【連載第289回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


超コンパクト&低価格! HORI「ファイティングスティック mini 3」登場!
PS Vitaや3DS用のユニークな操作性アップグッズを試してみた


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 今回はユニークなグッズを3製品試してみた。まずはHORIから発売されたPS3用スティックコントローラー「ファイティングスティック mini 3」。これは名前のとおり、超コンパクトなサイズがポイント。価格も3,280円と驚きの低価格。実際のゲームプレイでどうなるかが気になるところであり、そのあたりを重視して試してみた。

 このほか、PS Vita用グッズからは、シリコンカバーとグリップが組み合わさった、ゲームテックの「シリコングリップV」を、3DS用グッズではストラップにもなるパーツを3DSに装着して操作性をアップさせるという、リンクスプロダクツの「ドッキングリップD3」を試してみた。

【今週のおしながき】
PS3 HORI「ファイティングスティック mini 3」
PSV ゲームテック「シリコングリップV」
3DS リンクスプロダクツ「ドッキングリップD3」



● “コンパクト&低価格!!”なPS3用スティックコントローラー登場!

「ファイティングスティック mini 3」

    メーカー:HORI
    価格:3,280円
    プレイステーションオフィシャルライセンス商品

 



1レバー8ボタンのスタンダードなアーケードスティックだが、そのサイズは超コンパクト。重量も約419gと軽量だ

 手軽さを重視した、超コンパクト&低価格なアーケードスティック「ファイティングスティック mini 3」が登場した。カラーバリエーションがブラックとバイオレットブルーがあるが、今回はブラックを使ってみた。

 特徴はなんといってもそのコンパクトなサイズ。約210×150×87mm(横幅×奥行き×高さ レバー含む)と、少し大きめなコミック本などにあるいわゆるA5サイズ(148×210mm)ほど。純正ゲームパッドであるDUALSHOCK3の横幅でも約155mm程度なので、表面積的にはDUALSHOCK3よりちょっと大きいぐらいと思ってもらえればいいだろう。

 筐体の高さはスティックレバーを除く土台部分だけだと約32mmと薄く、重量も約419gと驚くほどに軽量だ。ケーブルは約3mと長めになっている。

 そのコンパクトなサイズに、1レバーとメインの8ボタン、さらにスタート、セレクト、PSボタン、そして連射機能用のターボボタンと連射状態を示すランプが搭載されている。連射機能は秒間約20の連射をスティックレバーや○/△/□/×/L1/L2/R1/R2に割り当て可能。ボタンには連射ホールドも設定できる。

 これだけコンパクトな筐体なので、さすがにレバーやボタンは特殊なオリジナルのものが使われている。

 スティックレバーは業務用の三和電子製パーツと比べると、高さやボールの直径ともに約5mm小さくなっている。またボタンも直径が約1.9cmと業務用パーツと比べて約5mm小さくなっている。またボタンについては業務用パーツにあるボタンの枠のパーツもないので、外観としてはより小さい印象を受ける。


DUALSHOCK3と並べてみたが、横幅は多少大きい程度、筐体の厚みにいたってはDUALSHOCK3よりも薄い。まさにミニサイズだ

手を置くとこのような感じに。8ボタンが直径が小さくてボタンの間隔が狭いため、かなり窮屈になる。だが慣れてくると“案外いける”という印象に

 実際にゲームプレイに使ってみた。まずはセッティングだが、なにしろこのコンパクトさと軽さなので、取り回しは楽々。ゲームパッドを手に取るのに近い感覚でひょいっと持てるぐらいだ。プレイを終えてしまっておくのも場所をとらなくて済む。

 続いてゲームプレイ。カプコン「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション2012」やセガ「バーチャファイター5 ファイナルショーダウン」をプレイしてみたが、さすがにこのコンパクトさと特殊サイズのレバー&ボタンなので、各所にクセのある使用感となっている。

 まずスティックレバーの感触だが、簡易のスイッチ式のためか入力後の戻りに多少ぎこちない硬さやひっかかりを感じさせるが、かなりがんばっているという印象。ただ、重量が軽いのでレバーの持ち方によっては簡単に浮いてしまうのがネックで、特に研究所員と同じ「ワイン持ち」の人だと苦労するだろう。「かぶせ」などの上から押さえ込むような持ち方なら良さそうだ。

 ボタンの感触は、押下後の反発感にボテッとした重さがある。また、押下の深さ(ストローク)も浅めでクリック感も薄いので、3ボタン同時押しなどをした時に、押しているつもりだけど1ボタンだけ押せていなかった、という事が何度か起きていた。

 ボタンへの指の置き方だが、ボタンの直径が小さくボタン同士の間隔も狭いため、指の置き方がだいぶ窮屈になってくるのも厳しいところ。「ファイティングスティック mini 3」の8ボタンのレイアウトは、アーケードパーツ使用のスティックコントローラーでの6ボタン分ほどのスペースに収まっている。それもあって、同時押しにミスが出がちになる。

 それでも慣れてくれば、レバー・ボタン操作ともに見た目以上にしっかり扱えるようになっていって、“思っていたよりもずっと使えるなぁ”という印象になった。

 慣れてきてからも残るクリティカルなポイントは、“筐体の持ち上がりやすさ”と、“ボタン間隔の狭さ”で、もう少しだけでも筐体を広くして、ボタン間隔をアーケード準拠に近づけつつ、筐体を手で押さえられるスペースがあったら、もっと扱いやすかったかもしれない。


内部を確認してみた。レバーとボタンはどちらもHORIオリジナルのパーツで、レバーは薄型のスイッチング式、ボタンは基板に直接ハンダ付けされていた。メンテナンスやパーツ交換というのは、さすがに難しい

 さすがに形状と低コストなパーツからのネガティブな意見が多く出てしまったが、スティックレバーとボタンによる操作という“スティックコントローラーを使う最大の理由”そのものは充分に味わえるというところがあり、価格と省スペースな形状から考えると、むしろそれなり以上にちゃんと操作できるという印象。本格的なやり込みのおともに……とはさすがにいかないものの、手軽さを重視した入門用として、スティックレバー&ボタン操作を知るきっかけに良さそうな製品だ。




● PS Vita用シリコンカバーにグリップをプラス!

「シリコングリップV」

    メーカー:ゲームテック
    価格:オープン価格(購入価格:1,365円)

 



アンチダスト加工が施されたシリコンカバーで、方向キーと○/△/□/×ボタンもカバー越しに押す作りになっている

 PS Vita本体を汚れや傷から保護するシリコンカバーに、グリップの役目を果たす膨らみをつけてホールド感を高めたグッズが、この「シリコングリップV」だ。

 なんと言ってもこのシリコンカバーの特徴は、背面にあるグリップの存在。背面タッチパッドの左右脇に大きな膨らみが付いていて、ここを両手の指先でグッと持てるようになっている。グリップの大きさは縦幅約6.5cm×横幅約3cm、厚みはVitaの背面から約1.5cmほどある。

 グリップ部分を含めてシリコンカバー全体にはアンチダスト加工が施されており、サラサラとべたつかない手触り。方向キーと○/△/□/×ボタンにもカバーがあって、シリコン越しに押し込む方式だ。十字ボタンは大きな丸いカバーで、○/△/□/×ボタンは個別に丸い型どりがなされている。

 また、電源ボタン、ボリュームの+/-ボタン、PSボタン、スタートボタンとセレクトボタンもシリコン越しに押す作りになっているが、これらのボタンの箇所は大きめの膨らみがつけてあるので、カバー無しの状態よりも押しやすく工夫されている。特にスタートボタンとセレクトボタンの膨らみによる恩恵は嬉しい。

 このほか、PS Vitaカードスロットはもとより、各種のスロットや端子部分はカバーが開口されていて、カバーをつけたままでアクセスできるようになっている。


一見普通のシリコンカバーだが、背面を見ると両サイドに大きなふくらみが。これがグリップになっている

グリップをグッと握れるので、ホールド力はかなり高まる。PS Vitaの本体幅以上には広がっていないので、ポーチなどの収納グッズも扱いやすいのが嬉しいところだ

 実際に使って試してみた。カバーを装着して手で持ってみると、グリップによるホールド感が良く、かなり持ちやすくなったと感じた。厚みが適度に加わって、グリップに中指や薬指をそえられるので、文字通り「グッ」と握れるようになる。

 操作の面では、やはり方向キーと○/△/□/×ボタンをカバー越しに押すスタイルが好みがわかれるところだ。PS Vitaの○/△/□/×ボタンは直径が小さくトップが高くてクリック感の強い作りで、カバーにもボタンごとに形がつけてあるのでここの感触はいい。だが、方向キーは大きな丸の形状になっていて、斜め方向を触るとカバー内の隙間がだぶついて気になるところがあった。

 また、L/Rボタンの感触も多少気になるところで、カバーに厚みがあるぶん、L/Rボタン脇のカバーのフチが指に当たってくるところがある。方向キー、○/△/□/×ボタン、L/Rボタンと、どれも操作自体は問題なく出来るのだが、その感触にはだいぶ慣れが必要という印象だ。

 一方で、方向キーや○/△/□/×ボタンというと、キーのフチや溝に手垢が付きやすい箇所。このカバーであれば、そうした汚れも防いでくれる。このメリットはコアユーザーであればあるほど魅力的だろう。感触にひとクセ加わるが、防汚性能は秀でているということで、一長一短というところだ。

 カバーとしての作りだが、本体との一体感は高く、開口部の位置もピッタリと合っていてクオリティは高い。厚みがそこそこにあり、前述のように保護範囲も広い。手触りもよく、扱いやすいカバーだ。

 なお、このシリコンカバーグリップは、収納スペースに余裕があるポーチなどなら、このカバーを着けたままでも収納できる。背面側にグリップがついていてPS Vita本体の外には伸びていないため、グリップで増した厚みが入るぶんの余裕があれば併用できる。グリップがあっても外観がおおげさになりすぎず、ポーチ類も選びやすいところは魅力的だ。

 シリコンカバー+グリップというアイデアの光るグッズだが、その効果と組み合わせた結果の良さは好印象。シリコンカバーと本体の一体感の良さに、グリップのホールド感アップが融合していて自然な仕上がりになっている。一方でやはり難しいのはカバー越しに押すスタイルの方向キーと○/△/□/×ボタン。カバー越しにしていることによる良さもあるが、操作感触にクセがあるところは人を選ぶ。保護性能を重視する人向けな製品だ。




● 普段はストラップに、プレイ時に3DSとドッキングする、 ユニークなアタッチメント

「ドッキングリップD3」

    メーカー:リンクスプロダクツ
    価格:オープンプライス(購入価格:1,470円)

 



不思議な見た目のアタッチメント。これはストラップに左右のパーツを組み合わせている状態で、プレイしていない時にはこうしてストラップとして持ち運べるようになっている

 普段はストラップとして3DSにぶらさげておき、ゲームプレイの時にそこから外して3DSの左右にパーツを装着することで、グリップを加え、さらに十字ボタンやA/B/X/Yボタンの操作性も高めるというユニークなアタッチメントグッズ。

 このアタッチメントは普段はストラップ付きのロックパーツに、左右のパーツが組み合わさってひとつになっている。その左右のパーツをロックパーツから外し、3DS下画面側の左右にはめ込むという作りになっている。

 左側のパーツには十字ボタンの上に被さるパーツがあって、操作性を高めてくれる。このパーツは丸く、先端がくぼんでいてというアナログスティック的な形状。中にはバネが仕込まれていて、親指で先端を倒すような押し込み方で操作する。

 右側のパーツには、A/B/X/Yボタンに被さるパーツがあり、こちらもボタンそれぞれの箇所にバネが仕込まれている。3DS本体のボタンよりも直径が大きく、ボタントップも高くなっており、押しやすくしてあるというわけだ。

 これを3DSの左右から挟み込むようにして装着する作りになっていて、L/Rボタンやスライドパッドのフチに沿うようにして組み合わさる。スライドパッドの箇所はパーツの段差が大きくならないようにフチに傾斜をつけて薄くしてあるなど、配慮がなされている。


ストラップからパーツが左右に分離し、3DS本体とドッキング! 十字ボタンとA/B/X/Yボタンに適度な高さを加え、操作性を高めてくれる

十字ボタンの操作性アップ効果が高く、コマンド入力をするようなタイトルに向いているグッズだ。写真では、カプコンの「スーパーストリートファイターIV 3D EDITION」で試している

 実際に使ってみた。まずは着脱だが、これがこのグッズの一番独特というかユニークなところだろう。3DSを閉じているときにはストラップとしてぶら下げていたドロップ型のパーツを取り外し、ガチャッ、ガチャッっと3DS本体に組み合わせる。

 左右のパーツにはL/Rボタンのフチあたりにフックがついていて、ここを持ち上げるようにして取り外す。そして、そのフックを3DS本体のL/Rボタン脇にあるくぼみにひっかけることで固定されるという仕組みだ。3DS本体から外す時も、このフックを持ち上げれば簡単に取り外せる。

 3DSに装着すると、ティアドロップ型だったパーツ形状がグリップの役目を果たしてくれる。厚みはないのだが、側面が丸くなるので、手の平によりフィットするようになる。

 十字ボタンとA/B/X/Yボタンの感触だが、まずパーツによって高さがだいぶ加わるので、親指が自然な位置で置けるようになった。グリップ形状によるホールド感の良さと相まって、だいぶ押しやすくなった。

 十字ボタンは斜め方向も入力しやすくなりレスポンスも悪くないのだが、少しパーツのがたつきが目立ち、カチャカチャと音が鳴るようになるのが気になった。A/B/X/Yボタンはボタンが大きくなることで押しやすくなるのだが、パーツ越しにスプリング混じりに押し込むため、少しボテボテとした鈍いクリック感になってくる。操作がしやすくなる良さがあるが、感触は多少鈍いものに変わるというところだ。

手前に十字ボタンが高さがあるので、スライドパッドにだいぶ触りづらくなってしまうのがネック。十字ボタンがメインのゲームに向いているグッズだ

 気になったのは、スライドパッドがかなり触りづらくなってしまうところ。スライドパッドだけは元の高さのままなのに加え、手前側の十字ボタンが高くなっているので、指を横から差し入れるようにしないと触れなくなっている。十字ボタンメインでプレイできるゲームに特化しているといっていいだろう。

 こうしたところから「十字ボタンをメインにコマンド入力などをするようなゲーム」と相性がよくて、カプコンの「スーパーストリートファイターIV 3D EDITION」をプレイしてみると、かなり操作がしやすくなったと感じた。こうした格闘ゲームに向いているグッズと言える。

 グリップパーツをストラップにドッキングさせて持ち歩くというユニークなグッズだが、グリップでホールド感を高め、十字ボタンやA/B/X/Yボタンの操作性もアップさせるという効果はなかなかのもの。惜しいのはスライドパッドが触りにくくなるため、プレイに向いているジャンルがだいぶ絞られてしまったというところ。十字ボタンをメインに使うタイプのゲームには効果の高いグッズだ。






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(2012年 6月26日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]