【特別企画】

平手友梨奈さんがグローバルモデル決定の「星になれ ヴェーダの騎士たち」発表会レポート

HYBE初となるゲームパブリッシング第1弾タイトル

【星になれ ヴェーダの騎士たち】

今春リリース予定

 HYBE IMは、今春配信予定のPC/iOS/Android用2DアクションRPG「星になれ ヴェーダの騎士たち」を発表した。基本無料で、アイテム課金制。

 「星になれ ヴェーダの騎士たち」は、ベルトスクロールタイプの2DアクションRPG。剣や魔法で敵と戦いながら、ステージクリア形式でストーリーを進めていく。ゲーム内では装備とキャラクターのガチャが登場するという。

 HYBE IMは2月27日、「Game Business SHOW CASE vol.1」と題したゲーム事業説明会をメディア向けに開催。そのなかで「星になれ ヴェーダの騎士たち」の詳細や今後の戦略、2024年の戦略などを説明した。合わせて、プロモーションの一環としてアーティストの平手友梨奈さんをグローバルモデルに起用したことなどを発表した。

HYBEのゲーム事業参入は「総合的なエンタメ要素がすべて詰まっているから」

 今回の説明会では、HYBE IM代表取締役のチョン・ウヨン氏が来日。最初に、同社の事業について紹介が行われた。HYBEはもともと音楽事業を主軸としており、BTSやENHYPENなどK-POPの有名アーティストが所属する企業、イメージが強い。そんな同社がなぜゲーム事業に参入することになったのだろうか。これについてチョン・ウヨン氏は、創業者であるパン・シヒョク氏の言葉を借りて説明している。

 HYBE自体は総合的なエンターテインメントをビジネスとして展開しているが、ゲームというジャンルにはそのすべての要素が詰まっている。そこで、HYBE IMを通じて「企業としての永続性と競争力を強化」していくことを目的にゲーム事業に参入することになったのだという。そして、HYBE IMが提供する初のゲームパブリッシングとしてリリースされるのが、新作RPGの「星になれ ヴェーダの騎士たち」だ。

HYBE IM代表取締役チョン・ウヨン氏

 HYBE自体は、大きく分けてレーベル、ソリューション、プラットフォームという3つの事業で展開されている。これは、それぞれが独立しているというよりは、連携することで大きな相乗効果を生み出しているというのが特徴だ。HYBE IMは、その中のソリューション部門に属している企業である。

 HYBE IMには、ゲーム会社のみならず、映画やアニメ業界、音楽業界出身のメンバーが集結している。それに加えて、HYBEが擁する世界的アーティストのIPを活用したゲームの開発を行うことができるところも同社の特徴だ。それらを活用し、新しいテクノロジーと音楽のシナジーから生まれる「Tech-tainment」という新たな分野を開拓していこうとしているのである。

HYBE IMは、グループの中ではソリューション部門に属している企業だ

 「星になれ ヴェーダの騎士たち」のプロジェクトが始動したのは、2020年に韓国で行われたゲームショウの「G-STAR」だ。そこで、HYBE IMと韓国の開発会社FLINTとパブリッシング契約を締結したという発表を行っている。そこからサービスを提供するための準備がスタートした。

 ちなみにHYBE IMはグローバルパブリッシャーとして、全体の進行を統括している。それとは別に、日本市場向けのパブリッシング事業全般を担当しているのがHYBE JAPANだ。HYBE JAPAN ゲーム事業室 室長の中西啓太氏によると、日本は他の国と比較して特殊な傾向があるほか、市場としても大きいことから、こうした役割分担になっているのだという。

「星になれ ヴェーダの騎士たち」では、FLINTとHYBE IMがパブリッシング契約を結んでおり、HYBE JAPANは日本市場を担当する
HYBE JAPAN ゲーム事業室 室長中西啓太氏

 HYBE IMでは、「星になれ ヴェーダの騎士たち」以外にもパブリッシングタイトルが予定されている。そのひとつが、PC(Steam)用に開発中のPVEVPの3DダンジョンRPG「ダンジョンストーカーズ」だ。それ以外にも様々なタイトルが準備されているという。

□Steam「ダンジョンストーカーズ」のページ

豪華声優陣が演じるセリフをフルボイスで楽しめる!

 「星になれ ヴェーダの騎士たち」は、2014年にFLINTが開発し世界累計2,000万ダウンロード以上を記録した「ドラゴンスラッシュ」の続編にあたるタイトルだ。続編という位置づけではあるが、世界観に共通部分はあるもののゲームとしては単体で楽しめる作品になっている。対応しているプラットフォームはPCとスマートフォン。

こちらが「星になれ ヴェーダの騎士たち」のキービジュアル

 ゲームの物語は、プレイヤーがマグヌスという暴君によって殺されてしまうところから始まる。そのときに、突然現れた女神に魂を助けてもらい、プレイヤー自身はヴェーダの騎士として蘇ることになる。

 それと同時に、女神からは特別な本が与えられる。それは、ヴェーダの騎士たちが持つ力を宿すことができる本で、その力をプレイヤー自身が自由に扱うことができる。命を助けてもらった代わりに、プレイヤーは女神から使命を与えられる。それを果たすために、冒険へと出かけていくことになるというのが大まかなあらすじだ。

 ゲームを進めていくと合間にアニメーションが流れる。ストーリーに没入しやすいように、それぞれのキャラクターのセリフはフルボイスで収録されている。これらの声を演じるのは、悠木碧さんや榎木淳弥さんなど豪華声優陣だ。キャラクターや声優に関する情報は、公式のXアカウントで随時発表されているので、そちらも合わせてチェックしておくといいだろう。

どんな声優がキャラクターの声を演じるのかについても注目

平手友梨奈さんが歌うスペシャルメインテーマも近日お披露目

 HYBEの強みは、なんといっても音楽だ。そこで、「星になれ ヴェーダの騎士たち」のスペシャルメインテーマとして「絶望の女神」という楽曲が新たに書き下ろされている。

 こちらの作曲を担当したのは、アニメ「鬼滅の刃」や、ゲームの「ゴッドイーター」、「テイルズ オブ レジェンディア」などを手掛けた椎名豪氏だ。また、自身も歌手として活動しているKanon氏が作詞を担当している。楽曲としては、女神の使命を受けて戦う主人公の精神を歌詞に込めた、ロックテイストのナンバーだ。

「星になれ ヴェーダの騎士たち」のスペシャルメインテーマとして「絶望の女神」が描き下ろされている

 そして、このスペシャルメインテーマとして「絶望の女神」の歌唱を担当しているのが、本作のグローバルモデルにも起用された平手友梨奈さんである。平手さん自身も2022年にHYBE JAPANが設立したレーベルのNAECOに移籍している。また、今回の平手さんのグローバルモデル決定に合わせて、Amazonギフト券1,000円分が100人に当たるキャンペーンも実施される。

平手友梨奈さんのグローバルモデル決定に伴いキャンペーンも実施される

 今後のプロモーション予定としては、事前登録開始に合わせて平手友梨奈さんのメインビジュアル公開と「絶望の女神」の一部が先行公開される。日程は未定だが、事前登録記念生放送や「絶望の女神」のフルバージョンも生放送内で先行公開される予定だ。

 また、3月12日には各音楽配信サービスで、「絶望の女神」のフルバージョンが公開される。さらに、全国主要都市でのTVCMも放送されることが決定。こちらも平手友梨奈さん自身が出演する予定だ。これら以外にも様々な施策が行われていくとのこと。

内容は明らかにされなかったが、3月4日には大きめのニュースも発表される予定だ

ユーザーの意見を反映しながらブラッシュアップ!

 当初2023年に発売が予定されていた「星になれ ヴェーダの騎士たち」だが、リリースが伸びたのは開発が遅れたことが原因ではない。あくまでもサービスの品質を上げるための延期である。2020年の「G-STAR」の時点で、ゲームの体験プレイができる状況だった。そのときに、グローバルで配信していくことが決まっていたため、2023年に台湾と日本でフォーカスグループテストが行われている。そちらにに参加したユーザーの意見を反映して、2023年10月にファーストグローバルベータテストを実施。その結果を受けて、現在は改修を行っているという段階だ。

開発中のゲーム画面

 ユーザーの意見から変更が加えられたものの具体例としては、戦闘をより爽快にするというものが含まれている。グローバルベータテスト時に、戦闘のスピード感に関する意見が多くのユーザーから寄せられた。そこで、ダイナミックな戦闘と強烈な打撃感を高めるために、キャラクターの攻撃に改善が加えられている。爽快という部分に関しては、ダッシュや回避の反応速度、回避したときの距離などの調整をおこなっている。

 ふたつ目の大きな改修ポイントとして、プレイがより快適になるように変更が加えられた。本作はアクションゲームではあるが、手動操作の楽しさを維持しつつも、キャラクターを強化をするためのダンジョンを周回を自動で行える戦闘機能の調整が行われている。また、敵を倒したときにアイテムを入手することができるが、それを拾う動作をいちいち行わなければいけなかったという部分についても不満が出ていたため、その改修も進めている。

 3つ目の改修ポイントが、より刺激的で多様な戦闘スタイルにするためのものである。こちらは、マップ全体のレベルデザインの再構築や、モンスターのAIを改善している。それにより、多様な戦略が生まれ緊張感の高い戦闘が楽しめるようになる。こうした状況が進んできたこともあり、リリースに先駆けて3月5日より事前登録の募集が開始される。こちらは、公式サイトでメールアドレスの登録や、X、各ストアで行うことが可能だ。

事前登録も3月5日からスタートする

キャラクターを切り替えながら敵を倒していく爽快感!

 ひととおり発表が終わった後で、実際にゲームを30分ほどプレイする機会をもらうことができた。今回試遊したのは、スマートフォン版だ。ゲームの特徴としては、先ほども触れたベルトアクションスクロールといった要素に加えて、ソウルライクシリーズのような要素も盛り込まれている。ときおりダークな雰囲気のカットシーンも挟まれるのだが、こちらもホラー過ぎず独特の雰囲気があり思わずゲームの世界に引き込まれてしまった。

 実際のプレイは、スマートフォン向けのMMORPGなどと同じようなUIで操作ができるようになっていた。画面の左側でキャラクターを操り、右側に配置されたアクションボタンで通常攻撃やスキルの発動、回避や走るといった操作ができるといった感じだ。

 基本は画面の右方向に向かって移動していき、途中で出会う敵をなぎ倒しながら進んでいく。最後にはボスが登場し、それを倒すとミッションクリアとなる。面白いのは、あらかじめセットしたキャラクターたちを自分が好きなタイミングで切り替えることができるところだ。画面の右上には交代用のキャラクターのアイコンが並んでおり、自分の好きなタイミングで切り替えられるようになっていた。

実際のゲームプレイでは、UIも表示される

 今回の体験バージョンでは、弓や魔法を扱う遠隔攻撃のキャラクターに加えて、剣で敵をなぎ倒すようなキャラクターも選ぶことができた。ザコ敵戦では大量の敵が出てくるため、遠隔攻撃のキャラクターではやや手に余るが、そうしたときにキャラクターを切り替えることで殲滅できる。また、ボス戦ではある程度距離を取った方が有利に戦闘を進めていくことができる場合があるので、そうしたときは遠隔攻撃が得意なキャラクターに切り替えるといったプレイも可能だ。

 ちなみに、戦闘に出かける前に参加するメンバーも選ぶことができ、今回の試遊版時点でもかなり大量のキャラクターが登録されていた。それぞれのキャラクターには、タンクやヒーラーといった役割が与えられており、バランスの良いメンバーを選んでプレイすることができる。そうしたこともあり、どのメンバーを選ぶかといった楽しみ方もできそうだ。

 バトル自体はスマホ版でも爽快にプレイできたが、PCではコントローラーやキーボードを使った操作もできるという。こちらはまた違った印象になりそうだ。いずれにせよ、かなりやり応えがありそうなタイトルであることは間違いないので、今からリリースが楽しみな作品である。

キャラクターごとに攻撃の種類も異なり、いずれも個性的なものばかりだ