往年の名作動物型ロボットが復活! 学研「メカモ・クラブ」
メカモ・クラブ |
発売 |
学研 |
価格 |
5,980円 |
電源 |
アルカリ単3電池×6(別売) |
発売日 |
発売中 |
30代の読者にとっては、とても思い出深いアイテムではないだろうか。今回紹介する「メカモ」は、'70年代に学研から発売されていた名作ロボットの復刻版。当時は、あの「電子ブロック」と並んで、少年たちの好奇心を刺激しまくっていたものだ。かくいう筆者もその中のひとり。「手に入れたい!」と熱望していたのだが、価格は決して安くはなく、また自分の工作の技量が追いつかないだろうとの予測もあり、泣く泣くあきらめたクチだった。
この復刻版は、当連載でもレポートした「電子ブロック復刻版」が大ヒットを記録し、ユーザーから「次はメカモの復刻版を!」とのリクエストが多数寄せられたことから実現したという。
当時の「メカモ」は、ヘビやモノレールなど多数のバリエーションが発売されていた。今回はひときわ人気の高かった「クラブ」をまず最初に復刻したのだろう。
「電子ブロック復刻版」では、本体やパッケージ、説明書も当時のままの忠実な復刻が行なわれたが、「メカモ」はいくつかの改良がなされている。ひとつめは、「赤外線リモートコントロール」。赤外線コントロールを採用することで、「メカモ」の操作性と機動性を向上させることに成功している。ふたつめは、組み立てやすさの追求。本体に1.5ミリの硬質アルミを採用し、強度を大幅にアップ。さらにパーツに片側固定の作動軸と段付きブッシュを導入し、組み立て作業を簡単にしている。
■ 本格的な組み立てキット。作る喜びも味わえる
パッケージを開けて中を覗くと、ゾクゾクとした興奮が体の中をかけ抜けた。剥き出しのアルミパーツが大量に収納されていて、「これからあの『メカモ』を作るのだ」という実感が沸いてきたのだ。無骨ともいえるアルミパーツは、だからこそ格好いい。手に取るとヒンヤリした感触があり、心地よい。
パッケージに掲載された完成形のクラブは、6本の脚が絶妙なバランスで大きな体を支えている。このアルミパーツがあの複雑なクラブになるのだと思うと少し不思議な気もするが、とりあえず作り始めてみよう。
取扱説明書は20ページにも及ぶ大作だ。パーツの数は膨大だが、説明書の進行に合わせ、対応したパーツだけを開けて組み立てる仕組みになっている。これなら、いたずらに不要なパーツを広げてしまい、混乱するような事態を避けることができる。ネジは数種類を使用するが、こちらも心配ご無用。説明書にそれぞれの作業に必要な種類のネジが実物大で描かれており、手に取ったネジをそれに添えれば正しいものかどうか識別できるようになっている。組み立てのサポートに関しては、至れり尽くせりの配慮がなされている。
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現代風にスタイリッシュなデザインを施したパッケージ |
キット。この下にさらに同じくらいの数のパーツが用意されている |
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説明書は、実作業の前に必要なパーツを確認する構成。だから迷わない |
複数を使用するネジやパイプは、このように説明書でサイズを確認できる |
先ほどの意欲はどこへいったやら。組立作業が進むにつれ、筆者は目が回るような思いをすることになった。先ほども述べたように、取扱説明書の中身は充実している。けれど、ひとつひとつの作業が決して簡単ではないのだ。
全体の流れとしては、歩行機構が内蔵された本体に、合計6本の脚やそれらを連携させるパーツを組み込んでいくだけ。しかし、パーツ同士を接続するだけでも、5ミリのネジにワッシャーをはめ、さらに途中にパイプをはさんで固定して……と多数の工程を必要とする。元々、工作類が得意ではない筆者の脳裏には、「本当に完成するのかな」、「完成できたとしてもきちんと動くかな」などと、不安が首をもたげてくる。勢いに任せて一気に作業をしても、失敗する恐れがある。結局、頻繁に休みを取りながら、約2時間半で完成にこぎつけた。
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ステップ1。本体に電池ボックスを組み込む |
ステップ2。脚の基礎部分が整った |
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ステップ3。モーターからの動力を伝えるクランクを設置 |
ステップ4。6本の脚(下部)を取り付ける。完成直前だ |
慎重に作業を進めたのが幸いしたのか、ほとんど失敗することなく、完成させることができた。途中で電池ボックスの取り付け方向が反対だったことに気づいて修正した以外、大きな問題はなかった。6本の脚を取り付けるのに成功し、「メカモ」がしっかりと立ち上がった瞬間は、感激してしまった。筆者の腕前は怪しいものだったのだが、ここまで立派に完成させられたことは、この「メカモ」が優れたキットであることを証明する。
■ 1個のモーターで6本の脚を複雑に動かす
コントローラは、タバコのパッケージをひと回り小さくしたサイズ。これを片手で握り締め、親指でスティックを右へ倒すと……動いた! 「ギッシギッシ……」と駆動音を鳴り響かせ、「メカモ」が横へ歩いていく。両手のハサミはないものの、その動作はまさにクラブ(カニ)。カニなので前や後ろには動かず、横歩きだけなのだが、それでも全然飽きない。6本の脚がそれぞれ独自に動き、大きな体を巧みに右へ左へと運んでいるのだ。ド迫力である。
じっくりと眺めていると、この機構の素晴らしさにも気が付いた。脚は6本もあるのに、モーターは1個だけ。しかもその脚はそれぞれ異なる動きを披露し、ボディは上下に揺れることなく平行移動を行なうのだ。見事、と言うしかない。これは賞賛に値する。現在の少年少女も感動するのではないだろうか。
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完成した「メカモ・クラブ」。ゴツゴツした雰囲気が美しい |
斜め上から見る。複雑に入り組んだ脚回りに注目して欲しい |
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頭部のクリアパーツは、コントローラからの命令を受信する受光部 |
本物のカニそっくりに、6本の脚が独自の動きを披露する |
【ムービー】 |
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「メカモ・クラブ」の横移動(MPEG-1、912KB) |
組立作業が大変で弱音を吐いたのも、いい思い出。今はただただ「メカモ」の動きに驚嘆している。すでにシリーズ作の「メカモ・センチピード」も発売になっている。何と32本の脚を動かして歩くムカデのロボットだという。おっ、面白そう! 機会があれば、こちらもぜひ体験してみたい。
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□学研のホームページ
http://www.gakken.co.jp/
□「メカモ・クラブ」のページ
http://kids.gakken.co.jp/kit/otona/vol11.html
□関連情報
【2002年5月16日】熱烈な支持を受け、あの名作Toyが20数年ぶりに復活!
「学研電子ブロック EX-SYSTEM EX-150」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020516/toy65.htm
【2001年5月17日】ノスタルジーだけで終わらない!
学研 科学と学習PRESENTS
『大人の科学』エジソン式コップ蓄音機
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010517/toy18.htm
毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部) → game-watch@impress.co.jp ←
(2004年5月20日)
[Reported by 元宮秀介]
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