【特別企画】
上下2画面で同時に紡がれる異色のスマホRPG「World II World」プレイレポート
2023年2月17日 18:00
純粋な少年と機械の少女が織りなすメカニックボーイミーツガール!? 王道RPG路線の「機械(マキナ)×人間(ラボル)ワールド」
次に今回の先行プレイで体験できた各世界の物語について触れていきたいと思う。まずは最初に観測する事となる「機械(マキナ)×人間(ラボル)ワールド」だ。
ここは天界で人間を管理する機械(マキナ)と、天界から降り注ぐ機械を漁り地上で苦渋の生活をしている人間(ラボル)が存在する世界で、近未来的な美しい世界観と鉄と煤によるスチームパンクな世界観が共存しているワールドだ。そんな少し歪な世界で、少年らしい明るさと空への憧れを持つ熱血系主人公「フジョー」と、天界を統べる存在“マザーズ”の命令で人間と関わっていく無感情の機械少女ヒロイン「ラッカ」が出会い、種族や立場を超えた王道RPGのような熱い物語が展開されていくのだ。出てくるキャラクターも機械(マキナ)はSFチックな機械人の女の子、人間(ラボル)は体の一部を機械にしていたり機械を武器にして戦ったりするため、全体的な世界観が“機械”で統一されているのが特徴的だ。
正直もう直感的に筆者はこの世界が一番好きだと爆速で感づいた。“純粋少年主人公”と“無感情少女”の組み合わせが嫌いなRPGオタクはこの世に存在しない説を筆者は唱えたい。しかもこの物語はそれぞれの視点で描かれるW主人公体制なため、たまにしか2人は直接会う事が無いというのも個人的にはポイントが高い。それぞれの視点と立場から当たり前だと思っていた世界の歪さに気付いていき、最終的にどのように2人は成長していくのか、2人の関係はどのように変化していくのか、機械(マキナ)と人間(ラボル)の関係はどうなっていくのか……等々、あまり物語を読めていない段階から興奮で鼻血が出そうである。
さらにパーティーに入るサブキャラクター達も魅力的でフジョーの育て親で家族同然の「ファドル」や「アネット」、フジョーに片思いしているツンデレ少女の「マイネ」など王道かつ順当にボーイミーツガールをさせてくれそうな面々が揃っていたり、機械(マキナ)側だと「お前ら本当に機械なのか?」と思ってしまうような中二病の「クロ―ヌ」や元気っ娘の「キララ」などキャラが立っている存在が数多く存在している。感情の薄いラッカを見た後だと機械(マキナ)も一枚岩ではない事が良くわかる。
王道ストーリー、ボーイミーツガール、メカニックと言った要素が好きなプレーヤーには堪らない世界となっているのだ。
田舎の少年と魔王の少女がそれぞれ異世界転生!? ギャグ路線の「異世界(ファンタジー)×現代(リアリティ)ワールド」
続いて観測者が降り立つのが、後期高齢化社会や田舎の過疎化等の問題を抱える我々が暮らすような世界まんまな現代(リアリティ)と、剣と魔法と魔王と勇者とチート能力とステータス開示が当たり前で、現代人にハイパー忖度された今時感あふれる異世界(ファンタジー)の2つが干渉し合う世界だ。
トラックに轢かれる事で女神にエンカウントし、もう文字通りの“異世界転生”が行なわれる世界が2つ目のワールドとなっている。この世界で主人公となるのがツッコミが大好きな田舎のボッチ高校生「小宮ハルタ」と、戦いや侵略に嫌気が差して平和に暮らしたい元魔王の少女「マルママック」の2人。それぞれ自分の世界に特に思い入れも無かったためアッサリお互いの世界に転生し、それぞれの場所でエンジョイ生活をし始める事になるのだが……という導入で、1つ目の世界で描かれた王道のボーイミーツガールとは全く毛色の異なる物語が展開される。全体のBGMや敵の雰囲気もファンタジー世界っぽく統一されていながらも、どこかゆるく可愛い感じも残したような感じになっていて、正に近年流行していたゆる~い異世界転生を彷彿とさせるようなワールドになっているのだ。
このワールドはもう序盤からゆるふわなギャグオーラ満載のシナリオになっている事が1番の特徴と言える。元の世界にワンチャン帰れるという理由で、自分を倒しに来た勇者にマジレスする魔王のマルママックや、異世界転生する前に女神の謎空間に連れ出されたハルタが「これ異世界転生だ」と超速理解して喜んだりなど、もうこれぞとばかりの異世界転生節を味わう事ができる。
加えて当然のようにお互いに転生後の目的も無いため、異世界に来たハルタは持ち前のツッコミ芸で1人漫才をしながら無双し、それはそれとして現代に来たマルママックはJK(恰好だけ)となって田舎暮らしをエンジョイするという何とも不思議な物語が展開されるのだ。しかし異世界には変な魔物が、現代には魔力を帯びた謎の野菜(?)が襲い掛かり、ただの平和な異世界ライフを送れるという訳では無さそうというのもこのシナリオの面白いところだろう。ギャグと真面目の境界を行ったり来たりする絶妙な温度感を楽しむことができそうだ。
またこの世界ではパーティーに加わるサブキャラクターもギャグ寄りになっていて、各世界に元々存在する住人は当然ながらハルタやマルママックのように何か面白い感じに異世界転生したキャラクターが登場するのだ。元魔王の四天王だった連中が警官をやっていたり配達員をしてたり、逆に異世界に行ったメンバーにはお笑い芸人や転生の影響で性別が変わったキャラクターなど、設定から笑わせに来るキャラクターも多い。他の世界のシナリオで重めの話が来た時にちょっと息抜きで見に来ると丁度良い息抜きにもなるかもしれない。
異世界転生物、ギャグマンガ、ファンタジー世界などの要素が好きなプレーヤーに是非オススメしたい世界といえる。
西のガンマンに東のサムライ…… 勝負の世界に生きる男達の物語!! シリアス路線の「西部(ガンマン)×東部(サムライ)ワールド」
最後に訪れるのがこれまた今までと全く毛色の違う、西部劇のガンマンと時代劇のサムライが共に存在し、競い合っているような世界「西部(ガンマン)×東部(サムライ)ワールド」だ。
西部と東部、お互いに危険視しながらも2つに別れて独自の文化を発展させ続けているこの世界では、最強の座を求めて人々が切磋琢磨しているのが特徴的だ。そんな世界で主人公となるのが最強のガンマンを目指すクールでキザな青年「コル」と、天下無双の剣豪を目指す熱血漢溢れる青年「剣丸」の2人。それぞれの最強を求めて行動する2人がどのように出会い関わっていくのか、西部と東部で隔てられた壁はどうなっていくのか、そして物語の序盤から示される暗雲立ち込める死の未来の真実とは……といったようなビターでありながら男のロマンも多分に詰まった物語が展開されるのだ。
この世界では今までの主人公達と少し違い、男主人公2人による完全なダブルヒーロー路線で物語が展開される事が判明している。「コル」は各所に存在するお尋ね者や凄腕のガンマンを、「剣丸」は剣客との戦いや道場破りなどを倒していき実力をつけていく少年漫画のようなストーリーラインとなっており、純粋に強さを求めて奮起する漢たちの活躍を楽しむことができるのだ。物語冒頭で出てくる死の未来で犠牲になった2人とは誰なのか。ミステリー的な要素もストーリーに絡めながら、かなりシリアスな物語になるとの事だ。展開によってはハードボイルド的な渋さも物語の中で味わう事ができるかもしれない。
加えてキャラクター性も強く出ており、クールでキザな「コル」の言い回しや立ち振る舞いは多少クサい部分はあれど男だったら本能的にカッコいいと感じてしまう場面が数多く、逆に「剣丸」の熱血的な性格も天然でお人好し過ぎる部分がありながら、人を導いてくれる誠実な漢らしさを強く感じることができるエピソードが多い。全く違うタイプのイケメン男子2人のカッコいい活躍を交互に見ることができるという幸せを味わう事ができるこのワールドは、物語のシリアスさも相まって男女問わず好きになる人が多そうだ。
パーティーに加わるキャラクターもこれまでのワールド同様世界観が統一されたキャラクターしか出てこないため、このワールドでは単純にガンマンやサムライが好きなプレーヤーには癖に刺さるキャラクターばかりだろう。
時代物、男の友情、シリアスなストーリーなどが好きなプレーヤーには是非お勧めしたいワールドだ。
何かしら自分の好きな属性のストーリーが見つかりそうなラインナップ! 1人でゆっくり遊べるRPGを探している人に強くオススメできる作品に
3つの世界を一通り見て思ったのが全てのワールドが等しく全く異なる属性を持っているという事だろう。ここまで多種多様な物語を1本のゲームに凝縮させるのはかなり至難の業だと思うが、そこが本作の強みになっていくのではないかと筆者は強く感じている。今回体験した箇所以外にも、「分断王ディヴァン」が関わってくる物語や、それに伴う強力なボス戦と各世界からキャラクターを呼び寄せて戦うエンドコンテンツの存在など数多くの要素がまだまだ用意されている。
さらにストーリーも高頻度で更新されていく予定との事だが、それでいて期間限定イベント等は出さない方針だという。新作のゲームが溢れる現代でソーシャルゲーム疲れを起こしている人々が多い中、1人でじっくり遊べるRPG作品としてリリースするという方針が本作にはあるようだ。久々にゆっくり1つのゲームに没頭したいRPG好きのプレーヤーに特にオススメできる作品となっているので、リリース後に本作を触ってみては如何だろうか。
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