「マフィア III」大暴れ連載 奏でろ! 復讐のブルース
「マフィア III」大暴れ連載 奏でろ! 復讐のブルース
連載第1回:リンカーンに幸せは来るのか? 名曲に彩られた復讐の始まり!
2016年10月28日 12:00
いよいよ今回から、俺の連載“「マフィア III」大暴れ連載 奏でろ! 復讐のブルース”が本格スタートする。前回は体験会のレポートをお伝えしたが、今回から製品版をプレイし、俺が気に入った様々なところを語っていこうと思う。
本格的にプレイしていく中で、俺はこのゲームが改めて好きになった。まず“曲”がいい。「マフィアIII」は1968年のニューボルドーという架空の都市を舞台としているが、この都市のモデルになったのが、ジャズ発祥の街ニューオリンズなんだ。このためか本作では、ジャズや60~70年代の名曲がゲームを彩る。
そしてやっぱり、リンカーンが気に入った。彼はパワフルで残酷で、恐ろしいやつなんだが、すごくかわいそうなやつでもある。俺はプレイしていてすっかり彼に感情移入しちまった。もう1人、ドノヴァンも面白いやつだ。今回は改めて本格的にゲームに触れた感触を語ろう。「マフィア III」は楽しいゲームだぜ。
古ぼけた写真のような淡いビジュアルと楽曲の使い方に改めて戦慄!
「マフィアIII」のビジュアルは1968年と40年以上昔の時代ということもあるのだろうか、単にリアルな描写、というよりは古ぼけた写真のような、どこか絵画のような淡い色合いが強調されている印象を受けた。また、人が多いエリアではあまり感じないが、少し離れた場所まで車を走らせると、ひと気のない草原も多くあり、アメリカの郊外の雰囲気が色濃く出ているように感じられた。
オープニングにはニューボルドーの紹介VTRが流される。ニューボルドーの華やかさや、観光地の魅力などをアピールするどこにでもありそうな街の紹介VTRなのだが、映像の合間にリンカーンの事件についての証言の映像が映し出される。観光地用の明るいアナウンスなのに、リンカーンの事件が明るみに出た時の世間の衝撃や、被害の甚大さ、その残虐性の説明などが挿入され、華やかな街の陰で起こった悲惨な現実を見せつけられるという皮肉な演出がなされているんだ。
「マフィアIII」は実に効果的に楽曲が使われている。ゲーム内での使われ方がすごく良くて、俺自身とっさに曲名は出てこなかったんだが、確かに聞いたことがある曲だったんだよ。俺はどうしても使われてる曲が知りたくて、色々調べた。オープニング映像に合わせてバックにかけられるBGMはSam & Daveの「Hold On! I'm Comin'」だ。聴き馴染みのある明るいトーンの楽曲が逆に現実の深刻さを浮き彫りにする演出となっており、映像と音楽が不思議な調和を成り立たせているのがいい。
また、チュートリアルのクライマックスにして最大の見せ場ともいえるサル・マルカーノの裏切りのシーンでかかる楽曲は、The Rolling Stonesの「Paint It Black」だ。リズミカルな楽曲をBGMに断片的に残虐的な殺戮シーンをフラッシュバックで展開する演出は強烈すぎて、俺はすっかり、楽曲を聴くだけで映像が頭に浮かぶ様になっちまった。効果的に使われる楽曲はチェックするほどこのゲームは楽しくなるぜ。
小粋な仕掛けもたくさんある「マフィアIII」だが、ストーリーそのものはシリアス一色だ。リンカーンが昔馴染みの仲間は既におらず、街の至るところに敵がいるような状況でミッションを進めるため、キャラクター達もあまり冗談のようなやりとりもなく、ヒリヒリするような雰囲気の中で話が進行していく。このため雰囲気は抜群なのだが、やっぱりちょっと息苦しさも感じてしまった。
そんな中で、ミッション開始時から登場してリンカーンを手助けしてくれる最初の協力者、ジョン・ドノヴァンの存在は非常にありがたかったな。ドノヴァンはオープニングの裁判シーンでもリンカーンに対して常に擁護する発言をしてくれているし、本編中でも常に協力的だ。彼は復讐をしようとするリンカーンを、CIA仕込みの情報収集で助けてくれる。そしてドノヴァンは会話も常に冗談混じりなので、この緊張感が強い物語の清涼剤となってくれる。今のところこのドノヴァンはお気に入りのキャラクターなんだが、CIAだけに、後で裏切りそうな予感もあって、ちょっと怖いな。
俺は体験会と今回で、オープニングシーンを2回プレイした。改めてプレイすることで、俺は1つの“決心”をした。それは「必要以上の人殺しはしない」ということ。もちろん、目的のため敵の排除は躊躇しないし、敵が撃ってきたら徹底的にやるが、選択肢がある部分、敵を殺すか、助けて部下にするか選べる場合は、殺さずに生かし、他の協力者たちとも分け隔てなく接して、誰1人欠けることなく最後までプレイすることにしたんだ。どうしてこんなことをしようと思ったのか? それは「ゲームのラストでリンカーンの笑顔が見たい」からだ。
本作のストーリーの中心にあるのは、リンカーンのサル・マルカーノに対する復讐だ。この復讐劇については、おそらく彼らを生かす選択肢はありえないと考えているし、そこは仕方ない。だが復讐にのみ人生を捧げた結果、主人公が死に至るという物語は数多い。リンカーンが同じように己の死をもって物語の幕を閉じるような展開になるのだけは避けたいと考えたんだ。それではあまりにも悲しすぎる。
現時点でゲームのラストがどんなものになるかはわからないし、俺のこの行動が、リンカーンのラストに影響するかもわからない。しかし、選択肢を提示された場合、必ず生かす方を選べば、リンカーンは救われるんじゃないか、救われて欲しい。俺はそう思ったんだよ。だから3人の幹部もできるだけ全員を生かすようにプレイしていく。全ての協力者たちと円滑な関係が築ければ、最後にリンカーンが笑ってくれるような展開になる気がするんだ。
俺はプレイして、すっかりこのリンカーンがかわいそうになってしまったんだよ。親に捨てられ、施設も潰れ、そんな幼少期を過ごした上に、せっかく親代わりに自分を育ててくれたサミーまでも殺されてしまった。リンカーンの運命は想像しきれないほどに悲しい。リンカーンの行く末がどうなるのかは、今の俺には全くわからない。彼は地獄に向かって突き進んでいるように見える。それでも、できることなら彼を救ってやりたい。破滅を避ける選択肢があるならば、俺はできる限りリンカーンの幸せのために努力していこうと思ってプレイを続けている。
ミッションは取りこぼしなく全て攻略して金を稼げ!
体験会ではかなり苦戦したゲームプレイだが、今回は割とスムーズに話が進められた。特に戦闘のコツとミッションの進め方を把握していたことが大きい。次回はこの戦闘をたっぷり語るので、今回はミッションの進め方について簡単に説明していくぜ。
本作では、リンカーンがニューボルドーを牛耳るサル・マルカーノの縄張りを襲撃し、自分の縄張りにしていくことでメインのストーリーが進行する。広大なニューボルドーはエリアごとに分けられており、各エリアにはそこを仕切るボスが待ち構えている。最終的にこのボスを倒すことでエリア全域を制圧し、次のエリアに進んでいく流れになっている。また、いきなりボスと対決することはできず、ボスに到達するには、エリア内にある稼ぎの拠点を襲撃して、損害を与える必要がある。
ストーリーを進めるにあたって、リンカーンは各エリアで自分に協力してくれる協力者と接触するところからスタートとなる。協力者の中にはオープニングからチュートリアルまでの間に登場したキャラクターが再登場することもある。
例えば最初に挑戦する「デルレイ ホロウ」では、チュートリアルでハイチ人のギャングたちに捕まっていた女性、カサンドラが再登場し、自身がハイチ人たちのリーダーであったことを告げる。これにも驚いたが、個人的には前作「マフィアII」の主人公であるヴィトがその次のミッションという早い段階で、協力者として登場することになったのには驚いたな。
各拠点での稼ぎの内容は様々で、娼婦宿や怪しげなブツの製造所などだ。リンカーンは情報屋からこれら拠点の場所を聞き出して、襲撃を実行する。例えば娼婦宿を襲撃して強制的に働かされている娼婦たちを解放してやったり、稼ぎの元になるブツを燃やしたり、破壊することで、損害を与えることができる。エリアごとに損害額が設定されており、これを達成することでボスとの接触が可能になる。
これまでプレイした感じからいくと、どのエリアにも2つの稼ぎのネタがあり、1つ目の稼ぎのネタを潰すとその稼ぎのネタを担当していた幹部が登場し、こいつを倒した段階でもう1つの稼ぎのネタとエリアを仕切るボスの情報が出てきて、同様に稼ぎのネタを潰してからボスを倒すことでエリア制圧となる。
ミッションを進める上で重要になるのが、各拠点への襲撃だ。狙える拠点は複数発生するが、全ての拠点を無理に襲撃する必要はないのが本作の1番のポイントだからだ。設定された損害額に達しさえすれば、全ての拠点を襲撃しなくても、ストーリーを次に進めることができる。
そのため、マップ上に表示されるミッションの内容をチェックし、楽に落とせそうな拠点を先に襲撃して損害額を稼いで、苦手なミッションをあまりやらずに損害額を達成させてしまう、という方法もとれる。また、指定の損害額を達成した後に他の拠点を襲撃することも可能だが、ストーリーを次に進める際には、襲撃できなくなるので注意が必要だ。
だが、個人的には、ミッションについては、はやる気持ちを抑えて全ての拠点を襲撃してからストーリーを進めることをお勧めしたい。というのも拠点の襲撃は、資金稼ぎに非常に有効だからだ。ミッション的には何の影響もないが、本作では金を使って弾薬を補充したり、車を改造したりと、金の使いどころは多いので、蓄えておいて損はないはずだ。また、本作ではどんなに戦ってもキャラクターは成長しないが、戦闘は慣れの要素も大きいので、今後のミッションを円滑に進められるように、序盤のうちからプレーヤーが経験を積んで成長しておく方がいい。
襲撃に成功した拠点は、協力者たちに任せることで、各協力者たちの稼ぎが増えていく。協力者たちの稼ぎが増えるほど、主人公のパワーアップがアンロックされるようになる。あまり特定の協力者のみに権力を与えると良くないようなので、均等に分配しつつ、少しずつ強化していくのがいいようだ。
なお、各拠点で出現する敵の数には限りがある。そのため、先に敵を一通り片付けてから、のんびりと拠点内を散策して回収可能な金やアイテムを回収するのがスムーズに攻略する糸口になるだろう。
また、所持金についてだが、本作では死んでしまうと所持金が半分になってしまう。そこで、サミーの酒場の焼け跡の地下にある金庫の活用をおススメしたい。ここはリンカーンの所持金を預けておける貯金箱のような役割を持っており、1度貯金したお金は何があっても減らないので、マメに通ってこまめな貯金を心掛けたい。
やっぱり厳しい警察! 奴らへの対処方法は……線路だ!
前回も触れたが、本作における警察はかなり怖い存在だ。特に1度後ろに取りつかれてしまうと、引きはがすのはかなり困難だ。こうなってしまった場合は、とりあえず左右に振ったり、反対車線を走行するなど、パトカー側が操作を誤ってこちらから離れるようにもっていくのが基本だ。ある程度引き離すことができれば、あとは交差点に来るたびに方向を変えて、パトカーがこちらを見失えばこちらのものだ。あとはマップ上の警察の警戒エリアから脱出すれば逃走は完了だ。
本作ではこのように警察の行動がかなりクレバーなため、極力警察とのゴタゴタは避けるのが賢明だ。実際、マップ上には警官やパトカーの動きも逐一表示されているので、警察が見てる前での交通違反はなるべく避けるのが大事だ。特にパトカーがいるような交差点での信号無視や、警官が見てる前での車の盗難はなるべく避けるようにしたい。
また、周囲に警察がいない場合でも、こちらが犯した犯罪を目撃した一般市民が通報してしまう場合もある。こんな時は通報者が電話をかける前に拳で“説得”してやることで、通報をなかったことにできる。通報されたらなるべく早く現場から離れるように逃亡するというのもアリだ。なお車でひき殺したり、銃で撃つなどして阻止した場合にはそれを見た別の目撃者が通報してしまう場合がある点にも注意が必要だ。
そしてもう1つ、とっておきの逃亡方法もあるぜ。やり方は簡単で線路に逃亡することだ。ニューボルドーの街にも何本か貨物列車用の線路が通っている。今回、パトカーからの逃亡時にたまたま線路が確認できたので、ダメ元でそちらに逃げて見たところ、パトカーが線路上に入ることに躊躇し、右往左往していたんだ。その後は、線路の先にある別の道路に移動して難なく逃亡することに成功した。いきなり究極の逃亡方法を発見できたぜ!
ただし線路に立ち入ってこないわけではないので、こちらがもたもたしていると、容赦なく線路に入り込んでくる。また、線路の本数はあまり多くないため、このやり方が活用できる場所が限られる点も要注意だ。だが、本作の警察は1度追いかけてくると非常にしつこいので、街中の線路の場所を覚えておいて、最悪の時はそちらに逃げるという作戦はかなり有効に使えるだろう。
以上、製品版を入手してあらためてオープニングから開始してみた感触や、ストーリーの進め方のコツなどについて語ってみた。正直なところ、まだまだやり込みは足りておらず、早くストーリーを進めていきたい。何しろ本作ではストーリーを進めるほどアンロックされる強化項目も多い。焦ってどんどん進めるのももったいないが、進めないと強化されないという非常にもどかしい気分で日々プレイしているぜ。
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