山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第3回

PSVRを買うために毎月8,000円貯金していこうと脳内会議で決まった話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

1、2、3……ときたら、4、5、6とくるように、
3、2、1……とくると、それが始まる。

今年、現実になるのはVR(バーチャルリアリティ)の体験。

“現実になる”というのは存在する、しないみたいな理屈ではなくて。
“一般的に身近なモノになる”ということ。

その中でも、すんなり入れる親しみがあるのは、やっぱりPS4でできる「PlayStation VR」でしょう。

先週はサンフランシスコで「GDC 2016」が開催されました。

それこそ今週は「オンラインRPG『ディヴィジョン』をプレイしているとニューヨークの街なのに関西弁がしょっちゅう聞こえてくるから、こっちも釣られてエセ関西弁でボイスチャットしちゃう」って話を書く予定でいたんだけど、

せっかくなのでGDC 2016の……というか「PlayStation VR」の話にします。

GDCというのは「ゲーム デベロッパーズ カンファレンス」の略。世界中のゲーム開発者の人達が集まって、自分たちの最新プロジェクトを披露したり、情報や技術交流をする、サミット的なイベントです。基本的には業界で働く人向けの会議の場なんだけど、ここ数年は新製品の発表もあったりで、ユーザーさんからの注目もずいぶんと高い。

そんなGDCだけど、GAME Watchの紙面をご覧頂ければ一目瞭然。今年の主役はなんといっても「VR」。

特にそのなかでも、発売時期と価格を発表した「PlayStation VR」がやっぱり注目ですね。

PSVRの発売時期は、ホリデーシーズン前の10月(日付は国によって異なる可能性があるため後日に発表予定)。価格は44,980円となったので、税込みだと48,578円。ちなみに2017年4月から消費税が10%になる予定だそうなので、それだと49,478円。

ざっくり本体を約5万円としておくと、その購入費を今から貯めていくなら、4月から毎月7,142円を貯金すると10月にはPSVR本体分は貯まる。余裕を持っておくなら月に8,000円貯めようという感じです。

んー、結構するね。毎月ソフト1本分を我慢というところ。

……僕もがんばるので、みんなもがんばろうね。

プレイステーション 4用VRシステム「PlayStation VR」は、10月に発売予定で価格は44,980円(税別)

PSVRをはじめ、VR全般においては、GAME Watchではなんと言っても佐藤カフジさんが精力的にレポートされておられるのだが(VRのちゃんとした情報は「佐藤カフジのVR GAMING TODAY!」で読んでね!)、僕もなんだかんだ取材なりで、結構な回数PSVRを触らせてもらっていたりします。

おかげで、すっかり慣れたもの。

先日も、お台場で開催中の企画展「GAME ON 〜ゲームってなんでおもしろい?〜」に取材にいったときに、PSVRの「THE PLAYROOM VR」(PSVRの発売と同時に無料配信される予定)をプレイした。

そこで「モンスターエスケープ」(PSVRを被った人が大きな怪獣を、その他の人はテレビ画面を見つつ、いろんな物を拾って投げて怪獣に当てるという、おなじみなアレ)をプレイして。怪獣役をやった僕は、ガチで全部避けきって一緒に遊んだ他メディアの人や案内役のコンパニオンさんをドン引きさせたほどの腕だったりする。

プレイのコツとしては、怪獣側は顔を前に突き出しておいて、相手がモノを投げたらそれに反応して、顔を斜め後ろに動かしつつ避けていく。

一方で投げる側は、その避ける動きを読んで、投げるタイミングをジャンプフェイントでずらしたり、他の人とタイミングを合わせて投げて怪獣側の避けるコースをより限定する……などの戦略が必要になる。なかなかどうしてシンプルだからこその読み合いがある。

……今の時点でこんな攻略を書いても全然意味がない……。
6カ月後にこの攻略を思い出してください。
(そんなに待てない! という関東近郊にお住まいの方は企画展「GAME ON」にぜひ)

何度も触らせてもらっているうちに思ったんだけど、顔の動きだけでもかなり微妙なコントロールができるんですよ、あれ。慣れてくればそれこそ飛んでくる物との距離感も掴めてくる。

十字ボタンやレバーなりで数ドット単位のコントロールをしたのとは当然違ってくるし、よりアナログではあるんだけど。

ギリギリで回避しときには、少年マンガよろしく「チッ!……今のはヤバかった!」みたいな感じになれますよ。没頭しきれる人なら、肌感覚も錯覚で感じるかもしれない。

PSVRの発売と同時に無料配信される予定の、「THE PLAYROOM VR」に収録されるパーティーゲーム「Monster Escape」。上はテレビ画面側、下はPSVRを被っている怪獣側の視点。情報を常に追っている皆様にはもうお馴染みのタイトルだと思うけど、なにげに“PSVRの動きでどれぐらい精度の高いゲーム的なコントロールができるのか”も掴めたりするんです

VRについてもうひとつ。

VRの1番のポイントは「視界が3D立体映像で覆われる」ということです。

え? そんなことわかってるって?

いやいや、これは大事なんですよお客さん。

これね、実は慣れるまで結構“怖い”んです。周りに誰かいるのか、それともいないのか。何も見えないから。

お風呂で髪を洗っているときに背後に何かがいるような気がしてゾクっとしたり、チラ見したりしたこと、あると思うんですけど。あんな感じです。だって言うなれば“すっぽり目隠し状態”なので。

僕はこれまでイベント会場なり取材なりでPSVRを触らせてもらってきたけど、そういう場ではいつも、担当編集さんやら広報の人らが見守っている。

サービス精神が旺盛な僕はそこで、“自分の視界に何が見えていて、それを見てどんな気持ちなのか”などを全部声に出すようにしてるんです。要するに実況プレイだね。

でもそんなことをやっていたある日の取材。
あるホラータイトルをPSVRでプレイさせてもらったときも、いつものように、

「これは怖いなー、真っ暗で何も見えないし……あ! 誰か寝てる!! いや、死んでる!」

みたいに、騒ぎながらプレイしていたんですけど。

そうしてプレイが終わって、PSVRを外してみると……、

「……ハッ!誰もいない!?」

(担当編集や広報さんはだいぶ離れたところでお仕事の話しをしていた)

なんてこともありました。ヘッドフォンも併用しちゃうと、それぐらい周囲の気配がわからないんですよ。ホントに。

おそろしいことですよ。誰も見ていないし聞いてもいない空間で、僕はずっと喋ってはしゃいで、たまにツッコミも入れつつ、身をよじったりしていたんだから。

(「暗殺教室」の殺せんせーがエッチな本を読んでいるところを生徒に見られたときよろしく、「恥ずかしい 恥ずかしい」って気持ちになった)

もちろん、逆もありうる。

誰もいない自分の部屋でPSVRをプレイしていたら、オーバーリアクションこそしないだろうけど、ゲーム内の演出にびっくりして身体がびくっと反応したり、ちょろっと声が出たりはするでしょう。

……その姿をご家族なり兄弟なりが目撃しちゃうかもしれません。シャイな人は要注意。

PSVR発売直後には、他人がプレイ中の姿を隠し撮りするのが流行るかもしれない。ほどよく顔も隠れてプライバシーがいい感じに守られるし。

企画展「GAME ON 〜ゲームってなんでおもしろい?〜」のメディア向け内覧会で撮影した、PSVR体験中の様子。誰もが思うことだけど、VRをプレイ中の人の反応を見るのもまた面白い

まぁそんなわけで、視界をPSVRで完全に覆い、耳もヘッドフォンをするというのは、なかなかの未体験ゾーンなわけです。遮断されると想像力や妄想力が出てくるんですよね。髪を洗っているときのように。ありもしないものを考えて、感じたりする。

じゃあ、逆にそれがむしろプレイ体験に良い効果を生む、相性のいいゲームジャンルって何かと言えば……

もちろんホラーですよね。

VRで飛躍的に凄みが増すジャンルは、ホラーじゃないかなと個人的には思っています。

今回のGDCで出展されていたホラーアドベンチャー「Perception」のムービーを下に置いておくけど、このゲームは真っ暗な部屋のなか、音の反響で周囲の様子を掴みつつ進むゲームだそうで。

このムービーを、視界が完全に覆われた状態で見えているものと想像してもらいたいんだよね。

僕はただでさえホラーが苦手。1人ではホラーゲームはできまへん。

「P.T」とか、「SIREN」シリーズ、「サイレントヒル」シリーズなどなど、なんとかかんとかプレイしたものの、1人のときに自分から進んでプレイしはじめるということはなかった。

(「P.T」がもしVR対応のゲームになったりしてたら怖すぎて続行不能にもなりかねないよね。……やりたかった)

部屋を明るくして、ときには夜にプレイするのは避けて昼から夕方の間だけプレイするなんてことまでしてきたんです。

それがなんですか、PSVRを被って視界を完全に覆って、右を向いても左を向いてもホラーな世界に入り込んでくださいだって? 昼も夜も関係なし!?

そんなもの怖いに決まってる。眼の逃げ場なしなんですよ?

とんでもない話ですよ、まったく……。

……。

……でも、楽しみだよね?(怖い物見たさ)

PSVRを被ってホラータイトルをプレイして、「うぉぉぉぉ! びっくりしたー!!」とかなってるところを家族にバッチリ目撃され、その報復に家族にもプレイさせて、そのリアクションを楽しみましょう。

そんなわけで、みんながんばって毎月8,000円ほど貯めていこう。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。

(山村智美)