「電遊道」~Way of the Gamer~ ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ

ジョン・カミナリの楽しいゲームライフ【第34幕】

 電遊。辞書に載っていない造語である。電気的な遊び。いわゆる、テレビゲーム。道。その道を、自分の価値観だけを信じて最後まで歩むのが、侍精神である。電遊道は、妥協を許さないサムライゲーマーが歩むべき道。他人に影響されることなく、自分のゲーマーとしての信念を貫き通せばいい。たとえ、ゲームが別の道に進んでも、自分の好きな道をずっと信じ続けるのみ。たとえ、“これこそがゲームの未来形だ!”と言われても、自分の好きなゲームライフを思う存分楽しむのみ。

 「電遊道」は、RPGのようにレベルアップする。これまでの「一刀両断」や「イタヲタのレトロなゲームライフ」などの人気コーナーを提供しつつ、新しいコーナーをスタート!「BORN TO BE GAMER」(和訳:ゲーマーになるために生まれた)では、日本のゲームを愛するイタリア人ゲーマーを紹介していきたいと思う。

 ゲームとのファーストコンタクトは?日本のゲームを愛する理由とは?その人物像を掘り下げたいと思う!これからも「電遊道」はレベルアップしていく。サプライズたっぷりの連載を目指しているので、末永くこのページの中で付き合って欲しい!

ジョン・カミナリ(芸名)
国籍:
イタリア
年齢:
38才
職業:
俳優、声優、タレント、テレビゲーム評論家
趣味:
テレビゲーム、映画鑑賞、読書(山田悠介)、カラオケ
主な出演作品:
銀幕版スシ王子!(ペぺロンチーノ役、デビュー作)、大好き!五つ子(アンソニー・ジャクソン役)、侍戦隊シンケンジャー(リチャード・ブラウン役)
ブログ:
ジョン・カミナリの、秘密の撮影日記
Twitter:
https://twitter.com/John_Kaminari
Facebook:
http://www.facebook.com/johnkaminari

 イタリアで6年間テレビゲーム雑誌の編集部員として働いたあと、新しい刺激を求めて2005年に大好きな日本へ。子供の頃から夢見ていた役者の仕事を本格的に始める。堤幸彦監督の「銀幕版スシ王子!」で個性的なマフィアのボス、ぺぺロンチーノを熱演。現在もTVドラマやTVゲームなどで、俳優・声優として活躍中。日本語を勉強し始めたのは23歳のとき。理由は「ファイナルファンタジーVII」や「ゼノギアス」などのRPGの文章を理解するため。好きなジャンルはRPGと音楽ゲーム。「リモココロン」のような個性的なゲームも大歓迎。お気に入りのゲームは「ゲームセンターCX」と「ワンダと巨像」。芸名はイタリア人の友達に、本人が雷のように予想不可能なタイミングで現われるからという理由で付けられた。将来の夢は、「侍戦隊シンケンジャー」に出演した時から大好きになった戦隊モノにまた出演すること。


一刀両断~話題のゲームニュースについて鋭くコメントしちゃうぞ!~

話題のゲームニュースや注目のゲームイベントをピックアップして、僕の正直な感想を述べたいと思う。また、現在のゲームが抱えている問題を解決するアイディアや提案も、このコーナーを通じて考えてみたいと思う。ゲーマーの皆が納得できる未来のために!

 「ゲーマー人生を楽しんでいますか」と聞かれたら、紛れもなく「もちろん!」と答える。何故なら、今のゲームマーケットが10年前より非常に拡大し、ゲームの定義が広がりを見せていると同時に、様々な形や可能性を提供しているからだ。

 制作費でハリウッド映画に例えられる「GTA」、「METAL GEAR SOLID」、「FINAL FANTASY」など、大きな画面の前でソファにくつろぎながらじっくり楽しめる大作ゲーム。家から離れている時、通勤中の電車の中で楽しめる携帯ゲーム機用のゲーム。さらに、あらゆるゲームメーカーがもう無視できなくなったスマートデバイス用の低価格のゲーム。

 あらゆるユーザーのニーズに応えられるようなゲーム市場になりつつあると思う。過去の名作が遊びたくなったら、PlayStation Storeから低価格でダウンロードできるし、ドットな世界で構築された昔懐かしいindies gameも圧倒的に増えている。

昔からのゲーマーが社会人になったことで、通勤時間を利用してのプレイが当たり前になってきた。それに伴い、携帯ゲーム機やスマートフォンの必要性が増した
マイクロソフトの「Xbox SmartGlass」が証明したように、家庭用ゲーム機の補助的な操作端末としてのスマートフォンやタブレットの役割が重要視されてきている。スマートフォンは、味方として考えたほうが相乗効果が生まれるし、ゲーム業界全体に良い影響を与えると思っている

 ゲームが遊べる端末や低価格のゲームをダウンロードするサービスが増加したことによって、当然ながら競争も増えた。競争が増えたことで、長い歴史を持つ老舗ゲームメーカーが、競争の激化を不服に思うようになる。これまでゲーム業界に存在しなかった、新しいライバルが誕生することを恐れているとも言える。

 家庭用ゲーム機はパソコンとライバル関係にあると言えるように、携帯ゲーム機は今、スマートデバイスと競争していると思う。だから、老舗ゲームメーカーはスマートデバイスという存在を見くびってはいけないと確信している。逆に今、スマートデバイスと競争していることを意識しながら、新規ユーザーの獲得に繋がるような対策をどんどん練って欲しい。

 僕も1980年代からのゲーマーで、本来の常識や法則を重んじていると思う。僕の頭の中でもゲーム、イコールゲーム機という方程式が成り立っている。しかし、それは現代の変化や流行を認めたくない30、40代の男性ゲーマーの偏見、固定観念によるものだと思う。

 「ゲームの形は1つしか無い」。「ゲームはゲームショップで買って、家に帰りくつろぎながら遊ぶものだ」。その考えは根本的に間違っている。何故なら任天堂が、ゲームボーイでゲームの携帯化を実現させたからだ。その日までは、ゲームはゲームセンター、あるいは家で遊ぶエンターテイメントだった。ところが、あの日を境にゲームは車内や公園など、どこでも遊べるようになっていった。

 たぶん、ゲームボーイが発売された当時、携帯ゲームは家庭用ゲームと同質のゲームデザインや奥深さを持つことはないと思っていたユーザーが多くいたはずだ。しかし今では、携帯ゲームは家庭用ゲームと同等のクオリティ、ボリューム、面白さを持っていると断言できるだろう。今、誰かが「家庭用ゲームのほうが面白い」と言ったら、それは主観的な意見で、正しいとは言えないだろう。どちらも面白いし、どちらにも長所と短所があるというふうに考えた方がいいと思う。

 ゲームボーイが当時のゲームシーンを変革させたように、現在スマートデバイスは携帯ゲーム機の定義を改めようとしている。現在のスマートデバイスは、携帯ゲーム機としての機能性が圧倒的に向上してきているし、高性能なプロセッサーはドットなゲームだけでなく、リアルなポリゴングラフィックスによるゲームの開発も可能にした。

 アップルのiOSや、グーグルのAndroidを搭載したスマートデバイスは、立派な携帯ゲーム機としても考えてもおかしくないレベルにまで到達した。僕も去年までは、「スマートデバイスのゲームはカジュアルゲーマー用のものがほとんどで、遊んでも楽しくない、長続きしない」という偏見を持っていたから、真剣な気持ちで見ようとしなかった。しかし最近、特にパズルやアドベンチャーの分野では、すごいゲームが制作されていることを認めざるを得なくなった。

「SOUL SACRIFICE」や「モンスターハンター4」のようなタイトルで、携帯ゲームは家庭用ゲームと同等のクオリティを実現させてきている。これからのスマートフォンも携帯ゲーム機に匹敵するようなゲームを実現させていくのではないだろうか

 ニンテンドーDSやPlayStation Vitaが証明したように、まず、スマートデバイスのタッチスクリーンは、操作の直感的さ・快適さを実現している。携帯ゲーム機に劣っているのは、リアルスティックがないことだけだと思う。その理由として、画面に表示されるバーチャルスティックでの操作は中途半端でフラストレーションが溜まるからだ。逆に、タッチスクリーン操作にぴったりのジャンル、パズルゲームやアドベンチャーゲームという分野では、スマートデバイスは大きな活躍を見せていると思う。

 それぞれ、2つの例を挙げると、「Pudding Monsters」というパズルゲームはDS用のバージョンも開発して欲しいぐらい、面白いと思っている。「Angry Birds」のRovioが手がけた新作「Tiny Thief」も、パズルと謎解きアドベンチャーの絶妙なバランスを持っているし、世界観、キャラクター、2Dグラフィックスのすべてが細かく設定されている。

 これらの作品はもうカジュアルゲームという部類ではなく、ゲーマーのための正真正銘のゲームだということを強調したい。舞台裏には立派なゲームデザイナーがいる。その制作者に対しては、ゲームのファンとして敬意を払うべきだと思う。不朽の名作、「Myst」を連想させる「The Room」というアドベンチャーゲームも遊んでみて、これはPS Vitaで遊んでみたかったと強く願った。

Free to Playや課金システムには罠があるのか?

 今回の記事のメインテーマである、ゲームの価格に迫りたいと思う。スマートデバイス用ゲームアプリの第1の魅力は、ゲームソフトの手頃な価格だ。携帯ゲーム機と比較できないほど、価格は安く設定されている。僕が好んでいるソフトはとにかく安くても有料のゲームソフトだ。

 何故なら、無料アプリには“罠”が潜む可能性が高いからだ。それは、欧米でもFree to Playと呼ばれる種類のゲームアプリで、無料で購入できるがステージ、あるいは追加要素の解除やキャラクターの強化に料金が必要な課金システムを用いている。

 例えば、有料のアイテムを買わないとボスを倒すことがほぼ不可能というようなシステムを採用するゲームは、本当のゲームとは呼べないと思う。ゲームはお金ではなく、プレーヤーのスキルでクリアするべきものだ。

 Free to Playという課金システムは、昔のゲームセンターで何度もコンティニューするのと同じように、ゲームをクリアするための近道と言えるだろう。しかし、本物のゲーマーはそういう近道を好まないはずだ。

 僕は正直に言って、課金システムや受信料というトリックを土台に成り立つゲームアプリに夢中になることはない。何故ならゲームというものは、最初だけお金を払って追加料金や受信料金を気にすることなく、完成した作品をゆっくり楽しむものだと思っているからだ。

 遊んでいる端末は家庭用ゲーム機だろうが、携帯ゲーム機だろうが、スマートデバイスだろうが、ゲームとしての基礎さえ備わっていれば、それは遊ぶべき体験になると思っている。

 しかし、本物のゲーマーが有料ゲームを信頼すると言っても、不景気な世の中では、無料という言葉に引かれるユーザーが増加していくのは必然的なことだと言える。スマートデバイスだけでなく、最近、家庭用ゲーム機でもFree to Playのゲームソフトが配信されるようになってきた。

 例えば、日本も人気作がFree to Playになっている。それは、バンダイナムコゲームズの「Tekken Revolution」だ。今、欧州でも話題になっている。ニュース記事やレビュー記事のユーザーコメント欄を見ると、そういうビジネスモデルが賛否両論であることは明白だ。つまり半分以上のゲーマーが、最初だけお金を払って完成した作品を買うほうがいいということを主張している。

Free to Playという形態は、有名なシリーズにユーザーを近づけるための戦略としても考えられる。体験版もそうだ。無料だからこそ、遊んでみて面白いと感じたら、課金システムを利用するか、製品版を購入するという流れが成立すると思う

 しかし、製品版に比べてゲームモードやプレイキャラクターが少し限定されても、1日5回まで無料で遊べると考えれば、お得だという見方もできるだろう。これはゲームセンターの入り口で、無料で5回分の硬貨を渡されるのと同じことなのではないだろうか。ゲーマーは嬉しいはずだ。

 だが、「何故、5回分の硬貨を無料で渡されたのだろう」という疑問を抱くのも人間だ。「きっと、何らかのトリックがある」と疑うのも当然の反応だと言える。スマートデバイスの場合、ゲームの正当性を確かめるためには、3GやWi-Fiの通信機能をオフにしてみたほうがいいと思う。それでも難なくプレイできれば、「超お買い得!」ということになる。

 この記事で課金システムを批判しているわけではない。課金システムも責任を持って利用すれば、ゲームソフトと同等の価格で遊ぶこともできる。使っている金額が、家庭用ゲーム機用ソフトの価格の2倍以上になったら、そのユーザーは自分の行為を疑い始めるべきだと思う。

 ゲームは博打とは一切関連をもってはいけないと思っている。課金システムでは、クリアするまでにかかる料金の平均額をはっきりさせたほうが、もっと安心して遊べるようになると確信している。

ゲーム機の普及率を上げるための方法は?

電話をかけられるという機能が、あらゆる携帯端末において1番重要視されていると思う。携帯ゲーム機に電話機能を追加すれば、ゲーム市場の勢力図がどのように変わっていくのか興味深い

 スマートデバイス向けゲームアプリの普及は、低価格や簡単な操作に支えられていると思う。スマートデバイスは1人1台所持していると考えてもいい時代になった。家庭用ゲームの普及も進んでいるが、外出時に1台だけ持って行けるとしたら、あらゆる機能を持つミニパソコンのような存在であるスマートデバイスを選ぶユーザーが、これからも増えていくはずだ。

 だからこそ、携帯ゲーム機は今、危機的な状況にあると思っている。どんな対策が必要かと聞かれたら、「携帯ゲーム機にも電話機能を追加するべき」と答えるかもしれない。それとも、「スマートデバイス向けゲームアプリのように低価格のゲームソフトをもっと制作していくべきだ」と回答するかもしれない。

 はっきり言って、ゲームの価格はゲーム機の成功や普及を決定させる重要なファクターだと考えている。家庭用ゲーム機では、中古のゲームが利用できなくなったら、世界中の売上が劇的に減ると懸念している。よく考えれば、E3の次世代ゲーム機戦争は1つの発言で決まった。「中古ゲームもプレイできる」。

 欧州では、現金で定価の新作を購入するユーザーはかなり少ないと考えたほうがいい。ほとんどのゲーマーは、新作をクリアしたらゲームショップに売って、定価の半額以下の料金で新作を買っている。つまり、定価より安い価格でもゲームが遊べるからこそ、家庭用ゲーム機のマーケットは今でも成立していると言えるだろう。

 家庭用ゲームにオンラインチェックがあって、中古ゲームが遊べなくなったらどうなるのだろう。もしその未来が実現したら、ゲームの制作費をまかなうために、ほかのシステムを考える必要が出てくるだろう。

 例えば、ゲーム内の広告を増やすという方法がある。あるいは、ゲームの価格を安くすることで、従来の定価で興味のわかなかったユーザーが増え、普及率も上がり大きな黒字に繋がる可能性もあると思う。そういう可能性を窺わせるのは、steamやゲーム機のデジタルストアで実施されるセールによる成果だ。

 そのセールでは、半年前に発売された大作ゲームが9.90ユーロ(約1,300円)で購入できることもある。最初から、新作が9.90ユーロ(約1,300円)~29.00ユーロ(約3,800円)の価格帯で販売されていたら、現在よりの何倍も売れるのではないだろうか?

欧州で家庭用ゲーム市場が成り立っているのは、中古ゲームの売買に加え、大手ゲームショップチェーン店やSteamでのセールが実施されているからだ。大半のお客さんにとって、定価は高すぎると考えられている

 普及率。それはあらゆるゲーム機や端末のビジネスチャンスを左右する決定的な要素だ。いくら優れたシステムでも、世界規模での普及率が低ければ、デベロッパーが関心を向けるケースも少なくなる。

 スマートデバイスが普及している主な理由は、電話機能と共に写真・動画撮影、ドキュメント作成・閲覧、インターネット、ゲームなどの多くのサービスが1台の端末で利用できるからだ。今も、毎年新しいモデルが発売され、機能が追加されると同時にゲーム機としてのアイデンティティがより本格的・魅力的になってきている。

 ゲーム機と違って、Androidのゲームアプリはロイヤリティーなしで開発できるので、個人のゲームデザイナーや小規模のゲームメーカーは、言うまでもなくスマートデバイスというマーケットを好み続けるだろう。

 ゲーム機の普及率は良いゲームソフトの提供に左右されていると言われている。しかし、今の時代が求めているのはそれだけではない。ハイプロフィット&ローリスクのゲーム開発が1番重要だと考えられている。そういう未来を実現させるには、ゲーム機メーカーが、現在よりも個人の開発者や優れたindies gameを作る小規模のゲームメーカーを支持するべきだと確信している。

 支持、イコールロイヤリティーという妨害を廃止すること。マーケットのさらなる解放で、ゲーム機のデジタルストアでも、スマートデバイスのように、低価格の素晴らしいindies gameが増えていき、それはゲーム機の販売率・普及率にも大きく貢献すると思う。

E3 2013のカンファレンスが示唆したように、マイクロソフトもソニー・コンピュータエンタテインメントもindies gameの存在に注力しているようだ。将来的にはindies gameこそが、ゲーム機の普及を決定すると思いたい

360度でゲームシーンを楽しむべき

 冒頭で主張したように、ゲームには様々なスケールがある。「GTA」や「FINAL FANTASY」のような、1年に1回購入するような大作。無料、もしくは低価格で楽しめるスマートデバイス向けの作品。さらに、ゲーム市場を豊かにする可能性のあるindies gameの存在だ。

 個人的にはindies gameの存在が、大作よりも今の時代を盛り上げるために不可欠だと信じている。E3のソニー・コンピュータエンタテインメントとマイクロソフトのカンファレンスでも、やっぱり独占的に開発されているindies gameの存在は大いにアピールされた。indies gameは安い。遊びやすい。そして多くのケースでは、大作よりも楽しい。

 例を挙げれば切りが無いないが、「FEZ」というindies gameをぜひ遊んでみて欲しい。パズルアクションゲームの過去の名作を愛しているのなら、その優れたゲームデザインに感激することは保証する。低価格で購入した「FEZ」は、世界的に有名な某ヒットシリーズよりずっと面白くて、遊ぶ甲斐があると思っている。

 つまりゲームは、制作費の高いものが面白いというものではない。CGだらけのハリウッドSF映画が1番面白いわけではないと言うのとまったく同じだ。あくまでも楽しい時間を過ごすためのものだ。ボリュームや派手さは一切関係ない。だからこそ、indies gameという貴重な存在を今後もっと支えて行くべきだと思っている。

 ゲームの価格というテーマを軸に、様々な憶測や提案をしてみた。「スマートデバイスは本物の携帯ゲーム機になりえない!」、「ゲームは最初だけお金を払って安心してプレイするべき!」、「無料という響きは怪しい!」、「1人のゲームデザイナーによるゲームは大作に敵うはずがない!」というようなことを嘆くユーザーは、これからも確実にいるはずだ。

 しかしゲームという遊びは、元々シンプルなルールで、シンプルな操作方法で生まれたことを絶対に忘れてはダメだと思う。ゲームの根源を重んじるなら、スマートデバイスで遊べるアプリは本来のゲームの形に1番近い存在と言える。

 面白さには沢山の顔があると思うほうがお得だと思う。本当に面白いゲームは、1つの特定のゲーム機ではなく、無料のブラウザゲームという形で生まれることがあれば、誰も知らないような個人のゲームデザイナーがアップロードしたスマートデバイス用のアプリとして現われることもある。

 ゲーマーとして大事なのは、視野を狭めないことだ。これまで意識していなかった、あるいは偏見で試していなかったゲーム機や端末で、あなたのずっと待ち望んでいたゲームが実現しているのかもしれない。それこそが、楽しいゲームライフを過ごすための秘訣だと思う。