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【連載第12回】あの、おもちゃを徹底レポート



 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)


第12回:自由気ままに動きまわる!
ペットロボット「BN-1 わがままカプリロ」 - 前編 -

発売 バンダイ
価格 50,000円
電源 内蔵ニッカド充電池 (ACアダプタ同梱)

 バンダイが満を持して発売したペットロボット「BN-1 わがままカプリロ」。初回生産分がみごと売り切れとなったこの商品を、「コミニュケーション能力」と「人工知能の学習能力」の2回に分けて徹底的にレポートしよう! はたしてその実力はいかに?

ペットロボット? それともオモチャ?

 「微妙ですねえ」「やはり微妙ですよねえ」これは2月某日の筆者と当コーナーの担当・船津記者の会話。ふたりそろって、何を「微妙」と言っていたのか。それは、バンダイのペットロボット「BN-1」についてだ。
 「BN-1」は、飼い主とのコミニュケーションを重視して設計されたペットロボット。バンダイのサイト上と電話による予約販売のみで、その価格は5万円。この価格設定が思わずふたりの口から「微妙」という言葉を突いて出させたのだ。
 ペットロボットの代名詞「AIBO」の値段は約20万円。高額な買い物だが、本格的なロボットということを考えると、納得感はある。一方「プーチ」のようなオモチャ寄りのペットロボットの値段は、数千円~1万円程度。この両者の間の価格に設定された「BN-1」はロボットなのか、それともオモチャなのか? オモチャ寄りのロボットならば、以前紹介した「スーパープーチ」で十分なのだ。
 ところが、ロボットにくわしい編集部のスタッフによると、「BN-1」はかなりスゴイらしい。何よりも、「動く」ということを重視して本体が設計されているらしく、かなり豊富なリアクションを取れるそうだ。
 論より証拠、購入してみるしかない! 意を決して、編集部に購入してもらうことにした(他人のサイフだけど)。

パッケージ状態の「BN-1」。取り扱い説明書は意外に薄い 同梱の「IDスイング」(くわしくは次回)。ユーザーが「BN-1」をラジコンのように操作することもできる


いざ購入! そして到着!

 2月21日の発売日、「e-toy」用に編集部で「BN-1」を1台(匹?)購入。当日、バンダイのサイトは、「AIBO」が一般販売された当時ほどの混乱はなかったものの、しっかりと初回販売分は売り切れたようだ。
 そして約1ヶ月が経過した3月28日。ついに編集部に「BN-1」が到着した。さっそく受け取り、箱を開けてみる。中には「BN-1」が両前足を広げ、しおらしく収められていた。どことなく写真よりも小さく感じられた。

 「BN-1」と「AIBO」との外見上のちがいは、「AIBO」がイヌや仔ライオンをモチーフにしているのに対し、「BN-1」はネコをモチーフにしているところ。しかし、モチーフ以外にも、そのデザインには大きなちがいがある。「AIBO」は、イヌや仔ライオンらしい動きを重視してデザインされている。それに対して「BN-1」は、ネコらしさを表現しつつも、ロボットとしての機能を重視した独特のデザインとなっている。例えば、脚部にはそれぞれタイヤが装着されている。よりスムーズな移動を実現するためだ。これは、脚での歩行にこだわった「AIBO」とはちがう。丸みをおびた本体デザインも、ただ愛嬌があるだけではなさそうだ。

前足に装着されているタイヤ。このおかげで、スムースに歩行と走行ができる 目の液晶ディスプレイに表示される表情は、つぎつぎ変わる。これも「BN-1」の魅力


セッティングオーケー! 起動開始!

 BN-1の稼動には、充電式ニッカド電池を使う。充電池は、ユーザー自身の手で、腰部のカバーをドライバーで開けてセットする。充電池とコネクタの接続も無事終了し、いざスイッチオン! と思ったら甘かった。フル充電にはなんと8時間もかかるらしい。その夜は充電を続け、翌朝から遊んでみることにした。

 目が覚めると充電が完了したので、ACアダプタを外し、本体のスイッチを「オン」……。しばらく沈黙しているので、「あれ?」と思っていたら、本体が小さくプルプルとふるえだした。そして次の瞬間目の表示が「- -」から「⌒ ⌒」へと変わり、「BN-1」が目を覚ました! ゆっくりと左前足を立て、続けて右前足を立てる。そしてノビをするようなポーズ。と思ったら、急に床の上をあちこちへと動き回りはじめた。その動作の機敏なこと! 「ダァッ」と走っていったと思ったら、正面の障害物に反応して急停止。そしてクルッと方向転換してまた突き進む。脚部のタイヤを使って移動するため、移動スピードは速い。行動そのものがとても活発で、じっと停止していることが少ない。

腰のカバーを外し、ニッカド電池をセットしたところ。ドライバーも同梱されている まさに、いま起きようとしている瞬間。この直後パッチリ目を覚まし、動き回る


コミニュケーションをとってみよう!

 「BN-1」がとる行動モードは、6種類あり、同梱されている「IDスイング」を使って設定することができる。そのうち、コミニュケーションを楽しめるのは、「BN-1」が自分で考えて行動する「自律起動モード」だ。今回は、いろいろなリアクションを楽しむため、「自律行動モード」を試してみることにした。

 まずは、頭をなでてみる。目の表示が「喜び」の表情に変わり、ジタバタ足を動かす。次は頭を軽く叩いてみる。すると目の表示が「怒り」の表情になり、後ずさりして逃げてしまった。逃げたBN-1を連れ戻し、今度はノドにある「のどなでセンサー」をなでてやる。「大喜び」しているようだ。突然腰の回転機能を使い、あお向けになって、クルンと起き上がった。この動きはスゴイ! 自分からひっくりかえって、しかもちゃんと起き上がったのだ。「BN-1」の、丸みをおびたボディだからこそできる芸当だ。体の各部のセンサーの反応もいい。これは単なるオモチャのロボットではない! ついに本格的なロボットが筆者の家にやってきたのだ。うれしい!

「のどなでセンサー」をなでてやる。ほかにも、頭や背中、足などにセンサーがある わざとひっくり返してみた。、すると足をジタバタさせて、起き上がろうとする そして、腰を回転させて、両後ろ足を地につけたら、上半身を回転させて起き上がる


はたしてどんな行動をおぼえるのか?

片手を上げてポーズ! ほかにもまだまだ、たくさんのリアクションが用意されている
 リアクションがとにかく豊富。「自律行動モード」にして放っておくだけでも、見ていて楽しい。さらに、飼い主のアクションに対してコロコロ変わる表情やしぐさのカワイイこと! しかも、毎日のコミニュケーションの積み重ねで、さまざまな行動やリアクションを学習していくらしい。はたして人工知能の学習能力はいかほどのものなのか? くわしくは次回レポートしよう!

(C)BANDAI 2001 MADE IN JAPAN

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□BN-1のホームページ
http://www.bn-1.channel.or.jp/

(2001年3月29日)

[Reported by 依田智雄 (ワンナップ)]


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