【特別企画】
30周年記念「機動武闘伝Gガンダム」を振り返る
今川監督が描いた「ガンダム」の新規開拓作、レディーゴー!
2024年7月5日 00:00
- 【機動武闘伝Gガンダム】
- 放送時期:1994年4月22日~1994年3月31日(全49話)
2024年の現在もなお続く人気のロボットアニメ「ガンダム」シリーズ。元々は富野由悠季監督による宇宙を舞台に戦争をテーマにしたロボットアニメだった。そこに大きな変革をもたらしたのが、今年で放映30周年となるTVアニメ「機動武闘伝Gガンダム」である。今年はGガンダム30周年、7月5日に新作外伝「天地天愕」が公開されるこの機会に、作品の面白さを語りたい。
本作は格闘ゲームの流行を受けて、ガンダムに格闘要素を組み入れるというなかなか挑戦的なタイトルであり、ストーリーやその世界設定、やたらと暑苦しいキャラクターたちなど、今なお、ガンダムシリーズの話題になるたびに賛否両論が巻き起こるとにかく荒唐無稽なタイトルなのだ。
本作が賛否両論を生むその最たる理由は、登場するロボットがほぼ全て「ガンダム」という「ガンダム」だらけの世界観に他ならない。主人公のドモン・カッシュが駆る「シャイニングガンダム」は、これまでのガンダムと同様に主人公らしい造形のロボットである。
しかし、ボクサーのようなデザインの「ガンダムマックスター」や中世の騎士のような装備を持つ「ガンダムローズ」、キングコブラを模した蛇型のメカを被ったようなビジュアルの「コブラガンダム」など、これまで見た事のない「ガンダム」が次々と出てくる。よく言えば個性的、悪く言えばふざけすぎなのだ。
ところがそんなぶっ飛んだ世界ながら、10話、20話と話が進むにつれて、どんどん魅力的に感じていくから不思議だ。特に主人公ドモンの師匠である東方不敗マスター・アジアが登場すると、もう続きが気になって夜しか眠れないほどの中毒性を帯びてくるのだ。
そんな「Gガンダム」も今年で30周年。今川監督による新作外伝「天地天愕」のテキストによるシナリオが7月5日より公式サイトにて連載開始など、令和の現在も再び注目を集めている。そこで、本稿では改めて当時のテレビアニメ「Gガンダム」の背景や魅力などについて語っていこうと思う。
なお、これまで未見で今回初めてアニメ「Gガンダム」を視聴する人にお願いだ。これまで様々な「ガンダム」シリーズを見てきた人であっても「Gガンダム」を見る際には、頭を空っぽにして、何事も受け入れる広くおだやかな心で視聴してほしい。特に最初のうちはあまりの異質さに拒否反応を示すかもしれないが、慣れてくるとすごく楽しい気分になれる。最終話まで見ればきっと大満足の結果が得られることだろう。
ガンダムファイトが全てを決めるシンプルながらも深い世界観
「Gガンダム」の舞台となるのは「未来世紀」60年の地球だ。世界各国の権力者たちは60年前に宇宙のコロニーに移住してしまっている。世界各国はそれぞれの国を模したコロニーを建造してそこに暮らしているが、全宇宙の支配権を持つ国を決めるのに、各国で戦争しあうのではなく、ガンダムを使用した「ガンダムファイト」で決める事にした。ガンダムファイトでは各国コロニー代表のガンダムファイターとガンダムがそれぞれ地球に降り立ち、ガンダム同士の格闘戦、ガンダムファイトで勝敗を決め、優勝したガンダムの国がその後、4年間宇宙を支配する権利を得られるというのだ。
ガンダムファイトは、基本的に1対1のガンダム同士の格闘戦だ。もちろん格闘以外にビーム兵器やバルカンなども使用できるが、故意にコックピットを狙ってはいけなかったり、頭部を完全に破壊されたガンダムは失格となるなど「ガンダムファイト国際条約」と呼ばれる明確なルールの元で行なわれる「スポーツ」として描かれている。このような「戦争のなくなった」支配体制になってから、第13回目のガンダムファイトの開幕が本作のスタートとなる。
ガンダムファイトがユニークなのは、戦争ではないため、無名の兵士が無意味に死んでいくなどの描写はなく、ルールが明確に存在するため、失格になるガンダムやガンダムファイターはいるものの、敵であっても相手のファイターが生き残る事は多い。一方で地上の建造物などを破壊しても罪に問われない事がルールに明文化されているなど、地球上の物や人を軽視したルールになっている点も憂慮すべきポイントだ。
本作の主人公は無口で無愛想な格闘家ドモン・カッシュ。第13回ガンダムファイトのネオジャパン代表のガンダムファイターであり、シャイニングガンダムに乗ってガンダムファイトに挑むが、序盤のドモンの目的は破れた写真を頼りに兄のキョウジを探し出す事であり、世界各地に現れては、ガンダムファイトの最中であろうとも人探しを続けている。本作の前半は世界各地に出現したドモンが兄を探す中で、その地の人々と交流し、現地のガンダムファイターと出会い、ガンダムファイトで勝敗を決してまた別の地域に旅立つという1話完結の構成が多く見られる。
現地で出会ったガンダムファイターたちは、その全てが敵というわけではなく、ドモンの仲間となるガンダムファイターたちとの出会いや、その関係性、バックボーンなどがストーリーに絡んでくる展開も見所の1つとなっている。ネオアメリカ代表のチボデー・クロケット、ネオチャイナ代表のサイ・サイシー、ネオロシア代表のアルゴ・ガルスキー、ネオフランス代表のジョルジュ・ド・サンド、謎の覆面ガンダムファイター、ネオドイツ代表のシュバルツ・ブルーダーなどビジュアルも性格もユニークなキャラクターたちは、時にはドモンと戦い、時には共に戦い、その絆と物語を紡いでいく。
肝心の地球だが、4年おきに開催されるガンダムファイトの影響で各地ともすっかり荒廃している。廃墟と化した建物や瓦礫などが散見される街には、宇宙に行けずに取り残された人々が暮らしているのだ。そのため、地上で暮らしている人の多くがガンダムファイトやガンダムファイターを嫌っており、そういった描写も各所で散見される。
ガンダムファイトは1年間行なわれるが、そのうち11か月が予選期間となる。この期間中に、自身のガンダムの頭部を破壊させずに、ファイター自身も生き残ることで、予選を突破して決勝ラウンドに進出できる。そのため、ドモンは前述の仲間となるガンダムファイターたちと、1度ガンダムファイトでやりあって勝利しているが、彼らのガンダムの頭部が残っており、彼ら自身も健在なため、全員が決勝ラウンドに進出できている。
そして決勝ラウンドで、勝ち上がった最後の1機のガンダムには「ガンダム・ザ・ガンダム」の称号が与えられ、ガンダムファイト優勝となる。
物語には多くの謎や陰謀があり、そうした謎や陰謀の正体が少しずつ明らかになっていくのも本作の魅力の1つだ。オープニングなどでチラッと姿が見える禍々しい「デビルガンダム」の存在やその正体、ドモンが探している兄のキョウジと「デビルガンダム」との関係性は? ドモンの右手の甲に浮かび上がる謎の紋章、キングオブハートの意味とは何か? なによりも、気になるガンダムファイトの結末は?
そして、本作が特に盛り上がりを見せるのはドモンの師匠でもあり、最大のライバルとしてドモンの行く手に立ちはだかる、東方不敗マスター・アジアの存在だろう。
彼こそ本作における「Mr.Gガンダム」と言っても過言ではないほどに、本作において圧倒的な存在感を見せ、物語においても最重要なキャラクターである事は間違いない。東方不敗マスター・アジアの魅力は何と言ってもその圧倒的な"強者感"と"師匠感"だ。立ち振る舞いその物が香港カンフー映画における「師匠」のテイストその物であり、強者の雰囲気とテイストがふんだんに詰め込まれている。もちろん雰囲気だけでなく、その実力も圧倒的で、生身のままでもガンダム以外のメカ兵器を粉砕できるだけの圧倒的パワーも備える。
東方不敗マスター・アジアは、物語の中では知識の豊富さ、その強さなど全てにおいて、主人公のドモンを圧倒する。さらにデビルガンダムに関わる陰謀にも関与していたり、秘めたる謎も多いため、ドモンの師匠でありながら、なぜこのような事に? と視聴者もドモンと同じように東方不敗マスター・アジアに疑問を抱く事になる。この辺りは物語終盤、徐々に明らかになっていく圧巻のストーリー展開が待っているので、是非チェックしてみてほしい。
なお、「Gガンダム」はバンダイナムコのオンライン配信サービス「バンダイチャンネル」に加入すれば全話視聴可能なほか、YouTubeの「ガンダムチャンネル」にて常時第1話が公開されているほか、一部エピソードも期間限定で視聴できる。興味がある人は先ずはここから見てみるのをおススメしたい。
ガンダム対決、香港映画演出、熱血……ガンダムに革命をもたらした衝撃の数々!
「Gガンダム」は1994年より1年間放送されたテレビアニメのガンダムシリーズだ。これまでのガンダムシリーズでは戦争がテーマの中心となっており、そのテーマの中にガンダムが絡んでくるというのが定番だったが、これを打ち壊し、戦争ではなく格闘技によるガンダム同士の戦いが中心というかなり異質な設定となっている。この背景には、当時「ストリートファイターII」や「バーチャファイター」など、格闘ゲームがブームだった事から、ガンダムに格闘要素を入れてほしいという要望があったためのようだ。実際に商品として、スーパーファミコン版の格闘ゲーム「機動武闘伝Gガンダム」がリリースされている。
アニメ「機動武闘伝Gガンダム」を初めて見ると、ガンダム同士が勝敗を決するビジュアルが衝撃的であり、これまでにないガンダム同士のバトルという異質さばかりが目についてしまうが、これまでの「ガンダム」シリーズでも度々語られてきた、権力者の傲慢や、ガンダムファイトが地球を舞台にすることで、地球の大地が犠牲になる環境破壊への問題提起などが割とストレートに語られている点は興味深い。
また、戦争を回避するためという語りがあることから、一見すると戦争がテーマではないように見えるが、ガンダムファイトという仕組みその物が戦争の代替の側面を持つイベントであるのは間違いない。他にも物語の中で随所に登場するデビルガンダムに関わる陰謀など、権力争いという戦争の根源の1つがテーマの中にうまく隠されている点は見事だ。
また、テレビシリーズでは初となる富野氏以外の監督によるガンダムという点も注目だ。本作の監督である今川泰宏氏は1983年放送の「聖戦士ダンバイン」の頃から富野監督の作品に携わっている。
Gガンダム放送当時の今川監督と言えば、1987年から放送されたアニメ「ミスター味っ子」において原作マンガを遥かに凌駕するド派手な演出を加えることで、個性を発揮した印象が非常に強かったほか、1992年より発売を開始したOVA「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-」の監督でもあり、こちらも衝撃的な作品に仕上がっていたので、その印象も強い。
こうした実績を持つ今川氏がどのようにガンダムを料理するのか、というのは当時の注目のポイントでもあった。当然1話を見た筆者たちはその衝撃的な内容で大盛り上がりだったのはいうまでもない。そう、本作最大の魅力は、今川氏が繰り出すケレン味たっぷりの“今川節”が如何なく発揮されている点なのだ。
香港映画や中国小説などをオマージュしたような、東方不敗マスター・アジアとドモンが戦闘時に言い放つ「流派東方不敗は王者の風よ。全新、系裂、天破侠乱。見よ、東方は赤く燃えている」などのカッコいいセリフの言い回しも、今川監督ならではの視聴者たちのテンションを高める要素の1つだ。
また、ドモンがシャイニングフィンガーを発動する際に発する「俺のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと轟き叫ぶ!」など普段は寡黙ながら戦闘になると熱くなる熱血主人公ドモンのカッコよさなど、こうした見た人の心を掴む演出こそ“今川節”の真骨頂なのだ。
そして後の「ガンダム」シリーズ作品にも多大な影響を与えた要素として、敵味方問わず、多くのガンダムが登場するという点だ。これまでのガンダムシリーズでは、OVAの「機動戦士ガンダム0083」という例外はあれど、基本的にテレビシリーズにおいて、ガンダムと言う存在は主人公の搭乗する主力メカの名前となっていた。
ところが本作ではコロニー各国がそれぞれガンダムを持っているという設定から、これまで見た事のない、冗談のようなガンダムが数多く登場する。しかもギャグなどではなく、真顔で出現して真面目に戦いを行なうのだから、これはかなりの衝撃だ。この要素は実際にGガンダム以降「ガンダムW」や「ガンダムX」などにおいて主人公側に複数のガンダムが用意されるようになったほか、以降のシリーズでも採用されている要素であり、この功績はかなり大きいといえる。
また、これまでのガンダムシリーズでは常に使われてきた「宇宙世紀」という時間軸を使わず「未来世紀」と呼ばれる新たな時間軸が登場している点も注目だ。これまでと異なる時間軸を提示することで、今までのガンダムとは別次元、いわば異世界のように見せることができるからだ。これは当時「Gガンダム」に違和感を持った人や納得していない人たちを説得する材料の1つとして十分役に立った。なお、時間軸については後の「∀ガンダム」において、地球で起きた歴史の1つとして黒歴史の中に取り込まれているため、単に使用した時代が大きく異なるだけという設定だったようだ。
もう1つ、本作のシャイニングガンダムは、戦闘終盤、いよいよ敵を倒すぞ、という展開になると、顔のフェイスガードが開き、腕や足、肩などの各部位が展開する「スーパーモード」を発動する。これまでのガンダムにおいても変形や合体の要素はあったが、同じガンダムが一時的に強化モードに変化するような仕組みも、ガンダムシリーズでは「Gガンダム」が始祖と言えるだろう。
このように「Gガンダム」が後のガンダムシリーズにもたらした影響はかなり大きいのである。
ぶっ飛んだ色んなガンダムをチェックしてみよう!
筆者にとっての「Gガンダム」はリアルタイムで視聴していた忘れられない作品の1本である。1994年当時の筆者は大学に通うアニメオタクとして様々なOVAやテレビアニメを多く見ており、そんな中、富野監督による「Vガンダム」が無事に終わり、次にやってきたのがまさかの今川監督による「Gガンダム」だったのだ。
正直なところ、第1話の冒頭を見た時の第一声は「ナニコレ?」である。これまでの「ガンダム」シリーズと比較すると、あまりにもぶっ飛んだ展開だったからだ。何しろ地球に数多くの流れ星のような物が落ちていく様子がナレーションとともに流れ、そのうちの1つがイタリアらしき場所に落下するのだが、これがシルエットのみながら、どう見てもガンダムなのである。さらにそれを見ていた謎のチンピラが手に持っていた酒瓶を握力で砕いたかと思ったら「鳴りやがった……鳴りやがったぜ、待ちに待ったガンダムファイトのゴングがよぉ~!」と叫び、高笑いを続けるのだ。このクレイジーな1話冒頭の衝撃は未だに忘れられない。
最初の頃こそ違和感が凄まじかった「Gガンダム」だが、東方不敗マスター・アジアの登場から、筆者にとって「Gガンダム」の放送時間は夢の時間へと昇華した。もちろん、筆者がジャッキーチェン氏の香港カンフー映画好きというのもあったが、とにかく東方不敗マスター・アジアの師匠っぽいカッコよさにはしびれた。他にも筆者の中二心をくすぐるキングオブハートの設定やシャッフル同盟などの設定も胸にグッとくる。こうなってくると、物語の展開にも興味がわき、終盤は胸熱くその物語を堪能することができた。
「Gガンダム」はその存在を知らない人が、たまに「変なガンダム」を見かけたことがきっかけでチェックし、ますます困惑するという流れに陥ることがある。最近ではちょうど1年くらい前に、なんと「はじめの一歩」の作者である漫画家、森川ジョージ氏が「Gガンダム」を見始めた事が話題となった。そして、最終的には全話を完走するに至ったのである。
ワケあってガンダムのことを調べていたら魚になるデタラメなガンダムがあることを知って困惑している。
— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN)May 22, 2023
他にも牛ガンダムとか蟹ガンダムとか海老ガンダムとか…。
なんという自由な世界。
事の起こりは5月23日のポストより。この後のリプでは自身でもマーメイドガンダムを描いて投稿するなど徐々に深淵に向かっているのが分かる。
バンダイチャンネルにGガンダムがあった。
— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN)May 22, 2023
全49話か…。
一気見は難しいけど気になりすぎるからチマチマ観ますか。
おすすめしてくれた方もたくさんいたので一話ずつ感想を呟いていこうかな。
完走は無理だろうなあ。
視聴開始時の投稿。完走は無理だろうなあ、と書かれているが……。
【Gガンダム12話目】
— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN)May 27, 2023
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。
視聴完了。
混乱しすぎて言葉が無い。
とりあえず今観たモノを描き記しておこう。pic.twitter.com/D7zbUIwa2x
その後は視聴したエピソードごとに感想やツッコミをいれるようになっていった。そしてXでファンたちから「12話まで見ろ」と言われて12話を初めて見た時の感想がこちら……勝ったな。
リプ欄にとんでもない数の「王者の風」が吹き荒れている。
— 森川ジョージ (@WANPOWANWAN)June 9, 2023
twitterでこんな一体感てあるんだなあ。
全部に反応したいのだけど追いつきません。
申し訳ありません。
ありがとうございます。
Gガンダムは凄いな。
完走してよかった。
ありがとうございました。
その後も感想とツッコミを入れながらもその深みにどっぷりとはまっていき、見事に最後まで完走した!
一連の森川氏のツッコミやハマっていった経緯は筆者とほぼ同じ流れと言える。リアルタイムで見ていた当時、純粋なガンダムしか知らなかった筆者からすると、「Gガンダム」のやっていることは荒唐無稽であり、これが許されるのか、と挫折しかかる場面が多々あった。
しかしどんなに無茶苦茶であっても、12話において、東方不敗マスター・アジアが全てを必殺の「超級覇王電影弾」で吹き飛ばしてくれるのだ!というか1度谷底に突き落とされたような感覚となり、なぜか谷から這い上がって続きを見なければならなくなる。これが「Gガンダム」なのだ。
そして当時筆者の大好きだった「トップをねらえ!」や「宇宙英雄物語」などで楽曲を数多く手掛けていた、田中公平氏が音楽を担当していたのも筆者にとって追い風の1つだったと言える。やっぱり名作には名曲は欠かせない。
このように筆者にとっては衝撃も大きく、好みのポイントも多く、印象に強く残る思い出の1本だが、今、令和のこの時代に、未見の人が改めて「Gガンダム」を見直してみるのも、恐らく新たな発見が色々とあるだろう。特に作中に多くのガンダムが初めて登場したのが本作である点を意識して見直すと、メカデザインとしてのガンダムの無限の可能性が感じられて面白い。
また、ガンダム作品ながらも他の作品のオマージュが含まれているのも本作の魅力の1つだ。例えば「東方不敗」の由来は、中国の当時の人気武俠小説、金庸作「秘曲 笑傲江湖」に登場する敵役の名前である。このような当時の元ネタなどをチェックしながら、改めて「Gガンダム」を見直してみるのも面白そうだ。
今ならではの楽しみ方も色々できそうな「機動武闘伝Gガンダム」。30周年を機会に是非1度見直してみてはいかがだろうか?
(C)創通・サンライズ