【特別企画】

ファミコン版「がんばれゴエモン! からくり道中」が発売40周年

広大なマップに隠し要素が盛りだくさん! 懐かしの名作和風アクションを振り返る

【がんばれゴエモン! からくり道中】
1986年7月30日発売

 1986年7月30日にKONAMIが発売したファミリーコンピュータ用ソフト「がんばれゴエモン! からくり道中」が、本日で40周年を迎えた。

 本作は、悪大名を懲らしめるべく世直しの旅に出た主人公、ゴエモンを十字キーとジャンプ、攻撃の2ボタンで操作し、1周全13ステージクリアを目指すアクションゲーム。各ステージに隠された、または店で売っているアイテム「通行手形」を3個入手し、ゴール地点の関所に入るとステージクリアとなる(※12、13ステージは通行手形は不要)。ゴエモンは敵や障害物に触れるとダメージを受け、ライフメーターがゼロになるとミスになり、水中など画面外に落ちる、またはタイムオーバーになった場合もミスとなる。

 以下、筆者が発売直後にプレイした体験をもとに、本作独特の面白さを改めて振り返ってみよう。

※写真はファミコン版「がんばれゴエモン! からくり道中」で撮影(以下同)

想像以上にすごかった「2メガ」の大ボリューム

 正確には思い出せないが、筆者が本作の存在を初めて知ったのはファミコン雑誌の紹介記事か、テレビCMのどちらかだったと記憶している。特に印象に残ったのが、テレビCMのナレーションで流れた「2メガの嵐が……」のフレーズで、その真意はまったく理解できなかったが「何だか、とんでもなくスケールの大きなゲームっぽいな……」と大いに興味を引かれた。

 本作の発売直後、友人のひとりがソフトを買ったとの情報が筆者の耳に入ると、早速出掛けて遊ばせてもらった。まず驚かされたのが、ゴエモンが屋根の上に飛び乗るオープニングデモに出現した、敵の御用役人が「御用だ!」とリアルなボイスでしゃべったことだった。

 純和風の世界観を引き立てるBGMもすぐに気に入った。イントロで流れる「ピーッ!」という笛の音、琴を想起させるメロディ、鼓と思しき音が鳴るリズムパートが奏でるBGMは、どれを取っても軽快で聞いているだけでもテンションが上がりまくった。

提灯を投げて攻撃してくる、御用役人のボイスには衝撃を受けた

 ゴエモンは攻撃ボタンを押すと正面に向かってキセルを突き出すが、リーチが短いのでなかなか敵に当たらない。特にスリの万吉は動きが機敏で、捕まってもダメージこそ受けないが、せっかく集めた小判(所持金)を盗まれてしまうのが実にいやらしかった。

 「これは難しいぞ」と思っていたら、特定の位置にある玉手箱のそばでジャンプすると出現する招き猫、ひょっとこの両アイテムのおかげで救われた。招き猫を取ると、ゴエモンの武器が飛び道具の小判に変わり、キセルとは比較にならないほど敵が倒しやすくなり、ひょっとこを取ると草履マークが表示され、スピードとジャンプの距離が増すことで敵の攻撃をかわしやすくなったからだ。

初期状態の武器、キセルはリーチが短いが……、
玉手箱から出現する招き猫を取ると、小判を投げて攻撃できるようになる
取ると移動速度とジャンプの距離が3段階までアップする、ひょっとこも超重要アイテムだ

 敵を倒す、玉手箱のそばでジャンプするなどの方法で小判を集め、店でヨロイや三度笠、印籠などのアイテム類を購入すると、ありとあらゆる敵の攻撃を防げるのも実にありがたかった。

 特に本作を遊び始めたばかりの頃は、捕まるとスタート地点に強制的に戻される敵キャラ、カゴ屋の「七ベェ・八ベェ」の体当たりを防ぐ効果を持つお守りには何度も助けられた。店の中には、値段はかなり高いが通行手形を売っている店もあり、どうしても通行手形が見つからないときは財力で解決するか、それとも制限時間とも戦いながら自力で探し出すのか、何度も悩まされたと記憶している。

小判を集め、店でアイテムを購入することでゴエモンはますます頼もしくなる
値段は高いが、ステージクリアの必須アイテム、通行手形を売る店も存在する

 序盤のステージから、マップが広大かつ複雑だったことでも本作は印象深い。筆者は以前に、同じくKONAMIが発売したファミコン版「グーニーズ」を何周もクリアしていた経験があり、多少入り組んだマップでも攻略できる自信はあったが、本作のマップは比較にならないほど広く、通行手形を3個発見して関所にたどり着く前にタイムアウトとなるミスを何度も繰り返した。

 加えて、敵キャラの種類も非常に多く、移動またはジャンプ中に正面や頭上から突如出現した、敵や障害物を避けきれずに何度も痛い目に遭い「これが『2メガの嵐』の意味だったのか……」と子供心に驚かされた。

 ※筆者補足:なお本作の「2メガ」とは、プログラム容量の2メガビットを指し、パッケージにも「2Mビット使用」と大きな文字で書かれている。

ステージ7より。上下左右に広がる村のマップを脳内だけで把握するのは容易なことではない

難解な地下通路と3D迷路の「からくり」に翻弄された思い出

 本作ならではの「からくり」である、地下通路につながる隠し階段を探すのも実に楽しい、かつ頭を悩まされた。

 隠し階段は出現地点でジャンプすると出てくるが、マップが広いこともあり、自力で全部探すのはかなりの手間がかかる。各ステージの地下通路には、取ると200両を獲得できる箱が多数用意され、少数だが通行手形が隠されていることもあり、特に後者を発見できたときは本当に嬉しかった。また隠し階段は、店でロウソクのアイテムを買っておくと、一定の時間が経過するまで自動で表示されるので、これを利用して毎回階段の位置を必死になって覚えたものだ。

 複数の階段が用意された地下通路は、やがてショートカットにも利用できることに気付いたことで、筆者は本作がますます楽しくなった。だが、ステージが進むにつれて地下通路の数が増え、どの階段がどの地上マップにつながっているのか、覚えるのが極めて難しくなり何度も迷子になってしまった。

【「がんばれゴエモン!」名物の隠し階段と地下通路】
マップ上のあちこちに階段が隠されているのも本作ならではの楽しいところ
地下通路で通行手形や、小判の入った箱を発見できたときは本当に嬉しかった

 特定の店または建物に入り、一定の金額を払うとチャレンジできる、3Dマップの迷路にも大いに苦しめられた。

 序盤のステージのマップは単純なので適当に遊んでいてもクリアできたが、先のステージに進むほど複雑になり、方眼紙などを利用してマッピングをしなければすぐに道に迷ってしまう。当時の筆者は3Dのマッピングが不得手だったので、できればパスしたいところだったが、各迷路には通行手形が必ず1個配置され、ほかにも200両の箱や1UPアイテムの大入り袋が隠されているので、避けるわけにはいかなかった。

 どこの迷路でも、特定の場所に置かれている地図を取れば全体マップが見られるようになるので、地図さえ発見できれば道に迷う心配は一切なくなるが、中盤以降のステージでは地図を発見することすらままならない。迷路の中は時間無制限でプレイできるものの、自力で地図も出口もまったく見つけられずに脱出不能となり、泣く泣くリセットボタンに手を伸ばす悔しい思いを何度もさせられた。

【こちらも「がんばれゴエモン!」名物の迷路】
通常マップとは打って変わり、3D空間を冒険することになる
地図を取ると、ボタン操作でいつでも全体マップを見ることができる(※写真はステージ1の迷路)
大半の迷路に出現する大入り袋は、貴重な1UPアイテムだ

 迷路と同様に筆者が大苦戦したのが、ステージ6などに登場する、小さな島や橋に向かって飛び移る場面だった。

 着地に失敗して、ゴエモンが水中または谷間に落ちてしまうと即ミスになる。島や崖の端ギリギリの位置まで移動しようと思ったら、勢い余って落ちてしまうこともしばしばで、グズグズしていると敵の体当たりを受けてどんどんライフを削られることもあり、慣れるまでの間は何度も失敗を繰り返した。

 しかも途中でミスをすると、リスタート時に草履のストックがゼロになり、ジャンプの距離が最低レベルになるのでタイミングがますますシビアになってしまう。初めのうちは毎回ステージ6でジャンプに連続で失敗し、あっという間にゲームオーバーにさせられた。

ステージ8より。途中でミスしてゴエモンのスピードが初期状態に戻るとかなり不利になる
こちらはステージ6。ジャンプの軌道だけでなく、敵をかわすタイミングを計るのが意外に難しい

 最終面となるステージ13の難しさにもお手上げだった。

 城内に進入すると、手裏剣を次々と放つ忍者の「霧隠一族」、刀を持った「やぶさか城之慎」、薙刀を手にしたまま強力な爆弾を投げつける「葵の局」などが、ひっきりなしに襲い掛かってくるので、何回プレイしてもあっという間にやられてしまう。あまりの難しさに、当時の筆者は自力で1周クリアすることができなかった。

最終面となるステージ13の城内では、強敵たちの総攻撃が待ち受ける

「からくり道中」をさらに彩った隠れキャラと裏技の数々

 ファミコンブームの真っただ中に発売された本作には、数え切れないほどの隠れキャラや裏技が豊富に用意されていたことも、筆者にとっては忘れがたい。

 各ステージで敵を倒したり、障害物を避けたりしていると、まったくの偶然だが寿司、アイスクリーム、お茶、鏡餅などの隠れキャラが次々と出現したので、友人たちと隠れキャラを見つけるたびに「何これ?」「あった!」などと大いに喜んだ。場所によっては、同社作品ではおなじみのコナミマン太郎、モアイなどのユニークな隠れキャラも潜んでいたと記憶している。

 隠れキャラのほとんどは、取ると5,000点または1,000点のボーナス得点が加算されるが、ごく一部には1UPする隠れキャラが潜んでいたこともあり、本編のマップ探索や敵キャラとの戦いだけでなく、隠れキャラ探しもとても楽しかった。

【隠れキャラいろいろ】
多くの場所に隠されている寿司
KONAMI作品名物、モアイも隠れキャラとして登場
ステージ9に隠された、ゴエモンの頭上に出現したアイスクリームを取ると1UPする

 本作のいくつかある裏技のうち、筆者が特に重宝したのが、迷路で地図がない状態でも印籠のアイテムがあればいつでも全体マップが見られる方法と、ゲームオーバーになったステージから再開できるコンティニューの2種類だった。

 前者の裏技は、ファミコン専門誌(おそらく「ファミコンマガジン」)の裏技コーナーで初めて知ったが、前述したように筆者は迷路で何度となく苦しんでいたこともあり、早速試したら本当にできたので飛び上がるほど嬉しかった。コンティニューの裏技もよく使ったが、所持していたアイテムはすべて消滅し、所持金が半分に減ってしまうこともあり、中盤以降のステージではなかなか先に進めなかったと記憶している。

写真はステージ8の迷路の全体マップ。広大かつ複雑な構造で、印籠を持っていなければ苦戦必至だ
所持していたアイテムはすべて消滅してしまうが、コンティニューもとても便利な裏技だった

 本作は、7月2日に発売および配信されたNintendo Switch、PS5、Steam用ソフト「がんばれゴエモン大集合!」に収録されているので、いつでも手軽に遊べるのが嬉しい。

 ありがたいことに「がんばれゴエモン大集合!」版では、途中で失敗してもすぐにやり直せる「巻き戻し」や「クイックセーブ・ロード」などの便利機能が搭載されている。本作を未プレイの人も、ファミコン版では1周クリアを果たせなかった人も、この機会にぜひチャレンジしていただきたい。