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「FFXII THE ZODIAC AGE」ステージ「みんな『FFXII』が好きで、今僕らに力を返してくれている感じがする」

9月15日~18日 開催

会場:幕張メッセ

入場料:一般前売券 1,000円(税込)

一般当日券 1,200円(税込)
小学生以下無料
画像左より司会の横町藍さん、武田航平さん、小澤真利奈さん、加藤弘彰プロデューサー、崎元仁氏

 スクウェア・エニックスは、「東京ゲームショウ 2016」最終日となる9月18日、プレイステーション 4用RPG「ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ」のスペシャルステージを開催した。

 会場には加藤弘彰プロデューサー、ヴァン役の武田航平氏、パンネロ役の小澤真利奈さんが登場。「思い入れのある作品なので、10年ぶりにヴァンとして帰ってこられたことに感無量です。これもプロデューサーやファンのみなさんのおかげだと思っているので、本当に感謝しています(武田さん)」、「当時の私が16歳で、パンネロも16歳で、一緒に成長している気持ちでいました。また、パンネロとして参加できることに感動しています(小澤さん)」、「当時キャストは『この2人しかいない!』と満場一致で決まったことをよく覚えています。またご一緒できてうれしい限りです(加藤プロデューサー)」と、それぞれから喜びのコメントを送られ、イベントはスタートした。

 イベントでは、まず本作の概要の説明が行なわれた。また、リメイクに関して加藤プロデューサーからは「以前からHDリマスターの話は合ったのですが、コアメンバーを集めてきちんと作りこみたいという思いがあり、それが今ようやく実現したという感じです」と、本作にかける熱意を感じさせるコメントが述べられた。

単なる画質の向上にとどまらず、ゲーム全体をさらにブラッシュアップしたものになるとのこと

 続いては、先日公開されたばかり最新のトレイラームービーと、ゲーム冒頭のヴァンとパンネロの会話シーンが上映された。収録当時を思い出した懐かしさからか、武田さんが「当時は高校生で、収録のたびにお弁当や食べ物を用意してもらっていて、ちょっと部活に行っているような気持ちでした(笑)」。すると、小澤さんから「当時15kgのダイエットをしたのですが、モーションキャプチャーのために体型を維持しなくてはいけないと思い込んでいて、すごい苦労をした覚えがあります。後で加藤プロデューサーに聞いたら「別にそんなことはない」と言われて、こんなことなら食べておけばよかったなと(笑)」と収録当時のエピソードが語られた。

2人の話に、加藤プロデューサーは「栄養バランスを考えて魚がいいかな? 食べ盛りだし肉の方がいいかな? とかそんなことを考えながら用意していました」と乗っかり、思い出話に花を咲かせた

 さらに実機を使っての新要素の紹介の行なわれた。新たに追加された「倍速モード」、「ロケーションマップの常時表示化」、「ロード時間の短縮」、「マップ切り替え時のオートセーブ」といった派手ではないが、プレイアビリティに大きくかかわる部分の改善点を加藤プロデューサーが説明。

改善にあたっては「ユーザーに余計な手間をかけさせないように、ボタン1つで切り替えられるようにしました(加藤プロデューサー)」とのこと

 実機プレイについて、武田さんが「映像だけでなくBGMもすごくクリアできれいになっていますね」と音楽に言及すると、ここで本作のコンポーザーを務めるベイシスケイプ代表取締役社長・崎元仁氏が登場。音楽に関する裏話に話題が移行し、その中でBGM「フォーン海岸」が実はラスボス用のBGMとして作られたことが明かされた。加藤プロデューサーによると「ラストバトル用のテンション上げ上げ系の曲としてスタッフの評判も良かったのですが、最終的には「2つの勢力が思いをぶつけるシーンに合わせた曲を」ということで変更になりました。解放軍と帝国軍のテーマが交互にぶつかり合うようなイメージで作られた「自由への闘い」は、ファンからも評価が高く結果的によくなったのですが、長尺なので最後まで収録するのに調整することになりました(笑)」とのこと。

 また、崎元氏からは「大規模な制作になると、言われるままに作っている感じがして「それでいいのかな?」という気持ちになるんですよね」という前置きとともに、マスターアップ直前に曲を追加したエピソードが語られた。完成直前という段階になって、崎元氏が全カットシーンを確認させてほしいと提案。最終的に既存の曲のアレンジや専用の曲が7~8曲追加されたとのこと。これについては制作進行としては苦労があったはずだが、加藤プロデューサーからも「かなりハラハラしましたが、どれもいい曲で作品がさらに良くなったと思っています」と、満足げな態度をうかがわせた。

当時、加藤プロデューサーは曲の進行管理も担当していたのだが、崎元氏によると「漫画家と編集のような関係で、締め切りに家まで来てもらったことがありますね。もう2度と来てほしくありませんが(笑)」とのこと

 2人の作品のために苦労をいとわない情熱は本作でも健在で、当初BGMはサウンドトラックを再利用する予定が生楽器による再レコーディングに変更になったとのこと。崎元氏は、「シンセサイザーだけではどうしても壁があるので、いい機会なので再レコーディングしました。大変でしたけどね(笑)」と語りながら、ボストン→シドニー→日本と、収録ツアーに3週間を費やしたことを明かした。

 その情熱は演奏者にも伝わっていたようで、「シンセで曲を作っていたので結構ムチャをやっていて、演奏は難しいはずなのに、みんなすごくうまくて弾いてくれちゃうんですよ。『FFXIIが好きだから弾けるんだ』と言ってくれていました」と崎元氏がツアーでの出来事を話すと、加藤プロデューサーも日本で収録に立ち会った時のエピソードを語ってくれた。「崎元さんがOKを出しているのに、演奏している人が『もう1度やり直したい』ということが何度もあったんですよ。みんな『FFXII』が好きで、今僕らに力を返してくれている感じがしました(加藤プロデューサー)」。

こちらはBGMの収録風景。全曲の再収録に加えて、ほとんどの収録がフルオーケストラということで大変な苦労があったはずだが……

 苦労を容易にうかがわせる内容にもかかわらず、終始笑顔で進行した今回のイベントだが、残念ながら終了時間となってしまい、参加者それぞれからコメントが送られ幕を下ろすこととなった。以下に記載するので、彼らの作品にかける情熱を感じながら2017年の発売を大いに期待して待っていてほしい。

崎元仁氏「オリジナルではいくつかのロケーションでBGMを流用していましたが、今回は新曲を入れています。10年前に作った曲の雰囲気をもう1度つかんで作るのは結構拷問でしたが(笑)、なんとか取り戻して作りました。ぜひ聴いてみてください」。

武田さん「この日が来るのがずっと楽しみでした。素敵な作品がお届けできたらうれしいです。個人的には、この作品を舞台にしたいと思っていて、そんなことを考えながらみんなで頑張るので、応援してください!」。

小澤さん「こんなにもたくさんのファンが来てくれたことをうれしく思っています。私自身も発売を楽しみにしているので、ぜひみなさんも楽しみに待っていてください」。

加藤プロデューサー「遊びやすくなるようシステムの改良を行っているので、オリジナルをプレイしたにも違った楽しみが味わえると思います。初めての人もキャラクターの育成、バトル、そして世界を冒険する楽しさを体験してほしいと思っているので、ぜひよろしくお願いします」。