使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第324回
「PS Vita(PCH-2000)」をカバーで守る!
「ポリカーボネート」、「TPU」、「シリコン」の本体保護カバーを試してみた
(2013/10/22 17:04)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
今回は、「PS Vita(PCH-2000)」こと、PS Vita 2000の本体を保護するケース・カバーグッズをまとめてチェックしてみた。定番の「ポリカーボネートケース」、ポリウレタン素材の「TPUケース」、柔らかく全体を包む「シリコンカバー」を、製品ごとに実際に使って試してみた。
【今週のおしながき】
- PS Vita HORI「プロテクトフレーム for PlayStation Vita」
- PS Vita HORI「プロテクトケース for PlayStation Vita」
- PS Vita サイバーガジェット「CYBER・プロテクトケース(PS Vita2000用)」
堅いプラチックで本体を保護する“ポリカーボネートケース”
- メーカー:
- HORI
- 価格:
- 980円
- プレイステーションオフィシャルライセンス商品
- 「プロテクトケース for PlayStation Vita」
- メーカー:
- HORI
- 価格:
- 1,200円
- プレイステーションオフィシャルライセンス商品
HORIのPS Vita 2000用のハードケースは、ディスプレイと背面タッチパッドを保護する可動式のフタがついている「全面ガード」タイプと、フタがなく開口されている「外枠ガード」タイプの2種類が発売されている。どちらも素材はプラスチック(ポリカーボネート)で、クリアカラーとなっている。
この2種類のハードケースは基本的な作りは共通しており、前面・背面のフタのあるなし、それに伴う重量と使い勝手が違いとなっている。ケースの厚みはどちらも約2mmと厚めで、重量は「全面ガード」タイプは約62g、「外枠ガード」タイプは約36gとなっている。フタによる重量の違いが結構大きい。
PS Vita 2000本体を装着したままで全てのスロットやボタン・端子類にアクセスできるようになっていて、PS Vitaゲームカードスロットの部分はケースの留め具兼、カードスロットのフタになっている。カードの入れ替え時には、このフタを開いてからということになる。底面には簡易のスタンドになる可動式のフタがついているのだが、このフタにはマイクロUSB端子とイヤフォン端子を使えるよう開口されており、フタをしたままでどちらも使えるようになっている。
「全面ガード」タイプではこれに加え、ディスプレイ部分と背面タッチパッド部分に可動式のフタがついている。上にヒンジがあって180度に開くようになっている。このフタ越しにはタッチ操作はできないので、スリープからの復帰画面のめくり操作をはじめ、PS Vita 2000を使う時には少なくとも前面のフタは開いて利用するようになる。ディスプレイを保護してくれるのはありがたいものの、スリープからの復帰のためだけでもフタを開けなければならないのは、少々手間がかかると感じてしまう。
実際にゲームプレイ等を試してみると、本体とのフィット感は高く、ケースの継ぎ目も滑らか。背面のグリップ用途のくぼみもケースにしっかりと再現されていてホールド感も上々。各所の開口部もしっかり位置が合っている。クオリティの高いハードケースだ。だが、上下のフタや「全面ガード」タイプの前面・背面のフタなど可動パーツが多く、そのためのヒンジが多い事、ケースの厚みが結構あることから、全体的にゴテゴテしている感は否めない。
また、方向キーや○/△/□/×ボタン等の操作では、ケースの厚みがキーやボタンの高さに並ぶぐらいにあるので、だいぶ奥まった感触になってしまっている。広めに開口されているものの、操作する指に開口部のフチが当たってきて、厚みを感じさせるところがあった。
「全面ガード」タイプにある前面・背面のフタはやはり好みが別れるところ。前述のようにスリープから復帰する時のめくりタッチがフタを開けないとできないし、フタを開けている時はディスプレイサイズ・タッチパッドサイズのフタがPS Vitaの上に突き出る。ちょっと大げさな外観になってしまう。
作りのしっかりとしたハードケースで、本体とのフィット感、手に持った時のホールド感や手触りが良いが、気になるのは可動パーツの多さとケースの厚みからくるがっしりし過ぎている外観だろうか。「全面ガード」タイプではタッチ操作(特にスリープ復帰操作)の時にフタを開く必要があるのが、好みの別れるところ。本体をがっちりと保護したい人向けのケースだ。
サイバーガジェットが発売しているプラスチック(ポリカーボネート)素材のPS Vita 2000用のハードケースだ。前面と背面のパーツが上部のヒンジで繋がっている作りで、ケースの厚みは約1.4mm。重量は約25gとなっている。
ケースを装着したままPS Vita 2000本体の全てのスロットやボタン・端子類に触れるようになっていて、ディスプレイ部分は周辺のディスプレイガラス(画面枠)のサイズが開口されている。また、背面のタッチパッド部分も開口されている作りだ。本体上部もヒンジがL/Rボタン脇にあるのみで大きく開口されている。
ケースを開き、PS Vita 2000を挟み込むようにして装着。底面の左右にあるツメでケースが固定される。本体とのフィット感は良く、ガタつきもない。ケースの継ぎ目もキレイに処理されていて、手で持った時の側面の手触りも滑らかだ。ケースの厚みが約1.4mmと、全体にスマートで、軽量なのも嬉しいポイントだ。
実際にゲームプレイ等を試してみると、ほとんどのキーやボタンの操作は快適なのだが、PSボタン・スタートボタン・セレクトボタンの開口部が小さく、少々押しづらかったところが気になった。それらは指先で押し込むような押し方になる。
もう一点気になったのは、L/Rボタンの内側すぐ脇にあるヒンジで、指が長い人では指先がこのヒンジに当たってくる。ヒンジは結構トゲトゲしい感触がする。刺激が気になる人は、少しヤスリなどで角を落とすといいかもしれない。
各所が大きく開口されていて、ケースの厚さも薄め。そのため軽量なケースとなっている。本体とのフィット感、一体感も良好だ。PSボタン・スタートボタン・セレクトボタンが少し押しづらく感じたところと、ヒンジが当たる感触が少し気になったが、全体的に満足度の高いハードケースだ。
ほどよい硬さと弾力性のある“TPUカバー”
TPU(ポリウレタン)素材のカバーでPS Vita 2000本体を保護するカバーだ。このカバーは本体の側面と背面を保護するフレームタイプになっていて、PS Vita2000の前面や背面のタッチパッドは覆わない作りになっている。カバーの厚みは約1.4mmで、重量は約22gとなっている。
側面と背面のみを覆うカバーなので前面は全て空いているので、保護範囲は小さめ。側面と背面のグリップのくぼみ辺りを覆っていて、そのぶん軽量でスマートに扱える作りになっている。側面のスロットやボタン・端子類の箇所は開口されていて、カバーを着けたままで全て触れるようになっている。
装着は、PS Vita本体を枠の中に押し込むだけと手軽。前面のフチのところが盛り上がっていて、角を衝撃から守りつつカバーを固定している。PS Vita本体とのフィット感はおおむね良好。若干、本体上部のフチあたりの、カバーが細くなっている箇所がゆるいのだが、TPU素材は適度に硬いのでたわむようなことがなく、ほとんど気にならない。
手で持ってみると、TPUのキュッと滑りを止めるようなビニール質な感触が適度に吸い付き、ホールド感は良好。カバー側面の切り離し跡もキレイに処理されていて気にならなかった。操作周りも、前面は全て空いているのでそのまま触れているし、L/Rボタンも気になることもなく操作できた。
側面と背面左右を保護するという、いわゆるバンパー型に近い形状のTPUカバーで、保護する範囲は小さいものの、そのぶんスマートに扱える。操作への影響も少なく、本体との一体感も良い。ある程度の保護しつつも、操作性や軽さを重視する人にオススメのカバーだ。
柔らかなシリコンで本体を保護する“シリコンカバー”
アンサーから発売されているPS Vita 2000用のシリコンカバーだ。ディスプレイ画面は画面枠ではなく、描画範囲(液晶画面の範囲)のみを開けている作り。背面のタッチパッドの箇所も開口されていて、タッチ操作を行なえるようにしている。
カバーの厚みは約1.4mm。重量は約31gとなっている。シリコンの硬さは少し硬めで、表面はわずかにサラサラとした感触だ。
このカバーでは、PSボタン・スタートボタン・セレクトボタン・電源ボタン・ボリュームボタン(+/-)の箇所は開口されておらず、カバー越しに押す作りになっている。その他の箇所は開口されていて、カバーを着けたままで本体のスロットやボタン・端子類の箇所に触れる。
実際にカバーを装着してゲームプレイ等を試してみた。まずは本体とカバーのフィット感だが、シリコンそのものも少し硬めなこともあり、たわみが少なく良好だ。手で持った時の手触りもよく、カバーがずれることもない。しっかりとホールドできた。
操作の方も良好で、方向キーや○/△/□/×ボタンまわりの開口部はフチに段差をつける処理が施されており、操作中に指がフチにひっかかることを防止している。カバー越しに押すPSボタン等も、カバー越しなので感触こそ変わるが、しっかりと押せるので、押しづらさは感じなかった。
本体との一体感が良く、操作周りの開口部も薄くするなど工夫もされている。PSボタン等のカバー越しに押すボタンも押しやすかった。大きな不満点がなく、よくできたシリコンカバーだ。
シリコン素材でPS Vita 2000全体を覆うシリコンカバー。ディスプレイ部分は周辺のディスプレイガラス(画面枠)のサイズが開口されていて、背面のタッチパッド部分も開口されている。そのため、かなり開口部分の多い作りだ。カバーの厚みは約1.4mm。重量は約24gとなっている。
カバー表面の手触りはわずかにザラつきがついていて、ツルツルというよりはサラサラとした感触。シリコンの硬さは、少し柔らかめだ。カバーを着けたままで本体のスロットやボタン・端子類の箇所に触れるように開口されている。
実際にPS Vita 2000本体に被せてゲームプレイ等を試してみたが、左右のフィット感は良好なものの、本体の上と下のあたりはカバーが細くなっていることもあり、少々固定が緩く動きがち。わずかにカバー内部に余裕のあるフィット感になっているので、もう少しきつめに本体を覆っていても良かったかもしれない。
手で持ってみると、サラサラとした手触りが気持ちいい。操作はほとんどは快適に行なえるのだが、PSボタン・スタートボタン・セレクトボタンの開口具合はボタンと同じ大きさで、カバーの厚みがあるぶん少し奥になってしまう。押しづらいというほどではないが、カバーごと指を押しつけて押し込むような感じになった。
手触りが心地よく、操作も快適に行なえるシリコンカバーだが、本体とのフィット感に少し緩さを感じたのが気になった。製品によって個体差が多少あるだろうとは思うが、試したものは本体上部のカバーが少したわんで浮くぐらいに緩い部分もあった。とは言っても、操作や使い勝手にはほぼ影響せず、それ以外はほぼ気になるところもない。充分に満足できる作りのシリコンカバーだ。