山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第6回

“美しい地獄”「DARK SOULS III」が最高で、「NieR」のコンサートも週末にあるしで、退廃美ファンタジーにどっぷりな話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

地獄のような世界も、仲間と一緒ならより楽しい

「DARK SOULS III」はシリーズ最高傑作と言っていいんじゃないでしょうか。

今週は「DARK SOULS III」をがっつりプレイしました!
(発売以来、仕事が立てこんでしまってなかなか遊べなかったんですよ)

そういう意味では、やっとこさ一通りを遊びこめたので、ちゃんと自信を持って「面白かったのか?」を伝えられるわけですが。

まぁ、「素晴らしい!」の一言に尽きるんですよ。ホントに。

正直に言えば、シリーズはもう3作目であり、昨年にも姉妹作品と言ってもいい「Bloodborne」もあったから、さすがに新鮮味は薄れたかなという気持ちだって、なくはなかったんです。

もちろん、以前にこのコラム連載に書いたようにすごく楽しみでもあったんだけど、好きだからこそ「期待を越えてくれだろうか?」っていう不安があったわけです。「もう食傷気味になってはいないかい?」という自問自答の世界。

でも、そんな期待ゆえの不安なんて、「DARK SOULS III」の“地獄のような光景と体験の連続”によって、どこかに跡形もなく消え去っていった。

前作、前々作との1番の違いは、やっぱりスケール感が遥かに大きくなったこと。今作はPS4/Xbox One/Windowsと最新世代機のみの提供となったので、スペックをぶん回しての表現やスケール感に期待していたんだけど……これが、期待以上の凄まじさだったわけです!

プレイ中には、

「……うわぁ……なにこれ」

なんて声が出まくり。そこを何度も死につつ乗り越えると、またほどなくして、

「……なんだこれ」

と絶句することに。

シリーズ作でいろいろと壮絶な光景を楽しんできたけど、今作はそんなシリーズ慣れしている人の想像力を上回るような場面が、バンバン出てくる。発想のスケールアップに期待していたけど、想像の斜め上を行くような体験が待っていた!

それに挑むのがもう、最高に楽しい。

えげつないシーンの連続に全力で挑んで、惜しいところで死んでしまったときには、「くぅぅぅぅ~~~~」なんていう声が漏れる。その“本気の声”が漏れることが、夢中でゲームにかじりついているのが久しぶりで。「今、面白いゲームを遊んでいる!!」という実感が嬉しい。

一応、ライターらしく冷静な意見も書いておくと、序盤には敵の多さと、厳しい戦闘の連続があまりに多すぎて、“緩急が乏しい”ように思えたりもしたんです。ほっとできるところや、到達感、達成感をもうちょいください! みたいなことですね。

そのあたり、海外メディアのレビューを見てみると、「レベルデザイン(ゲーム中のマップなり敵の配置など、難しさの構成や組み立て……のようなもの)」に対して、「いいね!」って書いているレビューもあれば、「良くないね!」って書いているレビューもあったりで、特に序盤の印象が意見のわかれるポイントなのかなぁと思ったりする。

まぁ、ライターがこんなこと書くのはあれでしょうけど、ぶっちゃけ人それぞれです。僕の意見も、「僕はこう思った!」っていうだけなんで。

あとは、「敵がこちらを追いかけてくる距離の限界」はやはりあって、追跡範囲外から狙撃できちゃうところが何カ所かあったのが気になりはしたんだけど。正直それについては、「もうこれぐらいは許してくれないと辛すぎる」みたいに思うところもあったりで。あえて可能にしているのかなと思える場所もあるので、救済策っぽくもあり。まぁ、そういう手段を使うかどうかも、人それぞれですよ。プライドの問題。

気になったのはこんなところで、あとはもう。呆気にとられるような場面の連続ですよ。

もう、例えるなら「地獄」。

しかもそんな地獄がものすごく美しい光景ばかりなもんだから、

「地獄ってこんなに美しい世界だったのか……」

などと、ちょっと危ない人ライクなことまで考えてしまう始末。

そんなビューティフォーヘルを、なんとか乗り切ったときの達成感たるや。またその次にさらなる地獄がお目見えしたときの絶望たるや。

様子見している人、忙しかったりなんだりで、いずれプレイしようと考えている人。オススメですよ。僕の「今年に遊んで面白かったゲームの暫定一位」は、今のところ「DARK SOULS III」になりました。

「DARK SOULS III」は、シリーズ最高のスケール、脅威、美しさで迫る。例えるなら“美しい地獄”。最高!

さてさて。今週末には、「NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノ シロ 再生ノ クロ」が開催されます。

「NieR」は、2010年に発売されたPS3/Xbox 360にて発売されたスクウェア・エニックスのアクションRPG。そのミュージック&トークライブが開催されるというわけです。

「NieR」は発売前には、大注目されていたタイトルとは言えなかったと思うんだけど、発売後にはその退廃的な美しさのある物語や世界観と、音楽の良さが、多くのファンを生み出した作品。特に楽曲の魅力は、海外メディアからも高く評価されました。

当時の僕もサントラを購入し、ヘビーローテーションで聴きまくっていました。特にボーカル曲を歌うエミ・エヴァンスさんの歌声は、その繊細さと透明感が圧倒的に美しく、最高です。

(ちなみにエミ・エヴァンスさんは「DARK SOULS」にてNameless Songという曲でも歌っているので、今回のコラム内容にちょっとだけ絡むのです。ほんとにちょっとだけど)

なお、「NieR:Automata」の公式サイトでは、そんなコンサートライブ直前ということで、新曲の主題歌が聴けるようになっています。

こちらがまた素晴らしいんですよ。前作同様に楽曲を手がけるのは、MONACAの岡部啓一氏。イントロの忍び寄るような儚さからの、ずーんとくる重さ、そこにふわっと入る透明感のある歌声。必聴です。

公式サイトはこちら。主題歌は必聴の美しさ!!

そして、このコンサート&トークイベントでは、最新作「NieR:Automata(ニーア オートマタ)」の新たな情報公開にも期待していきたいところ。ライブレポートをはじめ当日の模様や情報をお伝えする予定なので、そちらもお楽しみに。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。

(山村智美)