【特別企画】
“事件は事故になるし、悲劇は美談になる”「リコリス・リコイル」にメロメロ! 第1話魅力紹介
ミリタリー好きにも可愛いもの好きにもおすすめ
2022年8月6日 00:00
- 【リコリス・リコイル】
- 毎週土曜 23時30分より放送中
- 放送局:TOKYO MX、BS11
- 配信サイト:ABEMA、アマゾン プライム・ビデオ、Netflix
昨今話題になっているアニメ「リコリス・リコイル(以下リコリコ)」をご存じだろうか。筆者は1話を見た時点で、可愛らしい女の子がタクティカルに銃を撃つ世界観にぞっこんになってしまった。そこで本稿では第1話に絞って、その可愛らしくも硝煙の漂う本作の魅力を紹介したい。
まず「リコリコ」とはどういった物語なのか。簡単に言うと、「リコリス」と呼ばれる制服を身にまとった少女たちの暗闘によって維持されている世界一治安の良い日本を舞台にした物語。まだ幼さの残る「リコリス」と彼女たちの握る銃の無骨さからくるアンバランスさは、本作の大きな魅力といっても過言ではないだろう。
もちろんのことながら可愛らしく描かれる2人の主人公・錦木千束(CV:安済知佳さん)と井ノ上たきな(CV:若山詩音さん)からも目が離せない。自分のやりたいことをまっすぐに貫く千束と、クールで真面目な性格のたきなによる掛け合いも非常に可愛らしい。特に筆者は千束の“グイグイ”迫っていく性格に惹かれている。千束かわいい。一目惚れです。詳しくは言えないがたきなもクーデレな気があり魅力的だ。
可憐な少女による渋いガンアクション紹介
前述したように、本作は可憐な少女たちと無骨な銃のアンバランスさに華麗なガンアクションも魅力のひとつだ。それだけあってアクションシーンの動きや銃のリアルな描写にも気合が入っており、ミリタリー好きな人も楽しめる。
第1話の冒頭から早速「リコリス」と武器商人による戦闘が展開。ビルの一室にて、たきなが木箱の上に鎮座する武器商人の機関銃・USSR PKを拾いおもむろにコッキング、小柄な少女の体には不釣り合いなその銃を、重心を落として腰だめに構え、直後敵に向けて横なぎに射撃する場面が描かれている。
たきなによる射撃の苛烈さを伺わせる軒並割れた窓ガラスや生々しい弾痕が穿たれたコンクリートの柱などが描写。さらに地面に散らばる7.62×54Rの空薬莢など、正に“今銃撃が行なわれましたよ”と言わんばかりの惨状が広がる中、そこにいるたきなの平然とした表情が印象的なシーンだ。
上記の場面だけでも筆者はもう本作に“メロメロ”となったわけだが、第1話ではもうひとつガンアクションが用意されており、さらに「リコリコ」に引き込まれた。
そのアクションは1話の終盤、夜道で背後から近づいて来た白いワンボックスに女性が連れ込まれるところから始まる。全て説明するとネタバレとなるため抜粋すると、たきなは最初に運転手に1発射撃。次にライト、タイヤの順に銃撃し、車の発進を阻止する。全弾撃ち尽くしたことでホールドオープンした拳銃を軽く上下に振ってマガジンを落としリロードするというマニアックな描写は見ていてほれぼれする程ニッチな需要を満たしてくれる。他にも直前に死角の壁際でセーフティを解除するシーンもポイントが高い。
その後、ここまでアクションのなかった千束が満を持して登場。たきなにサイレンサーを外し射撃するように指示。車から出たところで暴漢たちが、たきなの銃声を聞き驚いた隙をついてワンボックスに肉薄、千束に気づいた敵の射撃を、ドア一枚隔てた程度の距離で首を動かし回避するという「名探偵コナン」の蘭並みの人間離れした技能を披露する。さらに、CQBに適した動きで眼前の敵に数発叩き込みリロード。こちらもホールドオープンやその後のリリースなどが丁寧に描写されている。
その後も、いい意味でやたらとタクティカルなC.A.Rシステムと呼ばれる動きで、至近距離で敵の弾をよけながら射撃で敵を倒していく姿は映画「ジョン・ウィック」のキアヌ・リーヴスさんを彷彿とさせる。同じ射撃スタイルなので当然といえば当然だが。個人的にはマガジンを差し込んだ後、リリースの直前にスライドの隙間から弾丸が見える点も萌えポイントなので是非注目していただきたい。
アクションシーンだけじゃない「リコリコ」の魅力
「リコリコ」は上記のアクションシーンももちろん魅力のひとつだが、それだけではない。他にも、千束とたきなのキャラクターであったり、2人の働く喫茶「リコリコ」の店長で頼れる大人・ミカ(CV:さかき孝輔さん)や飲んだくれの結婚願望強めな従業員・中原ミズキ(CV:小清水亜美さん)といった個性的な登場人物が織りなす小気味良く軽快な日常の風景。何度か言及している幼気な少女らによって守られる社会の構造の歪さなども魅力といえる。
主人公2人や前述した登場人物たちが過ごす喫茶「リコリコ」は、少しモダンで温かみのある木を基調とした和洋折衷の内装と、どこか懐かしい日本家屋らしさを兼ね備えた店舗で、穏やかな空間が演出されている。そんな空間で展開されるコメディ作品の様な場面は、本作の一皮むくと殺伐とした世界観の中での癒しとして筆者には映り、メリハリのある物語として楽しめる。
また、“一皮むくと殺伐としている”というのも大きな魅力。それは本作のアクションシーンを筆頭に随所で描かれており、第1話でも早速守られるべき立場にいるはずの少女が、手際よく武装した男たちと戦っている様子が映されていることからも伺えるだろう。
時に無情に命を落としていくリコリスたちの活躍は、見ていて格好良く、ともすれば憧れを覚える様なものであると同時に、どこか考えさせられるように思えてならない。また、そういった無情な光景があっさりと描かれている歪さというのも魅力となっている。千束が言うように、「事件は事故に、悲劇は美談になる」世界が舞台なのだからさもありなんといったところ。
これだけはっきりと暗い世界と明るい世界のギャップが両立されているのは中々見れないのでこれからの物語にも注目したい。もちろん彼女たちの可愛らしさやある種無垢な描写、千束と出会い徐々に成長していくたきなの姿も見逃せない。
かわいい×かっこいいアクション=大正義
以上長々と紹介してきたが、本作の魅力はとても語り切れないので、もし少しでも興味を持っていただけたのなら、まだ視ていない人は、騙されたと思って1話だけでも視聴してほしい。
そして既に視聴中の同志諸兄とは一緒に本作を盛り上げていきたい。まずは周囲の人を「リコリコ」の沼に引きずり込むところから始めたい。アマゾン プライム・ビデオやNetflixでも視聴できるのでオススメもし易い。ちなみにイラストレーター・浮き足氏による各話のアイキャッチにも是非注目していただきたい。そこにしかない栄養があるので。
□アマゾン プライム・ビデオ「リコリス・リコイル」のページはこちら
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