【連載第202回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。 |
【今週のおしながき】 |
---|
・PS3/PC バッファローコクヨサプライ 「Bluetooth2.1対応 超コンパクトヘッドセット」 ・PS3/PC プラネックス 「BT-MicroEDR2X」 ・PC サンワサプライ「ハンゲームパッド」 |
● 超コンパクト! BluetoothヘッドセットをPS3に活用してみる
・「Bluetooth2.1対応 超コンパクトヘッドセット」
- メーカー:バッファローコクヨサプライ
価格:4,680円
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト
ご覧のように超コンパクト。インナーイヤータイプのイヤフォンが少し膨らんだ程度のサイズをしている |
付属品はサイズ違いの交換用イヤーピースと、充電用のUEBケーブルがセットになっている |
SCEJの「ワイヤレスヘッドセット」と並べてみた。「ワイヤレスヘッドセット」も十分に小型だが、さらに半分以下のサイズとなっている |
超小型、超軽量のBluetoothヘッドセットが登場した。こちらは本来PC用の製品ではあるが、PS3でも活用できる。その使い心地などをチェックしていこう。
まずは外見だが、そのサイズには驚くばかりだ。片耳だけのインナーイヤータイプイヤフォンに、少し膨らみがついた程度。これがバッテリーを内蔵しているBluetoothヘッドセットで、さらに充電用にUSB端子まで内蔵してあるというのだから、“超コンパクト”はダテじゃない。重量も軽く、わずか6gだ。付属品は、充電用のUSBケーブルのほか、大と小サイズのインナーイヤーピースが1つずつ、さらにインナーではない通常のイヤフォン型のピースが1つついている。
表側には縦長の電源ボタンがあり、側面にはボリュームアップボタンとボリュームダウンボタンもついている。電源ボタンを長押しすると、青色のLEDが点滅するとともに、“ポロポロロー”というメロディー音が流れて電源が入ったことを知らせてくれる。電源オン中に1度押すと、“ポッ”という確認音が鳴ってミュートに、電源オフ時には“ポポロロー”とメロディーが鳴ってオフになる。ボリュームアップ/ダウンのボタンを操作したときも、“ポッ”という操作確認音が鳴る。
キャップの中にはUSBコネクタが隠れている。付属の充電用USBケーブルは長さが42cm。USBコネクタの形状はPS3とPS3用ワイヤレスコントローラーを接続するUSBケーブルとタイプが同じなので、流用することも可能だ。
内蔵のバッテリーは容量などは記載が見あたらないのだが、公称値では連続待ち受け時間が最大130時間、連続通話時間が最大5時間とされている。また、充電時間は最大2時間とのことで、ゲームプレイにも十分に実用できる駆動時間となっている。
実際に耳に装着してみると、まずその軽さに驚く。インナーイヤータイプなので、耳に付けた直後の装着感は強いものの、時間が経つと付けているのを忘れてしまうほどだ。
PS3への認識も特に問題なくスムーズに行なえた。認識した製品名は「BSHSBE04」というもの。登録時のみパスキーの入力が必要になるが、次回からはヘッドセットの電源を入れただけで自動的に認識される。
音声機器設定の項目からマイク感度や音量、音質をチェックしてみた。マイク感度の項目は5段階に問題なく動作しているようだ。最少の1に設定すると、ほぼミュートの状態になり、2で大きめの声を拾う程度、3~5になると、周囲の音も拾い始めた。
ボリュームは15段階に調節できる。音質については若干こもり気味だが、そのぶん柔らかい音だ。中域の音が大きめで、音声を意識した音と感じた。ただ、聞こえてくる音に若干ノイズがあるため、クリアとは言えないところが残念に感じた。
気になったのは、ミュート操作。この機能は、音声入力を無音にするのではなく、PS3との認識そのものが切れてしまうようだ。ミュートを解除しても、すぐさま利用可能になるのではなく、再認識されるまで3~5秒程度の時間がかかる。このあたりは省電力の観点から見ればいい方式かと思うが、ゲームプレイ目的では少し使い勝手が悪い。
ゲームプレイではソニー・コンピュータエンタテインメントの「KILLZONE2」を中心に使ってみた。「KILLZONE2」では、マイク側スピーカーのボリュームを大きめにしていると他プレーヤーの声でハウリングを起こしてしまうため、ボリュームは15段階中の3程度にするのが丁度よかった。
SCEJのPS3純正「ワイヤレスヘッドセット」と比較すると、まずマイク感度が細かく調整できるところが嬉しいところだ。研究所員のケースだと、「ワイヤレスヘッドセット」では感度を1にすると感度が低すぎて、2にするとテレビのスピーカー音を拾ってしまうことがあったのだが、こちらでは感度2で、自分の大きめの声を拾うが、周囲の音はあまり拾わないという良いバランスになってくれた。
ミュートで認識が切られて再認識されるのを待つところが若干ネックなのだが、そのほかの点ではなかなかいいバランスのヘッドセットとなっていた。バッテリーの持ちに関しても十分と言える。ほかに気になった点としては、これはしょうがないことなのだが、プレイ終了後に適当なところに置いておくと無くしてしまいそうなことだ。ちょっとした物陰にもスッポリ隠れてしまうので、ふと、「あれ? どこにやったっけ……?」となる。そうしたところに気をつければ、小型で煩わしさのない1品だ。
小型で重量も軽いため、ヘッドセットを装着しているという感覚よりも、インナーイヤーのイヤフォンをしているぐらいの感覚になる。充電時には写真のようにカバーを開いてUSBケーブルを装着する |
● PS3用コントローラーをBluetoothアダプタでPCに使う!
- メーカー:プラネックス
価格:1,480円
Bluetooth ver2.1対応 Microサイズ USBアダプタ
マイクロサイズなBluetooth通信アダプタ。これがPS3用コントローラーのレシーバーに変わる! |
USBコネクタからの出っ張りもほとんどない。装着したまま持ち運んでも邪魔にならないサイズだ |
ユーティリティーのガイドに従ってコントローラーをPCと接続。認証自体は一瞬で終わる |
通信中は「BT-MicroEDR2X」のLEDが青く点滅する |
Bluetoothを搭載していないパソコンでもBluetooth機器を使えるようにする、USBタイプのアダプタだ。ノートPCに接続したままでも邪魔にならないマイクロサイズなのも嬉しい。
これは完全なPC用製品なのだが、どのへんがゲームグッズかと言えば「PS3用のワイヤレスコントローラーをPCで使えるようにするアダプタ」になる、というところなのだ。ご存じのようにPS3用のワイヤレスコントローラーは通信方式がBluetoothだ。そのままワイヤレスで使うには、PC側もBluetooth通信に対応していなければいけないし、PS3用のワイヤレスコントローラーに関してはそのままではPCで使えない。
だが、プラネックスが公開している「Bluetooth PS3コントローラ用ドライバユーティリティ」を組み合わせることで、PCでもBluetooth通信でPS3用コントローラーが使えるようになる、というわけだ。1つ注意頂きたいのは、このユーティリティを使用すると、「BT-MicroEDR2X」がPS3用コントローラーとの通信専用になるというところ。従来のBluetooth機器とは通信できなくなる。ユーティリティをアンインストールすれば元に戻せる。
まずはセッティングから。「BT-MicroEDR2X」をPCのUSBコネクタに装着する。「BT-MicroEDR2X」の認識が完了したら、続いて「Bluetooth PS3コントローラ用ドライバユーティリティ」をダウンロードし、インストールする。今回はWindows XP、VISTAのOSを入れてあるPCで試してみた。どちらも問題なく利用できる。ただし、64bit版のOSには対応していないということなので、その点にはご注意頂きたい。
ユーティリティをインストール中には「PPJOY」というソフトウェアも合わせてインストールされる。このソフトはパラレルポートジョイスティックを制御するツールで、仮想のゲームパッドを作成して制御するもののようだ。
それと合わせて、「BtSix」というソフトも加わる。PS3用コントローラーの動作やSIXAXIS(モーションコントローラ)の動作をサポートするキーコンフィグツールだ。コントローラを傾けると、左右の傾きはロール(X軸)、上下の傾けはピッチ(Y軸)としてPC側に反映されていた。ツール画面のインジケータで動作の具合を目で確認できる。これを例えばフライトシミュレーター系のソフトにアサインすれば、操縦桿のような操作に使えるというわけだ。また、このツールにはコントローラー側の内蔵バッテリー残量も表示される。
インストールが完了すると、プログラムファイルに「Planex PXconnector」というフォルダが作られて、中には「PS3 Controller Configuration Tool」というソフトが入っている。このソフトはPS3用コントローラーと「BT-MicroEDR2X」を接続するツールとなっている。PCとPS3用コントローラーをUSBケーブルで接続するようわかりやすいガイドが表示されるので、それに従い認識が完了してからケーブルを外しPSボタンを押すと、あっさりと通信が確立された。これで初期の準備は完了だ。
要するに、このユーティリティは、PC上に仮想のゲームコントローラーデバイスを認識させて、Bluetooth通信でPS3コントローラーの操作を反映させる、というものだ。「PS3 Controller Configuration Tool」と「BTsix」が常駐している間は、PSボタンを押すだけで接続され、従来のゲームパッドと同様に認識されて普通に利用できる。プラスアルファとして、モーションコントロールも加えることができる。
準備が整ったところで、実際にPC用ゲームのプレイに利用してみる。まず使用してみたのは、スクウェア・エニックスのWindows版「ラストレムナント」体験版を中心に、いくつかのソフトで試してみた。プレイの準備に関しては、キーコンフィグを割り当てるだけと、基本的には通常のゲームパッドと差はない。レスポンスに関しても、特に気になるところもなく快適に利用できた。ユーティリティが動いている間は常にPS用コントローラーが動作し続けるので、プレイ終了時にはユーティリティを終了して通信を解除するのを忘れないようにしたい。
なお、「BT-MicroEDR2X」が通信できるのはPS3用コントローラー1個だけになる。PS3用コントローラーには、振動機能が無いSIXAXISと振動機能があるDUALSHOCK3があるが、どちらも利用できた。ただし、DUALSHOCK3を使っても、振動機能はプラネックスからダウンロードしたソフトウェアでは動作しない。だが、「BtSix」を最新のバージョンにすることで動作するという記述もネット上で見かけるのだが、こちらはまだ不安定なようで、動作が確認できなかった。現状は安定動作を重視したほうが無難と言えそうだ。
PC側のツールやユーティリティーはご覧のようになっている。左上のように、BTsixでモーションセンサーもしっかり動作する。バッテリー残量も見えるのが嬉しいところだ。キーやボタンに関しては仮想のゲームパッドとして、普通のパッド同様に認識しているので、使い勝手も同じだ |
PS3用コントローラーをPC用のワイヤレスゲームパッドとして使えるようにするユーティリティ。考え方としては、「BT-MicroEDR2X」という専用レシーバーを別途購入するようなものだ。「BT-MicroEDR2X」は価格もそこまで高くはないし、なにより小型で邪魔にならず扱いやすい。スマートなレシーバーで、スマートなBluetooth通信をしてPCゲームをプレイするというのはなかなかに魅力的。PS3にはDUALSHOCK3を使い、余ったSIXAXISはPC用に、というような使い回しができる。
唯一残念なのは常駐ソフトによる制御のため、これを手動で終了しなければ常に通信が行なわれるところ。自動スリープ機能を充実させるなど、ここがもう少し扱いやすくなってくれたら、と感じた。
● ハンゲームをゲームパッドで楽しみたい! ユーティリティーが便利な専用パッド
- メーカー:サンワサプライ
価格:オープン価格(購入価格:2,325円)
8方向のキーと2つのアナログスティック、13個のボタンを備えたUSBゲームパッド |
ハンゲームユーティリティーでは写真のようにタイトル別にキーアサインが保存され、切り替えることができる |
ハンゲームを楽しむのに最適な、オリジナルのゲームパッドと専用ユーティリティをセットにしたゲームパッドグッズだ。カラーバリエーションはイエロー、ホワイト、ブラックがある。今回はイエローを使用してみた。
まずはセッティング模様から追っていこう。ハンゲームユーティリティーが収録された付属のDVDより、ユーティリティーをインストールする。ハンゲームユーティリティーは常駐ソフトで、対応するゲームにあわせてゲームパッドのキーアサインを1発で変更できるソフトだ。最新版への更新機能も備えていて、クリックひとつで設定等を最新の状態にアップデートできる。
ハンゲームのゲームはキーボードとマウスで操作を行なう。そこを、このゲームパッドとユーティリティーでは、キーボードの操作をゲームパッドにアサインしてくれるというわけだ。タイトルごとにキー設定を保存しておくこともできる。現在対応しているソフトは以下のようになっている。
- ファン! ファン! バギー!
ファンタテニス
フローレンシア
プロ野球 ファミスタ オンライン 3
スペシャルフォース
Legend of LUNA
アークロード
ユーティリティーのインストールが完了したら、あとはゲームパッドをUSBコネクタに装着すれば準備完了だ。
ゲームパッドは2本のアナログスティック(押し込みあり)、方向キー、4ボタン、左上と右上に2ボタンずつを備えた、いわゆるPS系コントローラー型をしている。筐体の表側はツルツルとしたプラスチック的な素材だが、背面側はラバー素材が使われている。
中央にあるHAPPYボタンが特徴だ。このボタンはユーティリティが常駐しているときに押すと、自動的にブラウザが起動してハンゲームのサイトが開くというもの。遊びたくなったらパッドを手にとってボタンを押せばいい、というわけだ。このボタンはオレンジ色に点灯する。
標準的なPS系の形をしたゲームパッド。全体に少々安っぽい印象を受けたのは気になったが、無難で扱いやすい |
HAPPYボタンの周囲には円形に4つのボタンがついている。左上は連射機能を設定するボタンで、このボタンを押しながら連射設定したいボタンを押せば連射機能がオンになる。連射は、キーを押している間、連射されるタイプだ。
右上はアナログ/デジタル切り替え機能のボタンだ。切り替えると、アナログスティックがアナログの回転動作から、上下左右のデジタル動作に切り替わる。前述のようにこのゲームパッドは、キーボードとマウスでプレイするハンゲームに最適化されている。そのため、アナログスティックの動作等の動作も、キーボードとマウスを乗っ取ったものだ。ゲームプレイ中以外にパッドを触ると、WASDキーが入力されたり、マウスカーソルが動いたりする。
このアナログ/デジタル切り替え機能に関しても、実際には、DUALSHOCKのようなデジタルとアナログの切り替えという意味ではなく、乗っ取りのしかたを切り替えるという具合だ。Z軸の操作がWASDキーの操作に切り替わる。左下と右下は、9番と10番のボタンで、例えばメニューを開く動作などに割り当てて使う。
ゲームパッドはグリップを搭載した無難な形状をしているパッドだ。重量は約150gと軽量で手軽に扱える。USBケーブルは約2mと長さがあり、PCからのケーブルの取り回しがしやすい。方向キーやボタンの感触は全体にパサパサとしたもので、クリック感もあまりよくない。全体に少し安っぽい印象を受けるのが残念だ。
だが、全体の形状からくるホールド感、背面のラバーの感触とグリップ、アナログスティックの感触はなかなかにいい。まず全体の形状は手にしっくりと収まる形をしていて、上部は人差し指を自然と置けるよう緩やかなカーブがつけられている。先端が反るように伸びているグリップは手でしっかりと握り込める。アナログスティックは少し初期位置に戻るときの返りが強めだが、スムーズに動いてくれるし、スティックを倒したときの抵抗もほどよくある。押し込みのクリック感もしっかりとしている。
背面の黒い部分は全てラバーコーティングされている。反り返るように伸びるグリップや全体の形状など、ホールド感はなかなかにいい。アナログスティックも感触が良く、無難なパッドながらも細部に光るものがある |
最後に、このゲームパッドをPS3に接続して使ってみた。本連載ではおなじみだが、PS3はPCがゲームコントローラーとして認識するようなデバイスなら、使用できる可能性がある。PS2用コントローラをUSBに変換するコンバータなどもその1種だ。同じように、ゲームコントローラーデバイスのこのハンゲームパッドも使える可能性があるわけだ。
実際に試してみた結果としては、あまり順調にとは言えないが“一応”動作した。問題点としては、まず、初期状態では□ボタンと×ボタンが入れ替わってしまうところが挙がる。これはキー設定が可能なゲームなら入れ替えて設定すればなんとかなるが、設定が変更できないタイトルだと辛いところだ。
もう1つの難点が、右アナログスティックを倒したあと、スティックは初期位置に戻っているのに、入力が残ってしまうところ。例えば視点操作をしたあと、スティックは戻っているのに画面はゆっくりと動き続けてしまう。ゆっくりとスティックを戻せばピタッと止まるのだが、この点はかなり厳しいところだ。
そのほかのキーやボタンについては特に問題なく動作した。連射設定も利用可能で、押し込みや10ボタン(スタートボタンの割り当て)を含め、全てのボタンに設定できる。アナログ/デジタル切り替えボタンも一応動作するが、前述のように厳密にデジタル動作になるのではなく、ボタン操作が割り当てられるようになるので、特にPS3で使う上での実用性はなさそうだ。
PSボタンの操作がないのもちょっと厳しい。HAPPYボタンは位置的にもPSボタンのように動作しないものかと思ったが、さすがにそううまくはいかず、動作はしなかった。なお、60GB版にてPS2ソフトのプレイも試してみたが、PSボタンがないことから認識がされず、他のコントローラーからの差し替えてみても操作できるようにはならなかった。全体的に、いちおうは動作するものの、あまり実用的ではないという結果になってしまった。
手軽にハンゲームのタイトルをゲームパッドでプレイするのに適しているグッズだ。なんといってもハンゲームユーティリティーによるキー設定変更の手軽さが魅力的で、面倒な手間がかからない。コントローラーも基本的には価格相応な印象ではあるものの、手に馴染む形状など基本がしっかりしていて扱いやすいと感じた。
|
http://buffalo-kokuyo.jp/
http://www.planex.co.jp/
http://www.sanwa.co.jp/index.html
[Reported by ゲーム環境向上委員会]