【特別企画】

ゲーミングPCはこのままでいいのか!? サードウェーブが18年振りにゲーミングPCを再定義

操作性、信頼性、質感を究極まで高めた全ゲーマーの“相棒”に

【新GALLERIAシリーズ】

7月10日発売予定

価格:後日発表

 サードウェーブは7月3日、東京池袋のeスポーツ施設 LFS池袋において「GALLERIA新プロジェクト&新筐体発表会」を開催し、ゲーミングPC「GALLERIA」のフルモデルチェンジと、新規プロジェクト「GALLERIA SQUAD」を正式発表した。発表内容については速報(GALLERIA新ケース情報GALLERIA SQUAD情報新GALLERIA発売情報)でお伝えしたので、本稿では発表会で“語られなかった部分”を中心に新GALLERIAの魅力を解説したい。

【GALLERIA新プロジェクト&新筐体発表会】
会場となったのはLFS池袋。席数を絞って限定したメディアのみで行なわれた
司会進行役は、最近はストリーマーとしても活躍しているゲームキャスターのOooDa氏
新GALLERIAのコンセプトを語る松原氏。歴代のGALLERIAを見て、黒くて、いかつくて、筋肉質となかなか手厳しい
新GALLERIAの説明を行なった製品企画担当の瀧吉佑介氏

 7月10日より新たに発売となるGALLERIAは、7年振りのフルモデルチェンジで、その存在意義からすべて見直したリブランドモデルとなる。10以上あったシリーズをわかりやすく4つに統合し、直近の2年間“eスポーツマシン”として展開してきたハイエンドブランド「GALLERIA GAMEMASTER」を吸収統合。ゲーム、ストリーム、eスポーツ、あらゆる用途に適合させた“ONE GALLERIA”として再出発を果たす。

 このプロジェクトの仕掛け人が、サードウェーブ上席執行役員 マーケティング統括本部 統括本部長の松原昭博氏。元ソニーで、日本を代表するPCブランドとして知られる「VAIO」の全盛期を支え、同じく元ソニーで、現在インテルで代表取締役社長を務める鈴木国正氏とは上司部下の関係だった時代もある人物だ。

 その松原氏がリブランドにあたって着目したのは「VAIO」が持つエモーショナルバリューだったという。クールでカッコ良く、所有欲をそそる。人が使っているのをみたら自分も欲しくなる。そういったモチベーションがゲーミングPCに決定的に欠けているというわけだ。

 実際、当のGALLERIAも含めて、世にあるゲーミングPCはロジカルバリューで構成されている。ケースは真っ黒で機能性のみ、あとはCPUやGPU、各パーツの値段の足していけば値段がわかる。コスト的なベストバリューを追求してあとは「さあゲームをどうぞ、eスポーツを堪能して下さい」という世界だが、これに対して松原氏は「ちょっとおかしいんじゃないか?」と異を唱えたわけだ。

【GALLERIAシリーズ】
こちらは歴代のGALLERIA。見事に黒い
新GALLERIAが目指す新しいセグメント

 なぜならPCゲームシーン、eスポーツシーンを支えている層は、10代、20代の若い層だ。ゲーミングPCは決して安い買い物ではない。どれも似たような性能で見た目も代わり映えしなければ、一番安いマシンを買うに決まっている。サードウェーブとしてはGALLERIAでなければならない、ゲームコミュニティに対して積極的に選んで貰うだけの明確な理由を提示する必要があると考えた。

 こうした考え方は松原氏だけではなく、実は現場にも数多くあったということで、こうした声を積み上げていった結果、ゲーミングPC屋が自らゲーミングPCを否定して新しいゲーミングPCを生み出すという画期的な出来事に繋がったという。その想いは新GALLERIAのコンセプト「BREAK THE NORMAL(常識を打ち破れ)」に現われている。

【新GALLERIA】
新GALLERIAをアピールする松原氏
そして誕生した新GALLERIA。こちらは標準のガンメタリックカラー
こちらはプレミアムモデルとなるアルミ
GALLERIAロゴも黒からブルーへ
ラインナップもすっきり4シリーズへ

 ケースデザインは、アジアのOEMメーカーとのコンペで決めるのではなく、クルマのプロトタイプカーを手がけるインダストリアルデザイナーに発注。すべてのデザインに意味を持たせたという。

 たとえば、ユーザーがもっともアクセスするボタン類を集めたコンソールエリア。正面パネルと天板の付け根に斜め45度で鎮座しており、左右は金属削り出し風の加工が施され、ついつい撫でてみたくなる魅力を備えている。これが人間がもっともアクセスしやすい角度だということで、斜め45度で各パーツを埋め込むためにフロントパネル部分を大きく空間を確保した結果、左右手前の吸気口に繋がり、従来ケース比で3倍の吸気性能を備えるに到ったという。

【新コンソール】
この削り出しアルミ風のサイドがクール。まさに所有欲を満たしてくれてる

 そして“eスポーツのGALLERIA”として満を持して実装されたLEDライト。製品担当の瀧吉氏は「GALLERIAらしい光らせ方」と語っていたが、C4LANなどのLANパーティー等で見られる力作デコPCのような“一騎当千のデコデコ感”ではなく、それでいてどこから見ても光っていることがわかる主張の強さ。ソフトウェアを使えば色を自由に変えることもできるということで、自分好みの色でPCを飾ることができる。

【LEDライト】

 最後に、今回の発表会でもっとも印象的だったのは最後まで価格を出さなかったことだ。本日オープンしたティザーサイトでも出しておらず、7月10日の発売日まで出さないという。これこそエモーショナルバリューを重視した松原氏のこだわりだということだ。

 あくまで松原氏としては「CPUはこれ、GPUはこれを積んだらいくらぐらい」というロジカルバリューの外に新GALLERIAを置きたい考えだ。松原氏は「といってもね、高くしてません、同じぐらいですよ」と、従来のGALLERIAから値段は変えない方針も語ってくれたが、本当に値段が同等なら、相当の競争力を持つゲーミングプロダクトになるのは間違いない。

 というのも新GALLERIAが、濃厚に遺伝子を受け継いでいるのは、2年前にケースをリニューアルしたハイエンドブランドGALLERIA GAMEMASTERの方だからだ。GALLERIA GAMEMASTERのみが選択可能なサイドの強化ガラスパネルは、GALLERIAユーザーにとって垂涎の的だった。新GALLERIAでは標準オプション(アクリルパネル仕様)となっており、全GALLERIAユーザーが選択可能となっている。

【クリアサイドパネル】

 細かいところでは、eスポーツの現場の声を反映させた「リジッドカードサポート」も嬉しい機能だ。こちらは標準機能ではなく、一部GPU選択時のみの適用となるが、これは頻繁にマシンを移動させるeスポーツの現場において問題となっていた重量級のGPUの接触不良や脱落を、物理的にカードを固定することで防ぐ機能だ。これは現行GALLERIAはもちろんのこと、GALLERIA GAMEMASTERにもなかった機能で、eスポーツマシンとしての位置づけを新GALLERIAがしっかり担っていく明確な意思表示と言える。

【リジッドカードサポート】
この左サイド中央を上から下まで貫く柱がリジッドカードサポート
柱から伸びた2つのアームがGeForce RTX 2080 Tiをガッチリ挟んでいる

 そして新GALLERIAを陰に陽にサポートする集団が「GALLERIA SQUAD」となる。引き続きGALLERIAサポーターを務めるケイン・コスギ氏を筆頭に、Rascal JesterやDeToNaTorといったプロチーム、「鉄拳」Chikurin選手やゲームキャスター友田一貴氏など、お馴染み、新規含めてユニークなタレントが揃っている。「GALLERIA SQUAD」のメンバーは、新GALLERIAを使った配信やイベント参加を通じて、新GALLERIAがもたらすゲームやeスポーツの価値を日本全国に伝えていく計画だ。

【GALLERIA SQUAD】

【ケインコスギさん】
GALLERIAサポーターのケインコスギさんもゲストとして登場。同じくゲストとして招かれたDeToNaTorのYamatoN氏、SPYGEA氏らと軽妙なトークを繰り広げた
新GALLERIAの感想を聞かれて「パーフェクトボディ!」。無敵の切り返しと言える
発表会終了後は、新GALLERIAを試遊

 新GALLERIAは、7月10日より、全国のドスパラ各店舗、ドスパラ通販サイト、GALLERIAを取り扱っている家電量販店で発売される。GAME Watchでも今後インタビューや特別企画を通じて、新GALLERIAの魅力をゲームファンにお伝えしていくつもりなので、ぜひ続報にご注目いただきたい。

【常識を打ち破れ!】
新GALLERIAは7月10日発売!