ゼロから始める「League of Legends」
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第3回:ボットレーンの基本、ドラゴンと集団戦を学ぶ
(2016/4/29 12:00)
前回は、ミッドレーンの立ち回りとチャンピオンのリソース管理、レーニングについて簡単に説明した。今回はボットレーンについて解説したい。
本連載では第1回でご紹介したゲームの基本構造の解説を皮切りに、ミッド(第2回)、ボット(第3回)、トップ(第4回)の各レーンとジャングル(第5回)の特徴をはじめ、簡単な用語解説も含めつつ、よりゲームプレイに踏み込んだ内容について、第5回まで順に説明していく。
各回では実際にチャンピオンを運用した例も盛り込むほか、そのレーンに向いたチャンピオンも紹介する予定。チャンピオンには性能的に向いたレーンがあるので、一例として参考にしていただけたら幸いだ。
なお、内容としては基礎レベルとなる。アップデートやメタ(現実世界における流行)で常に最適解が変遷するアイテムビルドや、特定のチャンピオンの運用には深く言及しない。特に言及がない場合は「サモナーズリフト」を前提として話を進める。
2対2のボットレーンとドラゴン討伐
マップの下弦部を走るボットレーンには、公式にはマークスマンと呼んでいるADC(Attack Damage Carry)とサポートの2人が向かうのが一般的だ。ちなみに「Attack Damage Carry」のCarryとは一般的に「チームを勝利へ導く(運ぶ)者」という意味で浸透している。
特別な狙いがある場合は1人を別の場所へ送って残りの1人で担当することもあるが、普通は2人で担当することが多い。二人一組で戦うレーンとなることから、デュオレーン(Duo Lane)と呼ばれることもある。
なぜ似たような構造をしているトップではなく、ボットに2人配置する理由は、序盤から中盤にかけて、タワーに次いで重要なオブジェクトとなるドラゴンに近いことによる。ドラゴンは一度倒す毎に異なる効果の永続バフ(強化効果)がかかり、4回まで別の効果が新たに付与される。具体的には、チャンピオン自身の火力を底上げするほか、タワーやインヒビターへのダメージ向上、モンスターへのダメージ向上、タワーからのダメージ減少の順でかかる。なお5回目に倒した時は、それまで得た効果が2倍になる(5回目のみ一定時間で元の倍率に戻る)。
ドラゴンバフはドラゴン討伐時にチャンピオンが死亡していてもかかるうえ、後々になってオブジェクトを取る際に大きく有利に働く効果が多いことから、チャンスがあれば序盤から積極的にドラゴンを狙うケースは多い。地理的に近いボットレーンが勝つことで、ドラゴンがぐっと取りやすくなる。
ボットレーンの役割と動き
ボットレーンはADCの育成と、ドラゴンの監視が序盤の仕事である。ADCは倒されないように育つこと、サポートは視界の確保とマップの監視、そしてADCの保護。もちろん自分が捕まって倒されてもダメなので、サポートはやることが多く忙しい。
デュオレーンを戦う上で重要なのは、相方と足並みを揃えることである。序盤、ADCはひたすらラストヒットを取ってゴールドを稼ぐことが重要であるが、相手もハラス(攻撃を仕掛ける行為)やCC(行動を制限するスキル)、ギャンク(奇襲攻撃)を仕掛けてくるので、これを上手くかわしつつ、逆に味方とのギャンクでチャンスがあれば、キルを狙っていく。ラストヒットを重ねてゴールドを稼ぐことを「ファーム」(Farm)という。
ADCは中盤から終盤にかけて火力を出す役割なので、防御力の上がるアイテムを買うことはあまりなく、そのため集中的に狙われるとあっけなく倒されてしまう。サポートはADCができるだけ安全にファームできるように、ADCの行動を先読みして立ち回るのが基本となるため、ADCも練習しておくと次に何をすればいいかが判断しやすい。
特に序盤のボットレーンは「二人一組」で行動することが基本。サポート向きのチャンピオンには一時的に体力を水増しするシールドスキルや体力回復スキル、相手の行動を阻害するCCスキルを持っているチャンピオンが多いのだが、味方のスキル範囲外でCCを受けて畳み掛けられたり、視界を取っておらずギャンクされるとフォローしきれなくなる。片方がリコールしている間は無理にファームやプッシュをせず、常に互いの距離感には注意しておきたい。ミニオンウェーブの状況をよく見て、ミニオンを盾にするように動くと敵に捕まりにくい。
また、相方がスタンなどのCCを受けて捕まり集中攻撃を受けてしまって、助けられそうにない場合は、自分だけでも助かる判断は必要となる。やってしまいがちなのは、無理に助けようとして、自分までキルされてしまうこと。明らかに無理な時は一目散に逃げた方がマシなのである。
中盤以降のADCとサポート、集団戦の発生
ゲーム中盤からは、レーン間でチャンピオンの移動が増え、チャンピオンごとの担当レーンが消失する。これはギャンクを仕掛けてキルを取ることのほかに、一時的な数的優位を得てレーンをプッシュし、タワーを折るために必要な動きとなる。
中盤以降は両チームの複数のチャンピオンが絡む集団戦も発生し始めるので、ADCは敵チャンピオンのキルに関わるダメージソースとなり、殺されずに敵を撃ち続けられる場所への位置取りが求められる。逆に言えば、相手のADCを早めに処理できれば、集団戦を有利に進められるということでもある。敵は最優先でADCのタマを取るべく突進してくるのでがんばって生き残ろう。
中盤からのサポートについては、要所要所の視界確保は相変わらず必要なのだが、集団戦におけるキャリー(ADCやミッドチャンプ)の保護も重要な仕事となる。ダメージソースとなるキャリーを守る行動のことを「ピール」(“皮”を意味するPeelの動詞型“剥ぐ”から転じて、後衛にまとわりつく敵のアタッカーを引き剥がすこと)という。
この集団戦は「LoL」の華であり、プロチームの試合でも盛り上がる場面である。ワンゲームにつき複数回起こるのが普通。チームワークの見せどころである。
集団戦は多くの場合、どちらかのチームのチャンピオンがCCに捕まったり、キャリーが敵に絡まれたり、様子見の遠距離スキルの応酬で、体力が減ったところを畳み掛けられたりといったことによって発生する。当然、開始時に人数の多い方が有利だ。
集団戦の勝敗は、最終的に生き残ったチャンピオンの多い方が勝ちと見てよい。チャンピオンキルの分、チーム全体に入るゴールドの量が多いからである。敵を殲滅できればチームに5キル分のゴールドが入るのは大きい。
手に入るゴールドが多ければアイテムビルドを完成させるのが早まるので、次の戦闘をより有利な状態で初められることから、終盤になると趨勢が片方に傾きやすくなる。これは序盤から中盤までの積み重ねなので、序盤こそ慎重に行動することが勝利への近道だ。
ボットレーンチャンピオンの一例
ADC向けのチャンピオンは性能的に尖っているので、基本的にはADCでがっつり稼いだ方が本来の性能が出しやすいが、中には瞬間移動(ブリンク)スキルなどを持ちソロレーンやジャングルを担当できるものもいる。一方、サポートは火力を出して押すのか、ハラスを重視するのか、前線を下げてファームに専念するのかなど、目指す方向性によって比較的担当できるチャンピオンの幅が広い。火力重視でミッド向けチャンピオンが就くことも多い。