★ゲーミングPCレビュー★

安心国内生産のTSUKUMOブランドBTOノートPC
ゲーム用途にも十分使える!
フルHDパネルとGeForce GT 650Mを搭載したマルチメディアPC
「TSUKUMO eX.computer N156Jシリーズ」


  • ジャンル:ゲーミングPC
  • 発売元:Project White
  • 価格:79,980円~
  • OS:Windows 
  • 発売日:7月13日

 7月に発表されたTSUKUMOブランドのBTOノートPC「TSUKUMO eX.computer N156Jシリーズ」は第3世代Core iプロセッサー・ファミリーとGeForce GT 650Mを搭載し、フルHDパネルを採用したゲーマー向けの製品だ。このN156Jシリーズの標準構成モデルにあたる「TSUKUMO eX.computer N156J-500A/S」をお借りすることができたので、レビューしていこう。




■ TSUKUMOブランドのBTO PC、eX.computer

 今回紹介するTSUKUMO eX.computer N156J-500A/Sは、ノートブックPCにカテゴライズされているが、一般的な目から見ればマルチメディアPCとなっており、ゲームなどのハードな用途にも堪えられる仕様だ。

 eX.computerの製品は、BTOでの受注生産方式を採用している。同じような製品でもいくつかのラインナップがあり、自分の用途や希望に合った製品を最初に選んでから、カスタマイズを行なって発注する。たとえば、N156JシリーズにもCore i7プロセッサーを採用した製品や、さらにSSD搭載モデルも用意されている。また、ここで紹介するN156J-500A/Sは、Core i5プロセッサーを採用した廉価版モデルだ。これらを選び、必要な部分を強化したり、不必要な部分を削ったりできる。店頭で注文する場合には、数日後に発注した製品が届くと言う仕組だ。ただし、これら3製品の基本スペックのままで購入する場合、在庫があるなら店頭で購入しそのまま持ち帰ることも可能だ。


【eX.computer N156J-500A/S】【天板部分】
N156Jシリーズとしては標準構成にあたるN156J-500A/S。外観はシリーズすべて同じだ。最新CPUとGPUを搭載した本機は、一見マルチメディアノートPCにも見えるが実はゲーマー向けの性能もあわせ持っている光沢のある天板にeX.computerの文字が入っている。BTOノートPCなので外見はシンプルだ




■N156Jシリーズは3製品をラインナップ

 N156Jシリーズには3つのラインナップがあることは先ほど触れたとおり。上位構成の「N156J-820A/S」、そして「N156J-710A/S」、標準構成の「N156J-500A/S」といったところ。基本的なスペックを見ると、これらの製品は搭載OSとCPU、ストレージという、3つのパーツによって区分けされているだけで、ほかの部分においては同じ構成だ。

 まずはOSだが、上位構成の「N156J-820A/S」ではWindows 7 Professional 64bit版 SP1が採用されている。それ以外の製品ではWindows 7 Home Premium 64bit版 SP1だ。CPUにはいずれも第3世代Core iプロセッサーが搭載されているが、標準構成の「N156J-500A/S」ではCore i5-3210M、それ以外の製品にはCore i7-3610QMが採用されている。ストレージは上位構成の「N156J-820A/S」がIntel 520の120GBのSSDが採用されており、それ以外では500GBのHDDといった具合だ。

 この中でも本当に基本的な部分はCPUのみと言っても差支えはない。標準構成の「N156J-500A/S」にProfessionalやUltimate EditionのWindows 7を選択することや、HDDをSSDに換装するということもBTOによって行なえるからだ。この製品を購入しようと考えた場合には、まず、この点を押さえておきたい。




■仕様を見れば一目瞭然。最新装備で3Dゲームもばっちりこなす

 では、ここからはお借りすることのできた「N156J-500A/S」を見ながら、どのような仕様の製品であるかを見ていこう。N156Jシリーズのほかの2製品も記載した、簡単なスペックをまとめたのでそれを見ながら読んでほしい。

【表組みタイトル】
 N156J-500A/SN156J-710A/SN156J-820A/S
CPU(コア数、スレッド数、動作周波数、Turbo Boost時の最大動作周波数)Core i5-3210M(2コア、4スレッド、2.5GHz、3.1GHz)Core i7-3610QM(4コア、8スレッド、2.3GHz、3.3GHz)
チップセットIntel HM76 Express
メモリPC3-10600 DDR3 SODIMM、8GB(4GB×2)、メモリスロット×2
グラフィックス機能GeForce GT 650M/Intel HD Graphics 4000
モニタ15.6型フルHDノングレア液晶ディスプレイ(LEDバックライト方式)
ストレージ500GB HDD(Serial ATA 3G)Intel 520シリーズ 120GB(Serial ATA 6G)
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
カードリーダーSDXC/SDHC/SD、メモリースティック Pro HG/メモリースティック Pro/メモリースティック、MMC対応、マルチカードリードライター
USBUSB 3.0×2、USB 1.1×2
通信機能1000BASE-T、IEEE802.11b/g/n、Bluetooth V4.0
外部ディスプレイ出力HDMI、Dsub 15ピン
WebカメラHD画質内蔵Webカメラ
スピーカーサブウーファ付きステレオスピーカー
動作時間(標準バッテリ使用時)約4時間
サイズ(W×D×H)380×362×35.5~36.6mm
重量(標準バッテリ使用時)約2.8kg
OSWindows 7 Home Premium 64bit版 SP1Windows 7 Professional 64bit版 SP1

 さて、仕様を見るとわかるのは、本製品には最新のCPUやGPUが投入され、3Dゲームを十分に楽しめる性能を持っていることがわかる。最初にその辺りから見ていくことにしよう。

 まず、CPUだが、2012年の4月に発表されたIntelの第3世代Core iプロセッサー・ファミリーのモバイル版が搭載されている。このCPUは6月初旬から、メーカー各社が発表したノートPCに搭載され始めた、バリバリの新CPUなのだ。

 Core iプロセッサー・ファミリーはすでに第3世代となるが、この最新のCore iプロセッサー・ファミリーでは、アーキテクチャの更新こそないものの、22nmプロセスルールの採用や3D Tri-Gateトランジスタ技術の導入など、トピックの多いCPUだ。22nmプロセスルールの採用で、ダイ(CPUの集積回路が載っているシリコンチップ)上に余裕ができたため、CPU内蔵のグラフィックス機能も強化された。

 「N156J-500A/S」に搭載されたCore i5-3210Mは、CPUコアが2つ搭載されており、Hyper-Threadingテクノロジーによって、1つのコアが2つ分の働きをするため、合計4つのCPUコアが搭載されているように振る舞われる(4スレッド動作する)。これは、Core i5プロセッサーの仕様だ。もちろん、性能が2倍になるわけではないが、効率的にCPUを使うための技術のため、パフォーマンスは上がる。ちなみに、「N156J-500A/S」以外のラインナップに搭載されているCore i7プロセッサーは、4つのCPUコアがHyper-Threading技術により8スレッド動作だ。

 また、Turbo Boostテクノロジーの採用により、CPUの使用状態によって、CPUが自動的にオーバークロックを行なう。具体例としては、マルチコアに対応していないアプリケーションソフトがシングルコアで動作しているときなどに、オーバークロックを行なってくれる。このTurbo Boostテクノロジーは初代のCore iシリーズの上位製品から採用され始めた。第3世代Core iプロセッサー・ファミリーのCore i5プロセッサーとCore i7プロセッサーには、Turbo Boost 2.0が採用されており、CPUだけでなくグラフィックス機能のブーストなどもインテリジェンスにこなすことができるようになった。

 さらに、このN156JシリーズにはすべてNVIDIAの最新GPUである、GeForce GT 650Mが搭載されている。第3世代Core iプロセッサー・ファミリーではグラフィックス機能が強化され、軽めの3Dゲームなどはこなせるレベルになった。しかし、ある程度のグラフィックス性能が要求される3Dゲームなどでは、そういうわけにはいかない。そのため、3Dゲームなどを目的にしたPCにはGPUを別に搭載する。

 GeForce GT 650Mも、CPUと同じく最近登場したばかりの新しいGPUだ。モバイル向けのGPUとしてはミドルクラスの製品となるが、現在発売されている3Dゲームのほとんどを無難にプレイすることができるレベルの実力を備えている。この辺りは、後ほど検証を行なっているので参照してほしい。

 また、GeForce GT 650MにはNVIDIAのOptimusという技術が組み込まれている。これは、ノートPCなどでGPUを搭載した場合、普段はCPU内蔵のGPUでデスクトップなどの描画を行ない、グラフィックス性能が要求される場面ではGPUが動作するというもので、いわゆる省電力機能だ。ユーザーは意識しなくても自動的にGPUの使用をするか判断してくれるため、煩わしい設定などを行なわずにバッテリ駆動時間を延ばすことができる。バッテリに限らなくても、省エネの叫ばれる現在の電力事情を考えるうれしい機能だ。

 メモリは4GBのPC3-10600 DDR3 SO-DIMM(DDR3-1333)が2枚搭載されており、合計8GB。BTOで16GBに変更もできるが、現状は8GBで十分だろう。

 このように、高い性能を持つCPUとGPU、潤沢なメモリを搭載しており、3Dゲームをプレイするために必要な性能を持っていることが仕様からわかる。次はそのほかの機能を見ていこう。


【Intel Core i5-3210M】【NVIDIA GeForce GT 650M】
第3世代Core iプロセッサー・ファミリーの中ではミドルクラスのモバイル向けCPU。GPUやTurbo Boost機能が強化されたNVIDIAの最新GPU GeForce GT 650M。OptimusテクノロジーによってCPU内蔵GPUとの自動的に切り換えを行ない、省電力を実現する




■装備も豪華、全部入り。これ1台で何でもこなす

 このN156J-500A/SはマルチメディアPCとしての機能も高い。15.6型のフルHDパネルを搭載しているため、BDなどのフルHDコンテンツを見るのにも適している。ムラが少なく省電力なLEDバックライト搭載で、モニター部分の厚みも薄くすっきりしている。

 また、標準搭載の光学ドライブは、DVDスーパーマルチドライブだが、BTOで記録型のBDドライブへの変更も可能だ。購入時には動画編集ソフトは付属していないが、Windows Liveムービーメーカーなど、無料で利用できる動画編集ソフトもあるので、動画編集や光学メディアに書き出すこともできる。

 ストレージは500GBのHDDが搭載されているので大量に動画を扱うならともかく、写真の整理レベルなら問題ない。BTOで最大1TBのHDDに換装もでき、逆に容量があまりいらないようであれば120GBや240GBのSSDに交換することも可能でPCの性能向上にもなる。もっと大量にストレージが必要であればUSB接続の外付けHDDを購入するとよいだろう。メモリカードリーダーも搭載しているので、ビデオカメラやデジタルカメラのSDメモリーカードを直接PCに挿してPCに取り込むことも可能だ。スピーカーは多少音が軽く感じるが、サブウーファーの搭載で低音はしっかり出ている。ある程度音楽を楽しみたいと思ったら、外付けのスピーカーやヘッドフォンが欲しくなるところだが、安っぽいというほどでもない。外部出力端子としてDsub 15ピンのほか、HDMIも用意されているので、ケーブル1本で画像と音声をPC用モニターやテレビなどに写し鑑賞することもできる。

 通信機能も充実しており、有線LANの1000BASE-Tや無線LANのIEEE802.11b/g/nのほか、Bluetooth V4.0も搭載している。Bluetoothはマウスやキーボードなどを外付けで使いたいときには便利で、USBドングルなどを必要とせずに利用できる。また、最新のV4.0に対応しているので、対応機器なら消費電力が低く、省電力性能が高い。

 大型の液晶パネルを採用しているため、サイズが大きく駆動可能時間も4時間と短いが、持ち運びをメインにする用途で使うPCではないので、その辺りは深く考える必要はないだろう。逆に、サイズが大きい分テンキー付きのキーボードが用意されているので、10キーを使用するゲームや数字を頻繁に打ち込む際には重宝する。

 OSは、標準の状態ではWindows 7 Home Premium 64bit版 SP1だが、必要であればProfessionalやUltimateも選択できる。ビジネス用途も考えるのであればドメイン利用が必須になることも多いので、そのような場合にはProfessionalにすればよいだろう。


【左側面】【右側面】
本体の左側にはUSB 3.0ポートが2つと外部ディスプレイ出力のHDMIとDsub 15ピンのほか、1000BASE-Tの有線LANのコネクタが用意されている右側面にはUSB 2.0ポートが2つと光学ドライブ、それと電源プラグが用意されている。光学ドライブはBTOによりBlu-ray Discドライブへの換装も可能だ
【メモリカードリーダー】【バッテリ】
本体手前にあるSDメモリーカードとメモリースティックが利用可能なメモリカードリーダー。インジケータはすべて青色LEDだが、小さくてまぶしいほどではなく控え目バッテリ駆動時間は約4時間と短い。本機のサイズを考えれば持ち運び用にはそれほど適さないのでこれでも十分だろう
【内蔵HDD】【メモリ】
本機に内蔵された500GBのHDD。Serial ATA 3Gの製品だが、BTOで交換可能なSSDはSerial ATA 6Gだ。実機に搭載されていたのはWestern DigitalのWD Scorpio Blue WD5000BPVTだったメモリスロットは2本用意されているが、スロットに空きはない。通常は4GBのモジュールが2枚で、BTOで16GBにした場合には8GB×2枚の構成となる




■ゲーム用PCとしての実力を測る

 それでは、実機を使って使い勝手や性能をチェックしてみよう。


テンキーも装備するキーボードだが、テンキーの右端の部分は少し変則的な配置になっている。慣れるまでは多少不便に感じるかもしれない

 まずは触ってみてわかることからだが、キーボードは先に書いたとおりテンキー付きだ。ただ、テンキー部分の配列は横3列となっており、本来なら1番右にあるはずの「-」や「+」のキーが上にある。また、「0」のキーの隣にある「.」も上に移動しており、「0」の隣には「Enter」キーが配置されている。この変則配列は、ゲームでは問題ないが、表計算などの作業を行なう際にはちょっと不便に感じることもあるだろう。ただ、キーの感触はノートPCとしては普通のキータッチ。もちろん、キーストローク(キーを押し込む深さ)はそれほどないが、キーピッチ(キーとキーの距離)は十分に確保されており、ゲーム利用で変に押し間違えるようなこともない。

 ただ、1つ気になったのは、複数のキーの同時使用で「Spece」が効かないことだ。一般的なFPSでダッシュ(“W”キー + “Shift”キー)しながらのジャンプ(“Space”キー)といった動作を行なうことができなかった。ただ、ダッシュしながらのリロードなど、別のキーは使用できるので、どうも「Space」キーだけの問題のようでもある。今回はジャンプなどの動作を、無変換キーに割り当てて試用した。ほかのキーにもジャンプは割り当てることができるので、ユーザーが好きなキーに割り当てればよいだろう。


 モニターは視野角が広く、大きな残像も発生しないため、よくできていると感じる。かなり横から見ても、大きな色の変化がなく、縦方向もモニタと視点の距離が移動して角度が変わってもモニタ部分の角度を調整する必要もなかった。

 では、つぎにベンチマークを行なってみよう。

 ベンチマークソフトは3D性能をチェックできる定番ソフト、「3DMark 11」をPerformanceとExtremeで計測した。また、ゲームプレイを想定したベンチマークソフトを2つ使用している。1つは最新のMORPG「PHANTASY STAR ONLINE 2」のベンチマークソフト、「PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクタークリエイト 体験版」、もう1つは少し古くなるが、「Street Fighter IV Benchmark」だ。「PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクタークリエイト 体験版」は、解像度を1,920×1,080でフルスクリーンに変更。簡易設定の1~5をそれぞれ計測した。「Street Fighter IV Benchmark」も解像度を1,920×1,080のフルスクリーンに変更し、こちらは垂直同期をOFFにして計測した。

 また、実際のゲーム実行中の平均フレームレートを計測するためFrapsを使用している。こちらは、「PHANTASY STAR ONLINE 2」と「バトルフィールド3」と「Diablo3」を使用して計測した。「PHANTASY STAR ONLINE 2」は「ナヴ・ラッピー捕獲任務」というクエストを受注しマルチパーティエリアに入り、敵と戦闘中のフレームレートを計測。5回計測してその平均値を掲載している。「バトルフィールド3」は、キャンペーンモードの「GOING HUNTING」で空母の扉をくぐってから甲板に上がるまでの60秒間の平均フレームレート(1秒間に秒ができる回数)を計測してみた。ついでというわけではないが、起動時間も計測してある(「バトルフィールド3」は1回目の起動に時間がかかる)。「Diablo3」はAct2の最後のボス戦で、最終形態になった敵との戦闘中を計測している。

 最後に、CPUとシステム全体の性能を確認するため、「CINEBENCH 11.5」と「PCMark 7」を使ったベンチマークも行なっている。結果は以下の表にまとめたとおり。また、「3DMark 11」と「PCMark 7」に関してはWebブラウザで結果を確認できるので、そのURLも記載した。

【3DMark 11】
PerformanceExtreme
2261707
【PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクタークリエイト体験版】
簡易設定1簡易設定2簡易設定3簡易設定4簡易設定5
16175201016131042983
【Street Fighter IV Benchmark】
Scorefps
12733109.34
【PHANTASY STAR ONLINE 2】
簡易設定3簡易設定5
74.47153.783
【バトルフィールド3】
起動時間最高
1分49秒31.16729.71723.615.883
【Diablo3】
64.067
【CINEBENCH 11.5】
CPUCPU(シングル)
2.891.19
PCMark 7
PCMark scoreLightweight scoreProductivity scoreCreativity scoreEntertainment scoreComputation scoreSystem storage score
2131179513512505253330591407

 結果を見ると、さすがに最新ゲームを高精細なグラフィックスで楽しむにはちょっと実力が足りないように見える。「3DMark 11」の結果はPerformanceで2,261、Extremeで707と割とよいスコアを記録しているものの、ミドルレンジクラスのビデオカードを搭載したデスクトップPCにはかなわない。しかしCPU内蔵のグラフィックス機能では、ここまでの数値が出ないのは確かだ。

 「PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクタークリエイト 体験版」のスコアの指標は2,000以下が「処理負荷によっては動作が重くなりますので簡易描画設定の調整をお勧めいたします」、2,001~5,000が「標準的な動作が見込めます。余裕が有れば簡易描画設定の調整をお勧めします」、5,001以上が「快適に動作すると思われます。お好みの設定でお楽しみください」となっている。こちらの結果だけを見ると、簡易描画設定の1と2以外の設定では、この指標をみる限りでは難しいように見えるが、ゲーム中のフレームレートを計測したところ、簡易設定5にしても平均フレームレートは50を超えている。筆者は「PHANTASY STAR ONLINE 2」を開始してそれほど経っていないため、多くの敵が出てくるエリアまで体験していないが、それでも、テストを行なったエリアでは、問題なく動いていたことを明記しておく。「Street Fighter IV Benchmark」では、高いスコアを記録しており、快適な動作が望める。

 「バトルフィールド3」の結果は、最高設定では約15fpsとなったが、「低」では30fpsを突破している。実際、設定を高くするとマウス操作のレスポンスが悪くなる。もともとこのゲームは現在存在しているPC向けの3Dゲームとしても、かなり重い部類に入るため仕方ない。ただ、自動設定や低設定ならゲームプレイにそれほど支障は出ないようだ。起動時間に関しても、最新のデスクトップPCで1分を切るかどうかと言うところなので、十分な結果だ。「Diablo3」は、最近のゲームとしてはかなり軽い。内蔵グラフィックス機能でプレイするとなると最新のIntel HD4000 Graphics程度の性能がないとつらいが、GeForce GT 650Mが搭載されている本機なら快適にプレイできるだろう。

 「CINEBENCH 11.5」や「PCMark 7」の結果についてはあまり奮わなかった。これはモバイル向けのCPUであることと、「N156J-500A/S」自体がローエンドであるためCPUがCore i7ではなくCore i5であることが理由だろう。ただし、ノートPCとしては割と優秀な値が出ていると言ってもよい。




■廉価版とはいえ、最新ゲームもプレイできる安価なマルチメディアノートPC

 いくつかのベンチマークソフトを動かして確認したところ、搭載された機能だけ見るならマルチメディア向けのノートPCだが、実際にはゲーマーにもお勧めできる性能を持ったゲーマー向けノートPCであることがわかる。最新の3Dゲームをバリバリと本気でやり込むには多少性能不足の部分もあるが、一部の重いタイトルを最高設定でプレイするのが難しいだけで、設定さえ落とせばゲームのプレイ自体には問題がなさそうだ。また、CPUにCore i7プロセッサーを採用した上位機種もあるため、そちらならもう少しベンチ結果もよくなっただろう。

 本製品のWebショップの直販価格は79,980円と機能や性能を考えればコストパフォーマンスが高く、かなりお買い得感もある。ライトにゲームを楽しむと言ったユーザーにはピッタリの製品と言えるだろう。

(2012年8月3日)

[Reported by 山本倫弘]