ゼロから始める「League of Legends」
ゼロから始めるLeague of Legends
第4回:トップレーンの役割とゾーニングのテクニックを学ぶ
(2016/5/4 12:00)
本連載では、第1回でご紹介したゲーム概要の紹介を皮切りに、ミッド(第2回)、ボット(第3回)、トップ(第4回)の各レーンとジャングル(第5回)の特徴をはじめ、簡単な用語解説も含めつつ、よりゲームプレイに踏み込んだ内容について、第5回まで順に説明していく。
各回では実際にチャンピオンを運用した例も盛り込むほか、そのレーンに向いたチャンピオンも紹介する予定。チャンピオンには性能的に向いたレーンがあるので、一例として参考にしていただけたら幸いだ。
なお、内容としては基礎レベルとなる。アップデートやメタ(現実世界における流行)で常に最適解が変遷するアイテムビルドや、特定のチャンピオンの運用には深く言及しない。特に言及がない場合は「サモナーズリフト」を前提として話を進める。
今回は、トップレーンの基本的な動きを解説する。
トップレーンの役割と特徴
マップの上弦に沿う形で行動するトップレーンは、序盤に重要なオブジェクトから遠く、リコールした後に復帰するまでの移動距離も長いため、ファームのためにレーンの滞在時間が長くなる傾向がある。このためトップレーンを担当するチャンピオンは近接攻撃型のチャンピオンが多いが、相手との相性次第では同じソロレーンであるミッドレーンのチャンピオンと位置を交代することもある。これをスワップ(Swap)と呼ぶ。
ミッドレーンでもそうだが、ソロレーンでは相手とのラストヒット差が重要になる。つまりゴールドの差であり、それは後々になって装備の差として表われる。トップレーンのチャンピオンは単独でマルチキルを狙えるような強力なスキルを持っていることが多いので、隙を見せてキルを取られてしまうと、挽回は難しくなる。
ミッドレーンはソロレーンということもありギャンク(強襲)されやすく、またタワー間の距離も長くなるので、マップの視界確保はほかのレーンにも増して重要だ。特に最序盤は、一通り自陣のジャングルでファームを終えたジャングラーの最初のギャンク先として選ばれやすい。
トップレーンはラストヒットを確実に取ることとは別に、ほかのレーンの状況に気を配る必要がある。もちろん自レーンへのギャンクを警戒するという意味合いもあるが、相対する敵チャンピオンの動向にも注意を払いたい。対面のチャンピオンが姿を消した場合、ほかのレーンにギャンクへ向かっている可能性が高いからだ。
こうした状況になった場合の対処はおおよそ2つあり、自分もサモナースペルの「テレポート」や長距離移動が可能なウルトを使って加勢に向かうか、レーンのプッシュをしてタワーを叩くかである。そうした事情もあって、トップレーンを担当するチャンピオンはテレポートを持つことが多い。ただし、テレポートは即時発動するわけではなく、移動が完了するまでに数秒のタイムラグがある。適切なタイミングで飛ばないと、味方と連携できない距離で分断される可能性があり、フォーカスされて逆にキルされる場合もあるので注意したい。この判断には慣れが必要だ。
先述の通り、トップレーンはタワー以外に中盤までのめぼしいオブジェクトがないので、中盤まではレーン自体がゲームから分断される展開になることも多い。場合によっては中盤以降、対面から相手のチャンピオンがほかのレーンに移動しても、ひたすらトップだけをプッシュし続けてプレッシャーをかける戦術もある。
この状態を放っておくといずれインヒビターまで到達されてしまうので、相手チームはオブジェクトを取らせてまで取った数の有利を捨てて、トップレーナーの対処に向かう必要が出てくる。ただし集団戦が起こりそうな場合は、きちんとチームに合流した方が良い。
相手を寄せ付けずミニオンのウェーブを管理する「ゾーニング」
ところで、「LoL」では、タワーの射程範囲内でチャンピオンがチャンピオンを攻撃した場合、タワーは攻撃した側のチャンピオンが射程範囲から出るまでチャンピオンを優先して攻撃するようになる。
レーンの前線をプッシュすると、敵のタワーを削りやすくなる一方、ギャンクを受けた際に、近場の安全地帯と言えるタワーの射程範囲内まで逃げる距離が増え、途中で捕まってキルを取られる可能性が高くなる。特に相手のチャンピオンと自分のチャンピオンの相性が悪い場合は、これを逆手に取って自陣側のタワーの射程距離ぎりぎりまでミニオンのウェーブを引きつけ、安全にファームを行なう作戦がある。
これを発展させた戦術が「ゾーニング」である。ゾーニングとは、相手のチャンピオンにハラスを仕掛けてHPを減らすことでキルをされるリスクを上げ、ラストヒットの取得を妨害すること。要するに自分だけがファームをし、相手にファームさせないことを指す。
また、多くの場合は自陣のタワー近くでファームを行なうため、下手にハラスを仕掛けることもできず文字通り「相手のファームを指を加えて見ているだけ」の状態を作ることができる。この状況が長く続くと、レベルと取得ゴールドの両方に取り返しのつかない差ができる。もし、相手が諦めてほかのレーンに移動した場合は、遠慮なくプッシュをしてタワーを叩けばよい。
ゾーニングをする際に重要なのは、ハラスをきちんと当てること。相手のリスクを高めることである。もちろん、スキルやチャンピオンの性質によってはゾーニングできない場合も多々あるので、相手との相性を見極めて判断したい。
リバーの視界を取る干渉不能のワード「Rift Scuttler」
マップの中央を流れるリバーは、両チームのジャングルを分断する一応の境界線である。リバーの脇には「ドラゴン」と「バロン」がおり、ワンゲームを通して視界を取ることが重要になるポイントである。
リバーのトップ側とボット側には、自分からは攻撃をしかけてこないRift Scuttler(通称カニ)という中立モンスターがポップする。Rift Scuttlerを倒すと、トップ側はバロン前に、ボット側はドラゴン前にそれぞれ倒したチーム側の視界ができ、数分間持続する。この視界自体は「ステルスワード」や「ビジョンワード」などのアイテムと同じだが、性質が異なる。
Rift Scuttlerの視界の中心には、ワードと同じようにRift Scuttlerの触覚が見えるが、この触覚はワードのように攻撃して除去することはできない。また、チャンピオンが円形の視界の範囲に入ると、ごく短時間移動速度が向上するバフが得られる。
つまり、短時間ではあるが「壊されないワード」がオブジェクトの前に出現するというメリットが得られるのである。これはレーン間でギャンクを仕掛ける際、ギャンクする側がリバーを迂回せざるを得なくなることを意味する。倒せるチャンスがあれば、倒しておいて損はない中立モンスターである。ただし、ワードとは異なり、テレポートの目標地点として指定できないことは覚えておこう。
トップレーンチャンピオンの一例
トップレーンのチャンピオンは、火力を出しつつ矢面に立つタイプが多い。集団戦では敵のキャリーを真っ先に狩る役回りになることもよくある。立ち回り方によってはADCを超えるキャリーになる可能性を秘めており、育てがいがある。一方で、相性による有利不利が激しいため、得意なトップチャンピオンを最低でも3人は持っておくといいだろう。