Windows 10 ゲームマラソン
「Goat Simulator」 バカゲー界のスーパースターをWindows 10でもどうぞ
最新版「GoatZ」はもう遊んだ!? リアルなヤギゾンビ人生を楽しもう!
(2015/9/10 12:00)
Goat、すなわちヤギ。2014年4月にSteam上で登場するや瞬く間に旋風を巻き起こした「Goat Simulator」は、ヤギをシミュレートするとの口上で無目的に暴れるだけのシュールなゲーム(?)だ。その本作は、この1年の間にわけのわからないDLCが次々に登場し、無駄に遊びの幅を広げているほか、ついでに日本語表示にも対応した(多分、4月に配信開始されたXbox One版のおかげ?)。
その最新DLCではPCゲーム界隈の最新流行を全面的に導入。それが5月にリリースされた「GoatZ」DLCだ。ゾンビサバイバルゲーム「DayZ」をあからさまに揶揄ったこのタイトルが示す通り、本作は昨今のPCゲーム界に蔓延するゾンビウィルスに警鐘を鳴らす……わけでもなく、ゾンビゲーにありがちな「あるある」を笑い飛ばす相変わらずのバカゲーである。普通なゲームに飽きた人は要チェック!
ゲームエンジンUnityで作られた本作は、他のUnity製タイトルの例に漏れず、Windows 10上でも全く問題なく快適に動作。追加コンテンツである「GoatZ」のプレイのためには本編「Goat Simulator」(980円)が必要だが、まとめて買っても安いので、とりあえずの暇つぶしにもオススメだ。
Windows 10への対応状況(8月10日現在) | |
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動作状況 | ★★★★(快適に動作) |
メーカー対応 | 未対応 |
Windows 10独自機能 | Game Bar(ウィンドウ表示時のみ) |
不具合報告 | 特になし |
サポート情報 | Goat Simulatorストアページ |
メーカー自らクソゲーをアピールしていくスタイル。作品紹介がもう面白い
本作はゲームというよりは、ゲームの形をとったモダンアートと呼んだほうがしっくりくるかもしれない。そもそも作り手側からして「DayZ」に代表されるゾンビアポカリプス・サバイバルゲームを全力でパロっていくことにしか関心がないようで、作品紹介からしてもう「Steam上で唯一の、早期アクセスじゃないサバイバルゲーム!」などと、巷に蔓延るずっとベータ版な大風呂敷ゲームを面白おかしくディスりまくりである。
公式サイトにおける作品紹介によれば、そんな本作で楽しめるのは、ゾンビアポカリプス・サバイバルゲームならではの数々の要素だ。すなわち、ゾンビヤギ、バグだらけのゾンビ(そして直す気もない)、無駄に広大な世界(コンテンツ的にスカスカでしかも各所に作りかけで放置されたスポット)、何でも作れるといいつつ実際は決まった数種類のアイテムしか価値のないクラフトシステム、そして5分おきに食べ物を摂取しないと餓死するという“超リアルなサバイバル要素”などなどだ。
Dean Hall(DayZの作者)とGarry Newman(Rustの作者)のせいといいつつ、巷にあふれるゾンビアポカリプス・サバイバルゲームのダメなところばかり凝集したかのような本作。本編「Goat Simulator」同様にゲームの目的そのものは希薄なのだが、サバイバルゲームというだけあって本作のヤギゾンビはライフと空腹度というパラメーターがあり、死んでゲームオーバーになることがある。
とにかく多いのが餓死。食べ物を食べなければ5分で餓死するという“リアルなサバイバル要素”が存在するせいで、「Goat Simulator」本編のようにのんびりまったりプレイするということができない。ひたすら食物を求めて新しいロケーションに移動してみれば「工事中」。まさにゾンビ・アポカリプスサバイバルゲームの“あるあるネタ”そのもので、その結果餓死しても怒髪天を衝くというより呆れて笑っちゃう始末である。そもそもなんでゾンビが空腹で死ぬのか? などどツッコんではいけない。
時々空から投下される“クレート”を壊すと食べ物や各種武器が手に入るという要素(こちらは完全に「RUST」や「H1Z1」のパロディ)もある。武器を手に入れればゾンビ相手に無双できるので爽快だが、あっという間に弾切れになって元の木阿弥だ。時折訪れるゾンビヤギの襲撃(壁抜け、ワープなんでもござれで非常に手強い)に備えて弾薬は節約しておこう。なんて、攻略に役立つ情報を書いたところで、いくらでも理不尽な死にパターンが存在する本作ではたいして役に立たないのだが(笑)。
「Goat Simulator」本編や、オンラインゲームネタ溢れる「Goat MMO」DLCもご一緒に
「Goat Simulator」はXbox One/Xbox 360でも配信されているが、PC版、というよりSteam版の良いところは時折実施されるセールでの大幅な値引き。本作の場合は月1回くらいのペースで何らかのセールが適用されてきていて、50%オフは当たり前、最安値では300円ほどになったことも。「こんなゲーム(?)をフルプライスで買いたくない」という方は、Steamのウィッシュリストに登録しておいて安値になるタイミングを狙うのもオススメだ。
DLCも楽しみのひとつ。上記でご紹介した「GoatZ」の前に配信された「Goat MMO Simulator」(無料DLC)も、オンラインゲームファンなら触ってみると面白い。ダルいだけのお使いクエストや、やたら長いNPCの会話(そしてだいたい読まなくてもいい)を随所に配置し、MMORPGのあるあるネタが満載。クラスシステムも充実。ウォーリアー、ローグ、マジシャン、ハンター、そして電子レンジもプレイできる!
こんなゲームはこの業界に1本あれば充分だが、その1本がここまでネタに徹しているからこそ面白い。PCゲーマーの教養的に1度はプレイしておいて損はないと思われるので、暇つぶしにでもSteamでポチッといってみよう。