【連載第232回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。 |
PS3でボイスチャットしながらゲームをしたい!そこで必要になるのがヘッドセットだ。今回はカプコンより発売中のTPSアクション「LOST PLANET 2」のデザインが施された「ミニヘッドセット(LOST PLANET 2デザインモデル)」を試してみたほか、PS3用として発売されている各種ヘッドセットを再チェックしまとめてみた。
ヘッドセットはワイヤレスなBluetoothヘッドセットとUSBケーブルで接続するUSBヘッドセットという違いはもとより、製品ごとに使い勝手や音質等も大きく異なる。ヘッドセット選びに役立ててもらえれば幸いだ。
【今週のおしながき】 |
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・PS3 プラネックス 「Bluetooth Ver2.1+EDR対応ミニヘッドセット(LOST PLANET 2デザインモデル)」 ・PS3で使うBluetooth&USBのヘッドセットグッズを再チェック!比較してみた |
● 「LOST PLANET 2」デザインが施された軽量、コンパクトなBluetoothヘッドセット
・「Bluetooth Ver2.1+EDR対応ミニヘッドセット(LOST PLANET 2デザインモデル)」
- メーカー:プラネックス
価格:4,200円
Bluetoothバージョン:Bluetooth ver 2.1+EDR
通信距離:最大10m
サポートプロファイル:ヘッドセットプロファイル(HSP)、ハンズフリープロファイル(HFP)
コンパクトなBluetoothヘッドセット。「LOST PLANET 2」のデザインが施されている |
ヘッドセット本体のほか、充電用のUSBケーブル、イヤーパッド(大)、イヤーチップ(大)、耳かけ用のイヤーフックが付属する |
カプコンより発売中のTPSアクション「LOST PLANET 2」のデザインが施された、限定のBluetoothヘッドセット。表面のデザイン部分がタッチボタンになっているほか、コンパクトなサイズや、装着している耳が痛くならないイヤーチップによる固定方法などの特徴がある。
ヘッドセットのサイズはイヤホン部を含んだもので50×15×25mm(横×高さ×奥行き)と非常にコンパクト。SCEJの「ワイヤレスヘッドセット」と比べると、3分の2以下の大きさになっている。重量も約9gとかなり軽量だ(SCEJの「ワイヤレスヘッドセット」は19.5g)。
スペックとしては、連続通話時間は7時間、待機時間はペアリングした状態で最長約108時間、ペアリングなしの状態だと最長約168時間。充電時間は約2時間となっている。SCEJの「ワイヤレスヘッドセット」は連続通話時間が約8時間、待機時間は約300時間ということで、通話時間は1時間、待機時間については大幅に差がある。だが、PS3で使う場合は待機時間はあまり考える必要はないだろう。通話時間も十分な時間使える。
ヘッドセットの表面には「LOST PLANET 2」の「NEVEC」のロゴが描かれていて、この部分がタッチセンサーのボタンにもなっている。ただこのボタンは携帯電話等で使うときの通話の開始と終了に使うもので、PS3で使う際にはあまり意味を持たない。
そのほか、ヘッドセットの左右にはボリュームコントロールする+と-のボタンがあり、-ボタンは電源ボタンも兼用している。短く押せばボリューム調節、長押しで電源のオン/オフ、さらに長く押すとペアリング待機の状態になる。また、+と-の両方を押せばマイクミュート状態になる。
ヘッドセットの上部には、付属のUSBケーブルを差し込んで充電するための丸い端子がある。USBケーブルの長さは約39cm。ケーブル先端は片方がUSBコネクタだがもう片方のヘッドセット側は細い丸形のコネクタなので、PS3用コントローラーの接続等に使っているUSB miniBのケーブルとは異なっている。
イヤーチップという耳の内側に引っかけてヘッドセットを固定する仕組みが特徴的だ。カナル型のイヤホンを耳に入れ、イヤーチップで耳からずれたり外れないようにする。イヤーチップが大小1個ずつ付属するほか、イヤーパッドも大小が1個ずつ付属している。また、耳の裏にひっかけて固定するイヤーフックも1個付属しているので、耳かけタイプの固定もできる。
左右にボリュームコントロールのボタンを搭載。マイナスボタンが電源ボタンを兼ねているほか、両方のボタンを同時押しするとミュート操作になる。右の画像はSCEJのワイヤレスヘッドセットと並べてみたところ。非常にコンパクトで、重量も半分ぐらいになっている |
ちょっとわかりづらいが、イヤーチップが耳の中で支えのようになっていて固定している。カナル型のイヤーパッドとイヤーチップだけで固定できるので耳への負担は少ない |
耳に引っかけるイヤーフックも付属している |
実際にPS3でのゲームプレイに使ってみた。まずはペアリングから。PS3側の周辺機器設定>Bluetooth機器管理から新しい機器の登録を選んで、機器の検索を開始させる。ヘッドセット側では、-ボタンを7秒ほど長押しするとLEDが赤と青に点滅してペアリングが開始される。ペアリング登録は最初だけで、次からはヘッドセットの電源を入れるだけで自動で認識される。
耳に装着してみると、装着感の軽さが嬉しい。カナル型のイヤーパッドを耳に差し入れ、イヤーチップが耳の内側から軽く支える。強く固定されているわけではないが、外れたり角度が動いたりもせず良好だ。圧迫感があまりなくて耳が痛くならない。軽量だからできる装着方法だ。
ただし、イヤーチップとイヤーパッドの固定は耳に大きさが合わないとフィット感が良くないかもしれない。それぞれ大小のパーツが付属しているので、それで調整がうまくできれば、というところだ。研究所員はどちらも小のパーツでうまくフィットしたが、大小どちらも合わない場合はイヤーフックのパーツを付けて耳かけタイプで使うほうがいいだろう。
続いてはマイクの感度や音質について。感度調整はPS3側で5段階に切り替えられるが、かなり音を拾うタイプのマイクだ。最少にしても自分の声だけでなく周囲の音に敏感に反応して拾ってくる。それだけに小さな声でも扱える利点があった。このあたりは好みの問題になってくる。おそらく形状的に口とマイクの間に距離ができてしまため、感度を高めに設定してあるのだろう。
マイクの音質は少しガサガサとしていてくぐもった感じがあった。こちらの声が少し響いて伝わるような感じがあって、そのため機械的な質感になっていた。前述のように音をかなり拾う傾向があるので相手にはつたわるのだが、少し独特な音質をしている。
一方こちらに聞こえる相手側の音声もかなりくぐもっていた。高音がカットされているようなくぐもり方で、音質としてはラジオくらいのレベルになる。音量を調節するボリューム機能は7段階に調節できるが、基準のゲインが控えめになっているようで最大の7でもちょうど良いぐらいに感じられた。1~3あたりだと、相手の小さめの声は聞こえない程度になってくる。
ヘッドセット表面のタッチセンサーは、PS3でのボイスチャット中に触るとPS3との通信が切れてしまう。おそらく携帯電話とペアリングさせているときの「通話終了」の機能になってしまっているためだ。タッチセンサーの反応は過敏なわけではなくて、少し長押しする感じに使うので、誤操作をしてしまうようなことはなかった。どちらかというと携帯電話向けな作りの製品をそのまま持ってきたような印象はぬぐえず、なにかしらPS3で使う際の機能割り当てを期待したかったところだ。
コンパクトなサイズと軽い重量、イヤーチップによる固定感の少ない装着は好印象。イヤーフックを使わずにフィットすれば、長時間のプレイでも耳が痛くならず快適に扱える。だが、マイクとスピーカー両方の音質については、くぐもった感が強くてクリアとは言えない。音質についてはもう1歩という印象を受けた。
● PS3で使うBluetooth&USBのヘッドセットグッズを再チェック!比較してみた
PS3ではボイスチャットをするにも、Bluetoothヘッドセットを使うか、USBタイプの有線ヘッドセットを使うかの選択がある。また、それぞれに製品も多数登場しているほか、Windows用の機器も使用できるため、選択の幅が広い。
そこで、今回改めて当研究所で過去にPS3での使用を試してきたヘッドセットを使い比べてみた。なお、PS3のシステムソフトウェアは3.30、初期の60GB版の本体で試してみた。
比較してみたのは以下の5製品。
・Bluetoothヘッドセット
- メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント
価格:5,000円
参考リンク:ゲームグッズ研究所 第180回
・「Bluetooth Ver2.1+EDR対応ミニヘッドセット(LOST PLANET 2デザインモデル)」
- メーカー:プラネックス
価格:4,200円
- メーカー:ロジクール
価格:9,980円
参考リンク:ゲームグッズ研究所 第149回
・USBヘッドセット
- メーカー:ロジクール
価格:3,980円
参考リンク:ゲームグッズ研究所 第164回
- メーカー:HORI
価格:2,980円
参考リンク:ゲームグッズ研究所 第164回
まずはBluetoothヘッドセットとUSBヘッドセットの違いを簡単にまとめておこう。
・Bluetoothヘッドセット
- ・Bluetoothによるワイヤレス通信で音声データをやり取りする。
・バッテリーは内蔵の充電式。
・充電はUSBケーブルで行なう。
・音質は有線方式のヘッドセットとは異なる(音質の良し悪しは物によって差があるため一概には言えない)
・Bluetoothを搭載している他製品(携帯電話など)にも使える
・USBヘッドセット
- ・USB端子に接続するケーブルタイプのヘッドセット
・USBからの電力で動作するので充電等の必要がない
・Bluetoothヘッドセットと比べると安価
・音質はクリアなものが多く、Bluetoothヘッドセットよりも安定していることが多い
・PCにも使える(逆にPC向けのUSBヘッドセットがPS3で使える場合も多い)
それぞれの特徴を並べるとだいたいこのようになる。PS3に限らずヘッドセット全体の話をすると、一般的にポピュラーなのはUSBヘッドセットで、Bluetoothヘッドセットは携帯電話のハンズフリー通話向けに展開されていることが多い。
PS3向けに考えると、少し値は張るもののコントローラー同様にワイヤレスで快適に扱えるBluetoothヘッドセットか、有線だがそのぶん安価で音質もクリアな製品が多いUSBヘッドセットか、という選択になってくる。
PS3では両方使うことができるので、これからボイスチャットをしたいと考えている方でBluetoothかUSBのヘッドセットをお持ちなら、1度使えるか試してみるのがオススメだ。
今回は過去に試してみたヘッドセットを揃え、PS3のシステムソフトウェア更新によって使用感等が変化していないかを探り再評価してみた。また、これからPS3で使うヘッドセット機器を買いたいという方に、それぞれの比較をご覧頂いて参考にしてもらえればと思う。
・「ワイヤレスヘッドセット」
SCEJが発売する、いわゆる“純正”のBluetoothヘッドセット。純正ならではの強みとしてPS3用の“高音質モード”を搭載しており、音質やボリュームのバランスは非常に優れている。テレビ画面にヘッドセットの状態を示す通知も表示されるので扱いやすさも群を抜いている。
システムソフトウェアの更新によって発売当時とは変わった点として、マイク感度設定の調節が3に固定されるようになった、というものがある。発売当時から感度設定を変更しても変化が無かったのだが、その後に感度設定がグレー表示になって3以外には変更できないようになった。標準的な感度なので不便を感じることはない。
音質、使い勝手、どの面においても優れていて、PS3用途においては正直なところこれを購入するのが最も無難で、オススメできる。
・「Bluetooth Ver2.1+EDR対応ミニヘッドセット(LOST PLANET 2デザインモデル)」
今回新たに試してみた新製品。コンパクトなサイズと、長時間装着しても耳が痛くなりづらい固定方法には大きな魅力があったのだが、いかんせん音質については声を拾うマイク、相手の声を出力してくれるスピーカーともにくぐもった感じが強かった。
・「ロジクール コードレス バンテージ ヘッドセット」
ノイズキャンセリング機能を搭載したBluetoothヘッドセット。マイクが拾うこちらの音声と、相手の声を出力するスピーカーともに、どちらも落ち着いた音質をしている(おそらくノイズキャンセリング機能で高音がカットされているところもあるはず)。ただ、マイクに喋った音声に対してのノイズキャンセリング機能の効果に少し特徴があって、喋り始めの音と喋っている途中の音とでは、ノイズの乗り方が少し変わってくる。そのため、相手側には少し声がゆがんだような聞こえ方をする。
・「ロジクール バンテージ USB ヘッドセット」
バンテージヘッドセットのUSB版。マイクはクリアだが、Bluetooth版と同様にノイズキャンセリングの影響が感じられる。音が全体に小さめで、マイクに喋った音声も相手の声を出力するスピーカーの音量もどちらも小さめ。スピーカーのボリューム調節がないため、相手の声が小さかったりすると対処ができなくなってしまうのが難点。
・「ヘッドセット3」
HORIが発売しているUSBヘッドセット。音量が大きくてマイクの声、スピーカーからの音声ともに非常に大きくてはっきりとしている。だが、音声の出力ゲインが高めのようで、ノイズも目立つところがある。また、スピーカーのボリュームをコントロールするボタンがあるものの機能しておらず、調節ができない(システムソフトウェアの更新で改善されていることを期待したが、発売当時のままで変化していなかった)。
結果としては、PS3のシステムソフトウェア更新によって何かしら改善されていたり変化していることを期待したものの、あまりそういったことは無かった。一口にヘッドセットと言っても、その音質には大きな違いがあるので、どれを選んでも大丈夫というジャンルの製品ではないのが現状。特に理由がない限りは、安定した質感と使い勝手のSCEJの「ワイヤレスヘッドセット」をオススメする結果になった。
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http://www.planex.co.jp/
http://www.scei.co.jp/
http://www.logicool.co.jp/
http://www.hori.jp/
[Reported by ゲーム環境向上委員会]