NCジャパン、WIN「The Tower of AION」インタビュー
完成度の高さを魅力に女性からヘビーユーザーまで楽しませたい


4月16日 収録

会場:エヌ・シー・ジャパン本社


 エヌ・シー・ジャパン株式会社は4月16日、Windows用MMORPG「The Tower of AION(タワー オブ アイオン)」(以下、AION)を日本でサービスすると発表した。ゲームの詳しい内容については、発表会の記事をご覧いただきたい。

 本稿では、発表会に合わせて来日していた韓国NCsoftの開発の方にインタビューした内容をお届けする。お答えいただいたのは、プログラミングディレクターのシム・マロ氏、ワールドデザインディレクターのイ・ジホ氏、アートディレクターのキム・ヒョンジュン氏。各担当分野から見た「AION」の魅力や、日本サービスでの見所などを伺った。


プログラミングディレクターのシム・マロ氏ワールドデザインディレクターのイ・ジホ氏アートディレクターのキム・ヒョンジュン氏



■ 「AION」の魅力は完成度の高さとコンシューマゲームに近いプレイ感覚

繊細なディテールの建物だけでなく、リアルな雲のエフェクトなど細かいところまで描かれている

――まず、「The Tower of AION」の魅力についてお話いただけますでしょうか。

キム・ヒョンジュン氏 :「AION」の制作には多くの人が関わっていまして、繊細なディテールにまでこだわって作りました。例えば、川にいけば魚が獲れたり、寒ければ白い息を吐くというように、細かいところまで再現しているのが魅力だと言えます。

――システム面についてはどうですか?

イ・ジホ氏 :システム面に関しては、“調和”を意識して作りました。特別に何かに特化した作品というよりも、ゲームバランスの調和を大切にしましたので、全体的な完成度の高さが魅力だと感じています。また空も飛べますので、それも魅力だと思っています。

――開発者の視点から見て、日本のユーザーに楽しまれる要素はどこにあると思いますか?

シム・マロ氏 :私は今回初めて日本に来たのですが、日本人は韓国人に比べて個性的な方々が多いように感じました。「AION」はキャラクターのカスタマイズ要素が豊富なので、そういった個性の表現も楽しんでもらえると思います。他にも多様なクエストがありますので、そちらでも日本の方々に楽しんでいただけると思います。

イ氏 :韓国のユーザーさんからは、「コンシューマゲームのような感じがする」という意見をよく聞きます。充実したチュートリアル機能やストーリー展開を重視したクエスト、操作しやすいインターフェイスなど、「AION」ではPCゲームの異質感を感じずに、いつも慣れ親しんでいるコンシューマゲームの感覚で楽しんでもらえると思います。

 またMMORPGというジャンルは、日本ではそれほど一般的に浸透していないと感じています。そのため、難易度をかなり低くしていますし、楽しくプレイできるように作らせていただきました。女性ユーザー、ライトユーザー、ヘビーユーザーと幅広い層で楽しめるようになっています。




■ 女性ユーザーからヘビーユーザーまで、幅広い層が楽しめるゲームデザイン

キャラクターのモーションによって表情が変化するうえ、飛行中の表情も用意されている

――幅広い層のユーザーが楽しめるということですが、女性ユーザー向けの魅力としては、どういうものが用意されていますか?

イ氏 :やはりキャラクターのカスタマイズ要素です。様々な装備品とアクセサリ類で個性をアピールできますし、ソーシャルアクションも豊富なので、女性ユーザーにも評判はいいと思います。

――キャラクターの表情も豊かですよね。

キム氏 :「AION」は、ソーシャルアクションが非常に多いのですが、そのモーション数に比例して、表情も増えていきました。歩いている時、飛び立つ瞬間、飛行中のそれぞれに異なった表情が用意されています。例えば、止まるという動作だけでも3つのモーションがランダムで発生するので、止まるモーションが異なれば表情も異なるという風になっています。

――全体的にグラフィックスも細かく綺麗ですが、何かこだわられた点はありますか?

キム氏 :私が「AION」を作る上で、特に美しさにこだわりました。韓国語における「美しさ」とは、日本語でいう「綺麗さ」という意味だけでなく、整っていることや、完璧という意味が含まれています。その美しさに全体的な世界観を近づけるように心がけましたので、ユーザーの方にも是非味わっていただきたいです。


完璧な世界観を表現するため、木や花などのオブジェクトだけでも複数の種類が用意されている


――ライトユーザーに対しては、どういうところを配慮されましたか?

イ氏 :ユーザーインターフェイスやディテールなどに気を使い、操作しやすいように作りました。丁寧なアドバイスも表示されるので、次に何をすればいいのかわからない、といったこともありません。アドバイスに従っていけば徐々にゲームにも慣れていき、そのうちに「AION」の世界観に引き込まれていくと思います。

 他には、ライトユーザーの方々から、「レベルアップを意識しなくても遊べる」ということをよく言われます。これは、レベルアップをしなければいけないのではなくて、時間が経つといつの間にか成長しているということで、ライトユーザーの方々からの最高の賞賛だと私は思っています。

――ヘビーユーザー向けとしては、どういう要素が用意されていますか?

イ氏 :ヘビーユーザーにもアイテムを手に入れる喜びを感じてもらえるように、アイテムの入手難易度を調整しています。例えば、大型モンスターはパーティーを前提とした難易度に設定していますし、一定の時間にしか入れないダンジョンもあります。他にも、特定のダンジョンでは攻略方法を自ら探す必要もありますし、何度もダンジョンを攻略しなければ得られない特別なアイテムなども用意しています。

 それ以外にも、プレーヤーの種族である天族と魔族と、NPCの龍族によるRvR(種族間戦争)も、ヘビーユーザーの方々に楽しんでいただけると思います。

――RvRではNPCの龍族がどう関わってくるのですか?

イ氏 :戦争中に、龍族がランダムに出現する仕組みになっています。天族が魔族に対して優勢な場合、龍族は魔族に加勢するために必ず出現するわけではなく、いつどこに出現するかは決まっていません。例えば、戦争中に突如龍族が参戦する場合もありますし、天族が守っている場所に現われることもあります。

――他にも対人戦は用意されているのですか?

 

イ氏 :攻城戦もありますし、「時空の亀裂」を利用すれば、敵対種族の陣地に攻撃を仕掛けられます。様々な要素がありますので、ヘビーユーザーの方々にも十分満足していただけると思います。

 




■ 「AION」の特徴的な要素について、気になるあれこれを質問

――ゲームバランス的には、パーティープレイ重視なのですか?

イ氏 :やはりレベルが上がるにつれて、パーティープレイのほうがレベルアップしやすくなりますが、ソロプレイでも最終レベルまで到達できるようにデザインしています。様々なコンテンツを用意していますので、ソロプレイも最大限サポートしています。

――装備に関しては、色やグラフィックスが自由に変えられるようですが、これはどういう意図で取り入れられたのですか?

キム氏 :私達が気に入って制作した装備でも、ユーザーの方からは、「このグラフィックスは好みではない」という感想もあると思います。本当は他にお気に入りの装備品があるのに、性能がいいから仕方なく着用していることもあると思います。それを好きなように変えていただけるようにし、ユーザーの方々に多くの選択肢を与えるという意図で取り入れました。


クラス「スピリットウィング」は、パーティー全員のアイテムドロップ確率を上昇させるスキルを持っている

――次にスキルに関してですが、特殊なスキルとしてアイテムを高確率で入手できるようになるものがあるそうですが、これはどういうものでしょうか。

イ氏 :「スピリットウィング」というクラスのスキルで、モンスターを倒した際のアイテムドロップ確率が上がるものです。例えば、レベルや装備的にも弱い「スピリットウィング」の方がいても、このスキルを持っていればパーティーに誘われやすくなるというメリットもあります。

――パーティー内に複数「スピリットウィング」がいる場合は、さらにアイテムドロップ確率が高くなるのですか?

イ氏 :それはないですね(笑)。「スピリットウィング」はパーティーに1人いれば十分だと思います。またサービス時の料金形態をどうするかは未定ですが、今のところアイテム課金などによるアイテムドロップ率の上昇は考えていません。

――最後に「AION」のサービスを待ち望むユーザーに向けてメッセージをお願いします。

シム氏 :多くのユーザーさんに「AION」を楽しんでいただければ嬉しいです。

イ氏 :日本のユーザーさんにも楽しんでいただけると思います。よろしくお願いします。

キム氏 :「AION」は膨大な時間をかけて制作しました。その分、様々な苦労がありましたし、私達が苦労した分だけ日本のユーザーの方々にはもっと嬉しさを感じていただけると思います。嬉しさを感じていただければ私達も嬉しいです。

――ありがとうございました。


The Tower of AION is a trademark of NCsoft Corporation. Copyright (C)2009 NCsoft Corporation.
NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute and transmit The
Tower of AION in Japan. All rights reserved.

(2009年 4月 23日)

[Reported by 日高文典]