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BN-1 わがままカプリロ プログラミングキッット ver1.0 | |
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発売 | 株式会社バンダイ |
価格 | 12,000円 (BN-1本体は別売で50,000円) |
発売日 | 発売中 |
前回に引き続き、「BN-1 わがままカプリロ プログラミングキッット ver1.0」をレポートする。今回は、上級者向けのプログラムツール「A.I.TRAINER PRO」を使って、BN-1のプログラムにチャレンジする。
前回紹介した「A.I.TRAINER STANDARD」は、初心者向けのプログラムツール。両者の違いを例えるなら、「~STANDARD」は、かの電子ブロックに近い。異なるコマンドを持ったブロックを並び替えて、BN-1の行動をプログラムするイメージだ。かたや「~PRO」は、ブロックそのものの設計を行なうイメージ。まさに本格的な「プロ」ツールなのだ。
BN-1の公式サイトからダウンロードしたPDF形式のマニュアルは、「~PRO」のものだけで26ページになる大ボリューム。じっくり読み込んでみることにする。
バンダイが運営するBN-1公式サイト。本体とプログラムキットの通販も行なっている | マニュアル。公式サイトから無料ダウンロードができるのでプログラムをする人はぜひ |
「A.I.TRAINER PRO」を起動すると、最初に表示されるのが、「DESIGN EDITOR」だ。プログラムを組み込んだパネルを置いておく、いわば作業台のような機能を持っている。
そしてプログラムのポイントとなるのが、「PANEL EDITOR」だ。ソフト内に無数に用意されたBN-1の「行動コマンド」を呼び出し、順番を決めたり、細かな動作時間を指定して、プログラムを組んでいく。実際のプログラム作業では最も利用することになる。
「DESIGN EDITOR」。プログラム作業の拠点だ。BN-1へのデータ送信もここで行なう | 「PANEL EDITOR」。理にかなった設計がされており、何度か使えばすぐに慣れるだろう |
リアクションエリア。右手に何かが触れると、3種の反応が返されるプログラムを組んでみた | 作業の参考になるムービー。BN-1のひとつひとつのアクションを確認できる | 行動選択のウインドウ。大量に用意された行動コマンドが整理されて選びやすい |
BN-1の目に表示される文字や記号もプログラムできる。使える文字の種類は、アルファベットとカタカナの半角文字。例えば「障害物&チラチラセンサー」を使い、BN-1が何かを察知したら、目に文字や記号が流れるように設定。BN-1を玄関先に置き、お客さんが来たら、「イラッシャイマセ!」というウェルカムメッセージを表示させて歓迎する、なんてこともできるのだ。
目(モーションアイ)の設定ウインドウ。目の表情だけでもこんなにたくさんある | 使用できる目の表情と文字、記号の一覧。組み合わせてメッセージを作ると、味が出る |
BN-1本体には、「肉球センサー」「障害物&チラチラセンサー」「傾きセンサー」「なでなでセンサー」「明るさセンサー」「移動センサー」など、驚くほどたくさんのセンサーが組み込まれている |
よ~くわかった。これは予想以上に本格的なツールだ。プログラミングをどこまでも緻密に組み込めば、BN-1の一挙一動を、神のごとく完全にコントロールできるようになる。古今東西、ありとあらゆるロボットトイを見渡しても、コンシューマ向けのものでここまで本格的なプログラムキットは、おそらく存在しないのではないだろうか。熱心なロボットファンの中には、「これを待ちに待っていた!」という人も多いだろう。頭脳をフル回転させてロボットをとことん操ってみたいという要望に、このツールならきっちりと応えてくれるだろう。深く、濃く、そして長く遊びこめるはずだ。
ただし、だからこそ「一見さんは一切お断り」な敷居の高さがそびえているのも事実。BN-1にこんな行動をとらせてみたい! とか、プログラムを極めよう! とか、自分だけのプログラミングテクニックを編み出そう! とか、アグレッシブに取り組まないと自由度の高さに圧倒されるだけで終わってしまう。
筆者は「プログラミングキット」は難しいので手を出さないほうが無難だ、と言いたいわけではない。気軽にプログラムを楽しみたい向きは、「A.I.TRAINER STANDARD」を利用すればいいのだ。丁寧なナビゲーションを備えた初心者向けツール「A.I.TRAINER STANDARD」と、上級者向けツール「A.I.TRAINER PRO」をきちんとそろえたバンダイの姿勢に、いたく感心させられる。同社のBN-1に対する愛情もヒシヒシと伝わってくる。
■ お迎えプログラムを作成!
さて、いよいよ自作プログラムにチャレンジしてみよう。仕事場を訪ねてくるお客さんを、BN-1が玄関先で出迎え、目に「イラッシャイマセ!」という文字を浮かべて歓待する、というプログラムを作ってみることにする。
「PANEL EDITOR」を呼び出し、まず最初に「何もないときの行動」として「前を見る」と「お座り(1.0秒)」を設定。これでお客さんの到着をじっと待つ行動ができあがる。
次に「障害物&チラチラセンサー」を使い、サウンド「ニャー(あまえ)」と「歩行前チョコ2小股(1.0秒)」、そして「伏せ右手上げ(1.0秒)」を選ぶ。これでお客さんが訪れたら、ニャーと鳴き声を発しながら、チョコチョコと近づき、右手を上げて挨拶するようになる。
続いて「グラフィックアイ・流れ文字」で「イラッシャイマセ!」と「ハートマーク」を入力。これでプログラムは完了だ。前回紹介した手順で、プログラムをBN-1に送信する。
結果は……大成功! 筆者が近づくと、BN-1はヨタヨタと走りよってきて、やあ! という感じに右手を上げる。目には「イラッシャイマセ!」という文字と、続いてハートマークがチカチカと表示される。おおっ、歓待されているような気がしてきたぞ! 手間をかけて組み込んだプログラムが、BN-1特有のキビキビとしたオーバーアクションで再現されると、感激もひとしおだ。
あえて難点を挙げるなら、足元で挨拶されるので、目に映し出される文字が見えない、というちょっとした欠点があるくらいだろうか(根本的な欠点というハナシも……)。
筆者が作成したプログラム。とはいえ、ごくごく簡単なレベルのものなのです | 手を上げて「イラッシャイマセ!」のメッセージ。どうカワイイでしょう? |
動かしてみるとこんな感じ!! AVIムービー (5MB) |
と、同時にプログラムの醍醐味もわかってきた。プログラムを作成しているときは、まさに手探り状態。これでうまく行くのかな? と不安が絶えずつきまとう。
その分、プログラムが成功した喜びは、格別なものになる。達成感に浸りながら、BN-1の可愛らしさにただただ見とれるばかり。目指すプログラムが難しくなればなるほど、トライ&エラーの回数が増え、喜びも増すのだろうなあ。
ロボットトイの傑作「BN-1 わがままカプリロ」と、この「プログラミングキッット ver1.0」の組み合わせは、最強のタッグといえる。遊びこめば遊びこむほど、その情熱に応えてくれる。腕におぼえがあるなら、なおいいだろう。
(c)BANDAI 2001
□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□BN-1のホームページ
http://www.bn-1.channel.or.jp/
□関連情報
【3月29日】自由気ままに動きまわる! バンダイ「BN-1 わがままカプリロ」 - 前編 -
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010329/toy12.htm
【4月5日】自由気ままに動きまわる! バンダイ「BN-1 わがままカプリロ」 - 後編 -
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010405/toy13.htm
【8月9日】気まぐれロボを自在にプログラミング! バンダイ「BN-1 わがままカプリロ プログラミングキッット ver1.0」 - 後編 -
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010809/toy29.htm
毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)
(2001年8月16日)
[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]
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