【特別企画】

「リトルナイトメア3」、発売直前の最新バージョン試遊レポート

2人協力プレイが面白い! 荒廃した遊園地「カルネヴァーレ」ステージを体験

【リトルナイトメア3】
10月10日 発売予定
価格: 通常版 4,950円
デジタルデラックスエディション 6,490円
超特装版 11,330円
「リトルナイトメア3」キービジュアル

 バンダイナムコエンターテインメントは、10月10日発売予定のサスペンスアドベンチャー「リトルナイトメア3」において、発売直前のバージョンによるメディア向け協力モード体験会を実施した。開発はSupermassive Gamesで、対応プラットフォームはNintendo Switch 2/Nintendo Switch/プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC。

 「リトルナイトメア」は小さな子供たちが主人公となり、不気味なロケーションを探索するホラー風味のパズルアクションシリーズ。今作でも、これまでのシリーズ同様に主人公が一新。新たに「ロゥ」と「アローン」という2人の子供たちを操作して、新たな舞台で新たな物語を進めていく事になる。

 最新作において何より特徴的なのが、シリーズ初となるオンラインの2人協力モードが追加されていること。2人の主人公をそれぞれ別のプレーヤーが操作し、協力することでしか解けないギミックをクリアしながらフィールドを進めていくのが魅力の1つと言える。1人でのゲームプレイも可能だが、この場合、もう1人をAIが操作する仕組みになっているとのこと。

 本稿では筆者と担当編集の2人で、不気味な廃遊園地を舞台にしたステージ「カルネヴァーレ」を協力モードで実際にプレイして楽しんできたので、その模様について紹介したい。

【【リトルナイトメア3】 発売日決定トレーラー】
「TGS2025」にも出展予定で、試遊するとオリジナルのホログラムステッカーがプレゼントされる
超特装版ではフィギュア付きオルゴールなどが同梱される

子供の「悪夢」をリアルに再現した独特の世界観がよりパワーアップ!

 「リトルナイトメア」シリーズならではの特徴として、3Dで描かれた不気味でリアルなビジュアルが挙げられる。主人公が子供のため、その視点から紡がれる「悪夢」の世界は、全てが巨大に描かれており、どこにでもある扉や窓ですら手の届かない巨大な物となっているのだが、本作でもその特徴はパワーアップ。ゲーム内で描かれる背景やオブジェクトのリアリティがかなり増していて、圧倒的な没入体験ができる不思議な世界が構築されている。

 また、本作は音声もかなりリアルで臨場感を増す役割を担っている。基本的にBGMは流れていないが、ゲーム内の環境音は、雨のしとしとと降りしきる静かな音から、作中に登場する異形のキャラクターが発する奇声まで、ちょっと狂った世界を音でも感じられる。ゲーム的にも奇声の位置から敵がどこにいるのかなどが耳だけで体感的に分かるので、攻略するうえでも音が重要な役割を担う。

 なお、本作は2Dライクな移動がメインで、カメラアングルを変更できず、常にシステム側で設定された視点でゲームをプレイする。フィールドには奥行きもあり、奥への移動などが必要になる場面もあるのだが、全体的にはスクロールアクションに近い感覚で操作できるので、直感的にプレイしやすい。

今回体験できたのは荒廃した遊園地をイメージしたステージ「カルネヴァーレ」。壊れたメリーゴーラウンドなど不気味なビジュアルの悪夢の世界
巨大な扉など全てが大きいが、階段などは自分たちがちょうど昇り降りできるサイズになっているのも夢の世界っぽさが出ている
薄暗い場所では手持ちの懐中電灯で周囲を照らす事ができる

 また、シンプルな左右移動やジャンプを駆使してフィールドを進んでいくアクション要素はとっつきやすい作りに仕上がっている。基本的に攻略のヒントは提示されないが、先に進むためのギミックに対して必要なアクションがある場合、画面下部にガイドが提示されるようになっており、マニュアルを見なくてもゲームに没入できるようになっているのはありがたい。

 本作の主人公である「ロゥ」は弓矢、「アローン」はスパナと、それぞれが異なる武器を使う。これらの武器は敵との戦闘で使う場面もあるが、フィールド内のギミックを操作するのに使う場面も多い。例えばジャンプなどで手の届かない場所にあるオブジェクトに矢を当てて刺激を与えたり、落としたりすることでギミックを稼働させて、新たな道を開いていくといった使い道だ。

ロゥは弓矢、アローンはスパナを使って敵と戦う。こちらはアローン視点だが、マルチプレイの場合、それぞれのキャラクターに合わせたメッセージが表示されるようになっている
2人揃って小さな扉を持ち上げて中に入っていく。こうしたいつもと異なるアクションが発生する際には画面下部に操作方法が提示される
ロープを伝い、滑って下に向かう。移動できない場所に落下した場合は、少し前のリスポーン地点からやり直しとなる

 道中には主人公たち以外に、異型のキャラクターが登場。こちらにとって無害なものもいれば、こちらを認識すると捕って食おうとするものまで様々で、こちらを狙ってくる敵については、たとえ弓矢やスパナがあっても基本的には太刀打ちできない。このような相手については、身を隠したり、見つからないようにこっそりと移動するなどしてやり過ごしていくこととなる。

 ただし、状況に応じて応戦が必要な場面もあり、今回の体験でもそういったシーンを実際にプレイできた。その場面では敵との間合いを測ったり、攻撃の狙いを定める必要があり、成功するまでに何度もやり直しをするなど、なかなか手応えのあるバトルを楽しめた。

 襲ってくる敵については倒すための条件が用意されている場合もあり、初見ではどうしていいかわからずあっさりとやられてしまうような場面も多い。やられてしまった場合はリスポーン地点からやり直しになるのだが、このリスポーン地点がかなり近い場所に設定されていることが多いため、やり直しも気軽にできるようになっている。最初は上手くいかずとも、何度もプレイすることでコツが掴めてくるので、諦めずに挑戦してみよう。失敗してもペナルティは特にないので、アクションゲームが苦手な人でも気軽に楽しめるかと思う。

巨大な敵は動き出すと意外と俊敏なので、急に動かれると打つ手もなく、捕まってやられてしまう
食べ物でおびき寄せてその隙に先に逃げるなどの作戦が重要だ
しゃがんで見つからないように移動するステルスゲームのようなアクションが必要な場面も多くある
寝ている不気味な敵の横をステルスで抜けて奥までやってきたが、この板を剥がさないと先に進めない……思い切って剥がすと起きてしまうので、その後はダッシュで奥へ逃げる!

協力モードならではの多彩なギミックが登場! 上手く攻略できた際の興奮は2倍に

 本作はキャラクター2人での協力プレイが前提となっており、ステージに用意されているギミックもかなり多彩。ジャンプでは届かないくらい高い所に登るために、車輪の付いた足場を2人で引っ張って設置して登っていったり、道を塞いでいる扉の下にある小さなネコ用の出入り口のような場所から侵入、シンプルに扉をスパナで破壊して入るなど、一目で分かるくらいシンプルなギミックも多いが、一見すると何をすればいいか分からないギミックも登場する。

 例えば、今回道中で見かけた焼却炉。横に謎のメーターが付随し、奥にはやや薄暗いがポンプが備えられており、道はここで行き止まりとなっている。アレコレ試行錯誤していると、1人が炉の蓋の取っ手にジャンプでしがみつくことで、蓋が開くことに気付く。蓋が開いている間は赤く燃える炎が見える状態になるので、今度はここに周囲に落ちている燃料のような物を放り込んでみることに。するとメーターが動き出し、続けて何個か放り込むと炎はさらに燃え盛り、メーターがマックスに。すると、奥にあるポンプが動き出したので、そのポンプの先端部に取り付くことで上への移動に成功。無事に先に進むことができた。

雷雨の中からスタート。右の扉はどうやっても入れなかったので左側に向かうことに……
先に進むと自動的に引きの視点に変化し、階段の長さが妙に不気味に感じる
焼却炉で行き止まりとなってしまう……これどうすんの?
1人が炉の蓋をぶら下がって開けておき、そこに燃料を投げてもらう作戦を試す。燃料が投下されると左のメーターが上がっていき……
右側のポンプが上下に稼働し始めたのでこれでポンプの上部に乗れるようになる!
後はジャンプとよじ登りで無事焼却炉の上側に進むことができるようになった!

 このように難解なギミックに遭遇した時は、とりあえず何でもかんでも試してみるのが重要だ。特にこちらがアクションを起こすことで変化するギミックについては、その変化が他にどのような影響を与えているかを確認したり、影響を受けた別のオブジェクトに対して様々なアクションを試みて、その変化をチェックすることも重要になる。

 一方で単なる遊びのギミックもある。道中に発見した的当てゲームのようなギミックは、パーフェクトでクリアしてもランプが点灯するのみで何も発生しなかったが、こういうお遊びの要素が盛り込まれているのもユニークで面白い。

 マルチプレイの面白いところは、やはりもう1人のプレーヤーと会話しながら協力プレイできるところだろう。オンラインの場合も是非とも音声チャットを繋いだ上で、相談しながら進めていくのが本作を楽しむポイントと言える。やはり1人より2人で相談などしながら謎を解く方が詰まった場合であっても楽しく問題が解決できる可能性が高い。一見するとそんなやり方でいいの?と思うようなやり方が正解につながることも多い。

 ほかにも、ギミックの謎が解けずに先に進めなくなったところでも、「こっちでこの機械を動かしておくから、そっちの様子を見てきて」、「こっち先にやった方がいいんじゃないかな?」など、相談しながらギミックに立ち向かうことで、苦労しながらもかなり多くのギミックを突破することに成功した。

道中で見かけた射的のギミック。正しく標的を撃ち続けるとランプがどんどん点灯していき、全て点灯させるのに成功したが、何もなかった……どこかに隠しアイテムが出現していたのか、またはどこかのギミックが稼働したのかは分からないが、こういう進行上は何もないギミックもあるのかもしれない
片方が足場になって協力して、高い場所にあるスイッチを入れるなど協力プレイが必要になる場面は多い
1人では動かない荷物の入った車輪付きの箱なども2人で引っ張れば動かせる

 初見では難解だった敵との戦闘も、2人で検討しながら挑めば死中に活ありだ。例えば、今回首を落としても動きを止めないゾンビのような敵と遭遇したのだが、最初のうちはロゥの弓矢で首を落とすも、その後動きを止めない体を回避できずにやられてしまうだけで、解決方法が見いだせなかった。何度もトライする中で、アローンがスパナで落ちた首を叩き潰してみると、体の動きが停止することを発見。その後は5体くらい連続して登場し、肝を冷やしたが、何とか撃退に成功して先に進めることができた。

 本作の1人プレイにおいて、もう1人の主人公を務めるAIがどの程度の動きを見せるのかは未知数だが、本作の魅力の真髄はマルチプレイにあると言っても過言ではないだろう。

ロゥの弓矢で顔を落としたのに体の動きが止まらない!
アローンのスパナで落ちた首を潰すと体の動きも止まることが発覚!
1体倒しても窓から次のゾンビが襲来!4体くらい撃破したところでようやく静かになった

シリーズ未プレイの方にもオススメ! TGS2025では試遊もできる

 以上、「リトルナイトメア3」のメディア向け体験会の模様を紹介した。体験会でのプレイは1時間ちょっとだったが、子供の視点で描かれる悪夢の世界を2人で挑戦するゲームプレイはかなり面白く、時にはホラーの要素にビビりまくったり、時には謎解きで苦悩したり、敵とのバトルで盛り上がったりと、2人でのプレイをオススメしたい作品となっている。友達同士や家族、カップルで遊べばみんなで楽しめる1本になっていることは間違いない。

 筆者は今回が初の「リトルナイトメア」体験だったが、時折見える内臓など、ちょっと不気味な描写や、世界を構成する巨大なオブジェクトで描かれる子供目線の悪夢の世界がとても魅力的に感じられた。本作をきっかけに過去作も含めて遡り、シリーズを一通り楽しんでみるのも面白そうだ。

 本稿で紹介した「カルネヴァーレ」ステージはTGS2025で試遊台が用意される予定。また、9月17日より無料体験版が全プラットフォームにて配信されているので、本作ならではの幻想的で不気味な世界観、何度も挑戦したくなる手応えのあるギミックをぜひ体験してみてほしい。

体験会場では、「リトルナイトメア3」の世界観をモチーフにした飲食類が用意された。どれも大変おいしゅうございました!
会場にはグッズの展示も。「リトルナイトメア」シリーズをモチーフにしたプライズなども展開される予定