「エアロスパイダーレーザー」

  • 商品名:エアロスパイダーレーザー
  • 発売元:株式会社タカラトミー
  • 価格:6,300円
  • 対象年齢:8歳以上
  • 発売日:発売中(2009年11月上旬)

[ おもちゃソムリエ ]
田渕健康[Kenkou Tabuchi]

ジングルベルの鈴の音が響く今日このごろ、ご機嫌いかがでしょうか。私、エレトイ──電池、電源を用いて駆動するおもちゃをご紹介をさせていただく、おもちゃソムリエの田渕健康と申します。ここでは、いまが旬の逸品や世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けして、皆様とエレトイの距離をお近づけするお手伝いをさせていただきます。年に一度のクリスマスプレゼント選びに当コーナーをぜひご活用ください。



■ 地面を走る時代は終わった!? 壁や天井を走るスーパーマシン

 クルマといえば地面の上を走るもの……と相場は決まっていますが、マンガや映画の世界の中では壁や天井を走るスーパーマシンが登場することもしばしば。子供心に「あんな風にクルマを走らせてみたい」と考えたことは誰にでもあることでしょう。そんな夢のクルマが遂にエレトイとして実現致しました! 今回ご紹介する『エアロスパイダーレーザー』は地面はもちろんのこと、平らな場所であれば壁や天井にピタッと張り付いて走らせられる画期的なクルマなのです。しかも、従来のラジオコントロールカーのようにハンドルで操作するのではなく、レーザーポインターを使ってクルマを誘導するちょっと未来的な操作感も楽しめるという代物。さっそく本製品の魅力に迫っていきましょう。




■ クルマの軽さに驚き! 恒例のパッケージチェック

 本製品のパッケージを開けると、エアロスパイダーレーザー本体と光センサーコントローラー一式が用意されています。まず、驚かされるのはエアロスパイダーレーザー本体の軽さ。ボディはポリスチレン樹脂で作られており、全長14cm幅7.5cmというサイズの割にほとんど重さを感じません。車体下部には、本製品の肝である吸気口とクルマを動かすためのホイールがふたつあります。

 一方の光センサーコントローラーはガンタイプのプロポと同じぐらいの大きさです。プロポについているトリガーを引くと正面にレーザーが照射され、そのレーザーを追いかけるようにクルマが走る……といった一風変わった操作方法になっております。操作のイメージとしては、ネコを猫じゃらしを使って操る感覚に近いかもしれませんね。

 このエアロスパイダーレーザー本体にはリチウムイオン電池が内蔵されており、充電は光センサーコントローラーと接続して行ないます。光センサーコントローラーには単三電池が6本必要ですので、購入時は一緒に用意しておくといいでしょう。充電にかかる時間は30~50分程度で、フル充電で10分ほど遊べます。なお、工場出荷時には過放電防止のために一定量の充電がなされているので、初回は10分程度の充電ですぐに遊べるようになっています。


エアロスパイダーレーザー本体。ボディは柔らかめなので強い衝撃が加わっても破損しにくくなっています。色はブルーとグリーンの2色が用意されていますコントローラーには単三電池が6本必要となります。電池ケースのフタはビス止めされているので、開閉にはプラスドライバーが必要ですコントローラー下部にある充電プラグを本体に接続して充電します。充電時間は少々長めで、場合によっては50分も掛かるのが玉にキズです
これがエアロスパイダーレーザーの下部です。シャーシの横に小さなホイールがふたつ付いているだけで、ほかに駆動装置はありませんプロポから照射されるレーザー。これを追いかけるようにクルマが走ります。なお、バントが重なるため2台の同時走行は不可能ですクルマのスピードは遅めなので、狭い場所でも楽しめます。ただし、凹凸の多い場所やホコリが多いところで走らせるのは厳禁です



■ 立体走行の衝撃! 吸着の秘密は「エアロパワー」にあり

 エアロスパイダーレーザー本体の充電が完了したら、さっそくクルマを走らせてみましょう。エアロスパイダーレーザー本体の後部には電源の切り替えスイッチがあり、これでふたつの走行モードを選べます。ひとつはベーシックな走りが楽しめる「GROUND」モード。その名のとおり、地面の上でエアロスパイダーレーザーを走らせるモードです。クルマからおよそ2m以内の場所にレーザーを照射すると、その場所に向かってクルマが走り出します。従来のラジオコントロールカーと違って、レーザーでクルマを誘導する操作感はなかなか斬新。クルマのスピードは決して早くありませんが、旋回性能が高くかなりコントロールしやすいです。

 「GROUND」モードで操作方法に慣れたら、本製品の真骨頂である立体走行にチャレンジしてみましょう。切り替えスイッチを「WALL」にスイッチすると、エアロスパイダーレーザー本体に内蔵されたファンが激しく回転し始めます。ファンの起動を確認したら、クルマを壁や天井に貼り付けてみましょう。すると、クルマは落下することなくしっかりと吸着。この吸着力の源は磁力でも粘着テープでもなく、クルマに内蔵したファンによる秘密があります。要するに掃除機でゴミを吸い込むのと同じ原理……なのですが、ここは公式サイトに準じて「秘密のエアロパワー」ということにしておきましょう(笑)。

 クルマが張り付いた状態でレーザーを照射すると、「GROUND」モードと同様の操作感でクルマを動かせます。万有引力に逆らってスイスイと走るエアロスパイダーレーザーの姿は、本当に感動もの。極端に凹凸のある場所でなければばっちり吸着しますので、ざらつきのある壁紙でも問題なく走らせられます。ただし、内蔵バッテリーの充電が減少すると当然吸着力はなくなってしまうので、エアロスパイダーレーザー本体上部にあるLEDが点灯をはじめたら、いったん操作を停止して充電し直しましょう。


垂直な壁にもピタリと張り付きます。ファンの回転によってボディ下部の空気を吸い込み、クルマを壁や天井に密着させる仕組みです壁や天井に張り付いた状態でも、地面と同様にクルマを縦横無尽に操作可能です。その姿はまさに「スパイダー」そのものですクルマを天井に貼り付けて走らせているところ。充電が十分な間はしっかり吸着しているため、地面に落下する心配はありません
クルマを壁や天井の隅に追い込んでしまうと身動きが取れなくなってしまいます。こういった場合は手動で向きを変えてあげましょう旋回性能の高さのおかげで、机の下に貼り付けて遊ぶ……といった芸当も可能。吸着力抜群なのでいろんな場所で遊びたくなってしまいますボディ上部のLEDが点滅すると電池残量が低下している合図。吸着力が失われて落下する恐れがあるので、速やかに充電しましょう



■ 走行場所は無限大。これぞ新世代エレトイの最先鋒!?

 本製品の魅力は、ずばり「場所を選ばず走れること」にあります。これまでラジオコントロールカーの多くはスピードや操作性の向上を軸に進化を遂げてきましたが、それを走らせるスペースの確保がネックでした。公道を走らせるのは当然NGですし、専用サーキットの数もそう多くはありません。そのため部屋で遊ぶのが現実的な選択肢なのですが、家具や雑貨のおかげでクルマを快適に走らせられる環境を用意するのはやはり面倒。その点、エアロスパイダーレーザーは壁や天井といった部屋のデッドスペースを使って遊べるため、我が国の住環境に最適のオモチャと言えます。

 そして、レーザー照射による独特な操作感と壁や天井に吸着して走るというユニークな走行性能は、圧倒的なインパクトがあります。初めてエアロスパイダーレーザーの立体走行を見た人間は「何これ!? どういう仕組みなの!?」と驚くこと請け合いです。まるでマジックを披露するようなサプライズを与えることができるでしょう。場所を問わず立体走行を楽しめる夢のマシン、「エアロスパイダーレーザー」。ご自分へのクリスマスプレゼントや、友人家族で盛り上がるためのアイテムとして楽しんでみてはいかがでしょうか?

【テイスティング】
■ お手軽さ:☆☆☆
レーザー誘導という独自の操作は、誰でもすぐに馴染めます。ボディの頑丈さも二重丸

 

■熱中度:☆☆☆☆
壁や天井をお構いなしに走れる画期的な走行性能。いろんな場所を試してみたくなります

■先進性:☆☆☆☆
空気の力でシャーシを壁に吸着させるというアイデアはお見事。夢があふれるエレトイです

(C) TOMY

(2009年 12月 14日)

[Reported by 田渕健康(トリスター)]