【特集】
【年末特集】この冬休みにイッキ見して欲しいアニメ! 2023年ベストアニメ編
2023年12月29日 00:00
- 【2023年ベストアニメ編】
- 「機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2」
- 「ひろがるスカイ!プリキュア」
- 「無職転生 II ~異世界行ったら本気だす~」
- 「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」
- 「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」
「子ども向けから大人向けまで良いと思う作品はちゃんと見る!」困難から這い上がる物語が好きなライター・長戸(39)です。早いもので2023年も終わり。ということで、年末恒例、1年の締めくくり企画「年末特集」の「この冬休みにイッキ見して欲しいアニメ」より今年放送されたアニメから5作品を「2023年ベストアニメ編」として選んでみました。
今年も良作が多く、「【推しの子】」、「葬送のフリーレン」、「進撃の巨人 The Final Season 完結編後編」などは、SNSなどで大きな話題を呼びました。前評判の高さも伺えますが、それぞれのキャラクターが特徴的で、物語を含めその魅力をアニメとして上手く魅せた点が評価されたのだと思います。そんな2023年のアニメの中から今回は、筆者がグッと惹き込まれたキャラクター&物語が特徴的な作品を5つピックアップして紹介します。
新たなガンダムの可能性を見た「機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2」
有名どころであり、視聴した方も多いことと思いますが、話が進むに連れて魅力的になっていくキャラクター、予想できない展開、迫力の戦闘シーンなど、とにかく見どころの多い作品なので、未視聴の方にぜひオススメしたいです。
「機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2」は、2022年10月~2023年1月に放送された「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の第2期。約7年ぶりとなる「機動戦士ガンダム」のテレビシリーズとして放送された第1期は、女性主人公(テレビシリーズ初)、学園モノなどの新たな試みが話題を呼び、これまでガンダムに触れてこなかった方からの人気も集めました。
ネタバレになるため詳しくは書きませんが、第1期の衝撃的なラストシーンから約3カ月。「え、このあとどうなるの......」という悶々とした気持ちで過ごした方も多かったハズ。
特に気になったのが、主人公のスレッタ・マーキュリー(CV:市ノ瀬加那さん)と、花嫁であるミオリネ・レンブラン(CV:Lynnさん)の行く末。第2期では、2人に襲い来る新たな困難と、迫られる決断。それぞれの想いを胸に、ガンダムがもたらす強大な呪いへと立ち向かっていく姿が描かれました。
お互い想い合っているハズなのにすれ違う。これまでの環境ゆえに1人で考え、決断・行動できなかったスレッタが、どのように“成長”していくのか。“戦争”というガンダムシリーズとは切っても切れないテーマが、これらをより深くシビアに描いているため、毎話どのように展開していくか予想できないところが魅力的です。
そして今作では、第1期から各所に散りばめられていた伏線が一気に回収され、衝撃的な展開を見せます。主人公の正体やモビルスーツ「ガンダム・エアリアル」に秘められた謎、黒幕によるとある計画などが明かされたとき、カタルシスとは違った形で心を掻き乱してくれます。
主人公たちも人気ですが、登場するたびに話題に上がったグエル・ジェターク(CV:阿座上洋平さん)の行く末にも注目です。第1期では嫌味な御曹司という登場シーンだったものの、主人公に敗北後に勢いで結婚を申し込む、「お前のことなんてぜんぜん好きじゃないんだからなっ!」というセリフを放つツンデレっぷりを見せ、やがて男気を見せるほど成長していく姿が描かれ、多くのファンを獲得しました。
彼の歩む環境はかなり過酷なもので、双方当時は「そこまで追い詰めなくても......」と心配になるほどです。しかし、挫折を経験しながらもそこから立ち上がる姿は格好良く、第2期でも活躍の場が多く用意されています。この作品においては、スレッタ、ミオリネに次ぐ第3の主人公といっても過言ではない、彼の成長っぷりからも目が離せません。
放送当時は、次回まで待つのにヤキモキしましたが(それもそれで楽しい)、イッキ見することで集中が途切れることなく、作品の世界観にどっぷり浸れると思います。初めての方はもちろん、一度見た方も細かな伏線に注目しながら見ると新たな発見があるでしょう。なお、視聴は前日譚にあたる「PROLOGUE」からがオススメです。理由は......作品を見れていれば気づくと思うので、多くは語りません。
男の子だって、新成人だってプリキュアになれる「ひろがるスカイ!プリキュア」
東映アニメーション制作の「プリキュア」シリーズ20周年記念作品として、2023年2月から放送がスタートした「ひろがるスカイ!プリキュア」。読者の皆さんも、シリーズどれかを視聴したり、少なくとも「プリキュア」シリーズ自体はご存知だと思います。
今作では、モチーフを果てしなく広がる「空」、テーマを「ヒーロー」、キーワードを「知ることで広がる世界」として作品を展開。天空の世界「スカイランド」と自然に囲まれた「ソラシド市」という2つの都市を舞台に、新たなプリキュアの冒険が描かれています。
ほかのプリキュア作品も好きなのですが、今作は革新的な部分が多く、非常に新鮮さに溢れています。例えば「プリキュア」シリーズにおける主人公の髪色はピンクが多いですが、今作の主人公であるソラ・ハレワタール(キュアスカイ、CV:関根明良さん)は青。また、異世界出身であるところもシリーズ初となっています。
幼いころピンチから救ってくれた憧れの人のようなヒーローになるため、まじめに一生懸命なソラ。異世界「スカイランド」出身であるからこその世間知らずさ、どんな困難にもまっすぐ立ち向かう姿が魅力となっています。ただし、ただ単にガムシャラなだけではありません。戦いに対して恐怖や不安も感じる場面もあり、それらをグッと抑えながら戦うのもポイントのひとつです。
そして今作で驚かされたのが、プリキュアシリーズ初となる男の子&新成人プリキュアの参戦です。オレンジ髪の夕凪ツバサ(キュアウィング、CV:村瀬歩さん)はスカイランドに暮らす鳥の種族で、人の姿になることができます。異世界の鳥であり男の子という、なんとも情報が多いキャラクターですが、「女の子しかプリキュアになれない」という固定概念をぶっ壊してくれました。
そして、新成人プリキュアである黄色髪の聖あげは(キュアバタフライ、CV:七瀬彩夏さん)は、保育士を目指している18歳のお姉さんです。これまでのプリキュアは中学生がメインとなっていたため、かなり稀有な存在だと言えます。作中ではノリの良いお姉さんといった立ち位置で、主人公たちとは少し違った視点を持つ大人として活躍。ただ、上手く人に頼れなかったりと、18歳とはいえまだ未熟な部分を残しているのが魅力です。ちなみに変身シーンは本作のどのプリキュアよりも動くので、ぜひ注目してください。とても可愛いです。
なお、「ひろがるスカイ!プリキュア」は2024年1月頃が最終話となっており、年末にイッキ見することで最新話まで間に合います。ちょうど佳境となっているので、今視聴することを強くオススメします!
“たつかたたないか”それが問題だ。「無職転生 II ~異世界行ったら本気だす~」
「無職転生II ~異世界行ったら本気だす~」は、小説投稿サイト「小説家になろう」の異世界転生モノの中でも、代表的な作品として位置づけられる理不尽な孫の手の著による「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」のアニメ化作品第2期。「小説家になろう」での人気は凄まじく、サイトの累計ランキングは約4年間1位を維持、MFブックスから出版されている書籍発行部数はシリーズ累計1300万部を突破しています。
物語の主人公は、ゲームやネットに明け暮れる34歳引きこもりのニート。ある日、交通事故に遭うも、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生します。そして強大な魔力を有する少年ルーデウス・グレイラット(CV:内山夕実さん、前世の男CV:杉田智和さん)として、出会いや試練に直面しながら第二の人生を本気で生きていく......という物語となっています。
TVアニメ第1期は2021年に放送。壮大な物語の面白さに加え、ハイクオリティな作画や演出によって大きな話題を獲得し、2023年に満を持して第2期が放送されました。
第1期のラストで最愛のヒロインと結ばれるも、彼女が突如姿を消し、絶望に打ちひしがれるルーデウス。前世のようにすべてを諦めようとしますが、とある転移事件により行方不明となった母ゼニス・グレイラット(CV:金元寿子さん)を探すため、再びあるき出すことに。
そんな失意の状態でしたが、旅の中で新たな女性と出会い、互いの気持ちが高鳴るいい感じの雰囲気に。そしてルーデウスは意を決するも、最愛の女性に捨てられたというトラウマにより”不能”に陥っていることを自覚してしまいます。数あるアニメのなかで、男性主人公が不能になる瞬間を描いた作品は少ないでしょう。そして、その瞬間のルーデウスの焦りや葛藤の描写がかなりリアルなので、男性の方ならその気持ちが理解できるかもしれません。
ここから物語が大きく動き出し、ルーデウスはひょんなことからラノア魔法大学という学校に入学することになります。ここで出会うのがルーデウスと同じ無詠唱魔術の使い手・フィッツ(CV:茅野愛衣さん)という人物です。その素性は謎......なのですが、第1期を見た方なら必ずピーンと来るハズ。
このフィッツが、とにかく可愛い。ルーデウスの鈍感さに思いを巡らせる様子や、不器用ながら一生懸命自分に気づいてほしいと頑張る姿が大変愛おしいです。はたしてその想いは成就するのか。そしてルーデウスの不能は治るのか。ドキドキが止まらないラストシーンは必見です!
現在は第1期、第2期共にアマゾンプライムビデオやAbemaで配信されているので、未視聴の方はぜひ1期から見てみてください。
ギロチンエンドを回避する歴史改変ファンタジー「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」
2023年10月からTVアニメ放送がスタートし、この記事を執筆している現在は8話まで放送済み。まだまだ物語が続いている状態ですが、ストーリーのテンポの良さと痛快さが素晴らしく、ライター個人として2023年冬アニメはこの作品を大プッシュしたいので書かせて頂きます。
原作は小説投稿サイト「小説家になろう」にて2018年から連載されている餅月望氏による同名のライトノベル。TOブックスより書籍化されており、シリーズ累計170万部(紙+電子)を突破し、「このライトノベルがすごい!」単行本・ノベルズ部門では2021年版で6位を獲得しています。
物語の主人公は、大国・ティアムーン帝国で“わがまま姫”と蔑まれた皇女・ミーア・ルーナ・ティアムーン(CV:上坂すみれさん)。20歳のときに民衆の革命によって断頭台で処刑されたその瞬間、なぜか12歳の自分にタイムスリップしてしまいます。そして第二の人生でギロチン処刑エンドを回避するため、前世の記憶を頼りに大奮闘する歴史改変ファンタジーとなっています。
本作の魅力は、なんといっても主人公のミーア。処刑される未来を回避するため、第一の人生で傍若無人に振る舞った相手に優しくしたり、帝国の危機に備えて予め立ち回ったりと、様々な策を弄して行きます。処刑された過去を悔やみ心を入れ替えた......わけではなく、すべては保身のためという、根本の部分が変わっていないのが彼女の魅力であり、面白い部分です。
そんなミーアの思惑を知らず、見事に立ち回る彼女を民は「帝国の叡智」と称えます。やがて彼女の周りにいる優秀な者たちが勝手に先読みし、勝手に株が上がっていくのです。保身のために行動していることが、周りを救い、国を守る結果となる。その様子が痛快で、非常に面白いポイントです。
自己中上等のわがまま姫様が大奮闘の末に巻き起こす奇跡を、ぜひその目で見てほしいです。
自販機になって動かず異世界大冒険「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」
異世界転生モノは数多くあれど、主人公が「自動販売機」に転生する作品は前代未聞でしょう。もちろん自分で動くことはできず、定型文でしか会話もできません。できることと言えば、主に販売する商品を変えることくらい。そんな状態で、どうやって物語が成り立つのだろう......?そう思って見始めたのが本作です。
原作は小説投稿サイト「小説家になろう」にて2016年から連載されている、昼熊氏による同名のライトノベル。スニーカー文庫で小説化、月刊コミック電撃大王でコミカライズ化が果たされており、2023年7月からTVアニメが放送されました。
主人公は、無類の自販機マニアが異世界に転生し、自動販売機そのものになってしまった男。湖のほとりで身動きが取れず、声も出せない上に魔物に囲まれるという状況に陥ってしまうなか、目の前に腹を空かせた怪力少女・ラッミス(CV:本渡楓さん)が現れます。やがて彼女に自分が意思を持つ魔導具だと認識され、ハッコン(CV:福山潤さん)という名も貰うことに。そんな彼女をパートナーに、異世界を大冒険していきます。
自販機として様々な商品を販売するだけでなく、時にはバトルでも活躍します。メントスコーラやガス噴射など、自販機ならではの知恵を使ったトンデモ戦闘方法が魅力のひとつです。また、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」などの定型文による会話も面白く、よくそれで伝わったな!と思わずツッコミの入れたくなるシーンもしばしば。
物語はサクサクと進むため、気軽にイッキ見がしやすい本作。色々とツッコみたくなるシーンが多く、そのユニークさに思わず笑ってしまうこと請け合いです。ぜひ、肩の力を抜いて見てみてください!なお、すでに第二期の制作が決定しているので、そちらへの期待も高まります。
(C) 創通・サンライズ・MBS
(C)ABC-A・東映アニメーション
(C)理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生II」製作委員会
(C)餅月望・TOブックス/ティアムーン帝国物語製作委員会2023
(C) 昼熊・KADOKAWA/「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」製作委員会