヒーローとされるケストレルのバンが定石となっている現レギュレーションにおいて、それよりもサムエルの火力を嫌がったという選択だ。

 Phoenix Armadaはさらにランス、ヴォックスを取り、前2試合で展開されたViVianneの作戦を完全に封じる作戦に。ViVianneは図らずしてケストレルを取ることができたものの、続く試合で目覚ましい活躍をしたのはPhoenix Armadaだった。

 Phoenix Armadaは、前2試合の意趣返しと言わんばかりに、レーンにプレッシャーをかけつつ、ケストレルへのマークを徹底。druid選手のヴォックスが本来の持ち味であるラストヒットの量産態勢に入ると、ヴォックスが徐々にケストレルとの能力差を広げていくとケストレルが狙い撃ちで落とされる場面も増えてきて、対抗手段を持てないままViVianneが敗北を喫した。

 第4試合はViVianneがソー、フィン、ランスというこれまでとは変わった構成となったが、ラストヒットを積み重ねたdruid選手のアダージオもいるし、Mango選手のケストレルが遠い距離から痛すぎる矢を放ってきて、思うような試合をさせてもらえないままベインクリスタルが割られてしまった。

 試合はバンがなく、ヒーローの自由選択となる最終試合までもつれ込んだが、ここでも威力を発揮したのがケストレルだ。ViVianneがランス、ヴォックス、サムエルという第1試合と同じ構成に対し、Phoenix Armadaはランス、ケストレル、サムエルを選択。ViVianneの作戦を読んでいたかどうかまではわからないが、2ヒーローが被ることで、より実力差が如実に出る形になった。

 しかもケストレルを操るのはdruid選手ということで、その育ち方はやはり速い。サムエルのさすがの火力も長い射程距離のケストレルには対抗できず、しかも移動先を読んで的確に「グリマーショット」を当てるdruid選手の腕前もあって、Phoenix Armadaの怒涛の反撃を覆すには至らなかった。試合は結局Phoenix Armadaが2連敗のあと3連勝し、勝者はPhoenix Armadaとなった。

最後もケストレルを手にしたPhoenix Armadaが猛威を奮った。ViVianneとしてはもう少しといったところだった!

世界大会「Vainglory World Championships」まであと1カ月とちょっと。ViVianneの活躍に期待だ!

 ViVianneは勝利目前だっただけに惜しい試合となったが、druid選手1点集中の作戦を見事に成功させたのは大きな収穫だったと思う。ポイントとなったのはサムエルがバンされ、ケストレルを獲得できた3試合目で、ここで封じ込められてしまった上、その後はケストレルもキープされてズルズルいってしまった部分があると思う。3試合目でさらなる工夫が見せられれば、Phoenix Armadaを窮地に追いやり、勢いのまま撃破ということも十分に有り得たはずだ。

 ただ今後の期待という点では、これほど楽しみなことはない。世界王者に対してあれだけの試合が見せられるのだから、ViVianneが世界を相手にいかに戦えるかは日本の「Vainglory」シーンの見どころとなっていくだろう。

 なお今回新たなアナウンスとして、東京ゲームショウ2016で発表された世界大会の日本代表チームが、ViVianneに変更になったことが明かされた。世界大会は12月2日から4日まで、アメリカのロサンゼルスで開催される予定。ViVianneの世界での活躍を、ぜひ楽しみにしていただきたい。