■ 2011年6月第4週分 ■


 この連載は、ニンテンドーDSi、PSP、PS3、Xbox 360、Wiiと家庭用ハードではもはや当たり前となった感もある「ダウンロード販売」によるソフトウェアやコンテンツ(以下、DLC)の最新情報を1週間単位でレポート。また、様々なタイトルのレビューも掲載していく予定だ。ダウンロード開始間近なタイトルやリリースが決定したタイトル、そして過去のタイトルまでフォローするので、DLタイトルをチェックするのに役立てれば幸いだ。


■ 6月1日(水)~6月30日(木)ダウンロード販売開始予定一覧 ■



プラット
フォーム
タイトルメーカージャンル価格その他
6月7日

DSiウェア
ニンテンドー3DSへの引越し任天堂引越し無料オリジナル

DSiウェア
穴埋めパズルゲーム Qシルバースタージャパンパズル200
DSiポイント
オリジナル

3DSDLS
3Dクラシックス エキサイトバイク任天堂バイクレース無料
(7月31日まで)
移植[FC]

3DSDLS
3Dクラシックス ゼビウス任天堂シューティング600
円
移植[FC]

3DSDLS
ARC STYLE: さっかー!!3Dアークシステムワークスかんたん3Dサッカー500
円
オリジナル

3DSDLS
オセロ3Dアークシステムワークステーブル500
円
オリジナル

3DSDLS
3Dブロック崩しシルバースタージャパンブロック崩し500
円
オリジナル

3DSDLS
ニコリのパズル 数独ハムスターパズル500
円
オリジナル

3DSDLS
ひゅ~ストンポイソフト声出ちゃう系落下アクション500
円
オリジナル

3DSDLS
ミステリー P.I. ~消えたフィルム~Gモードアイテム探し推理ゲーム500
円
移植[携帯]

VC
スーパーマリオランド任天堂アクション400
円
移植[GB]

VC
ベースボール任天堂スポーツ300
円
移植[GB]

VC
星のカービィ任天堂アクション400
円
移植[GB]

VC
ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!アークシステムワークスアクション400
円
移植[GB]

VC
ファンタズムジャレコアクション400
円
移植[GB]

VC
ロックマンワールドカプコンアクション400
円
移植[GB]

VC
ぷよぷよ通セガパズル800
Wiiポイント
移植[AC]

VC
ルドラの秘宝スクウェア・エニックスRPG800
Wiiポイント
移植[SFC]

XBLA
SUPER STREET FIGHTER IV ARCADE EDITIONカプコン対戦格闘1,200
MSP
オリジナル
6月8日

VC
ゼルダの伝説 夢をみる島DX任天堂アクションアドベンチャー600
円
移植[GBC]
6月14日

VC
ジョイジョイキッドD4エンタープライズパズル900
Wiiポイント
移植[NG]

GOD
WORLD Soccer Winning Eleven 2011KONAMIサッカー4,400
MSP
6,400円
(クレカ購入)
GOD
6月15日

VC
クイックス任天堂アクション400
円
移植[GB]

VC
ドンキーコング任天堂アクションパズル300
円
移植[GB]

VC
怒りの要塞ジャレコアクションシューティング400
円
移植[GB]
6月17日

3DSDLS
ポケモン立体図鑑BWポケモンユーティリティ無料移植[GB]
6月21日

Wiiウェア
LA-MULANAアスタリズムアクションアドベンチャー1,200
Wiiポイント
移植[PC]
6月22日

VC
ダブルドラゴンアークシステムワークスアクション400
円
移植[GB]
6月23日

PSP
ガンダム メモリーズ ~戦いの記憶~バンダイナムコゲームスタクティカルチェンジアクション6,279
円
UMDDL
6月28日

Wiiウェア
ダウンタウン熱血どっじぼーるMiracle Kidzアクション800
Wiiポイント
オリジナル

Wiiウェア
うしみつモンストルオ 不思議なお城のダンスパーティー株式会社サンタエンタテインメントダンスゲーム500
Wiiポイント
オリジナル
6月29日

XBLA
HALF-MINUTE HERO -Super Mega Neo Climax-日本マイクロソフト超速RPG800
MSP
オリジナル
6月予定

VC
高橋名人の大冒険島ハドソンアクション800
Wiiポイント
移植[SFC]

VC
風雲スーパータッグバトルD4エンタープライズ対戦格闘900
Wiiポイント
移植[NG]

VC
ワンダーボーイ モンスターランドセガアクション800
Wiiポイント
移植[AC]
今春予定

GA
クロノ・トリガースクウェア・エニックスRPG未定移植[PS]
配信日未定

PSP
麻雀覇王ポータブル 段級バトルSpecial毎日コミュニケーションズ麻雀2,400
円
UMDDL

PSP
パタポン3ソニー・コンピュータエンタテインメントアクションRPG3,980
円
UMDDL

PSP
最後の約束の物語 チャリティダウンロード版イメージエポックRPG5,600
円
UMDDL

PSP
対戦おばけチョイスベストメディアシューティング480
円
オリジナル

PS3
The Fancy Pants Adventures 英語版エレクトロニック・アーツアクション・アドベンチャー1,000
円
オリジナル

PS3
SIMPLE500シリーズ Vol.2 THE 密室からの脱出ディースリー・パブリッシャー脱出アドベンチャー500
円
オリジナル

PSP
魔界戦記ディスガイア2 PORTABLE PSP the Best日本一ソフトウェアシミュレーションRPG2,200
円
UMDDL

PSP
どきどきすいこでんアイレムソフトウェアエンジニアリングどきどきコスプレ・シミュレーション4,800
円
UMDDL

PSP
AKIBA’S TRIPアクワイアアクションアドベンチャー4,500
円
UMDDL

PSP
グングニル -魔槍の軍神と英雄戦争-インデックスシミュレーションRPG4,980
円
UMDDL

PSP
SPLIT SECOND -スプリットセカンド-ディズニー・インタラクティブ・スタジオレース未定UMDDL

PSP
パチパラSLOT ~パチスロスーパー海物語IN沖縄~アイレムソフトウェアエンジニアリングパチスロシミュレーター3,800
円
UMDDL

3DS
ロックマン DASH 3 THE プロローグ!ゲームのウラ側見せちゃいます編カプコンフリーランニングRPG200
円
オリジナル

PS3
SUPER STREET FIGHTER IV ARCADE EDITIONカプコン対戦格闘1,500
円
オリジナル

 ※表中の「VC」はバーチャルコンソール、「GA」はゲームアーカイブス、「PCA」はPCエンジンアーカイブス、「XBLA」はXbox LIVEアーケード、「GOD」はゲーム オンデマンド、「3DSDLS」はニンテンドー3DSダウンロードソフトウェア、「FC」はファミコン、「GB」はゲームボーイ、「GBC」はゲームボーイカラー、「SFC」はスーパーファミコン、「N64」はNINTENDO64、「MS」はマスターシステム、「MD」はメガドライブ、「PCE」はPCエンジン、「AC」はアーケード、「UMDDL」は「UMD ダウンロード」、「BDDL」は「ブルーレイディスク ダウンロード」、「GW」は「ゲーム&ウオッチ」、「DS」は「ニンテンドーDS」、「NG」は「NEOGEO」、「WM」はWindows Mobile、「MSP」はマイクロソフトポイント、「DC」はドリームキャスト、「GB」はゲームボーイ、「GBC」はゲームボーイカラーを指します。
 この表は毎週、配信タイトルを追加し、月単位で更新していきます。配信タイトルは当日まで配信が明らかにならないこともあるため、過去に遡って更新することもあります。



6月17日、「ポケットモンスターブラック・ホワイト」で登場した新しいポケモンを好きな角度から観賞でき、タイプや能力もチェックできる3DS「ポケモン立体図鑑BW」(無料)が配信。ダウンロード直後は16匹だけだが、いつ間に通信や他のプレーヤーからデータをコピーしてもらうことでポケモンを増やすことができる
(C)2011 Pokemon. (C)1995-2011 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. Developed by Creatures Inc.
ポケモンは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
※ゲーム画面は開発中のものです。

 今週も様々なプラットフォームにおけるDLCの情報を紹介していく。

・DSステーション
 DSダウンロードサービスとして、「ゲームセミナー2010受講生作品 プラネタリア」、「ゲームセミナー2010受講生作品 The TENTAI-Show」、「ゲームセミナー2010受講生作品 PullPullPullpy」、「ゲームセミナー2010受講生作品 FloWooooT」が配信。

・ニンテンドーeショップ
 VCとして、格闘アクションシリーズ作「ダブルドラゴン」(400円)が6月22日に配信。

・Wiiショッピングチャンネル
 Wiiウェアとして、6月21日から2006年にリリースされたPC版を大幅リメイクした「LA-MULANA」(1,200Wiiポイント)が配信。

 VCとして、6月14日からブロックを消して主人公を救い出すパズル「ジョイジョイキッド」(900Wiiポイント)が配信。

・PlayStation Store
 6月15日10時~12時の間メンテナンスが実施されたが、同日18時時点においてもPSNの全サービス再開には至っておらず、PS Storeなどは利用できない状態が続いている。

・PS3
 6月9日、ダイナミックランニングアクション「エアロクロス」の公式サイトがオープン。配信日、価格は未定。

・PSP
 6月10日から「DISSIDIA 012[duodecim] FINAL FANTASY」のゲーム内からアクセスできる「モグ web」にて、「オフィシャルクエスト」(000 次元の狭間から)、「オフィシャルフレンドカード」(スコール)を配信。

・Xbox 360
 GODとして、6月14日から進化し続けるサッカーゲーム「Winning Eleven」シリーズから「WORLD Soccer Winning Eleven 2011」(4,400MSP/6,400円)が配信。

 追加DLCとして、6月10日から「Bulletstorm」のDLC「Blood Symphony DLC Pack」(800MSP)が、6月14日から「Crysis 2」のDLC「Decimation Pack」(800MSP)、「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」のDLC「Dream Battle 09」(80MSP)、「アリス マッドネス リターンズ」のDLC「American McGee's Alice」など2種(160~800MSP)が配信。

 無料体験版として、6月9日から「ファントムブレイカー Demo2」が配信。

 6月14日、XBLAメディア向け内覧会が開催された。マイクロソフトゲームスタジオからマイクロソフトスタジオへの名称変更と新たなロゴ、「HALF-MINUTE HERO -Super Mega Neo Climax-(勇者30)」(6月29日配信、800MSP)、「レイディアントシルバーガン」(今夏配信、1,200MSP)、「Fire Pro Wrestling」(年内配信、価格未定)のXBLA3タイトルについての紹介が行なわれた。

 750人もの実在選手のボブルヘッド人形が登場する野球ゲームXBLA「MLB Bobblehead Pros」(価格未定)の今夏配信が決定。

 6月9日、ダイナミックランニングアクション「エアロクロス」の公式サイトがオープン。配信日、価格は未定。

 特定のタイトルが一定期間ディスカウントされるXbox LIVE ゴールド メンバーシップ限定サービス「Deal of the Week」は、 6月15日~6月22日までXBLA「Worms 2: Armageddon」(800→400MSP)がディスカウント価格で販売される。


●今週の注目タイトル
 LA-MULANA

  • Wiiウェア
  • ジャンル 遺跡考古学アクション
  • メーカー アスタリズム
  • 配信日 6月21日
  • 価格 1,200Wiiポイント
  • 公式サイト http://la-mulana.com/jp/

 6月21日、株式会社アスタリズムからWiiウェア「LA-MULANA(ラ・ムラーナ)」(1,200Wiiポイント)が世界に先駆けて日本で先行配信される。本作は2006年にPC用フリーウェアゲームとして発表され、世界各国で高い人気を誇ったやり込み系遺跡考古学アクション。Wiiウェア版では、ユーザーインタフェイス、グラフィックス、サウンド、ゲームバランス、謎解きなどが、今の時代に合わせて全面的に見直されている。

 主人公である考古学者のルエミーザ博士は生命の秘宝を求め、全ての文明の始まりと言われる巨大遺跡ラ・ムラーナに挑む。遺跡には謎が多く潜んでおり、遺跡内の石碑を解読しながら謎を解き明かしていく。多関節キャラなども登場し、懐かしさと新しさが同居するタイトルとなっている。公式サイトでは動画も公開されているので、その作りこみが気になる人はぜひ見ておこう。

 なお、6月14日からは本作の公式ガイドブック「基礎知識編」(PDFファイル)が公式サイトで無料配信されている。なお、無料版と同内容ながら東日本大震災復興の寄付を目的とした有料版(300円/500円/1,000円)も配信中。売上は日本赤十字社に寄付されるとのこと。

● (C) ASTERIZM CO., LTD. Game Production Division NIGORO





■ ダウンロードソフトウェアレビュー 

 各ライターが独断と偏見でピックアップしたダウンロードソフトウェアを紹介するコーナー。最新のタイトルから配信済みのタイトルまで、気になるタイトルを紹介していきたい。


■ Xbox LIVE インディーズ ゲーム

ZP2KX: Zombies & Pterodactyls!


●開発元: Ska Studios 発売元: マイクロソフト株式会社●配信中(2010年12月17日)●価格:80マイクロソフトポイント(120円相当)
●プレイ人数:オンライン1~10人


● 手軽に遊べるオンライン対応マルチ対戦アクション

 「ZP2KX: Zombies & Pterodactyls!」は横スクロール形式の対戦型2Dアクションシューティングゲーム。プレーヤーは外見や能力をカスタマイズして自分だけのキャラクターを作り出し、人間とゾンビが戦う近未来風のフィールドを舞台にほかのプレーヤーと銃撃戦を繰り広げる。ストーリーモードやシングルプレイモード要素のない、オンラインによる多人数マルチプレイ対戦に特化したタイトルだ。

 ゲームのルールや目的は対戦モードによってそれぞれ異なるが、基本的には広大なマップ内を移動して対戦相手を探し、手持ちの武器で一定量のダメージを与えて撃破するという単純なもの。ゲーム開始時にはハンドガンなどの弱い武器しか所持していないが、マップ上には強力な銃火器やグレネードが配置されているので、これらを拾い集めてキャラクターを武装しながら戦っていくこととなる。撃破されてもすぐに復活できる点もふくめて、オールドスクールなマルチプレイシューターに似通ったゲームシステムを持っていると言えるだろう。また、天井や壁に沿って移動できたり、ジェットパックで空中を飛び回れたりと、本作独自のユニークなシステムも随所に盛り込まれている。

 操作は左右スティックによる移動と攻撃方向変更を中心に、ほぼすべてのボタンにアクションが割り当てられているが、比較的直感的に操作することが可能な配置となっている。最初は基本的な移動アクションと攻撃だけ頭に入れておき、ほかの操作は遊びながら習熟しても十分にゲームへ参加できるはずだ。なお、ボタン配置はメニューからも確認できるが、左スティックの押し込みによる挑発アクションだけは記載されていないので注意してほしい。

 武器には初期状態で装備する「NORMAL」は自機正面に小さな弾を連射するが、正面方向へ弾をばら撒く「VULCAN」、ロックオンした敵を攻撃する「MISSILE」、弾速は遅いものの着弾すると大きな爆風を伴う「ROCKET」、自機後方に弾を発射する「BOMB」、自機正面に伸びる「LASER」、方向パッドおよびアナログスティック入力方向と180度逆に攻撃する「DIRECTION」、障害物や画面端などで反射する「REFLECT」、自機の左右方向に弾を発射する「SIDE」がある。

自分でゲームを作成するか、ほかのプレーヤーが作成したゲームに乱入することで対戦がスタートする。ゲーム作成時の設定ではCPUのBotをプレーヤーとして組み込めるので、慣れないうちはプライベートゲームでBotを相手に練習することも可能

 同価格帯のインディーズゲームといえば、個性的な長所こそあるものの、ボリューム不足でミニゲームの域を出ないタイトルも多く、マルチプレイもオフラインにしか対応できないものがほとんどといっていい。本作は、上下の服装から性別まで個性をしっかりと表現できる幅広いキャラクターメイキングに、体力の増加や攻撃力アップなどの能力ボーナスが付与できるスキルカスタム、それぞれが千差万別の性能を持つバリエーション豊かな武器群と、プレーヤーを飽きさせないコンテンツが非常に多く盛り込んでいる。

 特に戦闘のキーポイントとなる武器に関しては、マシンガンや火炎放射器などの現実的な武装から、ハチの大群を射出する銃や炎をまとったまがまがしい大剣などのユーモラスなものまで、ありとあらゆるニーズに応えてくれる充実のラインナップとなっており、プレーヤーの好奇心を存分に刺激してくれる。加えて、対戦ルールも殲滅戦のデスマッチとチームデスマッチはもちろん、フラッグ戦やエリア支配戦など連携と戦略が問われるものまで、メジャーなものがひととおり用意されており、マッチポイントやマップのローテーション、マップ内に置かれる武器まで変更可能ときている。対戦を満喫するために必要とされるものは、ほぼ網羅されていると言っても過言ではないだろう。

 これだけ至れり尽くせりの内容で、ほかのプレーヤーとのマルチプレイが気軽にオンラインで楽しめるというのだから、最大10人で繰り広げる白熱の大乱闘が盛り上がらないわけがない。コストパフォーマンスの面から鑑みても、本作が一線級のオンライン対応タイトルと肩を並べるほどの高いポテンシャルを秘めていることは間違いない。

刀などの近接武器は使用時に踏み込みのダッシュが発生する。近接武器を持ったプレーヤー同士で繰り広げられる激しい剣戟の読み合いも、本作を熱くさせるポイントの1つ
敵の撃破やゲーム目標の達成で獲得できるポイントを集めると、プレーヤーのランクが上昇する。強さの指標となるだけでなく、新たな衣装やスキルを入手できるため、戦闘にも一層力が入る

 対戦が重視されたタイトルにおいて、武器の性能差やマップ構造などのバランス設定はゲームのおもしろさを決定づける避けては通れない課題だが、本作がバラエティ豊かな要素を詰め込んでいるにも関わらず、ストレスなく遊べる対戦バランスが確保されているという点にも注目したい。

 マルチプレイタイトルではさまざまなプレイスタイルに対応することができるように、キャラクターや装備にさまざまな選択肢を持たせているものが多いが、いずれの場合も対戦環境が習熟していくうちに「最強の組み合わせ」というものが発見され、それ以外が淘汰されてしまう傾向がある。筆者は豊富なカスタマイズを売りにしたFPSタイトルにおいて、戦場でまったく同じ装備のキャラクターが並んでいる姿を目の当たりにしてがっかりさせられた経験があるが、同じ思いを共有しているユーザーも少なくないことだろう。

 一方で、本作のスキルによる数々の能力ボーナスは、あくまでプレーヤーの長所を伸ばし、短所をサポートするささやかなレベルで抑えられており、スキルの強さが個々のプレイスタイルをねじ曲げることはない。また、武器も強さや使い勝手に格差こそあるものの、戦闘中に適宜拾い集める必要があるため、1つの装備だけが蔓延するという事態もほぼ発生しない。よってプレーヤーは、自分好みのチューンナップとプレイスタイルを維持したうえで、純粋な己の力量と判断力をもって対人戦を満喫することができるのだ。

 圧倒的に有利な武装を持つ対戦相手に遭遇した場合でも、玉砕覚悟で特攻をかける、撤退しながらほかのプレーヤーへ標的をなすりつけ、損耗させたところで漁夫の利を狙う、挑発で引きつけながら最適な武器を集め、油断したところにありったけの火力を注ぎこんで撃退する……など、戦況や相手の思惑を読んだ幅広い戦術を展開することも不可能ではない。いずれにせよ、自分の目論見通りに相手を翻弄できた暁には、誰もが底知れない喜びと優越感を得られるはずだ。本作はそんな対戦ならではのカタルシスをパッケージタイトルさながらに堪能させてくれる、上質な対戦ツールとしての強い魅力を秘めているのだ。


ジェットパックは高速で空中を移動できるが、燃料ゲージによる時間制限が存在する。ゲージを節約しながら交戦相手がガス欠になるのを待ち、鈍重になったところを袋叩きにするのもおもしろい

 ここまで対戦がおもしろいと、残念なのは本作の日本人のプレーヤーが極端に少ないこと。本作はXbox LIVEアーケードタイトル「The Dishwasher: Dead Samurai」で有名なSka Studiosが製作していることもあり、インディーズゲームでありながらゲームロビーはそれなりに賑わっている。しかし、いずれのゲームも海外のプレーヤーが作成しているために、日本人が参加すると通信遅延によって攻撃のヒット判定に大きなラグが生じてしまう。自らゲームを作成すれば回避することも可能だが、本作はゲームごとの通信遅延の値を事前に確認できるようになっているので、今度は海外のプレーヤーが遅延の少ないほかのゲームへと流れてしまい、対戦相手が集まらないという事態に……。現状は通信遅延のなるべく少ない部屋を選ぶか、日本人のフレンドを集めてゲームへ招待することをオススメする。

 80MSPという低価格のなかに驚くべきポテンシャルを秘めた本作。パッケージタイトルにもひけをとらない充実したオンラインマッチを堪能することが可能なので、オンラインマルチプレイを遊んだことのないユーザーには最適の入門用タイトルとして強くオススメできるだろう。もちろん、遊び応え抜群のボリュームと心地の良いゲームバランスは、アクションシューティング好きのユーザーの心もしっかりと掴んでくれるはずだ。また、ゲーム中のボイスチャットにも対応しているので、フレンドで集まってワイワイと騒ぎながらパーティゲーム感覚で遊んでみるのも悪くない。お試し版でも時間制限付きで完全版とほぼ変わらない仕様のゲームを体験することが可能なので、気になったユーザーはまずはそちらを試してみるとよいだろう。




(2011年 6月 15日)

[Reported by 木原卓/パンチョ(ねこひげ合同会社)]