「おうちで開通! 鉄道レストラン&ゲーム 新幹線N700系セット」

  • ジャンル:鉄道レストラン&ゲーム
  • 発売元:株式会社エポック社
  • 価格:6,279円
  • 対象年齢:3歳以上
  • 発売日:発売中(2009年7月4日発売)

[ おもちゃソムリエ ]
田渕健康[Kenkou Tabuchi]

 皆様、明けましておめでとうございます。私、エレトイ──電池、電源を用いて駆動する玩具をご紹介させていただく、おもちゃソムリエの田渕健康と申します。当コーナーでは、今が旬の逸品や通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、皆様とエレトイの距離をお近づけするお手伝いをさせていただきます。心をしばし童心に帰してお楽しみください。



■ 美味なるものを乗せて新幹線が走る! 一風変わったレールトイ

 エレトイの中でもひときわ身近な存在といえるのが、鉄道をモチーフにしたレールトイです。レイアウトしたレールの上に鉄道を走らせる……という単純なエレトイですが、幼児でも遊べるデフォルメの効いたトイから鉄道ファンをうならせるスケールモデルまで、その種類はさまざま。幅広い年齢層に受け入れられている一大ジャンルといえます。今回ご紹介するエレトイは、そんなレールトイの中でもかなり異色のアイテム! お部屋にいながらにして回転寿司気分が楽しめる「おうちで開通! 鉄道レストラン&ゲーム 新幹線N700系セット」の登場です。

 それではさっそく内容物の確認といきましょう。パッケージを開けると新幹線N700系をあしらった動力車両と付随車両、コントローラー、16本のレール、それと車止めのストッパーが入っています。これが車両を走らせるための基本セットになるわけですが、上記に加えて食品用の浅皿と深皿が付属しており、これを車両上部にセットすることで食べ物を運搬できます。

 後述のゲームに用いる「すしブロック」や専用のハシも加えると、内容物はなんと計40点! かなりの数があるので、開封時にしっかりとチェックしておきましょう。なお、電源は動力車両本体に単三電池が2本、コントローラーに単四電池が2本必要です。電池は別売で、2種類の電池を使う点にご注意ください。ちなみに、新品の電池ならおよそ60分ほど連続走行させられるので、コストパフォーマンスはなかなかといったところでしょうか。


新幹線の動力車両に2本の単三電池を入れます。牽引される付随車には電池を入れる必要はありませんコントローラーは手のひらサイズとやや小さめ。こちらには単四電池が2本必要となりますどんな食材を乗せるかで、食卓の雰囲気が変わります。まずはスタンダードにお寿司を運んではいかが?



■ 出発進行! 多彩なサウンドでN700系の走りを盛り上げよう

 レールは直線レールと曲線レールが8本ずつ用意されており、ハメコミ式で自由に組み立てられるようになっています。まずはオーバルコースを組んでみて、車両がスムーズに走るかどうかチェックしておくといいでしょう。動力車両本体にはスイッチがあり、これでふたつの動作モードが選択可能です。ひとつはコントローラーで自由に車両を動かせる「うんてんモード」。もうひとつは車両が線路の上を自動で走り続ける「れんぞくモード」。連続モードはオーバルコースを走らせるためのモードというわけです。

 運転モードではコントローラーにあるレバーを操作することで、すすむ(前進)、とまる(停止)、もどる(後進)の3種類のアクションが行なえます。実にシンプルな操作形態ですが、ここで注目したいのがコントローラーに設えられた4つのサウンドボタン。これらを押すと発車ベル、警笛音、チャイム、ドアの開閉音が鳴るという仕掛けですが、思いの外サウンドの再現度が高くてビックリ。とりわけドアの開閉音は新幹線独特の油圧音から開閉確認チャイムまでバッチリ再現されています。「JR西日本承認済」といううたい文句は伊達じゃないですね。ソムリエも帰省や出張の際に東海道・山陽新幹線を利用するのですが、近頃N700系に乗ったばかり。リアルに再現された鉄道サウンドについついテンションが上がってしまいました。


車両はレールの上でのみ走らせるようにしましょう。床の上で走らせるとゴミを巻き込んでしまう危険があります動力車両下部のスイッチの切り替えで、走行モードを変更できます。目的に応じて切り替えましょう4つあるサウンドボタンはどれも臨場感満点! 発車時や停止時に鳴らすことで運転気分を盛り上げられます



■ キッチンから食卓へ。ドリンク類も給仕できます!

 食卓の上にオーバルコース状にレールを設置し、回転寿司の要領で鉄道レストランを楽しむのが王道ですが、キッチンから食卓までレールをつないで、調理した料理を次々と運んでいくという遊び方もできます。レールはすべてつなぎ合わせると全長228cmまで延伸できるので、よっぽど広い部屋じゃないかぎり、不都合は感じないはず。キッチンから「次はどんな料理が出てくるのかな?」と予想しながら待つのは、ホームに電車が入ってくるときのドキドキ感に似ていて楽しいものです。

 ただし、食卓と違って床の上にレールをレイアウトするときには注意が必要です。食卓のように平らな場所ならドリンク類を乗せてもこぼさずに運べますが、少しでも高低差があるとレールとレールのつなぎ目に段差ができ、飲み物をこぼしてしまう危険があります。食卓の上以外にレールを敷設するときは、平らなスペースを確保することが何より重要になります。


食卓へ向けて出発進行! 直線レールと曲線レールを組み合わせることでさまざまなレイアウトが楽しめます車両に乗せる皿は2種類。深めの皿を使えばドリンク類も運べます。ひとつの車両につき積載重量は300gまでです直線的なレイアウトを敷く場合、線路の端には脱線防止のストッパーを付けておきましょう



■ 新幹線でゲームもできる!? 君はおハシの鉄人になれるか!?

 本製品では食べ物を運ぶほかに、付属している“すしブロック”を使ってゲームが楽しめます。オーバルコースをレイアウトして、れんぞくモードで走る車両に積まれたすしブロックを隣の車両に乗せ替えていく「取り“テツ”ゲーム」。目の前を通り過ぎようとする電車の上に、タイミング良くすしブロックを乗せていく「乗せ“テツ”ゲーム」。バランス良くすしブロックを積み重ねていく「積み“テツ”ゲーム」と3つのゲームが遊べます。

 いずれも単純なルールですが、移動中の電車にすしブロックを乗せるには慎重かつ大胆な箸さばきが要求されるため、ついつい熱くなってしまいます。パーティーゲームとしてうってつけなので、食事のあとの余興として楽しんでみるといいでしょう。また、小さい子のお箸の使い方の練習になるかもしれません。なお、本製品に付属しているハシはあくまでゲーム専用のものなので、衛生面の観点から考えると食べ物を扱うお箸と使い分けるように注意が必要です。

すしブロックを隣の車両に移す「取り“テツ”ゲーム」。ブロックの数を一周回るごとに増やせばスリリングに!対戦もできる「乗せ“テツ”ゲーム」。車両が目の前を走り抜ける前にブロックを積めなかったら負けです的確な箸さばきが要求される「積み“テツ”ゲーム」。すしブロックのバランスをいかにとるかが勝負の決め手



■ ホームパーティーや誕生日パーティーなど、行事予定が多めの方にオススメです!

 部屋に居ながらにして鉄道レストランが味わえる本製品。食卓を囲んで回転寿司気分を楽しんだり、キッチンから食卓までコースをレイアウトして誕生日ケーキやドリンクを給仕したりすればパーティーの場が盛り上がるのは確実。おもてなしするのが大好きな人には、ぜひオススメしたいエレトイです。

 コースを延伸するためのレールパーツや、パーティー参加者の名札を付けられる「駅」のような追加ユニットが別売されていないのが少々残念なところですが、ともあれ気軽に鉄道レストランを開業できる本製品。あなたのお部屋でも導入してみてはいかがでしょう?

【テイスティング】
■ 実用度:☆☆☆
寿司やハンバーガー、お茶などを運べるので、パーティーを盛り上げるために一役買います

■ 熱中度:☆☆☆
複雑な操作で遊ぶ、というよりも、食品を運んで遊ぶというところに重点が置かれています。各種ミニゲームはなかなか盛り上がります

■鉄ちゃん度:☆☆☆
N700系の可愛らしいデフォルメに加え、各種効果音は鉄心を揺さぶってくれることでしょう

(C)2009 EPOCH CO.,LTD.

(2010年 1月 14日)

[Reported by 田渕健康(トリスター)]