【特別企画】
「スト6」エレナ参戦と同時に大規模バトルバランス調整実施! 気になる点をEVO Japan参戦ライターがチェック!!
2025年6月5日 12:09
- 【バトル調整:Ver.1.1000.001】
- 6月4日 実装
カプコンは6月4日、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/PC(Steam)用対戦格闘ゲーム「ストリートファイター6」のYear2最後のDLCキャラクターとなる「エレナ」を実装すると同時に、全キャラクターを対象としたバトルバランス調整アップデートを行なった。
今回のアップデートでは全キャラクターの対戦バランスの是正を行なうことのみならず、全キャラクターが使用できる基本システムにも調整が行なわれた内容となるため、通常の対戦バランス調整よりも、より大規模な変化となった。
本稿では、その全体的な変化、また特に影響を受けたと思われるキャラクターの性能に関する情報を取り上げる。
全キャラクターに影響を受ける調整を紹介!
ジャストパリィによる偶発的な逆転劇を減少
まずは全キャラクターに影響を受ける変更点を紹介していく。まず第一にジャストパリィの成立条件に方向キーの入力が必須となった。
実際に筆者が中段攻撃であるジャンプ攻撃に対して様々な方法でジャストパリィを行なえないか試した動画がこれだ。
動画の序盤では、立ちガード入力を行なわないでジャストパリィを試みている。画面左端の入力履歴を見ていただければ、しゃがみガードの状態でジャストパリィを試みているのがわかるはずだ。そしてパリィに成功した際、暗転演出をしないまま、通常のパリィとは違った効果音が鳴っている。これがジャストパリィのタイミングでパリィをしても、方向キーが正しいガード方向に入力されていないパターンである。今までで、対空ジャストパリィはしゃがみ状態から行なうと比較的容易に狙えたのだが、これが封じられる形となった。対空でのジャストパリィ以外にも相手の攻撃属性にあわせて方向キーを一致させる必要があることから、相手の偶然のパリィがジャストパリィとなって逆転された! という理不尽さは解消されるだろう。
投げ抜けの価値を向上!!
投げ抜け行動にも強化が施され、投げ抜けを成功させた側はドライブゲージとSAゲージが増加するように変化した。下記の動画はその増加の様子を記録したものだ。
筆者の調べでは、投げ抜け回避1回につきドライブゲージが1ブロック、SAゲージは10分の1本回復するようだ。つまり投げ抜け6回でドライブゲージは満タンに戻り、SAゲージは投げ抜け10回でSA1本分のゲージが得られる。
「スト6」の特徴として、ドライブゲージは0本になると大幅に行動に制限がかかるバーンアウト状態というものがある。また、前述のパリィを投げられてしまうとパニッシュカウンターとなり、大幅にドライブゲージを失うのも本作の特徴だ。このことを利用し、ドライブゲージの少ない相手には積極的に投げを意識させるのが今までならば有効であった。パリィで打撃を防ごうとすれば投げられてバーンアウト状態にまで追い込まれる。かといって投げを回避しようとして投げ抜けをすれば、投げ抜けの隙を攻撃するシミー、という戦術の2択が有効だった。そのためドライブゲージが回復するまでは辛い状況が続くようになっていたが、そこにハイリスクではあるが、投げ抜けを成功すれば戦況を立て直しやすなった。
結果として前述のようにドライブゲージが枯渇寸前のプレイヤーでも逆転の一手を用意した調整と言えるだろう。
そしてモダン操作には新たな操作が追加!
その他にも共通変更点はあるが、大きな変化と言えるのはモダン操作での仕様変更だ。特にジャンプ攻撃が今まで弱・中・強の3種類しかなかったため、6ボタンで攻撃できるクラシック操作に比べジャンプ攻撃の幅が狭まっていた。だが、今回のバージョンアップでアシストボタンを押しながら弱・中・強のいずれかを押すという操作が加わり、クラシック操作と同じジャンプ攻撃が全て使えるようになった。
様々なキャラで検証した所、アシストボタン同時押しで出せるものがクラシック操作でいうキック攻撃で統一されているキャラ(具体例:ジュリ)、パンチとキック系の技が混在しているキャラ(リュウ・ケン・豪鬼など)とキャラクターによって違うため、モダンプレイヤーは一通り技の出し方を確認しておいたほうがいいだろう
これにより、モダン操作を選択した際、ジャンプ攻撃の少なさによってキャラクターの使用を諦めていたプレイヤーでもキャラクター選択の幅が広がったのは嬉しい変更点と言えるだろう。
各キャラクターのバランス調整も実施! 強力すぎた連携は基本的に弱体化へ
そしてここからは各キャラクターの調整に関して気になった部分を紹介していく。アップデート内容が発表され、かなり反響が大きかったのは初期から最強キャラクターの一角として人気の高いケンではないだろうか?
特に大きく関心をひいたのは、本作のケンの強さを支えていた必殺技、中迅雷脚>風鎌蹴りの弱体化の内容だろう。しゃがみ中キックから中迅雷脚>風鎌蹴りと入れ込むだけで容易に暴れ潰し&ドライブゲージを奪っていく強力な連携となっており、Year1、2と続けて猛威を振るっていたが、初めて大きな弱体化修正を受けた。
今回のアップデートで中迅雷脚はガードしたときのドライブゲージ減少量が抑制、かつ硬直中のくらい判定が前方拡大され反撃を受けやすくなった。また、そこからの派生技である風鎌蹴りはカウンターヒット、パニッシュカウンター時には追撃が可能だったためリスク・リターンのバランスがケン有利に傾いていたが、追撃が不可能となった。
また、投げを画面端でループさせる攻め、いわゆる「柔道」も弱体化した。下の動画は前バージョンでは行なえた柔道のセットプレーを今回のアップデート後に行なったものである。
ケンで前投げを成立させた後、前ダッシュを行なうと今バージョンでは1Fのみの有利が得られる。そこから再度投げを仕掛けるのだが、動画内では起き上がりに最速で放たれたリュウのしゃがみ弱パンチと相打ちになっている。投げの発生は5Fで、リュウのしゃがみ弱パンチの発生は4Fだ。これをケンが1F先に動ける状態から仕掛けているので動作はお互い実質には4Fである。だが、投げが打撃と同時に発生した場合は打撃が一方的に勝つため、ケンは投げることが出来ずにリュウの打撃を被弾しているのだ。
似たような調整を受けたのがエドである。エドは画面端で投げた後、互いのキャラクターの間合いが大きく離れるようになっており、柔道の成立を不可能にしている。容易に接近できるキャラクターが一方的に攻め続けにくくすることでバランスを取っているのだろう。
柔道と同じように強力なセットプレーとして安全飛びというものがある。かつて2D格闘ゲームでは「詐欺飛び」という呼び方で呼ばれていたものと同義である。
安全飛びは特定のタイミングでジャンプ攻撃を着地寸前で行なうと、相手が何も行なっていなければジャンプ攻撃で攻め込むことができ、相手が反撃として無敵技を放っていればガードが間に合うというリスク・リターンに優れた攻めである。
安全飛びを得意としていたのがYear1から追加されたDLCキャラクター・豪鬼である。高い攻撃性能を誇るが、総体力は全キャラ中ワーストというピーキーなキャラだが、そのオフェンス能力は強力。それを支えていたのがこの安全飛びである。だが、こちらもフレームの調整により安全飛びが行なえないように調整されていた。
他では複数のキャラクターの地上戦で高性能を誇っていた技が弱体化している傾向がある。ケンやテリー、豪鬼のしゃがみ中パンチが良い例だろう。これらは空振り時の硬直フレームを増加させたり、食らい判定を拡大させて空振ったときに差し返しによる反撃ができるように調整された。ちゃんと使い道、タイミングを熟慮して使ったり、単純な操作で想定以上のリターンを生み出している行動に対してしっかりとリスクを負わせてより深みのある地上戦の駆け引きが楽しめるようになっている。
強化調整も実施! 「ストリートファイター」の代名詞リュウは波動拳が超絶進化
今バージョンで大幅に強化されたキャラクターの1人がリュウだ。特に面白いのが「【SA1】[電刃錬気]真空波動拳」である。調整文言が格闘ゲームでは中々見ない表現である「弾速を2倍にしました。」というのがインパクト抜群である。
動画ではリュウの代名詞である波動拳、強化版のOD波動拳、そして今回のアップデートで速度がアップした真空波動拳、そしてそれを超える“弾速を2倍にした”「[電刃錬気]真空波動拳」を撃ち分けた。ひと目で見て2倍となったと理解できるのが大変面白い強化だ。
波動拳が強力なリュウ、一瞬で画面端へ運ぶ能力や、昇竜拳や足技に特色のあるケン、ピーキーな性能だが使えれば文字通り鬼のような強さを発揮する豪鬼と、同じ道着キャラでもそれぞれの特色が色濃く打ち出されたのは良い傾向ではないだろうか?
他にも全バージョンでは振るわなかったキャラクターが強化されたり、新しい戦い方が用意されているキャラクターが存在する今バージョン。格ゲープレイヤーにとってキャラクターの性能変化は死活問題と言えるが、現在eスポーツとして競技化が進んでいる本作では別の見方もある。それは各種プロ選手の動向だろう。
春の格闘ゲームの祭典である「EVO Japan 2025」が閉幕したばかりだが、8月には「EVO 2025」がアメリカで開催される。また、その後には長期間にわたるチーム戦「ストリートファイターリーグ」の開幕も控えている。昨年とチームの顔ぶれだけでなく、今回の調整により各プレイヤーが使うキャラクターも変化する可能性がある。あのプレイヤーはどのキャラクターを使うのか?と、この調整による変化を様々な見方で楽しむのも良いのではないだろうか?
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