【特別企画】

4K/120Hz対応で770円! ダイソーの「HDMI 2.1対応ケーブル」を検証してみた

VRR、ALLM、Dolby Visionも全て問題なし

【8K対応 ウルトラハイスピードHDMI スリムケーブル 2m:E-HDMI-4】

全国のダイソーにて販売中

価格:770円

 プレイステーション 5やXbox Series Xを4K/120Hz対応モニターに接続するときに必要になる「HDMI 2.1」対応ケーブル。それぞれ付属品として同梱されているが、HDMIセレクターを経由する場合や誤って端子を破損した時など、使用用途や万が一に備えてもう1本欲しいという方も多いだろう。

 だが、家電量販店や通販サイトで購入すると1,000円以上から数千円するのが当たり前。と思いきや、ダイソーにて770円で購入できるHDMI 2.1対応ケーブルが存在が判明した。そこで本稿では実際にダイソーで購入した「8K対応 ウルトラハイスピードHDMI スリムケーブル 2m(E-HDMI-4)」のレポートをお届け。最安級のHDMI 2.1ケーブルが問題なく4K/120Hz信号を通すのか検証してみた。

そもそも「HDMI 2.1」って? ダイソーの「HDMI 2.1」ケーブルをチェック

 まずは「HDMI 2.1」について軽くおさらいしたい。「HDMI 2.1」とは映像や音声を伝達する通信規格「HDMI(High-Definition Multimedia Interdace)」の最新バージョンで2017年に策定されたもの。前のバージョンである「HDMI 2.0(18Gbps)」から帯域幅が大きく向上し48Gbpsとなったことで、4K/120Hzや8K/60Hz(DSC使用時)に対応した。

 我々ゲーマーの間では、2020年に発売されたPS5やXbox Series Xから普及が始まり、PCでも「GeForce RTX 30」シリーズや「Radeon RX 6000」シリーズを搭載したグラフィックボードの一部で利用可能。もちろん、4K120Hz信号に対応したゲーミングモニターやテレビを用意する必要がある。

PS5やXbox SXといった最新ゲーム機がHDMI 2.1に対応している

 今回、ダイソーで販売されているHDMI 2.1対応ケーブルが注目されているのはその“安さ”だ。PS5やXbox SXでの4K120Hz信号に対応し、2mという丁度いい長さを確保。さらにHDMIの認証制度「HDMI Certified Cable ULTRA HIGH SPEED」を取得し、パッケージにはステッカーが貼られているため、いわば“HDMIのお墨付き”ということだ。

 それでいて販売価格は770円。通販サイト「Amazon」にてHDMI 2.1対応ケーブルを検索すると様々な商品がヒットするが、認証取得を謳った商品は大体1,000円以上する。このダイソーのHDMI 2.1ケーブルは数百円ほど安価で、Amazon販売商品と比較しても“最安級”なのだ。

 筆者は早速近所のダイソーに赴き、HDMI 2.1対応ケーブルを2本購入してきた。近所のダイソーでの在庫状況が知りたいという方は、アプリストアで配信されている「ダイソー」公式アプリにて確認することができる。

ダイソーで売られている「HDMI 2.1」ケーブル。近隣店舗の在庫状況が知りたい方は「ダイソー」アプリがオススメだ

 今回の「8K対応 ウルトラハイスピードHDMI スリムケーブル 2m」の型番は「E-HDMI-4」で、パッケージに貼ってある「ULTRA Certified Cable」のQRコードを読み取ると、しっかりと認証を受けていることが確認できる。メーカーはラティーノが手掛ける「エコラ」で、中国製となっていた。

 パッケージは、Amazonの中華製ケーブルにありがちな多言語対応のものではなく、しっかりと日本語で書かれている。内容物はケーブル本体以外になく、箱が説明書を兼ねている。

 ケーブル本体は若干固めで少し取り回しがしづらい印象。端子周りの外装は金属製で「8K UHD」、「ecola」と書かれており、端子には金メッキが施されている。Xbox Series Xに付属していたHDMI 2.1対応ケーブルと比較すると、ケーブルの柔軟性は劣るが、安物にありがちなチープさはあまりない。

□HDMI LA「E-HDMI-4」の認証ページ

ダイソーで販売されている「HDMI 2.1」ケーブル。今回は2本購入した
メーカーはラティーノ「エコラ」ブランドで、型番は「E-HDMI-4」となっていた
HDMIの認証制度を取得した証となる「ULTRA Certified Cable」ステッカー
QRコードを読み取るとHDMI公式サイトに遷移し、きちんと認証を取得していることが確認できる
パッケージから取り出したケーブル本体
端子の外装は金属製。端子部分は金メッキが施されている
ケーブルは若干固め。周囲には「ecola 8K HDMI PREMIUM SLIM 202312」と書かれていた。最後の数字は製造月だろうか
Xbox SX付属のHDMI 2.1ケーブル(下)と比較。柔軟性は劣るが、チープという感じはあまりない
実際にXbox SXに接続。ガタつきなどもなく、きちんと接続されていた

 ここからは実際に使ってみた結果をレポートしていくのだが、最初に言っておくと通常のHDMI 2.1対応ケーブルとして難なく使用できた。筆者宅は昨年末にLG製の有機ELテレビに買い替えており、8Kまではチェックできないのだが、4K120Hzに対応している。

 これまではXbox SX付属のケーブルを使用していたのだが、それを今回のHDMI 2.1対応ケーブルに変更しても「ご利用のテレビは120Hzでの4K UHD対応です」と表示され、Dolby Visionといった各機能にもチェックマークがついていた。実際にゲームをしても映像・音声ともにノイズの発生はない。

【Xbox SX付属のケーブル時】
筆者宅のLG製有機ELテレビで確認。全ての項目にチェックマークがついている
【ダイソーのHDMI 2.1ケーブル時】
ダイソーのHDMI 2.1ケーブルに変更しても変わりはなく、ノイズなども発生しなかった

 PS5についても同様だ。これまでは付属のケーブルを使用していたが、今回のHDMI 2.1対応ケーブルに変更しても4K/120Hzや可変リフレッシュレート(VRR)、自動低レイテンシーモード(ALLM)、HDRといった各機能を維持していた。ゲーム時でも4K/120Hz信号を伝達していることを確認でき、ノイズなく通常のゲームプレイを楽しめた。

PS5接続時も4K/120HzやVRR、ALLM、HDRといった機能を利用可能
120Hzモードを有効にした「グランツーリスモ7」をプレイ。ノイズなどの発生は無かった
現在出力している映像信号でも4K VRR(48~120Hz)となっていることを確認

 気になる点は保証などの表記がないこと。パッケージには「万一不良の場合にはお買い上げ店にてお取替えさせていただきます。」とあるが、1年保証といった表記は無い。そもそもHDMIケーブル自体が不具合を起こすことはほぼない(接点の汚れなどで映らなくなることはある)ので、あまり心配する必要はないのだが、気になる方は大手メーカー製のものを購入しよう。

 正直、どこかに“安かろう悪かろう”な部分があるのではと勘ぐっていたが、実態は“普通に使える安いHDMI 2.1ケーブル”だったことが判明した。唯一、ケーブルの取り回しが若干悪い点が挙げられるが、配線さえしてしまえば、日常的に抜き差しをしない限りあまり問題はない。PS5やXbox SXユーザーなど、HDMI 2.1ケーブルがもう1本欲しいという方はぜひ一度、ダイソーに立ち寄ってみてほしい。

初期不良時の取り換えは記載があるが、長期にわたる保証の記載はない
ごく普通のHDMI 2.1ケーブルとして利用可能なので、もう1本検討中という方はオススメしたい