Windows 10 ゲームマラソン

「Minecraft」 誰もが楽しめるものづくりゲーム!

Windows 10版のβテストもスタート。オリジナル版とどう違う?

【Minecraft(オリジナル版)】

2011年11月18日発売

26.95ドル



【Minecraft: Windows 10 Edition】

2015年7月29日よりβ版公開中

価格:1,000円

 全プラットフォーム累計で7,000万本以上の売り上げを達成(2015年6月時点)したという化け物タイトル「Minecraft」。最近では国内でも子供から大人まで幅広い人気を獲得し、教育現場でも導入する動きが出てきているなど、完全にゲームの枠を超えた作品となっている。

 そんな人気タイトルが、Windows 10のローンチに合わせてスペシャルバージョンの登場とあいなった。「Minecraft: Windows 10 Edition」としてβテスト中の本作は、PCからスマホまで幅広い端末をサポートするWindows 10ならではのユニバーサルアプリとして、また、Xbox Liveと共通のゲーム体験を実現するXbox App対応タイトルとして、新たな門出を迎えようとしている。

 とはいえ、Windows 10搭載PCをお持ちであれば、かねてよりMojangから販売されているオリジナル版の「Minecraft」が快適に遊べることも事実。そこで新たに登場したWindows 10版は何が違うのか検証してみた。

Windows 10への対応状況(8月10日現在)
動作状況★★★★★(正式対応)
メーカー対応Windows 10専用ユニバーサルアプリ
Windows 10独自機能Game Bar、Xbox App
不具合報告特になし
サポート情報Minecraft: Windows 10 Edition Beta FAQ

Windows 10版は内容的にはPocket Edition相当。端末を選ばず遊べるのが強みに?

コレは間違いなく「Minecraft」。内容的にはモバイル版の「Pocket Edition」相当
いくつかワールドを作ったが、やたら巨大な森が構築されることが多い気がした
UIサイズはスマホ準拠で大きさが変更できない。デスクトップだとデカすぎるように感じる

 「Minecraft」は、プレーヤーのイマジネーションだけが遊びの限界を決める、果てしなく自由な世界。ブロックで構成された世界で、坑道を掘って素材を集めたり、思いのままにブロックを組み立てて建物を組み立てたり。誰でも理解できる簡単さと、どこまでも掘り下げていける奥深さが両立した稀有なゲーム性。ゲーマー必携どころか、全人類必携と化しつつある本作は、オリジナルのWindows/Mac版をスタート地点として、各種モバイルOSやゲーム機といった幅広いプラットフォームに移植されてきた。

 Windows 10のローンチと同時にベータ版の提供が始まった「Minecraft: Windows 10 Edition」は、それらの中でおそらくもっとも幅広い端末で遊べるようになるバージョンだ。というのも、本作はWindows 10端末に全対応できるユニバーサルアプリの形で実現されているためだ。

 ユニバーサルアプリの形態をとるゲーム作品の常として、本作のベースになっているのはこれまでWindows Phone上で提供されてきた「Minecraft: Pocket Edition」。オリジナルPC版の仕様をやや縮小したバージョンで、タッチ操作でも簡単に遊べるよう工夫されている。もちろん、PC上ではマウス・キーボードでも遊べるし、Xbox 360/Oneコントローラーにもネイティブ対応だ。

 このようにユニバーサルアプリと化した「Minecraft」なら、デスクトップPCでも、タブレットPCでも、あるいはスマホやXbox Oneでも同じものが動作し、場所も形も選ばずに遊ぶことができる。PCで作りかけた建物の続きを、電車の中でスマホで組み立てるといったこともできるようになるわけだ。

 とはいってもそれは将来的な展望だ。Windows 10 Mobile搭載のスマホ(つまりWindows Phoneの後継モデル)が登場してくるまでもうしばらくかかりそうな現状では、本作「Minecraft: Windows 10 Edition」が遊べるのは実質的にPC上だけである。となればJavaで作られたオリジナル版とどっちが良いかを比較せざるを得ない。以下簡単に両バージョンの仕様をまとめてみよう。

「Minecraft: Windows 10 Edition」(2015年8月10日時点)

メリット:
・幅広い端末で同一のものを遊べる(予定)
・Windowsストアで簡単に購入できる
・軽量動作
・標準でXbox Oneコントローラーでのプレイに対応
・Xbox Live実績や、GameBar録画にネイティブ対応

デメリット:
・フルスクリーンモードなし
・UIサイズの変更不可
・MOD導入が不可能
・オンラインマルチプレーヤーが8人までに限定

みんなだいすき村人
よし、ここに住もう

オリジナル版「Minecraft」

メリット:
・Win/Mac両対応
・フラッグシップバージョンゆえ常に最新の内容
・フルスクリーンエクスクルーシブモードで動作可能
・より幅広い設定、リッチなグラフィックス描画が可能
・大人数のオンラインマルチプレイ(サーバーの性能次第)
・様々なMODを利用可能

デメリット:
・Mojangからの購入がやや面倒くさい(アカウント登録が必要など)
・他の端末(スマホなど)では別エディションの購入が必要。エディション間のデータ共有は不可

こちらはオリジナル版の画像。視野距離をめちゃめちゃ広くできるし(スペック次第)、モンスター等の種類も多い

 特に大きいのは、「Minecraft: Windows 10 Edition」ではMODが利用できないことだ。PCゲームとしての「Minecraft」の最大の魅力は、グラフィックスから各種メカニズムまで幅広いMODを好きに選択して、全く新しい体験を作り出せるところ。それが無いというのは、ヘビーユーザーにとってはかなりの痛手だ。

 また、ゲーム仕様がPocket Edition準拠でありオリジナル版とは異なるため、オンラインモードもオリジナル版とWindows 10版では異なる仕様になる。「Minecraft」オリジナル版ではオンラインでの大人数協力プレイも盛んだが、そこに参加できないとなれば、Windows 10版をPCでプレイすることの意義はかなり薄れる。

 「Minecraft: Windows 10 Edition」がその真価を発揮するのは、年内登場が見込まれているWindows 10 Mobile搭載スマホの普及が進んでからのことだろう。そうなればPCからスマホまで同じ世界を共有できるというユニバーサルアプリならではの強みが活きてくるはずだ。

Xbox App完全対応!GameBarでの録画機能を駆使してプレイ体験を手軽に共有

Xbox Live準拠の「実績」に対応。ゲーマースコアも稼げる
GameBarから即座に録画、Xbox Appでシームレスに編集・共有できる
とは言えオリジナル版でもウィンドウモードならGameBarは使える

 「Minecraft: Windows 10 Edition」の良さとして挙げられるもうひとつの側面は、Microsoft謹製だけあってXbox AppやGameBarでの録画に完全対応していることだ。

 Xbox Appに完全対応しているということは、Xbox 360やXbox Oneでプレイするゲームと同じく、Xbox Live準拠の「実績」が備えられているということでもある。従来からのXbox Liveユーザーなら、Windowsアプリでゲーマースコアを稼げるぜ!と嬉しいところ。

 より幅広いユーザーに嬉しいポイントとなるのは、やはりGameBarにもきちんと対応しているところだ。フルスクリーン動作ができないというデメリットと引き換えに、本作ではプレイ中のいついかなる時でもWin+GあるいはXbox OneコントローラーのXboxボタンを押すことで、GameBarインターフェイスを呼び出し、スクリーンショットの撮影や録画が簡単にできる。

 GameBarから撮影した動画は、Xbox Appアプリ上で簡単にカット編集したり、Xbox Liveコミュニティに共有することも可能だ。「Minecraft」では立派な建物を作ったり、巨大な坑道を切り開いたりした苦労の結果を“人に見せたい!”と思うことも多いが、GameBarを使えばそれが超手軽に、即時にできてしまうのだ。これはWindows 10版の大きなメリットに相違ない。

 現在「Minecraft: Windows 10 Edition」はベータテスト中だ。この間に様々な仕様が拡張・改善されていくことだろうなので、いまはオリジナル版をプレイしている方も、ときどきWindows 10版をチェックして、その完成度の高まりを確認していってほしい。今年末までにWindows 10 Mobile端末も登場してくれば、最も幅広いシチュエーションで遊べる最高の「Minecraft」になることは間違いないのだから。

(佐藤カフジ)