PS3/Xbox 360ゲームレビュー「DmC Devil May Cry」

DmC Devil May Cry

「俺と踊りたい? イイぜ!!」UKロックセンス全開! アクションの手触りも良質な1本

ジャンル:
  • スタイリッシュアクション
発売元:
開発元:
  • Ninja Theory
プラットフォーム:
  • PS3
  • Xbox 360
価格:
6,990円
発売日:
2013年1月17日
プレイ人数:
1人
レーティング:
CERO:D(17才以上対象)

 日米カプコンプロデュース、メイン開発をイギリスのデベロッパーであるNinja Theoryが行ない、これまでのシリーズとは異なる魅力を引き出すことに挑戦した意欲作「DmC Devil May Cry」。シリーズ作の本家「デビル メイ クライ」(DMC)とは異なる“UKロックテイスト”に満ちた作品に仕上がっており、それでいて、かっこいいアクションを自在に繰り出していく“スタイリッシュアクション”の本質はばっちり押さえている。このレビューでは、“どんな新しさがあるのか”、“スタイリッシュアクションの良さは本作でも存分に楽しめるのか”。そうしたところに焦点を当ててお伝えしていこう。

【プロモーションビデオ】

悪魔が政治・経済あらゆるものを使い、影で人類を支配する現代世界をぶち壊せ!!

 本作の世界は、本家「DMC」シリーズとは名称などの共通点もありつつ、まるで異なる世界を展開する「パラレルワールド」。現代世界を舞台にし、悪魔の王「ムンドゥス」が金の力、権力の力で人間社会を影で操り、実質的に支配している。人類はそれに気づかず、いわば悪魔に魂を搾取されるために飼育されているという日々を過ごしているという世界だ。

 主人公ダンテもそんな世界に生きる1人だ。けだるい日々を好き勝手に過ごしていたが、謎めいた女性「キャット」の来訪、そしてハンターという悪魔の襲来によって全てが変わっていく。日常的な風景は消し飛び、“リンボ”という現実と魔界の狭間へと落とされる。裏切り者の悪魔「スパーダ」の息子であるダンテの命を狙うムンドゥスと、ダンテの戦いが始まっていく。

政治、経済、情報、飲料……あらゆる手段を使って実質的に人間を支配している悪魔たち。人間の姿で溶け込んで情報を操作し、ダンテや対抗勢力のジ・オーダーはテロリストとして扱われている
悪魔スパーダと天使エヴァの息子ダンテは、キャットと出会い、彼女が所属する悪魔に対抗する組織「ジ・オーダー」に合流していく
黒髪、短髪、青年の「DmC」ダンテ

 発表当初はやはり、シリーズ作とは全く違う主人公ダンテの姿に賛否両論があったことを思い出すが、本作のダンテはいわば、UKロックノリな結構そこらへんにいそうな青年。ラフで口汚く、反社会的だが、実は仲間思いな良いところもある。そんな人間味のあるキャラクターとなっている。

 本家シリーズ作のダンテは貴族的であり、ルックスの方向性で言うところの耽美系(平たく言うとファンタジックな美しい系)だったのに対して、まったく違うタイプの魅力を持っていて、どちらも甲乙つけがたい。

 好みによるところもあるが、「DmC」のダンテもまたものすごくかっこいいキャラクターと思える。本家「DMC」ダンテがあまりにもかっこよくレジェンダリーな存在がゆえに、シリーズファンであればあるほどに「DmC」ダンテに違和感がまだあるとは思うが、それで食わず嫌いをしてしまうにはもったいないキャラクターだ。

「DMC」シリーズ作のダンテとはまったく異なるラフ&ワイルドな良さがある「DmC」のダンテ。人間味が強く、口汚いが、仲間思いな良いところもある
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(山村智美)