■ 2009年5月第3週分 ■


 この連載は、ニンテンドーDSi、PSP、PS3、Xbox 360、Wiiと家庭用ハードではもはや当たり前となった感もある「ダウンロード販売」によるソフトウェアやコンテンツ(以下、DLC)の最新情報を1週間単位でレポート。また、様々なタイトルのレビューも掲載していく予定だ。ダウンロード開始間近なタイトルやリリースが決定したタイトル、そして過去のタイトルまでフォローするので、DLタイトルをチェックするのに役立てれば幸いだ。


■ 5月1日(金)~5月31日(日)ダウンロード販売開始予定一覧 ■



プラット
フォーム
タイトルメーカージャンル価格その他
5月1日

DSiウェア
どこでもWiiの間任天堂コミュニケーション無料オリジナル

Wiiチャンネル
Wiiの間任天堂コミュニケーション無料オリジナル
5月6日

XBLA
Space Invaders Extremeタイトーシューティング800
マイクロソフトポイント
移植[DS/PSP]+オリジナル

XBLA
ARKANOID Live!タイトーアクション800
マイクロソフトポイント
移植[AC]+オリジナル

XBLA
Zombie WranglersSierra Onlineアクション&アドベンチャー800
マイクロソフトポイント
オリジナル
5月12日

Wiiウェア
魂斗羅ReBirthKONAMIアクション,シューティング1,000
Wiiポイント
オリジナル

VC
ダウンタウンスペシャルくにおくんの時代劇だよ全員集合!アークシステムワークスアクション500
Wiiポイント
移植[FC]

VC
シムアースハドソンシミュレーション800
Wiiポイント
移植[PCE]

VC
ドルアーガの塔バンダイナムコゲームスアクション800
Wiiポイント
移植[AC]

Wiiウェア
Art Styleシリーズ:ORBITAL任天堂アクション600
Wiiポイント
移植[GBA]+オリジナル

Wiiウェア
Art Styleシリーズ:CUBELEO任天堂シューティングパズル600
Wiiポイント
オリジナル

Wiiウェア
Art Styleシリーズ:DIALHEX任天堂パズル600
Wiiポイント
移植[GBA]+オリジナル
5月26日

Wiiウェア
peakvox escape virusファンユニットエスケープアクション500
Wiiポイント
オリジナル
5月予定

VC
忍者くん 阿修羅ノ章ジャレコアクション500
Wiiポイント
移植[FC]

VC
ファイナルファンタジースクウェア・エニックスロールプレイング500
Wiiポイント
移植[FC]

VC
ファミコンウォーズ任天堂シミュレーション500
Wiiポイント
移植[FC]

VC
R-TYPEアイレムソフトシューティング500
Wiiポイント
移植[MS]

 ※表中の「VC」はバーチャルコンソール、「GA」はゲームアーカイブス、「XBLA」はXbox LIVE アーケード、「FC」はファミコン、「SFC」はスーパーファミコン、「MS」はマスターシステム、「MD」はメガドライブ、「PCE」はPCエンジン、「AC」はアーケードを指します。
 この表は毎週、配信タイトルを追加し、月単位で更新していきます。配信タイトルは当日まで配信が明らかにならないこともあるため、過去に遡って更新することもあります。



今月のバーチャルコンソールは12日から配信を開始した。「ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ 全員集合!」など3タイトル
(C) Million Co.,Ltd.

 昨日特別版を公開したので、リリース一覧はおさらい的な内容になるが、様々なプラットフォームにおけるDLCの情報を紹介していきたい。

DSステーション
 5月7日から、注目度の高い「逆転検事 体験版」、ゲームセミナー2008受講作品の「ふ~ふ~きらりん☆」、「Re:コエティスト」、「うごうごトリニティ」、「かおサピエンス」の無料ダウンロードが始まっている。

Wiiショッピングチャンネル
 5月12日に、Wiiウェアとして、「魂斗羅」の新作となる「魂斗羅ReBirth」(800Wiiポイント)、他の星を吸収したり、自分の衛星にしながら宇宙空間を進むアクション「Art Styleシリーズ:ORBITAL」(600Wiiポイント)、様々な色のキューブで構成された集合体にキューブをくっつけ、同じ色のキューブを4個以上つなげて消していくシューティングパズル「Art Styleシリーズ:CUBELEO」(600Wiiポイント)、落ちてくる正三角形のパネルを回転させて正六角形を作って消すパズルゲーム「Art Styleシリーズ:DIALHEX」(600Wiiポイント)が、VCとして、2人プレイも可能なくにおくんのアクション「ダウンタウンスペシャルくにおくんの時代劇だよ全員集合!」(500Wiiポイント)、星の環境を整えて生命を育むシミュレーション「シムアース」(800Wiiポイント)、フロアにある宝箱を探しながら塔を登る名作アクションRPG「ドルアーガの塔」(800Wiiポイント)が配信された。

PS3
 5月7日に「リトルビッグプラネット」の追加アイテム「エジプト神話ミニパック」(300円)が配信開始。

PSP
 5月7日から「真・三國無双 MULTI RAID」の追加アイテム「追加コンテンツ Version 10」を、5月11日には「アイドルマスターSP」の追加アイテム「ダウンロードプラス」(無料)の配信を開始した。「ダウンロードプラス」は「アイドルマスターSP」のDLCに「アイドラ」などの新機能を追加するためのプログラム。5月13日配信となる「カタログ4号」(無料~1,000円)の利用にも必要となるので、忘れずにインストールしておこう。

Xbox 360
 5月7日に「Tom Clancy’s H.A.W.X」のDLC第2弾「USイーグルパック」(400マイクロソフトポイント)を、5月12日に「Fable II」のDLC第2弾「未来の行方」(560マイクロソフトポイント)を配信。また、今週中に「デススマイルズ」のDLC「メガブラックレーベル」(1,200マイクロソフトポイント)が配信予定。タイトルアップデートも5月末~6月上旬に行なう予定となっている。

 また、米Xbox 360の公式サイトでは、Xbox LIVE アーケードのタイトルとして「獣王記(Altered Beast)」や「Shinobi」などのタイトルが紹介されている。日本でのリリースは未定のようだが、期待して待ちたい。


●今週の注目タイトル
  ドルアーガの塔


 1984年にアーケードで稼動し大ヒットとなった「ドルアーガの塔」。主人公ギルは、ドルアーガを倒し、石にされた巫女カイを救出すべく全60階の塔を登る。ただ塔を登るだけではドルアーガは倒せない。フロアには隠された宝箱から必要なアイテムを回収しなければならないのだ。宝箱の出現条件はノーヒントのため、雑誌や友人から情報を得ながらプレイしていたのを思い出す。この「ドルアーガの塔」は多くのプラットフォームに移植され、「イシターの復活」や「カイの冒険」といった関連タイトルも発売されている。2008年にはアニメ「ドルアーガの塔 ~the Sword of URUK~」が放映されたこともあり、「ドルアーガの塔」という名称を知る人も多いだろう。宝箱を探す、謎解きの面白さを体験してほしい。

●(C)1984 2009 NBGI




■ ダウンロードソフトウェアレビュー 

 各ライターが独断と偏見でピックアップしたダウンロードソフトウェアを紹介するコーナー。最新のタイトルから配信済みのタイトルまで、気になるタイトルを紹介していきたい。

■ Xbox LIVE アーケード

「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム ver.5.66」



●セガ●2009年●配信中(2009年4月29日)●価格:1200マイクロソフトポイント(1,800円相当)
●プレイ人数:1人(システムリンク時対戦プレイ可能)●オンライン対応(対戦プレイ/ランキング登録)●ボイス対応



● ハイスピードなロボットバトルがオンラインでいつでも対戦可能に!

 1995年にセガからアーケード用として発売された3Dロボットアクションシューティングゲーム「電脳戦機バーチャロン」。カトキハジメ氏デザインによるバーチャロイドが繰り広げるハイスピードなバトルは、対戦格闘アクション全盛の時期に、新たなプレーヤーをゲームセンターへ呼び込んだ。そして、新たなバーチャロイドの追加だけでなく、攻撃の選択肢が増えて戦略性が増したシリーズ第2作「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム」が1998年に稼働開始。このシリーズ第2作が、バージョンアップやドリームキャストへの移植などを経て、息長くアーケードで稼働を続けていた。今回、Xbox Live Arcade用ソフトとして開発されたのが、この最終形の「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム ver.5.66」だ。なお、「バーチャロン」シリーズは、移植や再調整など、新たな形になる際はバージョンを変えて登場するのが定例となっているが、本作は「ver.5.66」のまま変更されずに表記されている。

 ゲームルールは、攻撃して相手バーチャロイドのエネルギーゲージをゼロにして相手を撃破すれば勝利となる。制限時間内にできなければ、エネルギーゲージ残量の多いほうが勝利になるが、特定のCPU戦では制限時間内に相手を撃破できなければゲームオーバーだ。

 攻撃は基本的に、左手攻撃、両手攻撃、右手攻撃の3種類。ダッシュやジャンプ、しゃがみなど、状態によって攻撃の形態が変わる。また、ターボボタンと攻撃を同時に入力することで、ターボショットになる。ターボボタンは左右によって特性が違うため、局面に応じた使い分けが要求されるだろう。さらに、相手バーチャロイドとの間合いが近い場合、近接攻撃が使えるようになり、通常の攻撃よりも大きなダメージが与えられる。近接攻撃については、バーチャロイドによって得意不得意があるので、バーチャロイドの選択前にチェックしておきたいところだ。

 ゲームモードは、アーケード版と同じように、対CPU戦と対人戦があり、対人戦はシステムリンク接続かネットワーク接続時のみ選択可能。また、追加要素として、特定条件でスコアを競うランキングに対応したスコアアタックモード、初心者のためのトレーニングモードも収録されている。

 なお、システムについては公式HPで詳しく紹介されている。簡単なテクニックから裏技的なものまで網羅されているので、プレイ前にチェックしておくといいだろう。

 このゲームの魅力は、やはりハイスピードな対戦モード。1番気になるのはネットワーク接続によるオンライン対戦の現状だろう。オンライン対戦は、戦績の記録される「ランクマッチ」と、戦績の残らない「プレイヤーマッチ」がある。「ランクマッチ」は戦績に応じて階級が変化していくので、腕に自信のあるプレーヤー向け。階級によってマッチングが制限されることもないので、積極的に高い階級のプレーヤーに挑戦することも可能だ。本数や時間などの設定をしたり、フレンド同士で対戦したい場合などは、気軽に対戦が楽しめる「プレイヤーマッチ」を選ぶといい。

 配信直後だけに、どちらのマッチでも、対戦相手に事欠かない状況だ。対戦時の動きについても、アーケードモード同様のスムーズなプレイが行なえる。自分のネットワーク環境に問題がない状態なら、この部分についてはまったく心配する必要がないと断言できるだろう。ちなみに、ロビーやマッチング待ちの画面で、LBやRBボタンを押すとBGMが変更できる。好みのBGMで待ち時間を快適に過ごすのがちょっとしたオススメだ。

 「バーチャロン」シリーズといえば、ツインスティックによる操作が象徴的だ。専用ツインスティックの発売も検討されてはいるようだが、現状はコントローラーのみでの操作になる。

 コントローラーのボタン設定は、将来的にツインスティック対応となるタイプを除けば2種類。ドリームキャスト版「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム」と同じように、ツインスティック2本での入力が必要な操作(旋回、ジャンプ、しゃがみなど)をそれぞれ1つのボタンで入力できるように割り振ったスタンダードタイプ。プレイステーション版「電脳戦機バーチャロン」のように、2つのアナログスティックをツインスティックに見立てたツインスティックタイプ。どちらも慣れが必要とされ、それぞれにクセがあるので、どちらがいいというものではない。ドリームキャスト版発売時にも言われたことだが、アーケード版をやり込んでいるならツインスティック、それ以外ならスタンダードで遊ぶのがベターだろう。

 実際触った感じとしては、ドリームキャスト版の下地があったせいかもしれないが、スタンダードに短時間で馴染むことができた。大雑把なアクションであれば、ほぼアーケード版をプレイしていたときのイメージで遊べたと思う。とはいえ、細かなキャンセル入力などを行動に入れ込もうとすると、どうしてもつながりにくくなり、動きがぎこちない。こういった細かい操作だけなら、現時点ではツインスティックの方が入力しやすい印象だ。ただ、ツインスティックなら細かい入力ができるのは当然、といったツインスティックに求めるハードルが無意識に高くなっているのも事実。アナログスティックやスティック位置が平行ではないこともあって、意図しない攻撃が出てしまったときのマイナスイメージが目立ちやすい。入力する側もひとつひとつを丁寧に行なう必要がありそうだ。ちなみに、キーアサインもできるので、ツインスティックタイプにしつつ、しゃがみ(表記はジャンプキャンセル)を1つのボタンでできるように割り振っておくと、より確実な入力が行なえる。

 気になった部分としては、クイックステップの入力だ。アーケード版同様に入力のタイミングがシビアなため近接距離時にクイックステップを行なおうとしたとき、ターボボタンを押してから左スティックを入力しても、クイックステップにならないことがある。トレーニングモードで練習するなどして、操作に慣れる必要があるだろう。

 操作面はともかく、ほぼアーケードと同じように遊べるものとなっているのは間違いない。ドリームキャスト時代にネットワーク対戦を連日に渡って行ない、後日、回線使用料の請求書を見て立ちくらみを覚えた側としては、ここは細部にこだわるより、気軽にハイスピードバトルを楽しみたいところだ。

 なお、タイトルアップデートも予定されている。スタンダート操作で「歩き旋回」ができなかったり、方向パッドが使えなかった部分をフォローしてくれるようだ。

移植に伴い、画面サイズを4:3から16:9に変更。HD画質対応となったため、アーケード版よりも高画質な画面でプレイできる画面中央の武装ゲージが黄色くなると、近接攻撃が使用可能になる。ただし、黄色になった武装ゲージに対応した攻撃しか近接攻撃にならないので、間合いに注意すること自由にカラーリングを変更できるカスタマイズモードも用意されている。カスタマイズ機体を使用するには、機体選択画面でビジュアルメモリを選べばいい
機体選択画面には14体のバーチャロイドが並んでいる。バックボタンを押しながら機体を選べば、ランダムでカラーリングも変更可能だ。カラーはバックボタンを押すたびに変わっていくトレーニングモードでは、敵の動きなどを練習しやすいように変更できる。プレイ前と戦闘中では変更できない設定もある保存したリプレイを観戦できるウォッチモードもある。観戦中にカメラ切り替えも可能だ。リプレイデータはアップすることができるので、他の人がアップしたものを観戦できる
バーチャロイドによっては、通常の攻撃の他に特殊入力技が使えるものもある。アーケード版でスタートボタン入力が必要だったものは、バックボタン入力に変更されたオンライン対戦は、ラグなどの違和感を感じることなく、快適にプレイできていた。クイックマッチだと、「ランクマッチ」より「プレイヤーマッチ」のほうがマッチングしやすい印象だ実績は、難易度を変更しても解除されるのでコンプリートは難しくない。カスタマイズ機体を使用したり、1試合観戦しただけでクリアとなる実績もある
(C)SEGA CHARACTERS (c)SEGA/AUTOMUSS CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME


(2009年 5月 12日)

[Reported by 梶原製作所/木原卓]