|
発売 | バンダイ |
---|---|
価格 | 50,000円 |
電源 | 内蔵ニッカド充電池 (ACアダプタ同梱) |
バンダイが満を持して発売したペットロボット「BN-1 わがままカプリロ」。前回に引き続き「人工知能の学習能力」について徹底的にレポートしよう! はたしてその実力はいかに?
■ ホントに気ままで憎めないヤツ!
さて、先週からウチに「BN-1」が居候しているのだが、かなり勝手気ままなヤツである。「BN-1」が自分で考えて行動する「自律行動モード」にして放っておくと、部屋の中をアチコチと動き回る。放っておいたら、部屋を抜け出し、あやうく階段を転げ落ちるところだった。かと思うと、今度は気持ちよさそうな寝息(?)を立ててスヤスヤと眠っている。本当に勝手なヤツなんだから!
しばらく放っておくと、眠りはじめる。ちゃんとかわいらしい寝息も立てる | 頭をなでていたら、グラフィックアイの表示がハートに! ラブラブにゃ |
ただ放っておくだけでは面白くないので、コミニュケーションをとり、いろいろな行動を学習させてみることにする。『BN-1』に行動を学習させるには、「指示を与える→ほめる or 叱る」という、イヌやネコのしつけと同じ方法をとる必要がある。
いざチャレンジ! と勇んでとりかかったものの、なかなかこちらの指示に反応してくれない。「そういう態度をとるかね、キミはっ!」と心の中で叫び、夢中になって「しつけ」を試みてみた。ふと気づけば、筆者は「BN-1」に向きあい、四つんばいになって頭や背中をなでまわしていた。しばらく手のひらをセンサーの前で動かしていると、「ピロリロリ~ン」という音がして、でんぐり返しをした。これはチャンス! すかさず「なでなでセンサー」をなでて「BN-1」をほめ、でんぐり返しをおぼえさせた (ハズ) 。しかし、たとえおぼえた行動であっても、その後そう簡単にはとってくれないようだ。そうかと思えば、突然思い出したようにでんぐり返しをすることもある。なんだかんだ言っても、確実に学習しているのだ。
正しいリアクションを取ったら、頭をなでてほめる。するとその行動が正しいと学習する | 秘技! でんぐり返し。やっと学習させたが、なかなか思ったときにやってくれない |
「BN-1」には、ユーザーが設定した動きを記憶させて、その通りの動きを再生できる「モーションエディットモード」がある。これは、「自律行動モード」の学習機能とはちがう。ユーザーが手動で「BN-1」の可動部 (腕と腰) を動かしてひとつひとつポーズ作り、記録したポーズをつなぎ合わせ、「動き」として再生することができるというものだ。まるでひとコマずつ撮影するクレイアニメーションの制作のような作業だ。
説明書をよく読み、さっそくトライ。両手を伸ばして「だらん」と寝転んでいるポーズからはじめ、右腕をあげてあいさつのポーズ。そして右手を下げて、腰を回転させて仰向きに寝転ぶ。さらに腰を回転させてスックと起き上がり、左腕をあげてキメのポーズ! 我ながらなかなかいい動きができた。そう思って再生をしてみると、なんだか動きがぎこちない。「腰を回転させて起き上がる」という部分がうまくいかず、どう見ても「イヌが電柱に小便をしているポーズ」になってしまった。ムム、頭の中でイメージしていた通りにはなかなかいかない。もう一度、動きの流れをよく考えてチャレンジ。しかし、今度もダメ。いかに「自律行動モード」で「BN-1」が見せる動きが、計算されたものなのかと、改めて感心させられた。ちなみに、「モーションエディットモード」で作成した動きは、「自律行動モード」にも現れることがあるらしい(必ず現れるとは限らない)。一生懸命作った動きが、「自律行動モード」で見ることができると思うと、ポーズをとらせる作業にも、いっそう熱が入る。
モーションエディットには、IDスイングを使う。少しずつポーズを変えて記憶させていく | 腰を回転して起き上がるはずが、これはどう見てもイヌの小便ポーズ……なぜ!? |
バンダイでは今年の夏ごろに、「BN-1プログラムキット (仮)」と 赤外線通信方式の「コミュニケーションアダプタ」の発売を予定している。Windows上で「BN-1」の行動パターンを作成し、赤外線通信を使って「BN-1」に転送することができるようになるのだ。たとえば「なでられたら両手をジタバタさせて甘える」とか、「たたかれたら怒って突進する」なんて行動も、簡単に組み立てられるようになる。しかし筆者が「BN-1プログラムキット」に期待しているのは、「グラフィックアイ」の編集機能だ。「BN-1」の魅力の半分は、コロコロと移り変わる「グラフィックアイ」の豊かな表情にあると思う。液晶部分はわずか8×8ドットと、決して細密ではないが、あの豊かな表情こそ、ユーザーに「かまってあげたい」「コミニュケーションをとりたい」と思わせる大きなポイントなのだ。「BN-1プログラムキット」を使えば、たとえば「照れている表情」「オロオロしている表情」「ヨソヨソしい表情」など、より人間クサい表情を「BN-1」にとらせることもできるようになるハズ。「BN-1プログラムキット」の発売が待ち遠しい!
必殺ネコパンチ? リアクションとグラフィックアイの表情の組みあわせが絶妙 | 困ったときの顔。「プログラムキット」を使えばさらに豊かな表情を与えることができる |
前回の冒頭で書いた通り、当初は「BN-1」について、筆者と当コーナー担当の船津記者は、オモチャなのか本格的なペットロボットなのか、“微妙”な存在だと思っていた。ところが、遊びこむ(というよりむしろ、いっしょに過ごす)うちに、「BN-1」は本格的なペットロボットであると確信した。
断言しよう、「これだけ本格的なペットロボットが5万円とは、安い!」。はじめは「ゲッ! 5万円」と思っていたが、1週間いっしょに過ごしてみて、「たった5万円?」と思えるようになったのだ。
おそらくバンダイは、今後も新たな家庭用ロボットを世に送すだろう。「BN-1」がこれほどのデキならば、その子孫たちは、さらにその上をいく優れたものになるハズ。もしも仔犬や仔犬タイプなんていうのが発売されたら、筆者はもうメロメロだ。
ところで船津記者、この「BN-1」なんですが、やはり編集部に返却しないとダメでしょうか? もう、この子なしの生活なんて考えられません。
(C)BANDAI 2001 MADE IN JAPAN
□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□BN-1のホームページ
http://www.bn-1.channel.or.jp/
(2001年4月5日)
[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]
GAME Watchホームページ |