【特別企画】

【ディアブロ IV】「釣り」は唯一の癒し要素!? 新クラス開発秘話を肴に“地獄飯”で晩餐

ソウルで開催「憎悪の帝王」ローンチイベントを体験

【新拡張パック「ディアブロ IV: 憎悪の帝王」ローンチイベント】
2026年4月27日 開催
会場:ソウル・Devil's Door Gramercy Central
アソシエイトゲームディレクターのZaven Haroutunian氏

 Blizzard Entertainmentの「ディアブロIV」最新拡張パック「憎悪の帝王」がついに本日4月28日に発売された。

 Blizzard Entertainment韓国スタジオは、発売前日の4月27日に、ソウルに韓国と日本のメディアとインフルエンサーやクリエイターを招待して「『憎悪の帝王』ローンチイベント」を開催した。イベントには「ディアブロIV」のアソシエイトゲームディレクターのZaven Haroutunian氏が登壇し、韓国や日本のメディアからのインタビューに答えた。

 またイベントでは、韓国で拡張パックの発売と同時に開催されるコラボイベント「Kitchen Diablo(以下、キッチンディアブロ)」のメニューお披露目も行なわれた。このレポートでは、Haroutunian氏のインタビューと、キッチンディアブロのメニューなどを紹介したい。

ソウル市内のビストロパブでローンチイベントを開催

 ローンチイベントの会場となったのは、キッチンディアブロの会場でもあるソウル市内にあるビストロパブ「Devil's Door Gramercy Central」。レンガ造りのレトロな雰囲気のビストロパブ。約300坪、200人以上を収容できる広い店内には、店のオリジナルビールを醸造するための施設やオープンキッチンが客席から見える場所に設置されている。

会場となったビストロパブ「Devil's Door Gramercy Central」
エントランスもすっかり「ディアブロIV」色に染められている
オリジナルのクラフトビールのブリュワリーがある

 普段は開放的な雰囲気だが、コラボ期間中だけはここが天使と悪魔の戦場になる。蔦が絡まる物々しいエントランスをくぐると、リリスの祭壇とイナリウスの祭壇がそれぞれ別のエリアに祀られている。

 店内の窓はメフィストとアカラットのイラストでステンドグラス風に装飾され、いくつかあるサイネージもアカラットとメフィストが交互に表示される。店内の照明は通常は明るい白色光だが、時間帯によってはメフィストをイメージした赤い光となり、店内のオブジェを怪しく照らす。

 他にも店内のそこかしこに、リリスやイナリウス、アカラットやメフィストのイラストやアイテムが飾られているなど、店内はすっかり「ディアブロIV」の世界に染まっていた。

窓はステンドグラスのように装飾されている
まるで宗教画のように飾り付けられたアカラットのイラスト
エントランスを入ってすぐの場所にあるリリスの祭壇
ドアを挟んで反対側にはイナリウスが祀られていた
2階にあるバーの棚にもたくさんの絵が飾られていた
よく見るとガイコツや禍々しいデザインのゴブレットなど「ディアブロIV」をイメージした様々なアイテムが飾られている
メフィストの時間になると、すべてが赤く染まる

Haroutunian氏が語る「憎悪の帝王」開発のためのビジョン

 イベント冒頭には、Haroutunian氏によるプレゼンテーションが行なわれ、「憎悪の帝王」で追加される2つの新クラス、ホラドリム・キューブやウォープラン、タリスマンなどの新要素、マップのオーバーレイカスタマイズやトーメントの段階細分化などのシステム改修などを改めて解説した。

イベントの最初に行なわれた英語と韓国語でのプレゼンテーション。改めて「憎悪の帝王」で追加されるコンテンツなどがまとめて紹介された

 その後行なわれた日本メディア向けの合同インタビューの様子を以下に紹介したい。内容としては拡張パック「憎悪の帝王」で実装された新クラスのウォーロック、パラディン、さらには「釣り」といった新要素について、開発秘話など貴重なお話を伺うことができた。

インタビュー中の様子

――「ディアブロIV」ではリリスの悲しみやメフィストの苦しみにプレイヤーが感情移入するような演出がなされているなど、これまで以上に悪魔のキャラクター性にフォーカスされているように思います。一方で悪魔はやはり危険な存在で、助けてもらおうとしたキャラクターたちはどんどん破滅していきます。翻って、今作で追加される「ウォーロック」というキャラクターは悪魔の力を利用するクラスとして描かれています。悪魔の力を求めてしまったウォーロックには、代償が突き付けられるんでしょうか?

Haroutunian氏: システム的には何らかの代償を支払うということはありません。ストーリー的には、彼らは自分たちの運命を受け入れています。できるだけ長く浸食を食い止めようとしますが、最終的には魂が代償として支払われることは理解しています。ただ、長い目で見ると、自分たちの犠牲によってサンクチュアリを守ることができるという考えがウォーロックの行動原理になります。ウォーロックたちは、自分たちがハッピーエンドを迎えられなかったとしても、他の人たちが幸せになるなら、自分たちは死んでも構わないということを完全に理解しているキャラクターなのです。

――先行体験でウォーロックを公開して、プレイヤーからどんな反応があったか。パラディンの先行トライアルとの違いや予想外の反応があったら教えてください。

Haroutunian氏: ウォーロックについては先行体験できたのが、メディアやインフルエンサーのみなので、まだ実際のプレイヤーの声はあまり聞こえていないのが現状です。メディアのレビューがかなりよかったので、プレイヤーのみなさんが遊べることを待ち遠しく思っています。物語を3部作で完結させるのも今回が初めての試みなので、それについても楽しみです。パラディンを発表したときには、もう「ディアブロ」ではパラディンやクルセイダーを使えないのではと希望を失いかけていたみなさんが、実装されることが分かってからは熱意を持って応援してくれています。自分はパラディンが好きじゃないという人も「パラディン好きのみんなおめでとう」という感じで温かく新クラスを迎え入れてくれたのが印象的でした。ウォーロックを追加すると発表したときにも、パラディンの時にはお祭り騒ぎに参加できなかった人たちが今度は「うぉー!」と喜んで、「君たちもおめでとう」とコミュニティがひとつになって今回の拡張を祝ってくれているなと感じました。

――パラディンは「ディアブロ」シリーズとしては久しぶりの追加だと思います。「ディアブロIV」にパラディンを追加するにあたって、どのようにこのクラスを再構築したのでしょうか?

Haroutunian氏: パラディンの実装は開発チームにとって挑戦でした。長い間親しまれているクラスですし、プレイヤーの中には知り尽くして「これとこれとこれがないとパラディンじゃないよね」という期待を持っている人もいます。そんなスキルのひとつが範囲攻撃の一種である「オーラ」です。今まで「ディアブロIV」にはオーラ系のアビリティがありませんでした。パーティプレイにおいてオーラは重要な要素になります。パラディンが他のクラスにどういう相乗効果をもたらすのか、どのようにほかのクラスと関わっていくのかを考え尽くす機会になりました。

 昔のパラディンをそのまま実装してこれで終わりというわけではなく、「ディアブロIV」版のパラディンにアップデートしていかなくてはなりません。“昔ながらのパラディン”にするためには絶対に入れる必要があるスキルがいくつかはありました。例えばハンマー系のスキルは必要不可欠でした。また「ディアブロIII」のクルセイダーが持っていた「ジール」も必要でした。それと同時に「ディアブロIII」のクルセイダーはパラディンに似ているけれど異なるものだというアイデアもあったので、どういう風にパラディンに落とし込むかを考えたところ、盾を投げるというクルセイダーのアビリティはパラディンでもかなり自然に感じたので、それは取り入れました。あともう一つ「ディアブロIV」のパラディン固有のものとして槍を持ってきました。今回のパラディンは槍使いであり、槍をベースにしたアビリティもいくつか追加しています。

――タリスマンを導入した理由と、どのようにプレイヤーに遊んで欲しいかを教えてください。

Haroutunian氏: 昔あった「チャーム」を「ディアブロIV」に持ってきたいと思いました。チャームは昔あった中ではかなりフレキシブルな考え方ができる要素でしたし、プレイヤーも開発側も、自分のインベントリスロットがプレイヤー強化に使われるのは嫌だと思っていましたから、専用のUIを作れるようなものが双方から望まれていました。

 さらに物語的にもちょうどいい感じに入れることができました。初期段階で手に入るタリスマンは、元はネイレルのものということになっているので、物語としてもシステム的にもちょうどいい感じに落とし込めました。タリスマンには2つの意味合いがあります。1つはキャラクターの成長に別の道を用意することです。武器を強化していくのか、タリスマンを強化していくのかという選択肢が生まれます。

 それに自由度の高いセットボーナスを追加することができました。昔は装備にセットボーナスを付けていましたが、そのために装備を変えていく自由度が狭まっていました。セットボーナスという要素を装備から外してタリスマンから受けられるようにすることで、キャラクターカスタマイズの幅が広がりました。

――ウォーロックは召喚術を使うところがネクロマンサーに似ており、ソーサラーのように魔法でも戦います。これらのクラスと差別化するために注力したことは何ですか?

Haroutunian氏: 「ディアブロIV」の世界観的に見て各クラスの魔法はかなり使い方が違っているので、それでアイデンティティが保てると思います。例えばドルイドが使う魔法はソーサラーの魔法と全然違いますし、同じ炎の魔法だとしてもウォーロックは地獄の炎で敵を操作したり、敵の能力を封じたりするので、単に火の玉を投げるのとは違います。マグマの塊を投げつけて敵を行動不能にするという感じなので、クラス的には違うと思います。

 魔法より悪魔使役の方が差別化が難しかったです。ネクロマンサーはスケルトンをどんどん生み出して、自分のミニオンが倒れないように自分も攻撃します。ミニオンが自分をサポートしてくれるという相乗関係にありますが、ウォーロックの場合は出した悪魔を使い捨てにするというところが違います。

 ウォーロックのアビリティには、「モンスターや自分が使役している悪魔が死んだときに」という条件があるので、自分を強化するために悪魔を使い捨てにするところがネクロマンサーとの違いです。

――ウォーロックのスキルではたくさんの個性的な悪魔を使役しますが、開発スタッフに人気がある悪魔を教えてください。また残念ながら採用されなかったアイデアについても、どんなスキルで、何が採用されなかった理由だったのかを教えてください。

Haroutunian氏: 開発のお気に入りはわからないのですが、最終的に没になった案は実はあまりなくて、逆に開発中にどんどん悪魔が追加されていきました。ソウル・シャードで呼び出す4体の悪魔は、他のアビリティを作った後、比較的後期に「ずっと一緒に戦ってくれる悪魔がいた方がいいよね」という理由で追加されました。

 没になった悪魔でひとつだけ思い当たるのは、初期段階に、自分の肩の上あたりにふよふよ浮いている小さな悪魔がいて、自分がアビリティを使うと同じアビリティを使ってくれていたのですが、「あまりにも友達っぽくない? 他の悪魔に比べてかっこよくないよね」という理由で、結局その悪魔は没になりました。

――釣りに関して、チーム内のお気に入り釣りスポットだったり、今後も世界にただ存在しているんだということを感じさせるようなインタラクションを追加していく予定があるのかを教えてください。

Haroutunian氏: お気に入りの釣りスポットはネタバレになるのであまり言えません。ただ海岸沿いにほとんどの魚がいます。色々なところに釣りスポットを追加しているので、ここで釣りができるかなと、プレイヤーにいろいろ試行錯誤してほしいです。だいたいは釣れるはずです。プレイヤーのみなさんにはいろいろ探索して欲しいです。釣りができる場所はマップには示していないので、皆さんが探索してコミュニティがアイデアを出し合って、ここは釣れる、ここは釣れない、ここは釣りにくいという風なマップをコミュニティで作成していただければ幸いです。

 ストレスがたまるタイプのゲームである「ディアブロIV」において、カジュアルでリラックスできるミニゲームが初めて導入されました。まずはこれに対する反応を見てみたいです。プレイヤーがすごく気に入ったと言うなら、また何か作れる段階に移行していくのではないかと思っていますので、まずはプレイヤーのみなさんの反応を見てみたいです。

――「憎悪の帝王」の開発で、ご自身が一番思い入れのあるコンテンツのアピールと、日本のコミュニティに向けてのメッセージをお願いします。

Haroutunian氏: 今回の拡張を開発すると決めたとき、各チームのセクションのリーダーが集まって、アイデアのプレゼン大会をした際に、全員のプレゼンが終わったときに会議室がシーンとなって、みんなが口をそろえて「これはBlizzardの名に恥じないクオリティにしなければいけないな」と言っていました。

 チームが一丸となったのを感じました。ビジョンがあって、そのビジョンに見合ったものを提供するにはどうすればいいのかということを、みんなが考え出した瞬間だったのでとても記憶に残っています。僕自身も初めてチームの皆に自分のプレゼンをしたので緊張しましたし、みんなのリアクションが素晴らしかったので、クオリティを追求することが素晴らしいと思いましたし、最終的にそれは達成できたと思います。

 まだ「ディアブロIV」を日本語でプレイしたことはないのですが、日本のプレイヤーのみなさんについては、とてもワクワクしています。「ディアブロIII」の時には日本語でプレイしていました。

日本のディアブロコミュニティは活気があって、やる気があるプレイヤーが多いと思います。それが「ディアブロIII」からきちんとローカライズしようと思った理由でもあります。そういう皆さんに新しい拡張パッケージを提供できるのは嬉しいと思いますし、みなさんがスコヴォスに降り立ってどんな風にプレイしていくのかを楽しみにしています。

――ありがとうございました。

キッチンディアブロで「ディアブロIV」の世界を食す

 「Kitchen Diablo(キッチンディアブロ)」は韓国の著名なフードクリエイターで「ディアブロ」シリーズの大ファンとしても知られるSeung Dad氏とコラボした期間限定のイベント。

 開催期間は4月28日から5月17日までの3週間で、その後もなんらかの企画が予定されているらしい。

 イベントで提供されるのは「ディアブロ」をテーマにした特別メニュー。以下に一皿ずつ紹介したい。

一皿に「ディアブロIV」の世界が凝縮した「地獄の聖餐」

価格:29,500ウォン

 乱雑に盛り付けられた焦げた野菜。深々とナイフが突き刺さり、怪しい液体が塗りたくられたパティは地獄の業火で黒く焦げている。その中に入った骨付き肉も真っ黒で、皿のあちこちには血しぶきが飛び散っている。

 「地獄の聖餐」は「ディアブロIV」の世界観を一皿に濃縮したハンバーガーメニューだ。実際には野菜やパンは焦げているわけではなく、イカ墨で焦げを演出している。血しぶきはクランベリーソース、スペアリブはイカ墨ベースの甘く優しい味で、バンズに塗りたくられているのはチェダーチーズのソース。分厚いパティの下には、これまた臓物感のある紫キャベツが敷き詰められている。

 見た目はかなり最悪だが、野菜と肉がたっぷり入ったボリュームのある一皿で、これだけでも十分満腹になる量だった。

一見失敗して焦がしたように見えるが、よく見るとイカ墨。演出と味がミラクルにマッチしていた
黒こげ骨付き肉とバンズの下にはこれまた毒々しげな紫キャベツ。実際にはどれも普通に美味しい

憎悪でできたピリ辛ピザ「メッピスト」

価格:23,000ウォン

 メニュー名の「メッピスト」は、メフィストとピザを掛け合わせた造語。ピザの上には中身が見えないよう赤地に黒でメフィストの影がかたどられたチーズの蓋で封印が施されている。

 食べる際には、スタッフがメフィストのシートを手にした2つのスプーンで粉々に粉砕してくれる。この憎悪の破片の下から出てきたピザは、マヨネーズとペパロニのピリ辛味のピザ。

スタッフがスプーンで蓋を突き崩す
憎悪の欠片トッピングのできあがり
メフィストをめくると下には美味しそうなマヨネーズペパロニピザが

 だがこのメニューの真の恐怖はメニューと一緒に運ばれてくる真っ赤なタバスコにある。今回のメニューのためにチョイスされたタバスコは、サソリの針をイメージしたというスコーピオンソース。通常のタバスコの約10倍辛いという、とてつもなく危険なソースで、ほんの少し舌先で触れただけでも口全体にビリビリと辛さが広がっていく、もはや兵器と呼んだほうがいい辛さだった。

色からしてヤバそうなスコーピオンソース付き

癒しの「ホラドリック・キューブレッド」

フルーツや生クリームが素材として詰め込まれている

価格:18,000ウォン

 恐ろしげな料理が続いたところで、最後のデザート「ホラドリック・キューブレッド」が人類に希望をもたらしてくれる。

 「憎悪の帝王」で追加されたクラフト要素「ホラドリム・キューブ」を模して造られたそれは、香ばしいバターでカリっと焼いた方形のトーストの中に、宝石や素材をイメージしたフルーツや生クリーム、クルミなどが詰め込まれている。

 ホラドリム・キューブは中に材料をセットして合成や錬成を行なうが、このデザートでも詰め込まれた複数の素材が、1つの味を作り出している。キューブの横には、バニラアイスとヨーグルトソース、ブルーベリーソースが添えられている。

 舌触りや味の違う多数の材料が使われている、飽きのこない味のデザートだった。

ヨーグルトソースとバニラアイスが香ばしいトーストにぴったり

ハイビスカス&ストロベリー ノンアルコールハイボール

 血の色に染まったノンアルコールカクテル。ハイビスカスの花の香りとストロベリーの酸味がのどをスッキリ潤してくれる。

ウェルカムドリンクにも使われていた

拡張パッケージ発売は、ゲームスタートのビッグチャンス

 インタビューでHaroutunian氏が語っていたように、今回の拡張では「ディアブロIV」、「憎悪の器」、「憎悪の帝王」という3部作に一応の決着が付く。そういう区切りのタイトルだからこそ、多くの人に遊んでほしいと思っているのだろうということが、イベントからも伝わってきた。

リリス(のコスプレイヤーさん)もイベントに参加していた

 そして韓国メディアやインフルエンサー、クリエイターたちの「ディアブロIV」に対する熱量も感じることができた。拡張パックはゲームを始めるベストタイミングであり、全員がレベル1から始まる新シーズンで、新しいクラスのビルドをあれこれ試したり、新要素に挑戦したりといったことを既存のプレイヤーたちと一緒に楽しむことができる。

 見た目から受ける印象よりはゲームもコミュニティもフレンドリーな本作をぜひこのチャンスに遊んでみてほしい。

 また5月に韓国に行く予定があるなら、「キッチンディアブロ」も訪れてみてはいかがだろうか。

このメニューが食べられるのは5月17日まで