コーラス大柳の「ためにならないインディゲームレポート」
東京ゲームショウインディゲームコーナー今年の注目タイトルは?
「ドラゴンファングZ」、「修羅道」など選りすぐりのインディタイトルをご紹介
2017年9月25日 11:54
ご無沙汰をしております。コーラス・ワールドワイドの大柳であります。ことしも弊社は9月21日から24日に開催されている「東京ゲームショウ2017(以下TGS2017」インディゲームコーナーにて、おかげさまで4回目の出展を行なうことができました。
9ホール名物・インディゲームコーナーでは国内外から多数のタイトルが出展されています。国内外から個人もしくは小規模〜メジャーなスタジオが、TGSという有数のゲームイベントを新作お披露目の機会として参加してきます。そこには様々なジャンルのゲームがあり、定番やお約束という枠にとらわれない様々な意欲作を試遊することが可能です。
今年の出展タイトルの傾向としては、特に5月に開催されたTokyo Indie FestやA 5th of BitSummit、あるいは1月に開催された台北ゲームショウなどから継続して出展しているケースが多いな、という印象です。インディ系イベントに通いつめているマニアな人にとっては「新鮮味」に欠けるラインナップかもしれませんが、より熟成を重ねて完成に近づいた、あるいは遂に発売に漕ぎ着けたタイトルが揃っていると考えれば、インディゲームにあまりなじみのないゲームファンを含めた様々な来場者が一堂に集まるTGSは格好のお披露目機会と言えるでしょう。
さて、自分のブースの番をするかたわら、会場内をぐるぐるまわってみて個人的に気になった以下の3タイトルをご紹介します。独断と偏見が入っていることをあらかじめおことわりしておきます。
「ドラゴンファングZ ~勇者ロゼと宿り木の迷宮~」(Nintendo Switch)
トイディアの「ドラゴンファングZ」は、同社がiOS/Andorid用にリリースしているローグライクゲーム「ドラゴンファング」をベースに完全スタンドアロン化させた外伝的作品です。ダンジョンの奥深くに潜って無事生還する本ジャンルならではの中毒性と、いつでも手軽にプレイできるSwitchとの相性はなかなか破壊的。Joy-Con操作でプレイはオリジナル版よりも快適です。
本作おすすめの理由は、何と言っても「安心感」。ローグライクゲームを熟知している人たちによって、ていねいに作りあげておりインディゲームにありがちな仕様の粗っぽさをプレイした限りではほとんど感じさせません。「風来のシレン」シリーズなど往年の名ローグライクゲーム作品にハマった!という方に極めておすすめできるゲームです。
また、オリジナル版とは異なりゲーム内に課金要素などはありません。ゲーム本編だけですべてが完結しており、これもまた今時のモバイルゲーム事情に慣らされたゲームファンにとってはうれしい要素といえます。ゲームは10月末ごろ発売予定。
「修羅道(SHURADO)」(iOS, Andorid)
こちらも国内メーカーから。福岡に拠点をもつガンバリオンの自社パブリッシングタイトル第2弾としてこのTGSで発表された「修羅道」はUnreal Engineで制作されたアクションゲームです。
内容としてはいわゆる剣戟アクションで、攻撃と防御を使い分け1対1で敵と戦う内容・・・というとEpic Gamesの「Infinity Blade」シリーズを彷彿とさせますが、戦闘時の操作に差違があるためプレイ感覚はかなり異なります。画面左右をタップでゲームを進めていくため、どちらかというと本作の方がわかりやすい操作形態です。出展されているゲームの開発進捗度は66%で完成までに様々な要素の追加と作り込みがおこなわれる模様です。
本作のおすすめポイントは何と言ってもモバイルゲームとは思えないビジュアルの良さ。また、敵味方が身につける甲冑は和風テイストで、侍+剣道防具という感じでこちらもカッコよく特徴的です。まだまだ開発なかばということで、戦闘の合間にはさまれる移動シーンなどはあまりやることがなく、これから改善が施されるとのこと。
開発途中版と完成版はえてして別物に近いゲーム進化していることが多いのでリリースがいまから楽しみです。なお、ガンバリオンの発表によると、ゲーム本編は無料で一部有料アイテムが用意されているとのこと。
「Kingdom Two Crowns」(Nintendo Switch)
最後に個人的に大好きな「Kingdom New Lands」のアップデート版「Two Crowns」を紹介します。なんとSwitchの実機で遊ぶことができました。現行バージョンの「New Lands」はすでにeShopで配信中(1,690円、PC、モバイル版も配信中)なので本作に興味のある方はすぐに入手することが可能です。
プレイヤーは王(もしくは王女)となり、自ら馬を駆り新たな土地を切り開き領地を広げつつ、ポータルから現れる謎の敵から領地と領民を守る、大変珍しい横スクロールのストラテジーゲームです。「Two Crowns」は、この副題を見ればピンとくるかもしれませんが、画面分割による2人までの協力プレイをサポートしています。
また新しいシナリオや領民の職業、テックレベルなどが用意されることで、本作のファンならば期待して良い要素が多数盛り込まれるようです。こちらブースでは具体的なリリース日などは告知されていませんが、WEBサイトによると2018年リリース予定。
「Kingdom」のゲーム自体はすでにPCやモバイルなど多数のプラットフォームで提供されており、本作に関してはiPad Proなどのタブレット機との相性が良好なため、あえてSwitch版を選択する必要はないものの、幻想的とも言えるピクセルアートと素晴らしいサウンドで、決して簡単ではない領地の開拓・防衛を楽しめる絶妙なゲーム内容をお気に入りのデバイスで楽しめるのは良いことです。
このゲームはプレイしはじめると恐ろしいほどの中毒性を持っており、秋の夜長にプレイするゲームとしてはうってつけです。(寝不足になること疑いなしですが……)
いかがでしたでしょうか。自分でも偏りまくったラインナップだなと思います。会場にはメディアのアワード候補に選ばれるような大作・秀作が数多く展示されているのですが、今回、短い試遊時間でゲームの持っている面白さをすぐに体感できそうなタイトルを異なるジャンルごとに選んでみました。
ちなみに弊社では今年「No Heroes Here (ノー・ヒーローズ・ヒア)」という、2D協力プレイアクションゲームを出展しており、過去例を見ないほど試遊いただいたプレイヤーから高い評価(当社比)をいただいており、正直驚いているのですが、このゲームの話はまた別の機会にぜひ。