【連載第51回】韓国最新オンラインゲームレポート

NHN、「Continent of the Ninth(C9)」第1次CBTレポート
今年要注目ジャンルはアクションRPG! その最右翼がこれだ!!

3月3日~17日第1次クローズドβテスト実施




 韓国NHNは自社のゲームポータルサイト「Hangame」において、「Continent of the Ninth」(以下、C9)の第1次クローズドβテストを3月3日から17日まで実施した。

 「C9」は、現在日本でクローズドβテストが展開されている「R2 -Reign of Revolution」のデベロッパーであるNHN GAMESが開発したオンラインアクションRPGだ。街を基点に各ステージにチャレンジして、爽快にモンスターを狩っていくというゲームシステムだ。コマンド入力で発動するスキルや、回避、反撃など、ダイナミックなアクション性をウリにしている。今後のサービススケジュール、ビジネスモデル共に未定だ。

 本作はNHNが1月22日に実施した「HANGAME INVITATIONAL 2009」で登場するゲームの中から初めて展開されるゲームだ。また、本作のアクションRPGというジャンル自体が今年は非常に盛り上がっており、「マビノギ英雄伝」や「Tera」など大作が登場予定で、正しく今年の韓国最新オンラインゲームを占う1作となっている。



■ 4つの難易度が用意された9つのステージが登場するMO型アクションRPG

「C9」の全体マップ。実装されたステージは全体の3分の1ぐらいのようだ

 「C9」は、オリジナルのファンタジーの世界観を持ち、街では主にプレーヤー同士が交流を行ない、街から出撃する各ステージは、すべてインスタンス方式のMO型になっている。街でパーティー構成や補給を済ませて、様々なステージを駆け回るというのがこのゲームの基本的な流れとなる。

 ゲームを始めるとまずはじめにプレーヤーはチュートリアル専用の街からスタートする。基本的な操作を別ウィンドウで見ながら、NPCからボスモンスター狩りのクエストを貰って基本的な戦闘を学べるステージへと移動する。

 チュートリアルを終えると最初の拠点となる「ウォーターフォード街」に移動する。海が広がる港街で、街の真ん中には船の形をした商店が置かれている。そして、街の外に移動するポータルが2つ置かれており、このポータルを通じて各ステージへ移動することができる。第1次クローズドβテストでは「ウォーターフォード街」と「ゴブリン地下祭壇」、「インプの森」など、9つのステージが用意されていた。

 ステージは、野外フィールドもしくはダンジョンのマップで、数か所に門番モンスターが用意されている。門番モンスターを倒すと次のエリアへ進むことができ、最終的にはボスモンスターに辿り着くというアクションRPGではお馴染みのステージ構成だ。

 各ステージは「ノーマル」、「ハード」、「エキスパート」、「マスター」と4つの難易度に分かれている。難易度によって、スタート地点やモンスターの配置が異なり、モンスターのステータスやドロップアイテムのグレード上がっていく仕組みだ。

 「ハード」までは1人でもクリアできたが、「エキスパート」以降は1人では無理だった。モンスターのステータスが上がり、その数も増えてくる。さらに攻撃や回避パターンが賢くなり、1人ではとても太刀打ちできなかった。

 「エキスパート」以降はパーティプレイが望まれる難易度となっている。しかしながら、今回のβテストで実装された職業は「ファイター」と「ハンター」の2種類のみだったため、なかなか連携プレイを楽しむところまでプレイが達することは難しかった。高難易度になるほど良いアイテムがドロップするため、街ではパーティーで「エキスパート」や「マスター」に挑戦するメンバーを募集するチャットで賑やかだった。

 


チュートリアルは、ダイアログによるテキスト解説が中心。実際のプレイとほぼ変わらない流れとなっている
「エキスパート」以上を1人でクリアするにはかなりのレベルが必要だ。レベル1用のビギナー向けステージ「ゴブリンの森」の「エキスパート」はレベル7でようやくクリアできた
ボスモンスターが待ち構えるエリアの前にはHPを回復するオブジェクトが用意されている


■ ダイナミックなアクション性と操作のバリエーションが抜群!!

戦闘中レベルがアップされると周りのモンスターにダメージを与えて飛ばす

 本作の最大のウリは爽快なアクション性にある。剣一振りで射程内の全ての敵に攻撃を当てることができるシステムで、基本的なコンボ攻撃だけで4連打することができる。前方に敵が固まっていれば一網打尽にすることも可能だ。日本では「真・三國無双」シリーズをはじめ、この手のアクション性を備えたゲームは無数に存在するが、韓国のオンラインゲームではまだまだ珍しい。攻め続けるプレイを楽しめる作品だ。

 

 操作方法は、WASDキーで移動、マウスで攻撃の照準を合わせ、マウスボタンで攻撃となっている。特殊なアクションとしては、スペースキーでジャンプ、同じ移動キーを2回連打することで、その方向へ前転できるなどがある。不利な状況から回避や反撃に転じたり、攻撃をつなぎ続けるなど、非常にダイナミックな戦いが楽しめた。

 

 また「コマンドアクション」と呼ばれるスキルも注目したい。本作では別段の操作コマンドを入力することによって発動されるスキルがある。例えば「テクニカルダウンアクション」というスキルは、プレーヤーが倒れたときに方向キーを押すとその方向へ転がりながら立ち上がることができるスキルだ。ほかにも攻撃を受けるときマウスの右と左ボタンを同時に押すと敵を遠くに飛ばす「インベイドアタック」、弓を使用する際にマウスの左ボタンを押し続くとチャージされて強力な弓を打つことができる「チャージアロー」などがある。

 筆者がプレイした「ハンター」の場合、接近で4連打の後、弓を打つマウスの右ボタンを押すと自動的に「チャージーアロー」が発動される隠しコマンドも存在した。モンスターたちから囲まれるようだったら前後左右に転がりながら、モンスターを前方に集め「チャージーアロー」のコンボ技を入れていく戦法は「真・三国無双 Online」に近いプレイ感覚で爽快だった。レベルが上がるほど操作のバリエーションが豊富となるため、ダイナミックで爽快なアクションを楽しめた。


トレーナーからスキルを覚える際は、事前にスキルの発動映像やコマンドなどを確認できる
マップ中にあるボックスやバレルを破壊すると、ポーションなどの消費アイテムがドロップされる
多数のモンスターを爽快に攻撃していく。レベルが上がるほど繊細なコントロールが必要された


■ 弓使い「ハンター」は実は接近戦が強い?! 今後はメインシナリオの実装に期待

 第1次クローズドβテストでは、レベル上限は25までに制限され、「ファイター」、「ハンター」と2つの職業が実装された。「ファイター」は剣とシールドを使用する職業で、「ハンター」は短剣と弓を使用する職業だ。

 各職業はレベル10になると転職できる。「ファイター」は「エリートファイター」、「ハンター」は「エリートハンター」に1次転職できる。1次転職では使えるスキルが増えるだけで、その他の職業や2次転職は今後実装される見込みだ。予定では「ウィッチブレード」、「メイジ」、「オーク」という職業が登場し、レベル20から細かい職業を選択する2次転職ができるという。

 筆者が今回特にプレイした「ハンター」は、一般的には弓を使用する遠距離攻撃が得意なイメージだが、本作では接近戦の方が強い職業になっていた。接近戦で短剣を使用すると攻撃力は弓より高く攻撃速度も速い。さらに弓はモンスター1匹にしか命中しないが、短剣は一般攻撃でも多数のモンスターに攻撃できる。またスキルも短剣で突き刺す「バイタルスラスト」などが用意されていた。「バイタルスラスト」はダメージが高く、「ハンター」の接近戦に欠かせないスキルになっていた。

 弓は短剣と一緒に装備してマウスの左クリックで短剣攻撃、マウスの右クリックで弓攻撃を行なう。弓はヒットアンドランや、「チャージーアロー」を獲得して接近攻撃と一緒にコンボを入れる方法で使用されていた。以降の転職を通じて弓の活用に期待したいところだった。

 テンポが良く爽快なコンボ攻撃を実現できた背景には、本作はアクションの基本となる当たり判定が非常に良く作りこまれていることが挙げられる。キャラクタの攻撃モーションに対してラグのような空振りやリーチの誤差などが全く感じられない。当たり判定が大変明確なため、ストレス無くゲーム環境を楽しむことができた。

 アクション性が高くゲームプレイが楽しい本作だが、残念なのはストーリーが存在しないことだ。今回のテストでは、ストーリーの筋となるシナリオに関するクエストや文言が無いため、プレーヤーのキャラクタは何のためにこのゲームをプレイし、何を目指していくのか全くわからなかった。このゲームをプレイする動機づけが欲しいところだ。

 何れにしてもゲームのアクション性は確かで爽快なアクションを好むユーザーなら十分楽しめる作品だった。今後のテストでシナリオが肉付けされていくことに期待したいところだ。

ボスモンスターは後ろに倒されないときもある。攻撃パターンを読んで対応することが大事だ
ボスモンスターを倒すと報酬ボックスがオープンされる。難易度が高いほどいいものがドロップされる
弓は攻撃後の再装填に時間が掛かるため、複数の敵と対峙する場合は短剣による接近攻撃の方が戦いやすかった

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(2009年 4月 2日)

[Reported by 三浦尋一]