【特別企画】

「ポケパーク カントー」はチケット価格に見合う価値があるのか?

1匹1匹が特別なポケモンたち。「カントー地方世代」にはご褒美の連続

【ポケパーク カントー】
2月5日 グランドオープン予定
場所:東京都稲城市矢野口4015-1 よみうりランド遊園地内
チケット価格:大人4,700円〜

 2月5日オープン予定のポケモン初の屋外型常設施設「ポケパーク カントー」。1月26日にメディア向けの内覧会が実施され、その全貌が明らかとなった。

 すでにチケットは抽選と先着で販売されており、現在は5月1日以降分の抽選が2月1日より(毎月1日〜12日抽選申し込み。3カ月後の1カ月分対象)、先着は2カ月先の同日までの入場分が対象となる。

 チケットの種類は3種類。「エリートトレーナーズパス」「トレーナーズパス」「タウンパス」とあり、価格は「エリートトレーナーズパス」が大人14,000円〜、「トレーナーズパス」が大人7,900円〜、「タウンパス」(5月入場分より販売)が大人4,700円〜となっている。チケットの内容は既報をご覧いただきたいが、全体として他の体験型施設と比較しても少し高めの設定となっている。

 内容が明らかになった今、次に気になるのは「実際のところ、体験はチケット価格に見合う価値があるか?」ではないだろうか。そこで本稿では、実際に現地を訪れた体験をもとに、見解を述べていきたい。

「ポケパーク カントー」のチケットは「よみうりランド」入園料も込み

 まず改めて、「ポケパーク カントー」への入り方を振り返っておく。というのも、「ポケパーク カントー」は遊園地「よみうりランド」内にある施設だからだ。

 流れとしては、最初に「よみうりランド」に入園し、その後「ポケパーク カントー」に向かって受付をする。ポイントは、「ポケパーク カントー」の各チケットには「よみうりランド」の入園料金も含まれていること。

 「ポケパーク カントー」のどのチケットでも入れる「カヤツリタウン」は再入場可能となっていて、「よみうりランド」エリアと行き来できる。もちろん一日「ポケパーク カントー」で過ごしてもいいが、せっかくであれば「よみうりランド」の施設と合わせて楽しんでもいいだろう。

 たとえば、ジェットコースター「バンデット」なら1人1,000円、観覧車「Sky-Go-LAND」なら1人900円で利用できる。ケースバイケースで、「ポケパーク カントー」と「よみうりランド」の両方をフルに楽しみたい。ちなみに、記事執筆時点で「よみうりランド」の入園料は大人1,600円となっている。

「ポケパーク カントー」のポケモンは何が特別なのか?

 「ポケパーク カントー」は大きく2つのエリアがある。ひとつは「カヤツリタウン」、もうひとつは「ポケモンフォレスト」だ。全体では合わせて600匹以上のポケモンが“暮らして”おり、間違いなく本施設の目玉のひとつとなっている。

 「ポケパーク カントー」のポケモンたちが特別なのは、1匹1匹にストーリー性が感じられることだ。単にポーズが違うというだけでなく、周囲の環境やほかのポケモンとの関わり、ポケモン本人の性格など、その表情や仕草を含めてどれも味わい深い。

「ポケモンフォレスト」に入る前に渡される研究ノート。観察の仕方の手引となる

 たとえば「ポケモンフォレスト」の「ピカチュウとイーブイのもり」ではピカチュウやイーブイが大量にいるが、どのピカチュウもイーブイも唯一無二の個性がある。驚いていたり笑っていたり、数匹で交流していたりといろいろいるのだが、1匹に注目してその背景を想像するだけでもかなり楽しい。オープン後は個体ごとにファンがついて、それが口コミで話題になってさらなるファンを呼んで……みたいな展開もきっとあり得るだろう。

 「ポケモンフォレスト」のポケモンたちは、どちらかというと“やせい”に近い。自然のなかでポケモンたちはどのように暮らしているのか。今までありそうでなかった風景を、リアルな体験として目の当たりにできるわけだ。

表情もポーズもポケモン1匹1匹がまったく異なる。思わずじっくり観察してしまう

 一方の「カヤツリタウン」は、今度は街のなかで“人間と暮らしているポケモン”といった雰囲気が強くなる。すべてを書くことはできないが、「ポケモンフォレスト」への逆走を止めるバリヤードがいたり、芝生をかけるパピモッチがいたり、ワンリキーが木材を運んでいたりと、地面から屋根の上までバラエティに富んでいる。

 「こんなところで何をしているんだろう」と想像力が働くところは「ポケモンフォレスト」と同じで、こちらはこちらでとても楽しい。フォトスポットになっている場所が多い分、みんなで楽しむにはむしろ「カヤツリタウン」が向いているとさえ思う。

カヤツリタウン
カヤツリタウンにいるポケモンたち。こちらはこちらで、じつに生き生きとしている
フォトスポットになる場所も多い
余談だが、筆者の推しのエルフーンがいて非常に嬉しかった。なぜ「カビゴンポップコーン」の屋根にいるんだろうと考えていたのだが、「もしかしてポップコーンと形が似ているから……?」と思い至った

 また実際に客が入った時は、さらに尊い風景になることが想像される。上に記載したパピモッチが走っている芝生などは子供も気軽に入れるような場所になっていて、「ポケモンと人間が暮らす街」という状況が本当にあらわれることになる。ポケモンファンにとっては、夢心地以上のものになるのではないだろうか。

 600匹というポケモンの数は相当な密度で、どこを歩いていても、常に何かしらのポケモンが目に入っている感覚だ。小学校で言えば、1学年あたり100人いるマンモス校の生徒全員が、エリア全体にバッと散らばっているイメージ。あそこにもここにもポケモンがいて、しかも全員が違うことをしているという感じで、歩いていてまったく飽きない。

 もちろんアトラクションやショーイベントも目玉のひとつだが、こうした施設全体に渡って存在するポケモンたちこそ「ポケパーク カントー」の主役だ。その場にいられるだけで心躍るし、チケット価格を支払うだけの価値が十分にあるポイントだと思う。

芝生のあるエリアもあって、気軽に立ち入れる。オープン後は、子どもたちとポケモンが一緒に遊んでいる風景が広がるだろう
アトラクション「ピカピカパラダイス」の周りも芝生エリアになっている

さらにショーやアトラクションも楽しめる!

 その場にいるだけでとことん楽しめてしまう、というのが筆者の実体験をもとにした感覚だが、「ポケパーク カントー」ではさらにアトラクションやショーイベントも用意されている。

 それぞれの内容は別項に詳しいが、筆者的には「カヤツリジム」で開催されるショー「ピカピカスパークス!」はイチオシだ。

ピカピカスパークス!

 「ピカピカスパークス!」は、ピカチュウとパフォーマーが光と音などの演出とともに繰り広げられるパフォーマンスショーで、ピカチュウのダンスやファンサ、驚くような演出もある。内容の詳細はネタバレになるのでぜひ実際に見てみてほしいが、演出部分は横浜みなとみらいで開催された「ピカチュウ大量発生チュウ!」のライゾマティクスリサーチによって演出されたショーにかなり近いものを感じた。

 みなとみらいでのパフォーマンスは屋外だったが、本ショーは屋内であり、施設や小道具を利用した光と音の演出がより効果的に使われていたほか、ストーリー仕立てでパフォーマンスが構築されていた。ショー本編は撮影禁止だが、ショーの後にピカチュウの撮影タイムが設けられており、ここで現地ならではの思い出を持ち帰ることができる。

 「ポケパーク カントー」のなかでも最も派手で迫力もあるイベントなので、ぜひ体験していただくといいだろう。体験はタウンパスとトレーナーズパスは公式アプリによる抽選(指定時間の座席予約)、エリートトレーナーズパスは一度に限り予約席で観覧できる。

細部までじっくり注目したい「ポケパーク カントー」の作り込み

 「ポケパーク カントー」は、ポケモンたちが生き生きと暮らしている世界を表現した施設となっており、普段では味わえない作り込まれた空間にこそ価値があると感じる。特に実際に訪れてみるとわかるが、「カントー地方世代」にとってはご褒美の連続だ。

 「ポケパーク カントー」にいるポケモンたちには優しく触れることも可能で、それは嬉しいのだが、となると経年による汚れなども気になるところ。しかし、取材時はポケモンのケアを担当するスタッフもおり、汚れを丁寧に拭き取る姿も見られた。

 またスタッフとポケモンの関わりという点では、「カヤツリタウン」でゆったりと風景を噛み締めていたとき、スタッフのひとりがヒノアラシに近づき、愛おしそうに撫でながら何か話しかけている姿を見かけた。何を言っているかは遠くて聞こえなかったが、スタッフの表情があまりに優しくヒノアラシを見つめており、それに応えてヒノアラシが今にも動き出しそうな、そんな妙なリアルさがあった。この光景は、個人的にとても印象に残っている。

 「ポケパーク カントー」はこれら以外にも、オリジナルグッズを購入したり、買い物をしながら店のスタッフと交流したり、様々な楽しみ方が可能だ。その場にいられるだけでチケット価格に見合うと思うのに、そこにボーナスのように複数のイベントやアクティビティがあって、さらに楽しませてくれる。今や親子3世代以上に通用する、ポケモン30周年の節目としては、これ以上ない常設施設ではないだろうか。

パレード「ピカブイカーニバル」
「ポケモンセンター」ではポケモンの回復体験が可能
「カヤツリタウン」のマーケットではグッズやフード・ドリンクの買い物ができる
グレイシアのラテアート(イーブイカフェ)
エントランス付近にある「ポケモンだいすきショップ」。入場には公式アプリでの事前エントリーが必要