【特別企画】

進化型HDRの威力!最新「MOBIUZ」モニターでPS5「Ghost of Tsushima DC」の“本物の緑”を見に行く

コントラスト・彩度が高まるBenQ独自技術「HDRi」

 BenQの独自技術「HDRi」は、「HDR」(ハイダイナミックレンジ)によるコントラストと色表現の向上、それによるディテールの洗練をさらに強化したもの。「EX2710R」では通常のHDRモードと「HDRi」モードの選択式でいずれかを適用できる。ゲームと映画にそれぞれ特化した2つのモードを備え、各コンテンツに適した発色とコントラスト、輝度の制御で理想的な映像体験を実現する。

 「EX2710R」における「HDRi」は、ゲーム用の「ゲームHDRi」、映画用の「シネマHDRi」がある。通常のHDRモード「Display HDR」を加えると、3種類のHDRモードを選べることとなる。

HDRiのモード切替はOSDメニューから設定可能だが、本体前面右下には専用のHDRiボタンも搭載しており、ワンタッチで3種のモードを切り替えることができる

 より表現が強化されているのは、シネマHDRiだ。明るい場所はより明るく、暗い場所はより暗く表現されてパキッとしたコントラストになるほか、全体的に彩度が上がる。特に青から緑にかけてはより広い色域がカバーされており、彩度が向上する。

 通常のHDRとシネマHDRiの中間に位置しているのがゲームHDRiで、HDRiならではの表現を用いながら、暗い部分の色を落としすぎないように調整されている。「Ghost of Tsushima Director's Cut」のプレイ部分でより詳しくお伝えしたいが、HDRiは映像の美しさを堪能するようなコンテンツには特に向いていると言える機能だ。

「シネマHDRi」を用いた「Ghost of Tsushima Director's Cut」のゲーム画面
通常のHDRと「ゲームHDRi」、「シネマHDRi」の輝度特性を比較。「ゲームHDRi」では暗い部分はHDRより暗く、「シネマHDRi」ではさらに暗く表現できる
通常のHDRと「ゲームHDRi」、「シネマHDRi」の色域特性を比較。いずれも青・緑・紫のカバー範囲が大きく、「シネマHDRi」ではより顕著

PS5、Xbox Series X、PCでのHDR設定を改めてチェック

 HDRを有効にするには各機種側でも設定が必要だが、ここで改めて代表プラットフォームとしてPS5、Xbox Series X、Windows 10 PCでの有効化手順を振り返っておきたい。

 まずPS5では、ホーム画面の「設定」から可能だ。「スクリーンとビデオ」→「映像出力」→「HDR」と選び、「オン」に切り替えれば有効化される。最初に有効化した際には、明るさの調整が入る。

PS5での設定画面

 またXbox Series Xでは、Xboxボタンを押してガイドを開いた状態で、「プロフィールとシステム」→「設定」→「全般」→「テレビとディスプレイのオプション」→「ビデオ モード」と進む。そこで「4Kを許可」、「HDR10を許可」、あるいは「Dolby Visionを許可」を選択すると有効化される。さらに「テレビとディスプレイのオプション」内の「ゲーム用にHDRを調整する」で明るさの調整が可能だ。

Xbox Series Xでの設定画面

 さらにPC(Windows 10)の場合は以下の通り。「スタート」→「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「Windows HD Color設定」→「ディスプレイの機能」と進み、「HDRを使用する」をオンにすれば完了だ。PCの場合はスペックによって色設定の方法が変わるので、詳しくは公式サイトのヘルプを確認いただきたい。

Windows 10での設定画面

暗いシーンも快適にプレイできる「Black eQualizer」機能

 MOBIUZシリーズの特長のひとつに「Black eQualizer」機能の存在がある。「Black eQualizer」は、全体の印象を変えずに暗いところだけを明るくする機能のこと。映像美が堪能できる「Ghost of Tsushima」では明るさを調整しつつHDRi機能のまま楽しみたいところだが、たとえばFPSなど、より暗い場所の視認性が重要となるタイトルでは特に役立つ。

 単に明るさの調整だと、もともと明るい場所が明るくなりすぎて白飛びしてしまったり、むしろ敵が見えなくなってしまったりするが、「Black eQualizer」機能では暗い場所のみ的確に視認性を上げてくれる。ゲームによっては大いに役立つだろう機能だ。

 なお「Black eQualizer」を使用する際は、HDRをオフにする必要がある。映像美がより大事ならHDRオン、映像美よりも視認性ならHDRオフでBlack eQualizerオンなど、プレイするタイトルによって幅広く使い分けられると思う。

暗い場所で比較してみる。こちらは「シネマHDRi」オンでLight Tunerデフォルトの状態
「HDRi」を解除して「Black eQualizer」オン。強度は10段階で調整できるが最小強度でも暗い部分の明度が持ち上げられ、ある程度視認性が上がったことがわかる
強度を最大まで上げた状態。最も暗い箇所のディテールまで問題なく視認できるレベルまで明るくなる